今日は函館に行くことにしました。目的は函館のご当地グルメの一つ、ハセガワストアの焼き鳥弁当です。『焼き鳥』と言いながら豚肉の炭火焼きが入っているようなのですが、どうやらこれがめちゃくちゃ美味しいらしいのです。たまたま焼き鳥弁当について調べていたところ、あるブログの方が一度に3つも弁当を買って帰って絶賛しているのを見て、どうしても食べたくなりました。スープカレーのためだけに北海道に来たというのも酔狂ですが、札幌から函館まで焼き鳥弁当のために片道4時間かけて行くのも、また酔狂で面白いネタになりそうです。

昨晩は、雪がちらついたようですね。路地にはその跡が確認できますが、大きな通りはロードヒーティングがあるので、すぐに解けたのか、ほとんど雪は積もっていない状態です。
大人の休日倶楽部パス
今回、大人の休日倶楽部パスを利用して北海道内の特急列車に乗車します。このパスは誰でも購入できるものではなく、50歳以上で、大人の休日俱楽部カードというクレジットカードを所持する必要があります。年齢はばれますね。
「大人の休日倶楽部パス 北海道版」は、JR北海道が「大人の休日倶楽部」会員向けに期間限定で発売するお得なきっぷです。
概要:
- 利用資格: 大人の休日倶楽部会員(満50歳以上)
- 有効期間: 連続する5日間
- おねだん:普通車18,070円(「えきねっと」ご購入の場合)
- 利用範囲: JR北海道線全線の特急・急行・快速・普通列車の普通車自由席が乗り降り自由です。
- 指定席: 事前に座席の指定を受ければ、普通車指定席も6回まで利用可能です。
- 発売条件: 「大人の休日倶楽部カード(クレジットカード)」での決済が条件となります。
「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」をご利用の際のご注意
JR北海道の座席未指定券が適用となる列車に乗車する場合、きっぷ本券に「座席未指定券」の効力があるものとし、指定席を取らずに「普通車指定席の空いている席」をご利用になれます。
6回までの座席指定は温存したい
大人の休日倶楽部パス北海道版で、全車指定席の列車を利用したいけれど、貴重な指定席予約枠は温存したい。そんな時に考えられるのは、指定席を予約せずに空席を利用するという方法です。
全車指定席の列車でも、空席があれば指定券なしで乗車できます。ただし、予約者が現れた場合は席を譲る必要があります。
この方法の鍵となるのが、JR東日本のオンライン予約システム「えきネット」です。えきネットでは、列車のリアルタイムな座席予約状況を確認できます。乗車前に空席が多い列車を選べば、予約者と鉢合わせになるリスクを減らせます。乗車後も随時空席状況を確認することで、安心して空席を利用し続けることが可能です。
より確実に空席を利用するためには、以下の点を意識すると良いでしょう。比較的空いている可能性のある時間帯(始発に近い時間や遅めの時間)、曜日(平日)、時期(繁忙期を避ける)を選ぶことが有効です。
ただし、この方法は必ず座れる保証はありません。出発直前に予約が入る可能性もありますし、混雑時には空席が見つからないこともあります。その場合は、デッキなどで立って移動することも検討しましょう。
大人の休日倶楽部パスの指定席予約枠は、確実に座りたい場合や混雑が予想される場合、希望の座席がある場合に有効活用するのがおすすめです。
えきネットを賢く利用し、状況に応じて空席利用と指定席予約を使い分けることで、指定席予約枠を温存しながら、大人の休日倶楽部パス北海道版での鉄道旅行をより柔軟に楽しむことができるでしょう。
いきなり座席指定枠を使いたくなかったので、函館方面への北斗号は全車指定席ですが、空席の多い列車でいこうと考えていました。
朝早く6時台に札幌を出発する列車には『北斗2号』と『北斗4号』があり、次の『北斗6号』は8時43分発と2時間近く後になるので、自分の選択肢には入りませんでした。『北斗4号』の海側の窓側は全て埋まっていました、空席が多かった北斗2号に乗車することにしました。これなら指定席の予約枠を使う必要はないと考え、座席指定はせずに乗りました。

特急北斗2号 函館行き
- 札幌 06:00 発
- 新札幌 06:08 発
- 南千歳 06:28 発
- 苫小牧 06:44 発
- 東室蘭 07:18 発
- 長万部 08:07 発
- 八雲 08:27 発
- 森 08:49 発
- 新函館北斗 09:16 発
- 函館 09:29 着

北斗2号は最大の7両編成です。2021年に乗車した際は、確か4両編成だったと記憶しています。それが7両編成という長い車両になったということは、コロナ禍を経て需要が回復してきた証拠と言えるでしょう。
札幌と函館を結ぶ特急「北斗」の中で、朝一番の「北斗2号」は、函館や本州方面への乗り継ぎ客を主なターゲットとしているため、他の列車よりも停車駅が少なくなっています。これにより、現在の札幌発函館着の所要時間は3時間33分と、最も速い所要時間を誇ります。かつては2時間59分という短時間で両都市を結んでいましたが、過去に発生した列車の脱線事故や火災事故を教訓に、安全運行を第一とする方針から、現在は最高速度が引き下げられています。

苫小牧辺りでようやく外が明るくなってきました。昨日、飛行機の上からこの辺りを見た時は全く雪がなかったので、昨晩、広い地域で雪が積もったのでしょう。

北斗2号はこれらの駅を通過しますが、登別駅、幌別駅、鷲別駅と、「別(べつ)」の付く地名が連続します。「~別」はアイヌ語の「ペッ(pet)」に由来し、「川」という意味を持ちます。北海道では川は生活や交通の要であり、多くの集落や土地名がその場所を流れる川にちなんで名付けられました。これが、「~別」という地名が多い理由です。

近くの北舟岡駅は海に近い駅として有名です。乗車していた北斗2号は、朝早かったせいかインバウンド客の姿は見られず、ビジネス利用のお客さんが多かったりして、車内はとても静かでした。
そろそろ帰りの札幌までの空席状況を確認すると、悲惨な状況でした。戻りの列車がほぼ満席だったのです。かろうじて14時発の列車に数席空きがあったため、とりあえず予約しましたが、残念ながら海側の席は満席でした。当初は大沼公園で少し散策してから函館へ向かい、夕方頃に戻る予定でしたが、どうやらそのような状況ではなさそうです。改めて札幌から函館への列車の空席状況を調べたところ、『北斗4号』以降は軒並み満席となっていました。

車窓右手には、活火山の有珠山と、その右手に少しだけこんもりとした形の昭和新山が見えます。昭和新山は、1943年から1945年の有珠山の噴火活動によって、それまで平坦な麦畑だった場所が隆起して形成された珍しい溶岩ドームです。

この先は 海岸線が厳しくなり 車窓からも ダイナミックな海の風景が 望める区間になる


小幌駅から静狩駅にかけては、特に海に迫る険しい区間が続きます。トンネルとトンネルの合間から垣間見える海の景色は、晴れていればさらに透明感のある青い海だったことでしょう。この区間は、海食によって削られた断崖が連なり、その間を縫うように列車が走るため、車窓からの眺めは変化に富んでいます。


長万部駅付近では、北海道新幹線の建設工事が進められていました。実際に開通するのは13年後と、まだかなり先の話です。一方、中国では毎年、日本の新幹線網の総距離に匹敵するほどの路線を建設しているとのことです。中国の新幹線のハイペースな建設を可能にする技術力や体制は、言葉で言い表せないほど驚異的です。

噴火湾越しに駒ケ岳が綺麗に見えるポイントなんですが…
えきねっとで空席を確認して座っていたのですが、途中で予約が入ってきたため、座席を移動しました。この後も、頻繁にえきねっとを確認し、できる限り予約済みの席に座らないように気をつけます。当然ながら、座席指定券を持っている方が優先ですので、指定なしで座っている乗客は席を譲る必要がありますし、少々居心地の悪い思いをするのは避けたいところです。

北斗2号は森駅を発車し、いよいよ駒ヶ岳の裾穏を通るため、登り坂へと入ります。連続するカーブに揺られながら高度を上げていくと、沿線の木々は一面の雪景色となり、ようやく冬らしい景色になりました。

峠を越えると、車窓左手に大沼公園が見えてきました。白い場所は全て凍った池のようです。これらの池は、駒ヶ岳の噴火による土砂崩れによって形成されました。高度が下がったためか、冠雪した木々は姿を消し、比較的平凡な景色へと変わってしまいました。気温はわりと高めのようで、車道や歩道の雪はびちゃびちゃに溶けており、歩くとずぶ濡れになりそうです。このような状況であれば、たとえ時間があったとしても、降りることはなかったかもしれません。

車窓右手後方には、小沼という沼越しに駒ヶ岳が見えるはずの絶景ポイントですが、残念ながらこの天候では全く見えません。晴れた日には、小沼の水面に映る逆さ駒ヶ岳が美しく、多くの写真愛好家が訪れる場所として知られています。冬の間は小沼は凍結していますが…。

北斗2号は札幌方面からの一番列車でしたが、新幹線の接続駅である新函館北斗駅に到着すると、乗客の約半数が降りていきました。終点の函館駅で下車した人数は、それほど多くありませんでした。これは、北海道から本州へのアクセスにおいて、新幹線を利用する人が一定数いる傾向を示唆しているのかもしれません。

函館駅構内のみどりの窓口と、長距離列車の特急券が購入できる券売機には、どちらも長い列ができていましたので、到着してすぐに先ほどネットで予約した14時発の特急券を発券しておきます。ネット予約ができるのですから、オンラインでの発券にも対応してほしいものです。

函館駅を出ると雨が降っており、しばらくすると雨足も強くなってきました。1月なのに雨とは。駅の近くに目的のハセガワストアがあるので、とりあえず行ってみます。朝食を食べていないので、お腹が空いています。
病みつきになる『やきとり弁当』

函館駅から徒歩1分という、こんな便利な場所にハセガワストアの店舗があるとは知りませんでした。以前は、ラッキーピエロのチャイニーズチキンバーガーにばかり気を惹かれていたので、気づきませんでした。ところで、もし中国人観光客がラッキーピエロのチャイニーズチキンバーガーを食べたら、どんな感想を持つのでしょうね。

ハセガワストアでの注文方法は、店内にある注文用紙に記入し、それをカウンターに持っていって支払いを済ませると、焼き鳥弁当の豚肉の串を焼き始めてくれます。その様子はガラス越しに見ることができ、炭火で焼かれる工程を眺めることができます。少し恥ずかしくて写真を撮ることはできませんでした。なお、店内には飲食スペースがないため、その点は注意が必要です。

雨で食べる場所がなかったので、函館駅の構内のベンチに座って食べることにしました。多少、周りの視線が気になりましたが、ほとんどが外国人観光客のようなので、まあ気にしないことにしました。

やきとり弁当(中)690円
ご飯と豚肉を一緒に楽しむなら、串から外すのがおすすめです。噂に違わず、これは本当に美味しかった。炭火で丁寧に焼かれた豚肉の香ばしさ、甘辛い濃厚なタレ、そして食感の良い長ネギが一体となり、豚肉の旨味が引き立っています。タレが染みたご飯もまた絶妙で、箸が止まりません。思わずビールを一杯、といきたいところでしたが、さすがにベンチでは自重しました。いや、本当に美味しかった。
函館を離れた後、妙にあの焼き鳥弁当が恋しくなることが何度かありました。これは本当に中毒性が高いですね。一度食べたら病みつきになる味で、多くのファンがいるのも納得です。
アメニモマケズ、元町地区へ
雨降りだったので、しばらくベンチで札幌への帰り方を検討していました。函館には何度も来ていますし、この天気では長居しても苦痛なだけです。同じ路線を走る列車の中に、室蘭発の特急『すずらん』があることを思い出し、途中の室蘭で乗り換えればもう少し早く帰れるのではないかと調べてみました。すると、12時発の『北斗』号で東室蘭までの海側窓席に空席を発見。急いで予約しました。どうせ東室蘭まで行くのなら、今まで行ったことのない室蘭に立ち寄ってみるのも悪くないと考え、早速先ほど予約した特急券をみどりの窓口に持って行き、『すずらん』号の特急券に買い替えてもらいました。

函館駅の出発までまだ2時間近くあります。ちょうど小雨になったので、函館の観光名所である元町方面へ歩いてみることにしました。駅近くの函館朝市は、朝の賑わいが一段落したのか、少し閑散としています。もともと買い物をするつもりもなかったですし、呼び込みの声に応じるのも煩わしいので、近寄らずにそのまま通り過ぎました。

途中で日本最古のコンクリート電柱を発見しました。この電柱は、大正12年(1923年)10月、当時の函館水電会社(現北海道電力)が建てたもので、日本最古のコンクリート電柱です。高さ10メートルのこの電柱は、角錐形という珍しい形状をしています。今では丸いものが主流となっていますが、この頃は角錐形が主流だったのでしょうか。それにしても、今まで残っているということは、今のものに比べても頑丈なのでしょうか。

右:ラッキーピエロ ベイエリア本店
函館のご当地グルメ店が隣同士で店を構えており、左には長谷川ストア、右にはラッキーピエロがありました。ラッキーピエロのチャイニーズチキンバーガーも非常に魅力的ですが、帰りの列車で楽しみたい駅弁があるので、今回は我慢することにします。
すでに全国的な知名度がありますが、ラッキーピエロは函館を中心に展開するハンバーガーチェーンで、地元では『ラッピ』の愛称で親しまれています。特にチャイニーズチキンバーガーは看板メニューの一つとして絶大な人気を誇っています。

有名な八幡坂を上ってきました。元町地区に来るのは、今回が初めてです。なんとなく神戸の異人館街と似たような雰囲気がしたので、北海道まで来てわざわざ行く必要はないかと考えていました。そもそも神戸と函館は、開港都市として共通の歴史を持つため、建物が似ているのはその影響なのでしょう。

有名な八幡坂を登ります。確かにそこそこの傾斜はありますが、歩道はしっかりと除雪され、平坦な道と階段がうまく配置されているため、冬の時期でも比較的安全に歩くことができました。
八幡坂の名前は、かつてこの坂の上に函館八幡宮があったことに由来します。坂の途中には、旧イギリス領事館など、歴史的な建造物が今も残されており、函館の歴史を感じさせる場所です。

空の雲が薄くなり、函館山が姿を現しました。近年、インバウンド需要の高まりから、夜景観賞の時間帯は非常に混雑すると聞いています。函館山は、札幌の藻岩山、長崎の稲佐山と並び日本三大夜景の一つとされ、ナポリ、香港と並び世界三大夜景と称されることもありますが、正直なところ、個人的にはそこまでの感動はありませんでした。
前回、函館の夜景を見に行った際、人の多さにうんざりし、『こんなものか』と思ってすぐに帰ってきました。
個人的には、都市の大きさと人口密集度が光の量に表れるため、夜景の美しさはそれに比例すると考えています。函館のように両側を海に囲まれた扇形の地形に光が集まる夜景は確かに綺麗ですが、現在の函館市の人口を考慮すれば、その規模には限界があるのは当然でしょう。

函館の観光名所である八幡坂。石畳の坂道から広がる港の景色は、多くの人々を魅了します。特に中国人観光客にとっては人気の撮影スポットのようで、路上では思い思いのポーズで記念写真を撮る様子が頻繁に見られます。

八幡坂の上では、写真撮影の順番を待つ人々の列ができており、その人気ぶりを物語っていました。中には、タクシーで直接やってくるグループもいました。

坂の上の道は交通量が少ないため、比較的多くの雪が残っています。

明治43年(1910年)、函館港を一望できる高台に建てられた旧函館区公会堂は、鮮やかなブルーグレーと黄色で彩られた、左右対称の美しいコロニアル様式の木造建築です。作中には描かれていませんが、ゴールデンカムイの舞台としてもしっくりきそうな雰囲気を持っています

旧函館区公会堂から坂を下りて元町公園に入ると、深緑色の落ち着いた外観の旧北海道庁函館支庁庁舎が建っています。明治時代に建てられた、函館における初期の洋風建築の一つです。他にも色々と見て回りたいところですが、宮沢賢治の詩とは異なり、雨にも風にも負けてしまい、元町地区から撤退します。正直なところ、外観をざっと見る限りほぼ神戸のようで、あまり新鮮味を感じませんでした。

小雨が降る中、やはり海沿いということもあり、時折強い風が吹き付けてきて、少し肌寒いです。 すぐそこの電停から函館市電に乗れば、あっという間に函館駅まで戻れますが、ここはあえて歩いて、お腹を空かせて駅弁をより美味しく味わおうと思います。

歩いていると、赤い靴を履いた可愛らしい少女の像が立っていました。『赤い靴履いてた女の子~』で有名なあの像です。こんなところにあるとは驚きでした。童謡『赤い靴』は、子供の頃に誰もが歌った記憶があるでしょう…今はないのかも。きみちゃんとお母さんのかよさんが初めて北海道に降り立ったとされる場所だそうです。
1903(明治36)年、きみちゃんは、お母さんのかよさんと一緒に静岡県から函館へと移り住み、その後、母親は後志管内留寿都村の農場に入植しましたが、病弱だったきみちゃんはアメリカ人宣教師に預けられ、函館が母子の別れの地になったといわれています。【函館市公式観光サイトより引用】

ベイエリアは強風のため、歩行者の姿はほとんど見られません。雪解けで足元が悪く濡れていますが、ゴアテックスのトレッキングシューズのおかげで快適に過ごせています。

ベイエリアの赤レンガ金森倉庫群。こんな日は、建物の中でゆっくりと買い物をするのが一番でしょうね。私は中には入りませんでしたが、外を歩く多くの外国人観光客の様子から察するに、内部はかなり賑わっていることでしょう。さて、函館駅に到着してみると、想像以上にザックとパンツが雨でぐっしょりと濡れてしまっていました。
大きな数の子!『鰊みがき弁当』

函館駅に着き、念願のニシン磨き弁当を購入しました。大人の休日パスを提示したところ、1割引になりました。これはきっと日本酒に合うだろうと思い、迷わず購入しました。

これから北斗11号に乗ります。予約した指定席は7号車の先頭です。駅のアナウンスによると、今日の札幌方面の指定席は全て売り切れとのこと。全車指定の列車しかないため、もし指定券がないと、立って帰る羽目になるかもしれません。ただ、私のように東室蘭駅で特急すずらん号へ乗り換えれば帰れるようですが、そこまでの乗り換え案内はJR北海道としてはしないでしょう。

出発まで時間がないため、おそらくすぐに隣の席も埋まるでしょう。今のうちに、楽しみにしていたニシン磨き弁当をいただくことにします。北海道の郷土料理である「ニシンの磨き」をメインにした駅弁。まず目を奪われるのは大きな数の子です。それが4つも鎮座しているとは。これは絶対に美味しいに違いありません。

まずは、お正月のおせちでも見ないような立派な数の子から味わう。噛みしめるたびに広がる食べ応え、ぷりっとした弾力、そしてプチプチとした食感が堪能できる。数の子自体の味付けは上品で控えめながら、濃厚な甘さのニシンの磨きとの組み合わせは、まさに絶妙なバランスだ。ちなみに、このニシンの磨きは、乾燥ニシンを丁寧に時間をかけて戻し、甘露煮のようにじっくりと煮込まれた逸品。骨まで柔らかく、独特の甘さと風味が堪らない。これは間違いなく、日本酒との相性も抜群。

本来であれば、移りゆく車窓の景色を肴に食事を楽しみたかったのですが、揺れない停車中の方が落ち着いて味わえたので、結果的には良かったと思います。やはり、ポジティブに考える方が旅はより楽しくなりますね。
函館駅を発車した時点では、車内は3割か4割くらいの乗車率で、意外と空いていました。新函館北斗駅で隣に人が座りましたが、それでもまだ5割程度の乗車率でした。