旅のハイライトに気分を高めて。
目覚めはすばらしかった。心地よい空調、ふわふわベッドに包まれて心身ともにリフレッシュできた。今日も昨日に引き続きいい天気で窓の外は青空が広がっている。裸で太陽を浴びすぎたのか、少し肩のあたりがひりひりと少し痛い気がする。これ以上日焼けするのはごめんなので、今日は泳ぐのは辞めておいたほうが良さそうだ。
目覚めのシャワーを浴びて、ドライヤーを使って髪を乾かした。ゲストハウスにはドライヤーがないので、ドライヤーを使ったのは久しぶりだった。しばらくベッドの上で寝転がりながら、テレビでサッカーを見ていた。チャンネル数が多いことからケーブルテレビのようで、サッカーの試合は欧州中心に何チャンネルか放送していた。
昨日に洗った洗濯物がまだ乾いていなかった。さすがに部屋の中では乾かないか。ドライヤーを使って地道に乾かすしかない。そんなことをしているとチェックアウトの12時になった。昨日の12時にチェックインしていたので、まるまる24時間利用したことになる。そう思うと高いホテル代も少し安く感じられた。


ホテル代はクレジットカードで払うことにした。日本円は持っていたのだが、いったん日本円に両替するとレートがかなり悪い。ベルボーイはとてもフレンドリーで、いっしょに記念撮影したり、しばらくしゃべったりしていた。
「これからどうするの?」聞かれたので、「バタワースからマレー鉄道でバンコクへ」と。バタワースへ「じゃあバタワースまでタクシーで行くんでしょ?」と聞かれたが、「路線バスで行く。」と答えたら、ビックリされた。このホテルに泊まっている客層を考えると、路線バスを使うのは珍しいのだろう。近くのバス停から、例の荒っぽい走りをする路線バスでジョージタウンのフェリーターミナルへ向かった。
さあこれからが旅のハイライト。マレー鉄道の夜行列車1本で国境を越えて、22時間かけてバンコクへ至る。今回の旅のテーマでもある「マレー半島縦断」から考えると、まさにここかわメインイベントだろうし、もっとも楽しみにしていたイベントでもある。また、バンコクへの期待感も高まっていた。しかもいいホテルで宿泊したので気分もとても良かった。


ジョージタウンからフェリーに乗ってペナン島を後にした。マレーシアともこれでおさらばだなあとか、少し感傷的になった15分の船旅であった。フェリーの売店で、パンを購入してかなり遅い朝食としたが、これが意外とおいしかったので、もう1つ追加購入した。
フェリーは車とバイクでかなり混雑している。乗船前にもかなりの長い列を作っていた。ペナンブリッジでペナン島とマレー半島は繋がっているのだが、遠回りなのだろうか、通行料金が高いのだろうかと不思議に思った。
バタワースについてから列車の出発までまだ時間があったので、バスターミナルの上の3階のショッピングセンターで少し買い物をした。爪が伸びてきていたので、爪切りを購入した。

バスターミナルの上の2階は売店と飲食店街になっていた。まだおなかが空いていたので、マレーシア中華の名物「ホッケンミー」を食べた。ホッケンミーは2種類の麺が入っていた。春雨のような細い麺と普通の米の麺だ。味付けはというと、かなり辛い。
一枚の張り紙。
さあ1時間前になったので、駅のほうへ向かった。するとなにやら改札の横に鎖が引いてあるではないか。そこには張り紙がしてあって、それを読むと「運行中止」と書いているではないか。これはただ事ではない。とにかく窓口へ行ってみた。係員はとにかくバタワースまでは電車がいくらしいが、その先は分からない言う。で、明日はと聞いてみると、明日も明後日もわからないという返事が帰ってきた。焦っていたので理由を聞くのをすっかりそのときは忘れていた。いつでるか分からないようではどうしようもないので、切符は払い戻してもらった。気持ちはバンコクに向いていたので、なんとしても早くバンコクに行って、ソンクラーンに備えたかった。
駅の窓口のまわりには他にも困った客がいて、タクシーの客引きがきていた。何人かでシェアして、タイの最初の街ハジャイまでいかないかということだった。値段も聞いていなかったが、タクシーで行く気にはなれず、なんとしてもバンコクに早く着きたくなった。すると頭の中には「飛行機」という交通手段が浮かんできた。ペナンからバンコクなら、そんなに遠くないし、値段もそんなにしないだろうと思ったからである・頭の中はパニック状態に近く、その他のことを考えられなかったのかもしれない。
まずフェリーでジョージタウンに戻った。しかし、先ほど「ペナンよ、さようなら。」とか思っていたのに、またフェリーに乗るとは夢にも思わなかった。ジョージタウンのフェリーターミナルからタクシーに乗った。交渉して20RMだったが、わりと長い道のりだった。タクシーは客を乗せていないときは、クーラーを切っているようで、乗ったときは熱気ムンムンだったが、だんだん涼しくなってきた。
静かに乗っていると、突然「コンニチワ!」と日本語で話しかけてきた。どうやら日本語はそれしか分からなかったようだが、それから話がはずんだ。彼はインドネシア人でなかなか楽しい運転手だった。奥さんはマレーシア人で、4歳と2歳の子どもがいるらしい。年は確か27歳で、ちゃんとペナンヒルに上るケーブルカーの近くに家もある。自分は仕事も辞めて、ぶらぶらしていることを考えると、妙にえらいなあとか思ったりした。それから給料はどのぐらいとか貰っているとか、あと「サヨナラ」とか「アリガトウ」などの簡単な日本語を教えた。とにかく陽気な性格な運転手だった。話もはずんで、途中渋滞してたというのにあまり気にもならなかった。パニックになっていた頭の中が少しおちついたようだった。

40分ぐらい走っただろうか、ペナン国際空港のターミナルが見えてきた。あまりにも話が楽しかったので、思わず写真を撮らせてもらった。ターミナルに入ると、まず出発便の案内板を探した。テレビ画面に目をやると、バンコク行きの便がひとつもない。20時ぐらいまでの便が案内板に入っていた。空港内にはマレー航空のカウンターしかなく、そこで聞いてみた。すると今日はもうバンコク行きの便がないらしい。大都市のバンコク行きの便がもうないなんて。明日は8時30分にバンコク行きの便があるらしい。その便は空きがあるようで、値段は確か550RM(18000円)でかなり高い。そのときはすぐにそれでお願いしますと言ってしまった。係員が予約作業をしている時間は1分ぐらいはあっただろうか。そのときになって、冷静に考えてみると18000円といえばかなりの大金である。そのほかの交通手段も考えてもいなかったが、やっぱりキャンセルしてもらった。
天国から地獄へ。
しばらく空港内をうろついてみたが、さほど大きい空港でもなかった。とにかくジョージタウンまで戻ることにした。そこに行けば、旅行代理店で安くチケットが入るだろう。また、ゆっくり考えてからでも航空券の予約もできるだろうし。空港から各地へは料金が決まっていた。先ほどと同じ20RMだった。ここへくる時のタクシーもほぼ相場だったのだろう。タクシーの運転手と話していると、バンコクへはバスで行ったらいいと行ってくれた。ミニバスでハジャイまで4時間、そこから大きなバスで半日ぐらいで、安いらしい。そして、今日の16時にチュリア通りを出るバスがあるようだ。とにかくチュリア通りまで行ってもらうことにした。しかし時間は15:30をすでに過ぎていた。こんなときに限ってまた渋滞するもので、結局チュリア通りにきたときはもう16時を過ぎていた。うまくいかない時は、こんなもんである。

チュリア通りにあるわりときれいな旅行代理店で、バンコクまでの航空券の値段を聞いてみた。すると535RMでそれ以上は安くならないらしい。正規運賃から15RM安いだけではどうしようもない。たった500円。そんなに便もないのだから、競争しているはずもなく、高いのは当然だろう。しょうがないので、チュリア通りをしばらく歩いて、先ほど運転手が教えてくれた、バスのチケット屋に行ってみた。今日の便は16時が最終で、明日のバスは5:00、8:30、15:00にあるようだ。さすがに5時も早いようだが、チケット屋のインド人らしき店員に聞くと、夕方にはつくらしい。以外にも早く着くのだなあと少し疑ったが、夕方はだめにしても日が変わるまでには着くだろと思った。値段は88RMと決して安くないが、距離が距離なのだろう。
これで今日もペナン島に泊まることになった。チュリア通りをうろうろ歩いていると、入り口付近がバーになっている広い「ブルーダイヤモンド」ゲストハウスがあった。そのバーもスポーツバーのようで、サッカーのヨーロッパ選手権を放送するらしい。サッカーを見たかったのでが、ここに泊まることにした。いろいろ部屋があったのだが、疲れていたのでエアコンだけは譲れなかった。すると一番高い部屋になってしまって、45RMもしたが、5RMだけまけてもらった。なぜか部屋はばかでかかった。
かなり疲れていたのだが、今からぐったり寝てしまうと、夜中に起きてしまいそうで、そのままウロウロすることにした。さすがに観光地めぐりをする気力は残っていなかった。チュリア通りはまさしくバックパッカーの溜まり場で、ゲストハウスも多いし、ネットカフェも多い。久しぶりにメールをチェックすることにして、そのまま1時間ほどネットで日本語を楽しんだ。
朝5時に出るということは,4時半にはおきなければならない。すると10時ぐらいには寝たいところだ。夕食はコムタタワーのケンタッキーフライドチキンで食べた。ペナンといえば、屋台が多いことで有名なのだが、さすがに屋台で食べる元気もなかった。かなり心身ともに疲れていて、夕方からはあまり記憶がはっきりせず、ほぼ惰性で行動していたような気がする。ゲストハウスでモーニングコールのお願いだけしておいて、シャワーを浴びて寝ることにした。昨日とはうってかわって疲れた1日だった。まさに天国と地獄を味わった気分。

