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vol.05 モニュメントバレー、圧倒的スケールの絶景【2011 アメリカ】

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US-163号線に入ると、高いビュートがちらほらと見えてきます。写真で遠くから眺めているうちはわかりにくいのですが、近づいてみると本当に巨大。

右前方に見えてきたのが、ひときわ存在感を放つAgathla Peak。周囲の平原からの高さは457mで、ずっと前から見えているのになかなか近づかないのも納得のスケールです。ナショナルジオグラフィックに上空からの写真が掲載されるほどの絶景スポットでもあります。

http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/feature/0505/f_5_zoom2.shtml

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そして、ついに見えてきました。
今回の旅でいちばん来たかった場所、モニュメントバレー。

The Monument Valley

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ここでユタ州へ突入。1週間という日程がありながら、今回まわれるのはアリゾナ州とユタ州の2州だけ。50州もある国で、これだけしか踏めないとは、改めてアメリカの広さを実感します。

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US-163号線を右折すると、テンションがどんどん上がってきます。遠くに見えていたビュートが少しずつ迫ってくる感覚があるのに、緩やかな坂を上るにつれて視線の先から消えていく。

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この先はナバホ・ネーション、先住民族ナバホの人々による自治区です。モニュメントバレーは「ナバホ・トライバル・パーク」として管理されているので、入場の際に1人5ドル(425円)を支払いました。

ナバホ・ネーションはアリゾナ・ユタ・ニューメキシコの3州にまたがる広大なエリアで、自治区独自の法律が認められています。たとえばサマータイムはナバホ・ネーション全体では実施されており、アルコールの販売・持ち込みは禁止されています。

名前に偽りなし「The View Hotel」

写真の正面に見えるのがビジターセンター。その右手には、2008年12月にオープンしたばかりのホテル「The View Hotel」があります。

モニュメントバレー自体はもちろん楽しみにしていましたが、このホテルに泊まることもそれと同じくらい、いや、もしかするとそれ以上の楽しみでした。人気が非常に高く、一般の宿泊予約サイトには掲載されていないため、公式サイトからの直接予約が必要です。JTBのツアーコースにも昨年まで組み込まれていたようですが、今年からは確保が難しくなったのか、宿泊プランは消えていました。

このホテルの予約が取れた日程を軸に、今回の旅のスケジュール全体を組んだほどです。

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チェックインを済ませ、部屋へ。オープンから間もないだけあって施設はとても清潔で、部屋も思っていた以上に広くて快適。ベッドはダブル以上のサイズがあり、ゆったりした造りです。

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窓に近づいていくと……思わず声が出ます。おっ、おおっ、おーーーっ。

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バルコニーに出た瞬間、目の前に広がる光景が圧巻でした。すごい。すごすぎる。絶景です。

ビュートはそれほど近くはないのですが、平原からの高さが300mもあるだけに存在感が圧倒的。視界いっぱいに広がる赤茶けた大地と、どっしりとそびえる岩山の塊。贅沢すぎる眺望です。

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ホテルは3階建てで、料金は階数によって異なります。1階が最も安く、3階が最も高い設定。今回は奮発して最上階の3階を選びました。1階は地面に近い分、眺望がやや限られるようです。3階は最上階なので、バルコニーの上部が開放されていて空が広い。

1室200ドル(17,000円)は高いと思っていましたが、このロケーションなら安いくらい。1階はたしか40ドルほど安かったと思います。

また、フロント側に近い部屋だとレストランや展望台が眺望を遮ることがあると事前にブログでチェックしていたので、できるだけ遠い側の部屋をリクエストしていました。

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ベッドの上に寝転がったままでも、ビュートを眺めることができます。モニュメントバレーを訪れるなら、The View Hotel は絶対におすすめです。

http://monumentvalleyview.com/

バレードライブへ

モニュメントバレー内には約27kmの未舗装路があり、観光方法はナバホ族が主催するジープツアーに参加するか、自分の車でドライブするかの2択です。

「地球の歩き方」ではツアーを推奨していますが、車がオープンエアーなので土ぼこりがひどいだという。団体行動ではゆっくり写真も撮れないだろうし、なにより参加費が高い。わずか1時間30分で1人60ドル(5,100円)だというから、2人分だとかなりの出費です。

ナバホ族のガイドなしでは立ち入れないエリアもあるようですが、そこは潔く諦めることにして、セルフドライブを選択。未舗装路とはいえセダンでも走っている車を見かけるし、今回はそもそも4WDを借りているので心配は少ない。気がかりなのは、レンタカーがオフロード走行時には保険適用外になること。まあ、慎重に行けば大丈夫でしょう。

自分のペースで絶景の中をドライブして、好きな場所でゆっくり景色を眺められる。しかも追加料金なし。これはもう、レンタカーで行くしかありません。

出発時点ですでに17時。ユタ州に入って時計を1時間進めたので、実質18時スタートとなってしまいました。日が長い季節とはいえ、さすがにかなり遅い出発です。

モニュメントバレー

ホテルを出ると、いきなりオフロードのでこぼこ道を下っていきます。坂道なのでセダンだと少しきつそうですが、普通に走っている車も多いので、4WDなら問題なし。予想どおり土ぼこりはかなりひどく、ツアーに参加しなくて正解でした。

下に降りてくると、目の前にモニュメントバレーのシンボル的存在である3つのビュート。ホテルが高台にあったぶん、実際に地面に立つとその高さに改めて圧倒されます。(写真では伝わらないけど)

モニュメントバレー

イメージしていたアメリカの原風景そのもの。砂漠のような地表が延々と続く中に、ビュートが点在しています。

モニュメントバレー

道はところどころ小さな凹凸があるものの、ほぼフラット。左にそびえるのはMerrick Butte(メリック・ビュート)です。「Merrick」とは、このナバホ族の聖地にある銀鉱に足を踏み入れて命を落とした人物の名前だという。バレードライブのルート以外への立ち入りは観光客には禁止されています。少しだけ、ちょっと怖い話です。

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バレードライブにはおすすめのビューポイントが数カ所あり、入口でマップを渡されます。それぞれ駐車スペースが設けられていて、ここは第1ポイント。写真だとそれほど大きく見えないMerrick Buteですが、高さは328m。東京タワー(333m)より5mしか低くない。感覚が麻痺しそうです。

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続いてWest Mitten Butte(ウエスト・ミトン・ビュート)。西側にある手袋型のビュートで、右に突き出た尖峰が親指にあたるようです。高さ324m。日が傾き始め、ビュートが徐々にオレンジ色に染まってきます。

モニュメントバレー

第2ポイントはElephant Butte(エレファント・ビュート)。なるほど、言われてみれば象の造形です。高さ323m。近くに車が走っていると、そのスケールの大きさがよくわかります。

モニュメントバレー

ちなみに入口の案内板「2 ELEPHANT BUTTE」を見て、2頭いると思い込み、もう1頭をしつこく探し続けました。当然、見つかるはずもありません。

モニュメントバレー

夕陽を受けたえんじ色のレンタカーがワインレッドに輝いて、赤茶けたモニュメントバレーの風景にぴったり。まるで車のCMのワンシーンのようです。

まだまだバレードライブは序盤ですが、テンションがどんどんあがっていきます。

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第3ポイントはThree Sisters(スリーシスターズ)。少し逆光で距離も遠く迫力には欠けますが、それでも不思議な造形。いったいどうやってこんな形ができたのだろう。

モニュメントバレー

第4ポイントJohn Ford Point(ジョンフォード・ポイント)。その名のとおり、西部劇の巨匠ジョン・フォード監督がお気に入りの撮影地として繰り返し使ったポイントだという。「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3」や「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」などの撮影地にもなっています。今、自分は西部劇の世界にいる。

モニュメントバレー

ここからは走ってきたバレードライブを振り返ることができて、ジョン・フォードが気に入ったのも納得の風景です。ビュートの影がだいぶ長くなってきました。ジョンフォード・ポイントも、西側にそびえるMitchell Mesa(高さ343mだという)の影の中に入り、風もあってかなり涼しく感じます。

ホテルの部屋から夕景を眺めるのも楽しみにしていましたが、バレードライブの続きのほうが楽しそう。日が暮れるまで、この西部劇の世界を走り続けることにします。

モニュメントバレー

ジョンフォード・ポイントからはThree Sistersが近くに大きく見えます。ただ残念ながら影に入ってしまい、シルエットが浮かぶだけ。

次のポイントへ向かおうとしたところ、道幅が狭くなり両サイドから草がせり出してくる。かなりハードな道だと思っていたら、どうやらルートを外れていたようで、地元の方から「あっちだよ」とゼスチャーで教えてもらいUターン。

モニュメントバレー

でもそのおかげで、Three Sistersを目の前で間近にはっきりと見ることができました。狙ったわけではなかったけれど、これはラッキー。正規ルートからは見えない角度で、3人姉妹がかっこよく並んでいます。

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第5ポイントはうっかり見落としてしまい、第6ポイントThe Hub(ザ・ハブ)。名前の意味がわからないまま撮影したのですが、後で調べると「車輪の中心(ハブ)」のこと。写真の右端にちょこんと写っている小さな円形のビュートがそれで、背景の丸みのある美しい台形はThunderbird Mesa(サンダーバード・メサ)でした。

モニュメントバレー

日差しがかなり傾いてきて、車の影もぐんと伸びてきます。左手にRain God Mesa(レイン・ゴッド・メサ)の一部が突き出していますが、先ほどのWest Mittenよりもむしろ手袋らしい形をしていて、指の形もしっかり見て取れます。

モニュメントバレー

第8ポイント「Totem Pole – Ye Bi Chei」、「Sand Spring」。そういえば現地の看板は数字が消えていますね。Ye Bi Cheiはナバホ族の伝説に登場する踊り子たち、Sand Springは砂漠の中の水源を指す地名。Totem Pole以外はいまひとつピンとこないまま、ビューポイントからもう少し近づける場所があるようなので、再び車に乗って近寄ってみます。

モニュメントバレー

Totem Pole(トーテムポール)」。名前を聞いた瞬間に見つけられるほど、見事なまでに直立したビュート。その左背後にあるのが「Ye Bi Chei(ナバホ族の伝説に登場する踊り子たち)」。

モニュメントバレーはどうやって生まれたのか。この赤い砂の地層は約2億7000万年前のもので、川底に堆積した砂が高濃度の酸素によって酸化し、茶褐色になったものです。その後、約7000万〜5000万年前にロッキー山脈が隆起し、そこから流れ込んだコロラド川が大地を削り、さらに風化・雨水・温度差による侵食が重なって、現在の姿が生まれました。元はひとつの大地だったとは、驚くしかありません。

そしてビュートが記念碑(モニュメント)のように見えることから、この地はモニュメントバレー=「記念碑の渓谷」と呼ばれるようになったといいます。現在も侵食は進み続けており、いずれは消えゆく運命にあるとのこと。

モニュメントバレー

言葉が出ません。まさに絶景でした。夕陽を受けた茶褐色のビュートが見事に染まり、響くのは風の音だけ。時間が止まってほしいと思えるシーンでした。

モニュメントバレー

太陽が完全に沈んだところで、残り3つのビューポイントは翌朝に回すことにして、ホテルへ戻ります。街灯はまったくないので、暗くなると正直少し怖い。万が一車が故障しても、ほとんど車が通らない場所ですし。

モニュメントバレー

右手にCamel Butte、正面左にThree Sisters。浮かび上がるシルエットもとても綺麗です。

モニュメントバレー

無事、駐車場に戻ってこれました。すでに午後8時20分、西の大地にすっかり太陽は沈んでいました。

モニュメントバレー

最後にしつこくビジターセンター横の展望台から、ミトンとMerrick Buteを眺めます。この風景、自然の造形美というよりは、神様のいたずらとしか思えません。

http://www.google.co.jp/maps/ms?msa=0&msid=208356270377387386564.0004b2e7db302f11023d3&brcurrent=3,0×0:0x0,0&ie=UTF8&t=h&vpsrc=6&ll=36.953459,-110.079918&spn=0.068589,0.085659&z=13&output=embed
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ホテルでディナー

モニュメントバレー

砂漠のような乾燥地帯は気温差が大きく、夜になるとかなり冷え込んできました。周辺にはレストランも商店もまったくないので、ホテル内のレストランへ。モニュメントバレーを眺めながら食事ができるとあって人気があり混雑するそうですが、外が真っ暗になった時間帯だったおかげで、比較的すいていました。立地を考えると値段が高いかと身構えていましたが、想像より手頃でした。

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昨日セドナでやみつきになったリブステーキ25ドル(2,100円)を注文。サラダバー付きでした。ダメもとで聞いてみたものの、やはりライスはなし。付け合わせはマッシュポテト、パン、ズッキーニです。

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和牛のようなサシはないけれど、赤身肉がとにかく柔らかくてジューシー。ライスがあれば最高でしたが、それでも十分に美味しい。

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そしてここに来たら食べようと決めていた、ナバホのトラディショナルフード「ナバホタコス(NAVAJO TACO)」。大きな揚げパンの上にタコスの具材をのせたもので、本来はお皿サイズのピザほど大きいのですが、隣の席でミニサイズを頼んでいる人を見てちょうどよさそうだったので、同じものを選びました。7ドル(600円)。それでもボリュームたっぷりで、お腹いっぱいになりそうなほど。

辛いサルサソースと濃厚なアボカドディップをのせながらいただきます。野菜もたっぷり食べられて、大満足の一皿でした。

ホテルはナバホ・ネーション内にあるため、アルコールの提供はなし。メニューにはノンアルコールビールが置いてありました。

なぜナバホ・ネーションではアルコールが禁止なのか。もともとナバホの人々の生活にアルコールは存在しなかったのですが、17世紀に白人が持ち込んだことでアルコールへの耐性がなく依存・中毒が急速に広まり、深刻な社会問題となったためだという。現在はアルコールの飲酒のみならず、持ち込みも禁止となっています。

Star View Room

モニュメントバレー

午後9時30分。部屋に戻ってバルコニーに出ると、満天の星空。周囲に大きな街はなく、建物もこのホテルだけとあって、星がよく見えるのです。

ただこの時間になると、バルコニーはかなり寒い。ダウンジャケットを着込んで、持ち込んだビールを飲みながら、凍えつつ夜空を眺めていました。
※客室へのアルコールの持ち込みと飲酒は許可されています。

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最上階のStar View Roomはバルコニー上部が開放されているぶん、星空も広く見渡せます。

さすがに眠気には勝てず、寒いバルコニーでうとうとするほど。セドナで夜明けから動いていたのだから無理もありません。翌朝も早起きが必要なので、午後11時に眠りにつきました。