北海道3日目。三人で行動するのは、今日が最後になる。
7月の北海道と聞くと、やはり富良野のラベンダーを思い浮かべてしまう。ただ、出発前にファーム富田の公式サイトをのぞいてみると、開花はまだ始まったばかりの様子だった。少し早いかもしれない。そこで、できるだけ遅いタイミングの方がいいだろうと考え、訪れるのは最終日に回すことにした。満開とはいかなくても、季節が少し進んだ畑に出会えたら十分だと思えた。
過去にこのメンバーで、秋の富良野・美瑛を訪れたことがある。
今回はラベンダーだけ見られれば十分だという話になった。朝は少しゆっくりめの8時にホテルを出発する。

札幌方面から富良野を目指す場合、道央道の三笠インターで降り、そこから国道を走るのが最短ルートになる。途中に大きな町はなく、信号も少ないため、渋滞に悩まされることはほとんどない。その一方で、カーブが多く、前を走る車がゆっくりだと追い越しのタイミングは限られてくる。
普段あまり運転しない人がレンタカーで走っているのだろうか。無理を感じる追い越し方をする車もあり、こちらが巻き込まれないよう、周囲の流れを見ながら慎重にハンドルを握っていた。道は単調でも、気を抜けない区間だった。
札幌を出るころは雲ひとつない快晴で、今日は当たりだと思っていた。ところが、道東道の三笠インターを降り、桂沢湖付近に差しかかったあたりから、空の色が少しずつ変わり始めた。

富良野に入ると、不思議なくらい一気に天気が回復してきた。
夏のあいだ、内陸に位置する富良野周辺は、海から距離があるぶん天候が安定しやすい。
左手に小高い丘が見えてくる。その先に、今回の目的地であるファーム富田がある。
ラベンダー咲いてました
15年ほど前、七月に北海道を旅したとき、何の前知識もないまま友人に連れて行ってもらったのが、この場所だった。その日はちょうどラベンダーが満開で、言葉を失うほど美しかった記憶がある。その体験がずっと心に残っていて、今回はぜひ、男ばかりではあるけれど、この景色を友人にも見てもらいたいと思っていた。
富良野観光の定番として名高い「ファーム富田」は、入園無料でラベンダーの絶景を楽しめる花畑。
1958年に香料原料として始まったラベンダー栽培は、1976年の国鉄カレンダー掲載をきっかけに全国的な注目を集めた。現在は観賞用として整備され、夏には紫の花畑と十勝岳連峰が織りなす、富良野らしい風景が広がる。

正直なところ、あまり期待はしていなかった。それなのに、目の前に広がっていたのは満開に近い畑だった。短期間で、ここまで一気に咲きそろうものなのかと驚かされた。
友人には「まだ咲いていない」と言い続けてきた分、その反動もあってか、喜びは想像以上だった。
札幌から新千歳空港とは正反対の方向へ、二時間近く走ってきた。それでも、この景色を前にすると、すべてが報われたような気がしていた。

十勝岳方面は雲が多いけど、晴天の中満開のラベンダーを見れて満足。

花人の畑
少し早い時期だったが、花々がきれいに植え分けられ、畑の中にははっきりとしたラインが描かれていた。開のラベンダー畑とはまた違う、彩りの豊かさが印象に残る場所だった。

彩りの畑。
ここのラベンダーは、正直なところまだこれからといった様子だった。ただ、訪れるまでは「今年は全体的にこんな咲き具合なのだろう」と思っていた。事前に見ていたファーム富田の公式サイトに掲載されていたラベンダーの写真も、まさにこの景色に近かったからだ。
あと一週間もすれば…、まだしばらく北海道に滞在する予定なので、その頃にもう一度足を運んでみようか。

トラディショナルラベンダー畑は満開に近い状態。斜面に沿ってラベンダーが広がり、その上からは富良野平野を一望できる。ここはファーム富田の原点ともいえる場所で、富良野のラベンダー栽培発祥の地とされているという。


倖の畑に戻ってきた。
見て回った中で、ここがいちばんきれいに咲いていたと思う。数種類のラベンダーが植えられていて、紫の色合いに自然な濃淡が生まれ、畑全体がゆるやかなグラデーションになっている。風に揺れる様子も心地よく、しばらくその場を離れられなかった。
気づけば、想像していた以上にラベンダーを堪能していた。
本当に咲いていて、しかも晴れてくれた。それだけで、この日の富良野までの道のりは十分に報われた気がした。
本当は、富良野での昼食は混雑する前に早めにと思っていた。畑に夢中になるうちに、想定より時間が過ぎてしまい、町のお店が混み始めていないか少し気がかりになる。
富良野でカレーといえば、唯我独尊
向かったのは、富良野でいちばん有名と言っていい食事処、「唯我独尊」。到着した時点で、すでに二十人ほどの行列ができていた。
合言葉は「ルールルルー。」というと、カレールーがお替りできるそうです。
ドラマ北の国からのやつですよね?
1度も見てないのでまったく分かりませんが。

正直なところ、価格は観光地らしい設定だと感じた。
ただ、オムレツは中がとろりとした半熟で、チーズのコクもほどよく効いている。添えられたソーセージも癖がなく、素直に美味しい。ルーはおかわり自由なのだが、その都度一階まで皿を持っていく必要がある。今回は2階のテラス席に座っていたこともあり、十分な量に感じたのでお替りは見送った。

友人を新千歳空港まで送ります。
占冠を経由して、道東道を通って新千歳空港へ向かいます。
友人2人はお腹いっぱいで爆睡中です。

めちゃくちゃ天気が良いですね。
早く到着したので、しばらく飛行機が見えるフードコートでゆっくりして、
ピーチで帰る友人を見送りました。

あと1日レンタカーを借りているので、そのまま今日も宿泊する札幌へ。
北広島市までは国道36号線は混雑しないけど、その先は結構混みました。
もし高速を使っていたとしても、札幌中心部まではかなり下道があるので、
わりと時間かかるんですよね。
だからJRの快速エアポートが人気があるんだと思います。
ここからは一人行動なので、できるだけ節約志向に。
事前に調べていた郊外の駐車場に停めて、20分ほど歩きました。
ハイクラスホテルが1泊実質500円
THE KNOT SAPPORO

「THE KNOT SAPPORO」は、なかなかハイクラスに感じるホテルだった。
大通とすすきののちょうど中間に位置し、地下ではショッピングモールともつながっている。移動にも食事にも困らず、利便性はかなり高い。昨日まで泊まっていたホテルからも、道一本分だけ西にずれた程度で、距離的にはほとんど変わらない。
たまたま空きがあったのか、料金は一泊2,500円と驚くほど手頃だった。通常5,500円のところ、さっぽろ割で2,000円引き。さらに2,000円分のクーポンが付くので、実質的には500円という計算になる。正直、この立地と内容でこの価格は出来すぎだと感じた。

若干薄暗いともいえるけど、廊下の雰囲気もとても落ち着いていますね。

客室は16㎡とコンパクトながら、ベッド幅は160cmあり、数字以上に余裕は感じられる。内装や雰囲気はやや洗練されていて、正直なところ、おっさんが一人で泊まるには少し場違いな気もした。
スタンダードクイーンの部屋は大通側ではなく裏手に位置しており、眺望は特に期待できない。それでも、窓の正面がすぐ別の建物というわけではなく、その点は救いだった。

夏の大通り公園はとても活気がありますね。夏に来たのは初めてです。
北海道といえ昼間は暑かったので、夕涼みしている人も多いです。

初夏の北海道は、日の入りが19時過ぎと遅く、なかなか暗くならない。日の出は4時ごろと早く、朝から夜まで明るい時間が長く続く。そのおかげで、時計を気にしすぎることがなくなり、気持ちにも自然とゆとりが出てくる。移動や観光をしていても、どこか時間に余白が残り、旅の流れが穏やかになるのが心地よい。
スープカレー1軒目「TREASURE」
友人たちにとって、北海道といえば今もなお海鮮やジンギスカンの印象が強いらしい。皆と動いている間は選ぶ隙もなかったが、ひとり旅となり、ようやくその機会が巡ってきた。
昼に富良野でカレーを食したばかりとはいえ、スープカレーは別ジャンルの料理と言っていい。
いや、私の中ではもう、スープカレーへの愛着が突出している。北海道の食と聞いて真っ先に思い浮かび、是が非でも食べたくなる。いつの間にか、それほど欠かせない存在になっていた。
「SOUP CURRY TREASURE」は、札幌の名店「GARAKU」の姉妹店として知られ、和風だしをベースに、鰹や鯖など複数の節と豚挽き肉を組み合わせた、奥行きのあるスープが特徴の店。昨年12月に札幌へ滞在した際、唯一二度足を運んだのがここだった。

そのときは、いずれも待つことなく入店できた記憶がある。ところがこの日は、20時を過ぎても店内は満席。時間帯もあるのだろうが、あらためて人気の高さを実感する。

ここのカレーは和風だしがベースになっていて、初めてでもすっと馴染む味わいがある。スパイスの主張はありつつも尖りすぎず、どこか落ち着く。そのバランスが心地いい。
中でも好きなのが、素揚げされた野菜だ。前回訪れたとき、揚げたブロッコリーの美味しさに驚き、それ以来、自宅でも同じように揚げてカレーに添えるようになった。
以前は、札幌といえば海鮮というイメージが強かった。けれど今は、真っ先にスープカレーが思い浮かぶ。今回はあと何回食べられるだろうか、そんなことを考えていた。



