vol.5 懐かしの肉骨茶を求めて、クアラルンプールトランジット|2010 東南アジア周遊

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2010年05月05日

AirAsia

5日目の朝。

今日は、この旅の3カ国目、マレーシアへ移動する日だ。とはいえ、次の4カ国目へ向かうための乗り継ぎを利用して、少しだけクアラルンプールの街をのぞいてみるつもりだ。

朝6時ごろ、宿からタクシーで空港へ向かう。所要約20分。
通勤ラッシュの時間帯で、思っていた以上に車が多く、街には活気があった。さすが東南アジア、朝から人々は元気だ。料金は50,000IDR(約500円)。

国際空港といっても、どこか地方空港の雰囲気。
クアラルンプール行きのAirAsiaのカウンターは混雑していた。窓口はたった一つしかなく、理由は手荷物の超過料金を支払う人が多いかららしい。格安航空会社なので、8kg以上の預け荷物は別料金になる。しかし、事前に知らされていなかった人も多いのだろう。

空港の食堂で、すっかりお気に入りになったミーアヤム(鶏肉麺)を食べる。
インドネシアルピーはすでに使い切ってしまっており、あとで航空券に空港税が含まれていないことに気づく。
そのため、思わぬ形で米ドルで支払うことになり、とんでもない悪いレートに泣かされることに…

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待合室からは徒歩で飛行機へ向かう。
航空券を再度チェックしていると、スタッフは先ほどカウンターにいたAirAsiaの人だった。効率的に人を使っているな…と、思わず感心してしまう。しかもスタッフは美男美女揃いで、中国人らしき観光客がしきりに写真を撮っていた。

今日はあいにく天気が悪い。もし昨日だったら、美しい朝日を見ることはできなかっただろう。こうして天気に恵まれているのは、ほんとうについている。

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AK595便は08:55発で、クアラルンプール(KUL)まで2時間20分のフライト。

マレーシアの首都クアラルンプールは、AirAsiaの拠点でもある。
空港は一般的な航空会社が使用するターミナルとは別に、LCC専用空港(LCCT)に分かれている。

到着してまず驚いたのは、その専用ターミナルの大きさと、多くの人で賑わっている光景だ。
最初にこの光景を目にしたとき、「日本はアジアで取り残されている…」と、思わず脅威を感じたほどだった。

飛行機は1,000円程度から乗ることができ、5,000円も出せばそれなりに遠くの国にも行ける。燃油サーチャージも不要で、人の流れは自然と活発になるだろう。

その一方で、コスト削減は徹底されている。

  • 利用している飛行機はほぼ同じタイプ・席数で統一されており、管理や部品調達、運行管理がしやすい
  • 飛行機への搭乗はほぼ徒歩で、到着後もエアコンのない通路を10分ほど歩かされることもある
  • 座席指定は有料で、前方の席ほど料金が高い
  • 機内食も有料だが、事前に申し込むと3割ほど安くなる
  • 乗り継ぎ保証はなく、遅延による次便への影響もクレーム対象外
  • シートピッチは狭い

こうした制約はあるものの、値段の安さを考えれば十分納得できる。

さらに、スタッフの男女も魅力的で、男性はかっこよく、女性は美人揃い。
AirAsiaで働くこと自体が、マレーシアでは一種のステータスにもなっているようだ。

Air Asiaのホテルに宿泊

思わず長話になってしまったが、空港到着後は、明日の便が朝早いこともあって、空港近くのホテルを予約してあった。
シャトルバスが巡回しているとのことで待つこと約20分、ようやくピックアップされる。

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結果的に、歩いても10分足らずの距離にありながら、運賃1RM(約27円)を取られたのは少し失敗だった。マレーシアの物価を考えると、少し割高に感じる。

それでも、空港から歩いても10分の距離であることを考えれば、AirAsia利用者にとっては十分価値がある場所だ。実際、まだ昼間なのに予約なしで来た欧米人が満室で帰っていくほどだった。
AirAsiaホテルでもしっかり稼いでいるのだろう。

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部屋は正直、かなり狭い。
大きなスーツケースを広げる余裕もない。エアコンも別料金で、暑さが心配だったため6時間分だけ購入した。

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バス・トイレも驚くほど細長く、ここまで狭いとちょっと笑ってしまう。

バス・トイレもびっくりするほど長細い。
ここまで狭いちょっと笑ってしまいますね・・・

LCC専用空港(LCCT)からクアラルンプール市内へは、複数のバス会社が運行しているが、今回はAirAsiaのバスを利用した。料金は9RM(約250円)で、1時間の移動を考えればかなりお得だ。

肉骨茶を求めてチャイナタウン

クアラルンプールを訪れるのは、9年前のマレーシア縦断旅行以来。
当時、マラッカからバスで移動してきたときの風景と比べると、郊外には近代的な建物が目立つようになっている。9年も経てば、景色が変わるのは不思議ではない。

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それでも市内中心部に来ると、以前の雰囲気はそのままだった。
LRTというトラムに乗り換え、チャイナタウンへ向かう。

中途半端な時間帯だったせいか、あまり活気はなかったが、自分の好きなアジアらしい雰囲気が街全体に漂っている。

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チャイナタウン…いや、クアラルンプールに来た目的のひとつが、
肉骨茶(バクテー)という鍋料理を食べることだった。

9年前、クアラルンプール駅で知り合った日本人に勧められて初めて食べた料理で、そのときの美味しさが忘れられず、ぜひもう一度味わってみたかったのだ。

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肉骨茶(小)は確か200RM(約540円)ほど。

やはり絶品だった。
豚の骨付き肉や内臓を、漢方薬と醤油でじっくり煮込んだ料理で、肉はとても柔らかく、少しスパイシーな味付けが白いご飯にぴったり合う。

そういえば、豚肉はイスラム教では禁止されているので、この料理を食べるのは中華系の人たちだけなのだろう。

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マレーシアには、中国系の人々が約25%住んでおり、マレー系の65%に次いで2番目に大きな民族だ。ちなみに、3番目はインド系で約7%。
町を歩いていても、さまざまな人種の人とすれ違う。まさに多民族国家マレーシアだ。

クアラルンプールのチャイナタウンの雰囲気は、日本でいうと中華街とアメ横が混ざったような感じ。
食べ物屋も多いが、偽ブランド品などを売る店もかなりある。
外国でも商魂たくましい華僑の姿勢には、つくづく感心させられる。

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チャイナタウンにあったお寺。
マレーシアに多いモスクは、簡単には中に入れないが、中華系の寺院は気軽に中を見せてもらうことができる。意外かもしれないが、中国系の人々も信仰心は厚いようだ。

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最初にこの形のお線香を見たのはベトナムだったが、個人的にこの形のお線香はなかなか好きだ。あのときも中国系のお寺にあったのを覚えている。

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左手に見える黄色い建物は、クアラルンプールの秋葉原的な電気街デパートだ。
実はノートパソコンのACアダプターが壊れてしまい、バッテリーだけで動かしていた。そのため、容量の大きいSDカードを使っていた小さなデジカメのデータをバックアップしておらず、この後カメラを落とすという不運と重なって、二重のトラブルになってしまった。

電気街でコードを変えてみたものの、結局パソコンは直らなかった。

途中、以前泊まったゲストハウスを探してみたが、残念ながら既になくなっていた。
しかしそのエリアは、当時と変わらずごちゃごちゃした雰囲気だけは今も健在で、懐かしさを感じさせる。

9年前、クアラルンプールで一番高いKLCCのタワーに行こうとしたが、人気のため午前中の整理券は配布終了で登れなかった。
今回も制度が変わっていなければ難しそうなので、別のKLタワーに行くことにした。

KLタワーは見えているものの、ガイドブックを持ってきていなかったため、交通手段がよくわからない。
16時を過ぎていたが、日の入りまではまだ時間があるので、歩いてKLタワーまで向かうことにした。

17時を過ぎ、ようやくKLタワーに到着。
タワー自体は小高い丘の上に建っていて、遠回りする道しかなかったため、想像以上に時間がかかった。

入場券には民芸村の入場券もセットになっていたので、立ち寄ってみたが、正直あまり魅力的な施設ではなく、さらっと見て出てきた。

KLタワーの高さは421m。東京スカイツリーが完成するまでは、電波塔として東南アジアで1位、世界でも4位の高さを誇っていた。

南東方面の景色。
高層ビルが立ち並んでいるが、どこか一昔前に建てられた雰囲気がある。
東南アジアの中では比較的早く発展した地域なので、ビル自体が古く見えるのかもしれない。

北東方面の景色。
正面に見えるのは、クアラルンプールで最も高い452mのペトロナスツインタワー。
ツインタワーは2棟に分かれているが、ここから見ると1つに見える。

2003年までは、世界一の高さを誇っていた高層ビルだ。
ただし、KLタワーは小高い丘の上に建っているため、標高ではこちらのほうが高く見えることもある。

南東方面の景色。
官公庁の施設が多いエリアのため、比較的高いビルは少なく、その奥には緑の多いエリアが広がっている。
霞んで見えるのは、逆光のせいだろうか。

ペトロナスツインタワーの先端部分をズーム。
先端から何かが発射されそうな、独特の雰囲気が漂っている。

18時20分。
日の入りまではまだ時間がありそうだが、厚い雲の中に入ってしまいそうな空模様だ。

さすがに少し飽きてきたこともあり、夕焼けは諦めてKLCCへ向かうことにした。

KLCC

KLタワーからKLCCまでは約1km。
15分ほど歩いて到着すると、ペトロナスツインタワーを間近で見ることができ、その高さに圧倒された。

KLCCと呼ばれるショッピングモール。
9年前と変わっていないはずだが、とても洗練された雰囲気が漂っている。
夕方の仕事帰りの時間帯ということもあり、多くの人で賑わっていた。

空が暗くなるのを見計らって、外に出てみた。
単純に言って、夜景がかっこいい。
派手な色を多用するのではなく、白と青を基調とした明かりでまとめられており、空の藍色とちょうどマッチしている。

空がとても低く感じる。
ペトロナスツインタワーが高いせいもあるのだろうが、今にも雨が降り出しそうなほど、雲が低く垂れ込めているのが原因のようだ。
先端のライトアップが雲に反射して、幻想的な雰囲気を作っている。

案の定、すぐに雨が降り出した。

9年前と同じように、フードコートで夕食をとることにした。
多民族国家だけあって、さまざまな国の料理の店が並んでおり、かなり迷ってしまう。

選んだのは、照り焼き風のチキンライス。
チキンスープで炊かれたご飯の上に、鶏肉とたっぷりのパクチーがのっていて最高だ。
普通のチキンライスとは違い、照り焼き風の味付けにしてあるため、ご飯がますますすすむ。

今晩の宿は空港の近くにあるため、また戻らなければならない。
せっかくなので電車にも乗ってみようと、クアラルンプール駅までLRTで移動し、そこから空港行きの電車に乗った。

通常の空港(KLIA)には駅があるが、AirAsiaの発着するLCC専用空港(LCCT)には駅がないので、途中の駅で乗り換え、さらにバスで移動する必要がある。
チケット自体はジョイントで販売されているが、乗り換え駅に行くためには各駅停車に乗る必要があり、乗り換え後もバスで移動したため、結局1時間ほどかかってしまった。

電車好きでなければ、バスで行ったほうが楽で早いだろう。

夜10時を過ぎていたが、LCCTターミナルは非常に混雑していた。
空港というより、バスターミナルのような雰囲気だ。しかし、AirAsiaの料金体系を考えれば、実際にバスのようなものなのだろう。

ホテルに戻っても売店しかないため、空港のスターバックスで時間をつぶすことにした。
夜でも暑いので、フラペチーノを注文。

翌朝には再び飛び立つため、空港隣接のホテルを選んだのは正解だった。

 

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