vol.2 シンガポール|2001 マレー半島縦断

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長かったトランジット

2001年4月2日

幸いなことにロビーにあったテレビのチャンネルが替えることができたので、朝の5:00からロビーのテレビでNCAA(全米大学バスケットボール選手権)を見て時間を潰せた。試合が終わるころには7時をすぎ、空港内には職員や、店舗スタッフが出勤し準備を始める。

さすがにベンチに寝そべっていると迷惑になりそうだったので、マクドナルドで朝食をとった。韓国限定なのか分からないが日本で販売していないシュリンプバーガーを注文したが、ぷりっとした食感で旨かった。やはりポテトフライにはケチャップがついてきた。やはりケチャップがつかないのは日本だけか?

3階の国際線出国エリアのチェックインカウンターに足を運ぶと、ものすごく大きい。天井も高くかなりの開放感がある。余裕で関西空港負けている。午前中ということもあって出発便が多いのかかなりの混雑している。しかし良く見ると混んでいるのは大韓航空のエコノミークラスだけだった。3時間前になったのでチェックイン済ませ、あわせて無事に大韓航空スカイマイルのマイレージカードも発行してもらった。

空港施設使用料の値段の高さでは関西国際空港が2650円でかなり高いが、仁川国際空港もなかなか高い。外国人は15000ウォン(約1500円)だが、韓国人はさらに高く25000ウォン(約2500円)らしい。普通は外国人の方が高いことが多いのだが、関西国際空港からハブ空港の座を狙っているの施策なのだろうか。それで韓国国民から苦情はでないのだろうか。

出国手続きは日本人は信用があるのかスムーズにすすむ。逆にアラブ系の人は時間がかかっているようで、昨日に続き前に並んでいたアラブ系の人は空港職員に別室に連れて行かれた。なるほど日本のパスポートが闇市場で高く売買されるわけだ。出国手続き後は、やはり寝不足だったのでゲート前のベンチでまたしばらく寝てた。

搭乗案内があり、機内へ乗り込む。機材もB777-300と大きい。やはり多民族国家シンガポール行きということもあり、たくさんの人種の人が乗っていた。離陸後、韓国の西海岸、済州島の上空を通過。やがて機内サービスの時間になる。日本からの近距離線と違い、機内食も選べてしっかりしたものだった。到着1時間前ぐらいにもサンドイッチの軽食サービスもあった。

空の下に東南アジアの景色

ソウル出発から6時間、徐々に高度を下げ始める。見覚えのある形の島、ティオマン島が見えてきた。マレー半島にさしかかると、規則正しく並べられたゴムの木が一際目をひいた。ゴムの木の森の中心には工場と家らしきものが固まっている。そうだこれは子供のときにならった「プランテーョン」。やっぱり勉強はしておくものだと思った。東南アジアの森はすごく緑が濃く感じる。先入観がそうさせているのかも知れないが。さらに高度を下げ海が近づいてくると、シンガポールの島がみえてきた。海沿いには多くのタンカーが停泊している。シンガポールチャンギ国際空港に着陸した。残念ながら、外は雨が降っているようだ。

着陸間近。旅が始まるこの瞬間のワクワクとドキドキが堪らない。

路線バスでダウンタウンへ

入国審査と税関を抜け、両替を済ませる。時計は午後6時を少し回っていた。自動ドアを抜け、外に出る。

もっとむっとした暑さを想像していたが、思ったよりも暑さは穏やかだった。雨上がりのせいだろうか、しっとりとしているが息苦しさはない。

整然としていて、タクシーの勧誘や客引きの姿も見当たらない。タクシーを使う予定のない私には都合がいい。それでも、東南アジアの入口としては少し拍子抜けする気持ちもあった。あの熱気や混沌をどこかで期待していた。

とにかく路線バスターミナルを探す。バンコクと違いエアポートバスというのがないようである。ただ英語圏の国であるから、探し物は簡単に探せる。バスの乗り場は地下にあった。だいがい6本ぐらいの路線バスが走っているが、丁寧に案内が書いてある。さすがシンガポールといわざるをえない。ガイドブックで調べるとシンガポールの安宿街は「ベンクレーン・ストリート」に集まっているようだ。近くを通るバスは36でYMCAというバス亭で降りると近いらしい。小銭がなかったので、前の売店でお茶を買って、崩す。小銭を抱えて、バスに乗り込む。運転手に行き先を告げると1.5S$払って、レシートのような切符をもらった。プリペイドカードでいくとなぜか少し安い。観光客以外はほとんどプリペイドカードを使用していた。

始発ということもあり、席は半分以上空いていた。バックパッカーらしきは向かいの東洋人女性3人組と横の欧米人女性。しゃべりかけようとも思ったが、さすがに昨日から寝てせいもあり、辞めた。それでも横と前に座っているせいもあり、話は気になる。向かいの東洋人は見た目おそらく韓国人かなとも思ったが、周辺で場所をきいてるところをみると、中国語で話している。となると中国か台湾だろうか?横の女性はドイツらしい。そんなとこより、自分がどこを走っているのかを知ることが先決で一番前の席をとったので、ずっとフロントガラスを見ていた。わりと勘のいい僕だけど、地図をみててもさっぱり。まだだろうけど、途中で気になったので、運転手に「YMCAまでいくつバス停にとまりますか?」って聞いたら、「分からない。」といわれてびっくりしたけど、その後に「まだ遠いから。」って。ホッとした。街の中にはいると、目印になる建物が見えてくる。地図と見合わせていると自然と今通っている場所がわかってきた。しかし、なんと綺麗な街だろうか。その建物すべてが日本流にいうと「おしゃれ」な感じである。今東京で大震災が起きて、最初から街をつくったらこういう感じかなといった具合である。そんな街中で向かいの女性3人組は降りていった。どこに泊まるのだろうかと考えているうちに、つぎがYMCAだろうという場所になったので、「次?」と運転手にきいたら、頷いたので停車ボタンを押しておりた。雨はあがっていたようだが、東南アジア独特のムッとした空気を感じた。空港を降りて以来、ちゃんと外に出たのは初めてで、やっとアジアにきたのだなあと感じた。

初の安宿探し。

さてさて、安宿さがしである。ベンクレーン・ストリートをすすんでいくと、ゲストハウスらしき建物発見。しかし、あまりにも不気味である。なんといっても、安宿デビューということもあって、すんなりと綺麗ではない建物は受け入れられないものである。決して、安宿ではいけないかとそういうわけでもないのだが、普通の個人旅行とさほど変わらない気もする。俗にいう旅先の出会いとかそういう機会もないかなと。僕が言っている旅先の出会いとは男女の出会いではないのであしからず。あと前回バンコクにいったときに、カオサンを断念していたので、今回はぜひ泊まりたいという気持ちもあった。

その建物は通り越して、道をすすむと、また怪しい建物の前で客引きをしている人に声をかけられる。「ハワイアンホステル」とかいてある。確か地球の歩き方にもかいてあったと思うので、まあ問題ないと思いそのまま中にはいっていった。フロントは3階である。料金表があった。値段は12S$。とりあえずドミトリーをみせてもらったら、エアコンなしで蒸し暑くて、男子ドミトリーだったからか、あと少々汗臭いような…。昨日からさほど寝てないせいもあり、これで寝るのはつらい。「シングルはある?エアコンはある?」と聞いたらあるとのこと。見せてもらうと窓はないのだが、さすがにエアコンがあり、涼しい。エアコンつきなので28S$と倍以上するのだが、即決!お金は前払い制で、その日に泊まる分だけ払えばいいらしい。また次の日も泊まるのだったら、その日の昼間に払うというわけみたい。パスポートの番号だけ控えて、部屋に寝転がる。疲れのピークはすぎて、それよりもワクワクしていてそのまま寝ずにはいられなかった。治安的にシンガポールはよいということなので、外をぶらり散歩するつもりで出て行った。ちゃんとバックパックはくさりでつなぎとめて、貴重品は持ち歩きである。

左の白いネオンの建物がハワイアンホステル
お世辞にも綺麗ではなかった…

美味ホーカーズ

外を出るころはもう完全に暗く、ゲストハウスを振り返ってみると、こんな汚いとこに泊まっている自分に妙にうれしくなってくる。今までは普通もしくは高級ホテルにしか泊まったことがない自分が、ゲストハウスに泊まったことによって新しい旅のスタイルをはじめられたことに対する喜びとこれからの旅に対する期待感にうれしくなったのだと思う。しかし、後から考えてみるとなぜ「ハワイアン」なのかぜんぜん分からない。
Hawaii Hostel 171a Bencoolen St, シンガポール 189641

地図を見てみてみると、意外と中心部はコンパクトになっていて、歩ける距離でいろいろ行けるようだ。シンガポールの名所といえば、「マーライオン」である。がっかり名所のような存在であるらしいが、それがゆえに見たくもなるし、特に時間の制限もないし、それを目標に歩き出した。午後8時を過ぎていたこともあり、いささかお腹がすいている。

とりあえず食べれることを探すのだが、最初の見つけた屋台はどうやらマレー料理系でちょっと食がすすみそうにもない。しばらくいくと中華料理の小さい店舗が集まった「ホーカーズ」とよばれるところに出てきた。それぞれの店の上には料理の写真が電光をバックにきれいに写し出されていて、料金もはっきりと書いてある。これならボラレル心配もない。まあシンガポールではそういう雰囲気はないのだが。しかもそれぞれの店がかなりおいしそうなのである。

ワンタンメン! 2.5S$(約175円)

見移りしながら歩いていると、ひとりのおじさんが「ワンタンメン!オイシイ!」と日本語で声をかけてきた。日本人って違いが分かるのか?ワンタンメンかあ。料理写真をみても確かに美味しそう。ワンタンメンは日本語であるようで、正式名称はワンタンミー。1人前を2.5S$のワンタンミーを注文して、席にすわる。しばらくすると、飲み物の注文を別の人がとりにきた。ちゃんと飲み物はそれの店があるようである。まわりを見渡すとちらほら観光客も見えるが、ほとんどが地元の人で賑わっている。んー、これこそ地元の料理屋だあ。ワンタンミーがでてきた。外見いかにもおいしそうである。メンはいかにも中華料理の麺だが、日本の中華料理屋で食べる麺よりぜんぜんおいしい。スープも薄い味をベースにつけられて、ワンタンもかなりいける。薬味のチャーシューもおいしい。食べた時、こんなにおいしいものがあるのなら、シンガポールの滞在は長くてもいいなと思った。そこの主人としばらく会話を楽しんで、席をたった。

大都会の白いライオン

湿気はあるのだが、気温はそこそこで汗がでるというほどでもない。気をよくしていい気分で街をあるく。ラッフルズホテル、戦争記念公園を眺めながら歩く。しかし、歩けば歩くほどシンガポールのビル郡の夜景が美しくみえてくる。ただ心の中で「きれいだあ」とつぶやくばかり。イルミネーションとはいわないだろうか?だがそういってもおかしくないようなほどきれいな街である。そういえば、香港にいったときとビルの夜景は見ているのだが、その地上部分はまったく違う。香港はビルのしたに多くの人が行き交い、店が並び、さまざまなネオンが街をいろどる。いかにもアジア的なのに対して、シンガポールはやはりヨーロッパ的に見える。といって、ヨーロッパに行ったことはないのだけど、アジアにいるようには見えない。それでも、唯一湿気のある生暖かさがアジアを感じさせる。

マーライオンとアンダーソン橋

そうこう30分ほど、歩いているうちに、整備された公園の道を抜けて、マーライオンが見えてきた。マーライオンは上半身がライオンで、下半身が魚をしている、白い像である。シンガポールの名前の由来であるシンガ(サンスクリット語)のライオンと港町の象徴として魚を用いたようである。がっかりというよりは、背景の綺麗なビル郡とマッチしているように見える。あれをがっかりと呼べば、日本にはもっとすごいがっかり名所がある。

高層ビルが立ち並ぶマリーナセンター地区。一番高いのはミレニア・タワー223m。

マーライオンのある公園からしばらく歩くと、運河を挟んでポートキーが見えてきた。いくつもの色のネオンが水に映り、その賑やかさをあらわしているようだった。実際に近づくと、道を挟んで運河沿いにオープンテラスのレストランが並び、反対側にはたくさんのバーが建ち並ぶ。バーの中には女性がつくような店もあり、シンガポールにもこういうところはあるのかあという感じであった。客の大半は、いたって欧米人が主流であった。観光客がメインなのかとそのときは思ったが、すぐ裏にはシンガポール一のオフィス街があり、欧米人がたくさん働いていたので、それだけでもないようである。その賑やかさを通り抜けて、帰りは歩いて変えるにはちょっと遠いようなので、地下鉄で帰ることにした。

シンガポール川沿いの

意外と快適な安宿

シンガポールの都市交通の中心はMRTと呼ばれる都市部では地下、郊外では地上を走る電車である。本数も多く、非常に便利。バンコクの新交通システムBTSとは違い、ちゃんと市民に根付いているようであった。ここでもカード式になっていて、コインでしか切符を買えないのが不便。確か何年か前に日本のテレビやっていたが、このMRTをつくったのは日本の企業だったと記憶している。しかし、シンガポールの発展を考えると、今では自国のなかでつくってしまいそうである。そのMRTは乗り心地はやはりよく、快適であった。ラッフルズ・プレイスから ブギスまでで0.8S$だった。ブギスで降りて、約10分ほどでゲストハウスに戻れた。

 部屋にはいってさあ、シャワーを浴びることにした。トイレ、シャワーは共同利用になっている。ほぼそんなことは当たり前に近いようである。逆に変に部屋にないほうが清潔でいいかもと思った。トイレの中にシャワーがあるといった感じで、便器をまたぎながらシャワーを浴びるといった感じになる。1箇所だけシャワーオンリーの場所があったので、そこで浴びることにした。簡易湯沸し気がついていて、そこそこ暖かいお湯が出てきた。2日ぶりのシャワーはとても気持ちが良かった。あわせてはそのままパンツとシャツを石鹸で洗って、部屋で干すことにした。そのトイレとシャワーのあるスペースが唯一の共同スペースらしく、溜まり場と呼べる場所はなかった。まあ洗濯者を干すスペースぐらいはあったが。ベッドで横になり、明日はどこにいこうと考えたり、心踊らされていた。かなり運転音の大きいエアコンが耳についたのだが、昨夜のベンチ比べれてなんてことはなく、あっさりと寝てしまった。

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