日の出は6時34分。暗闇から明るくなっていく風景を見たくて、5時30分に出発しました。標高2,000m近いだけあってかなり冷え込んでいて、氷点下5度は下回っていそうです。
サンライズポイントからの日の出鑑賞
駐車場からヘッドランプをつけて歩き、6時前にはサンライズポイント(Sunrise Point)に到着。さすがに早すぎたのか、誰もいません。

6時08分。ようやく地平線際が赤みを帯びてきました。気温はマイナス8度でしたが、風がないのでそこまで体が凍える感じはありません。

空が少しずつ白んでいくにつれ、闇夜の中からブライスキャニオンの尖塔たちが少しずつ浮かび上がってきます。サンライズポイントにも人が集まりだして、だんだんと賑やかになってきました。

高いところから朝日が当たりはじめると、あちこちで小さな歓声が上がります。「早起きして良かった。」苦行が報われる瞬間です。

時間とともに上部から朱色に塗り替えられていく、絶景と呼ぶにふさわしい光景。

太陽が当たる面と尖塔の影が描く陰影は、大自然のキャンバスそのもので、人間の想像力をはるかに超えています。

今日もよく晴れています。昨日歩いたトレイルを10分ほど下ってみました。展望台はたくさん人がいますが、トレイルを歩いている人はまばら。日本人や中国人のツアー客が多く、朝日だけを見て帰る時間しかないようでした。添乗員さんが「7時に駐車場集合です」と呼びかけていました。ツアーはいろんな場所を欲張って回るぶん、1ヶ所あたりの滞在時間がどうしても短くなりますね。

遠くにある白い尖塔に太陽の光が当たると、まるで内側から光を発しているように見えます。こちら側から直接光が当たっていないのに、光が透き通ってくるような不思議な岩です。

車体全体が凍りついていました。マイナス8度なら納得ですが、車内に置いていたペットボトルまでシャーベット状になっていたのには驚きました。

芝生が白っぽいと思って近づいたら、凍っていました。湿度が低いため、日本の霜のようにはならないようです。

プロングホーン(Pronghorn)にも出会いました。北米に生息する固有種で、チーターに次ぐ世界第2位の俊足を誇る動物です。トップスピードは約88km/hといわれています。

いったんホテルに戻って朝食。昨日買っておいたサラダと、パンにチーズとハムをはさんだ即席サンドイッチです。翌日の昼食分もついでに作っておきました。移動スケジュールが詰まっていたので食事に時間をかける余裕がなく、食費は全体的に安上がりでした。

チェックアウトして、再び国立公園へ。ブライスビューロッジはとにかく公園入口に近いので、あえて公園内のホテルに泊まる必要はないと改めて感じました。
ブライスポイント(Bryce Point)

ブライスポイント(Bryce Point)。これまでのポイントと違い、崖から突き出た場所に展望台があるため、270度ほどの眺望が楽しめます。まさに大パノラマです。

右手には、斜面がまだ崩れかけている段階の地形が見えます。ここからさらに侵食が進み、いずれ尖塔が生まれるのでしょう。

奥から手前へ、サンライズポイント、サンセットポイント、インスピレーションポイントと、昨日から巡ってきたポイントが一望できます。全体を見渡すには最適な場所ですが、尖塔との距離があるぶん迫力は少し遠い印象。それぞれのポイントに異なる良さがあります。

朝より風が出てきて、体感的にはかなり寒い。早朝からずっとマイナス8度のままです。

侵食によって変わり続けるブライスキャニオン。100年後にはどんな風景になっているのでしょう。

スペイン語を話す団体がバスでいっせいに到着して、一気に賑やかになりました。

ジリスの姿もありました。人が近づいても微動だにせず、むしろ餌をねだっているようです。その仕草がなんともかわいい。ブライスキャニオンで最もよく見かける地リス、ゴールデンマントルグラウンドスクワレル(Golden-mantled Ground Squirrel)です。

ステラーカケス(Steller’s Jay)にも遭遇。体長30〜34cmほどで、頭部が黒く体が鮮やかな青のカケスです。大きな鳴き声を発していたのですぐ気づきました。

ピンククリフ(Pink Cliffs)とも呼ばれるブライスキャニオンの断崖は、45kmにも及ぶといわれています。まだ奥にいくつかビューポイントがありますが、道の終点は行き止まりのため、このあたりで引き返します。き返します。

ブライスキャニオンを出発し、ザイオン国立公園(Zion National Park)へ。引き続き絶景のシーニック・バイウェイ、ユタ州立道12号線(UT-12)が続きます。
レッド・キャニオン(Red Canyon)
しばらく走ると、赤い岩肌が目立つようになってきました。

ブライスキャニオンが別名ピンククリフと呼ばれているのに対し、ここは見た目そのままの名前「レッドキャニオン(Red Canyon)」。ディクシー国有林(Dixie National Forest)内に位置するエリアです。

おー、岩のトンネル。レッド・キャニオンには赤い岩盤を貫通させて開削した2つのトンネルがあり、写真はそのうちの1つです。鮮やかなオレンジレッドの岩壁にぽっかりと開いたアーチ状の開口部を車がくぐり抜けていきます。

太陽が雲に隠れて強烈な赤みは薄れていましたが、それでも十分すぎるほどの色。岩肌の形も独特で、走っていた車を道路脇に停めて、思わず降りて眺め入ってしまいました。

ブライスキャニオンからさほど離れていないのに、岩の色も尖塔の形状も微妙に違います。

レッドキャニオンを過ぎると、道はどんどん下っていきます。

やがて国道89号線との交差点に突き当たり、UT-12はここで終点。オール・アメリカン・ロードに選ばれているだけあって、ユタ州道12号線は文字どおり走りながら絶景を堪能できる道でした。
