2025 北海道|vol.9 札幌から稚内まで弁当を買いに行ってきます

稚内駅で販売しているオホーツク流氷寿し。ズワイガニをジュレ仕立てにし、流氷をイメージした冬季限定駅弁。

大人休日パス最終日、いくつかの理由から稚内へ向かうことにしました。まず、最東端の東根室駅を訪れた勢いで、最北端の稚内駅にも足を運びたいと思ったからです。次に、特急列車の座席シートに置かれていた車内誌で紹介されていた稚内駅の駅弁が、とても美味しそうだったことも理由の一つです。

そして、これは消去法的な考えになりますが、中国からの観光客は比較的少ないのではないかと考えました。まだ今回の旅で訪れていない網走方面も検討しましたが、流氷がインバウンド観光客に人気のようで、軒並み特急が満席でした。

稚内へ向かう特急宗谷号は、札幌から旭川にかけての通勤客も多いためか、指定席は満席。自由席もわずか1両しかなく、混雑が予想されます。そこで、私はライラック1号で旭川まで行き、旭川で特急宗谷号に乗り換えることにしました。

目次
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札幌駅

札幌駅に6時過ぎに到着し、特急券を発券しようとクレジットカードを出そうとしたところ「財布がない!」。ザックの中を慌てて探しましたが、見つかりません。どこで落としたのかと焦り、来た道を急いで戻りました。5分ほど歩きながら考えた時、ふと財布の在り処を思い出しました。キャビン内のセキュリティボックスに、入れっぱなしになっていたのです。落としていなかったと分かった瞬間、本当に安心しました。

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大通公園とさっぽろテレビ塔

ホテルと札幌駅間は約1キロ。1往復半したので3キロを急いで行き来したので身体が温まりました。

朝の空知を駆け抜けて”旭川”へ

特急オホーツク1号 網走行き
  • 06:52 札幌【乗車】
  • 07:20 岩見沢
  • 07:32 美唄
  • 07:45 砂川
  • 07:51 滝川
  • 08:06 深川
  • 08:31 旭川【下車】
  • 09:12 上川
  • 09:54 白滝
  • 10:13 丸瀬布
  • 10:33 遠軽
  • 10:49 生田原
  • 11:09 留辺蘂
  • 11:28 北見
  • 11:51 美幌
  • 12:02 女満別
  • 12:17 網走
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急ぎましたが、ライラック1号には間に合いませんでした。そのため、次の網走行き特急オホーツクに乗ることにしました。宗谷号と同じく自由席は1両だけでしたが、意外にも空席が多くあり、座ることができました。この283系という車両は、以前は函館方面の特急「北斗」や釧路・帯広方面の特急「おおぞら」として活躍してた車両ですが、随時引退していて、現在は網走方面の石北本線のみで運用されています。

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新しい261系と比べると、この車両は大きなディーゼル音を響かせながら出発を待っています。まるで自家用車のエンジンが年々音量を増していくように感じますね。

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札幌駅→苗穂駅

平和駅までは千歳線と線路が並んでいるため、同時刻に出発した函館方面の北斗3号と並走します。抜きつ抜かれつの展開になるかと思いきや、古いこちらの車両がじわじわと速度を上げ、結局北斗3号に追いつかれることはありませんでした。老体ながらも、本気を出すとまだまだ速いのだという意気込みを感じさせる走りでした。

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苗穂駅→白石駅

 定山渓温泉から流れ出る豊平川をわたります。遠くの山に 朝日があたりモルゲンロートになってます。

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江別駅→豊幌駅
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岩見沢駅→峰延駅

こちらの眺めも素晴らしいのですが、右側の席を選んだのが少し残念です。反対側の山に、今まさに朝日が当たって、息をのむほど美しいんです。隣の方はぐっすり眠っているので、起こすのも申し訳なく、このまま我慢することにします。

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滝川駅→江部乙駅

ようやく滝川駅で隣の席が空いたので、乗降デッキに出て外を眺めています。先ほどまではもっと朝日が当たって綺麗だったのですが、だいぶ太陽が高くなり、雰囲気が変わってしまいました。

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江部乙駅→妹背牛駅

ふと気づくと、車窓の景色が幻想的な雰囲気に包まれていました。

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江部乙駅→妹背牛駅

近くを流れる石狩川から立ち上る水蒸気が、霧を発生させているようです。特に早朝や気温が低い時には、川の水温と空気の温度差によって霧が発生しやすいと言われています。

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旭川駅への到着が近づいてきました。車掌さんからは、この先、網走方面へ向かうお客様が大勢乗り込んでくるという案内がありました。

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旭川駅では、やはり多くのお客様が列車を待っていました。その多くは東アジア系の観光客のようで、流氷観光の人気の高さを感じます。実際にはまだ流氷は接岸していませんが、すでに流氷観光船は運航しているようです。

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旭川駅では、放射冷却のせいか、かなり冷え込んでおり、足元の氷はガチガチに凍っていました。今回の旅行中で最も強い冷え込みを感じました。近くのセイコーマートで何か買おうと思いましたが、品揃えが今一つだったので、結局旭川駅構内のセブンイレブンでおにぎりを購入しました。

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この特急列車の多さは、北陸新幹線開通前の北陸本線が特急銀座のようだった頃を彷彿とさせますね。むしろ、普通列車の本数が少なすぎるように感じます。

旭川から特急宗谷号で稚内駅へ

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札幌駅からやってきた特急宗谷号が到着しました。先ほどまで乗っていた283系と似たカラーリングですが、こちらは261系1000番台で、宗谷本線専用の車両。

特急宗谷 稚内行き
  • 07:30 札幌
  • 07:56 岩見沢
  • 08:06 美唄
  • 08:18 砂川
  • 08:24 滝川
  • 08:37 深川
  • 09:00 旭川【乗車】
  • 09:29 和寒
  • 09:40 士別
  • 09:56 名寄
  • 10:16 美深
  • 10:41 音威子府
  • 11:13 天塩中川
  • 11:46 幌延
  • 12:00 豊富
  • 12:38 南稚内
  • 12:42 稚内【下車】
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旭川駅では、多くの乗客が下車していきました。網走行きの列車と比べると、乗車してくる乗客はかなり少ないようです。

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旭川駅周辺もホテルが増えましたね。インバウンドによる旭山動物園や美瑛観光の人気が高まり、ホテルが増加していますが、宿泊料金は札幌と比べても高騰しているようです。

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日本製紙のパルプ工場から、勢いよく水蒸気が立ち上っているのが見えます。かなり冷え込んでいるようで、午前9時の気温はマイナス8度。札幌ではマイナス1度でしたから、やはり内陸の旭川は寒いですね。

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旭川駅構内のセブンイレブンで購入した朝食コンビ。

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すじこ189円

筋子のおにぎりは、具材はやや少なめですが、いつ食べても美味しいですね。塩分を考えると、これくらいの量で十分なのかもしれません。

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たらこバター醤油194円

たらこバター醤油、たらこがたっぷりで実に美味い!カロリーのことは、この際気にしないことにしよう。

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北永山駅→比布駅

大雪山系から流れ出る石狩川を渡り、進路を北に石狩峠を目指します。

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北永山駅→比布駅

車窓右側に大雪山系見えてました。大雪山の中央の平らな部分はカルデラなので、もともとは富士山みたいな円錐形の山だったのかもね。

塩狩峠

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蘭留駅→塩狩駅

列車は塩狩峠を越えるべく、勾配を登っていきます。この塩狩峠という名称は、旧国名、天塩国の「塩」の字と、石狩国の「狩」の字を合わせて名付けられたものです。

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塩狩駅

この塩狩駅はJR北海道から廃止の意向が示されていますが、和寒町が観光資源と残すため、駅舎の管理をおこなっています。

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塩狩峠(塩狩駅→和寒駅)

1909年2月28日、ここ塩狩峠を越えた名寄発旭川行き最終急行の連結器が外れ、客車が逆行・逸走。乗り合わせた鉄道院の長野政雄がハンドブレーキで停止を試みるも転落、客車の下敷きとなり殉職(28歳)した事故が起きた。なお乗客に死傷者はなかった。この事故を基にした小説『塩狩峠』が発表され映画化もされている。

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和寒駅

旭川駅を出ると、次は和寒駅です。この駅名を見ると、つい「わっ、さむ!」と言ってみたくなりますよね。和寒町は内陸に位置するため、冬は特に冷え込みが厳しく、最低気温が氷点下20度を下回ることも珍しくないそうです。

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和寒駅→剣淵駅

天気予報は当たるときは本当に当たりますね。予報によると、天気はこれから北の地方に向かって悪くなるようです。

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名寄駅

名寄駅は、宗谷本線内では稚内駅に次いで2番目に大きな駅です。ここで多くの乗客が降りていきました。スキーやスノーボードを持った人もちらほら見かけますので、近くにスキー場があるのかもしれません。

モノクロームの世界

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日進駅→智恵文駅

名寄駅を後にすると、列車は天塩川と並走しながら進みます。川沿いの線路はカーブが多く、そのため列車の速度も落ちます。名寄駅で大半の乗客が降りたため、車内は一気に静まり返りました。

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美深駅→天塩川温泉駅

冬の宗谷本線では、ラッセル車が線路の除雪作業を行います。特に名寄以北は積雪が多く、ラッセル車の重連運転が見られることもあります。雪煙を巻き上げながら走行する様子は、写真愛好家にも人気の被写体です。

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音威子府駅

難読地名として知られる音威子府(おといねっぷ)駅から次の佐久駅までの間は、山と天塩川の間を縫うように進むため、線路はさらにカーブが多くなります。

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音威子府駅→佐久駅

天塩川も、その表面が徐々に凍結してきています。川の向こう側には国道40号線が走っていますが、行き交う車の姿はほとんどありません。

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音威子府駅→佐久駅

ラッセル車が積み上げた雪も、相当な高さになってきましたね。天塩川が完全に凍ってしまうと、初めて宗谷本線に乗る方は、川の存在に気づかないかもしれません。

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音威子府駅→佐久駅

音威子府駅から佐久駅の間は人の生活圏ではないので、野生動物の楽園です。枝にはオジロワシがかなりの数止まっています。

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音威子府駅→佐久駅

ここも左にオジロワシが停まっています。凍っている川とそうでない川があり、その違いがよく分かりません。流れの速い場所と緩やかな場所で、凍結具合に差があるのでしょうか。

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音威子府駅→佐久駅

モノクロームの世界。

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音威子府駅→佐久駅

凍結した川面に、鳥が一羽と、赤い物体が見えます。もしかすると、鳥が捕らえた獲物かもしれません。

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かなり画像は粗いですが、拡大してみると角のある生き物がいました。もしかしたらエゾシカでしょうか。厳しい自然の中で生きる動物の姿を、少し垣間見ることができた気がします。こんな光景が鉄道の車窓から眺められるなんて、ちょっと驚きでもありました。

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糠南駅→幌延駅

糠南駅を過ぎると、宗谷本線から天塩川が最も雄大に見える場所に出ます。もともとゆっくりとした速度で走行していますが、この区間ではさらに徐行運転となります。

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糠南駅→幌延駅

ここまで一面が真っ白になると、もはやそこに天塩川が流れていたのかどうかさえ、見当もつかないですね。

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幌延駅→下沼駅
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幌延駅→下沼駅
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兜沼駅→勇知駅

除雪車と並走。雪国ならではの光景です。

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抜海駅

今度のダイヤ改正で廃止される抜海駅は、地元の支援によって細々と営業を続けてきましたが、その支援も今年で終わり、ついに廃駅となります。ノスタルジーだけでは、駅を残していくことはできないのですね。

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抜海駅

一度聞いたら忘れられないような名前の抜海(ばっかい)駅ですが、これもアイヌ語の言葉に漢字を当てたものです。この地名の由来となったアイヌ語には、「パッカイ(pakkay)」(背負う)という言葉が含まれており、駅の近くにある「抜海岩」が、まるで何かを背負っているかのような形をしていることから、この名が付いたと考えられています。

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抜海駅→南稚内駅

ここが宗谷本線で最も眺めの良い場所で、晴れた日には日本海を挟んで利尻山が望めるのですが、今日の空模様では期待できそうもありません。海岸線が見えただけでも満足しておきましょう。

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名寄駅を過ぎてから、時折降りていく乗客はいましたが、新たに乗り込んでくる人はいませんでした。指定席よりも自由席の方が空いていたようです。

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南稚内駅

終着駅の一つ手前、南稚内駅に到着です。稚内市街地の中心は終点の稚内駅ではなく、南稚内駅周辺になります。乗務員はこちらの駅に常駐しているようで、南稚内駅より乗務員の交代と清掃員の乗車があり、稚内駅までの間、車内清掃が実施されました。

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稚内港(南稚内駅→稚内駅)

南稚内から稚内までの間は高架区間となっており、列車が雪を掻き分け、その雪が線路脇に落ちていきます。もし人が高架下を歩いていたなら、突然降ってくる雪で全身が真っ白になってしまうでしょう。

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稚内駅

稚内駅には12時42分、定刻通りに到着しました。宗谷号の全面のスカート部分に雪がたまっていますね。

ホームが1本しかない終着駅のため、列車はすぐに折り返します。先ほど乗車した特急宗谷号は、19分後に旭川行きの特急サロベツ号として運行されます。

日本最北端の稚内駅

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稚内駅は、公共施設のほか、映画館や土産物店などが併設された複合的な駅舎です。新しい駅舎は2012年4月28日に開設されました。駅構内には、稚内市観光案内所や市民交流センター、映画館「キネマ2」などがあり、市民や観光客の利用拠点となっています。

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駅弁を急いで探すと、お目当ての「オホーツク流氷寿司」が残り一つ。隣にあった冬限定タラバガニの駅弁も美味しそうでしたが、初志貫徹、流氷寿司を購入しました。売店にはお酒が置いていないとのことで、店員さんに裏手のセイコーマートを教えてもらいました。

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稚内駅の施設内にセイコーマートがあり、駅舎内から直接入れますが、場所が少し分かりにくいので注意が必要です。

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稚内駅

稚内駅に到着し、いつもの撮影場所へ。積雪のため見えにくいですが、線路は右側の黄色い車止めまで続いています。気温は想像していたよりも穏やかで、やはり海沿いよりも内陸部の方が冷え込みが強いと感じます。

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駅前に出ましたが、歩行者はほとんどいません。観光客が少ない時期である上、この地域では車での移動が中心なんでしょうね。以前、夏の頃にこの周辺を歩いたことがありますが、シャッター商店街のようになってました。

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最果て感があり、何となく哀愁を感じます。通行する車両もほとんど見かけません。

滞在時間19分!帰ります!

せっかく稚内まで来ましたが、やはり冬の寒さの中、街を歩くのは大変なので、予定通り19分後の特急サロベツ号で札幌へ戻ることにします。次の特急にすると、稚内からずっと暗闇の中なので、車窓の景色も楽しめません。

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屋根があるにもかかわらず、稚内駅のホームには雪が積もったままなのですね。除雪はされていないのでしょうか?凍結防止のために、あえて雪を残しているという可能性もあるのでしょうか?

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このような表示は、記録として残したくなりますね。調べてみたところ、稚内駅から枕崎駅までの距離は3111kmとのことです。稚内駅を始発で出発し新幹線を利用しても、枕崎への到着は翌日の昼過ぎになるようです。

特急サロベツ4号 旭川行き
  • 13:01 稚内【乗車】
  • 13:05 南稚内
  • 13:42 豊富
  • 13:57 幌延
  • 14:30 天塩中川
  • 15:03 音威子府
  • 15:29 美深
  • 15:50 名寄
  • 16:05 士別
  • 16:18 和寒
  • 16:45 旭川【下車】
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サロベツ4号(稚内駅)

旭川までの運行となる特急列車は「サロベツ」という名称に変わります。一方、札幌まで直通する列車には、「宗谷」という名前がつけられています。旭川駅までの所要時間は3時間44分。

オホーツク流氷寿し

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稚内駅で駅弁を購入しようと思ったのは、JR北海道の車内誌に掲載されていた駅弁紀行がきっかけでした。稚内駅の「オホーツク流氷寿し」が紹介されており、その美味しそうな見た目に惹かれたのです。そして以下のように記載されていました。

車内誌「The JR Hokkaido」2025年1月号 駅弁紀行 No.226 より引用

稚内駅 オホーツク流氷寿し

ズワイガニをジュレ仕立てにし、流氷をイメージした冬季限定駅弁。

冬の観光シーズン真っ盛りの北海道、道民にはやっかいな雪も、降らない地域の人にとっては魅力的な存在。さらに冬の神秘的な風景といえば、 流氷だ。サハリンの北部で生まれた流氷は北海道に向かって南下。オホーツク海沿岸では、一月下旬から氷の塊が海面を漂う様子が見られる。
稚内駅に、流氷にまつわる駅弁「オホーツク流氷寿し」が登場したのは昨年の九月。
製造元の旭川駅立売商会(株)の遠藤慎一郎さんはこう話す。
「流氷といえば道東が有名ですが、 実は稚内市でも見ることができるんです。その流氷をイメージした新作として、ズワイガニをジュレ仕立てにした弁当が完成しました」
ズワイガニのジュレ!?と聞き、興味津々。 蓋を開けると、みずみずしいジュレが流氷のように美しかった。
遠藤さんは、「フレンチなど洋食やスイーツなどではよく用いられる料理法で、液体をゼラチンなどで固めたものをジュレと呼んでいます」と説明する。
「オホーツク流氷寿し」では、カニのほ
ぐし身を使い、カニのだし汁をゼラチンでゆるめに固め、酢飯の上にのせている。ジュレのぶるぶるとした食感が楽しめ、濃厚なイクラとの味の組み合わせも堪能できる。
さらに温度が上がってくるとゼラチンが溶けはじめ、カニのだし汁がご飯にしみて、味の変化も楽しめる。食べ始めから終わりまでストーリー性のある駅弁だ。
バラエティー豊かな海鮮も魅力的。 甘エビ、サーモン、イカは軽く酢締め。醤油味のベビーホタテとバランスも良い。 イカや枝豆、サーモンの彩りも美しく、 華やかに仕上がっている。
付け合わせの大豆そぼろヒジキは、 肉のそぼろ、油揚げ、ヒジキを醤油味で炊き上げた優しい味わいだ。そのほか菜の花大根、ショウガの甘酢漬けもえてあり箸休めになっている。
旭川駅立売商会の初の試み・カニのジュレ仕立て。新感覚の駅弁づくりへの心意気が込められている。
この駅弁を味わった後は、北海道の天辺・宗谷岬にある観光スポット流氷館も訪れてはいかがだろう。文/船本弘美

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オホーツク流氷寿し 1,390円

オホーツク流氷のコンセプトや、流氷をゼリーで表現した点はとても良かったのですが、正直なところ、もう少し具材にボリュームが欲しかったです。あと機内誌の文章が魅力的過ぎて、期待度があがりすぎてたのかもしれません。やっぱり「さすが北海道!」と感じるような、もっと食べ応えのある駅弁だったら嬉しかったですね。

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男山酒造 御免酒 484円

徳川幕府の葵の御紋に目を奪われ、旭川の男山という酒蔵で作られているという点にも惹かれて、このお酒を選びました。口に含むと、すっきりとした味わいが広がり、海鮮料理との組み合わせはまさに絶妙でした。「男山」という銘は、江戸幕府から「御免酒」という特別な称号を許されたことに由来すると伺い、歴史と伝統を感じながら味わうことができました。

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南稚内駅→抜海駅

うん、見えないのわかってました。

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幌延駅→糠南駅
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天塩川流域には過去に蛇行していた本流の跡が湖沼化した河跡湖が多数点在しています。

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佐久駅→音威子府駅間

行きの乗車時にはほとんどなかった急ブレーキが、帰りの列車では頻繁にかかりました。もちろんその理由は、エゾシカによるものです。

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佐久駅→音威子府駅間

午前中に見かけたオジロワシの姿が見当たらず、代わりにエゾシカが増えているのですね。これは偶然でしょうか。もしかすると、オジロワシはエゾシカにとって天敵となるのでしょうか?行きに見かけたエゾシカの死体は、やはりオジロワシが仕留めたものだったのでしょうか…。

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佐久駅→音威子府駅間

急ブレーキをかけた後、エゾシカの横を通過するまで列車は徐行するため、ゆっくりとエゾシカを眺めることができます。エゾシカほんと多いです。釧網線から見る 釧路湿原 よりよっぽど 自然豊かな感じします

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佐久駅→音威子府駅間

河川敷にも鹿がたくさんみかけました。佐久駅→音威子府駅間は山脈をぶった切るように天塩川と線路が敷かれているので、野生動物の移動場所になっているのかもしれません。

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佐久駅→音威子府駅間

佐久駅→音威子府駅間

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美深駅

美深駅のホームにあった半分見えない看板。本州に住む者からすると、北海道の道北地域全体がすでに秘境のように感じられます。そんな道北の奥深くにある秘境とは、一体どんな場所なのでしょう。

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南稚内駅からは、欧米人の学生さんが3人乗ってこられました。興味深かったのは、3人ともそれぞれ独立して1席に座り、時折言葉を交わされるものの、基本的には各自で静かに過ごされていたことです。

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これまで広大な自然ばかりを見てきた後だったので、名寄市内でまとまった数の家を見たのは久しぶりでした。生活感のある風景に、少しホッとしたような気持ちになりました。

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塩狩峠を越えると、車窓左側に大雪山系の山影が、雲の上からわずかに覗いているのが見えました。

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分かってはいたけど この辺りは天気が良かったんだね。

満員のライラックで札幌へ

特急ライラック34号 札幌行き
  • 17:00 旭川【乗車】
  • 17:19 深川
  • 17:32 滝川
  • 17:38 砂川
  • 17:50 美唄
  • 18:00 岩見沢
  • 18:25 札幌【下車】
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出発を待つライラック34号(旭川駅)

旭川駅で、向かいのホームに停車中の特急ライラック34号に乗り換えます。稚内から札幌まで通しで乗車する場合、指定席料金は1回分で計算されるため、事前に座席を指定済みです。

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平日の夕方、ビジネス客もいましたが、インバウンドの乗客が目立ちました。特に子供連れの家族が多く、旭山動物園が目的地の一つだったのかもしれません。アナウンスによると、指定席は完売、自由席も大変混雑しており、譲り合って座るようお願いがありました。指定席を利用している家族でも、席が離れてしまっている状況が見られました。

車内は静かで、落ち着いた雰囲気でした。以前は騒がしいと感じることもあった中国人観光客の方々も、今日はとても静かで、マナーが良くなったように感じました。隣の席のお子さんも、ほとんど音を立てずに過ごしていました。時折見かける、仕事帰りのサラリーマンのグループが賑やかにしている様子と比べると、今回は本当に静かで、快適な移動でした。

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札幌駅

札幌駅に18時半に戻りましたが、観光客が多いエリアのスープカレー店は混雑が予想されるため、少し離れた札幌駅北側で評判の良いお店を探すことにしました。電話で確認したところ、幸い空席があるとのこと!美味しいスープカレーのために、急ぎ足でお店へ向かいます。

カレー7軒目:ピカンティ Picante

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地下鉄に乗らず、駆け足で店に到着しましたが、ちょうどお客さんが立て続けに入店した直後だったようで、既に待ちができていました。店内を見渡すと、まだ料理をオーダー中の人が多く、提供まではしばらく時間がかかりそうです。タイミングが悪かったようです。店内のお客さんの7割ほどがインバウンドの方々でした。こんなに駅から離れた場所まで足を運んでスープカレーを食べに来るとは、本当にスープカレーは海外の方にも人気なのですね。※平日2名以上の場合ホットペッパーで予約できます。

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席に着くまでは20分ほどでした。メニューを見るとスープの種類が豊富で、これは本当に迷いますね。初めてだったので、お店の方に尋ねたところ、おすすめは「38億年の風」とのことでしたので、そちらをお願いしました。それと、昨日の揚げ鶏が美味しかったので、「サクッとPICAチキン」も追加で注文しました。

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サクッとPICAチキン 1640円

注文してから料理が運ばれてくるまで、30分以上かかりました。うまそう…。盛り付けの美しさを意識してのことなのか、それともチキンの皮のパリパリ感を損なわないための工夫なのか、器の端の一部がこんもりと盛り上がっています。

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サクッとPICAチキン 1640円

うわー、美味しい!このスタンダードなスープカレーが、自分の好みに一番合っていると確信しました。昨日のスープカレーと比べると、スープの量が格段に多くて嬉しい限りです。ガラクも美味しかったのですが、スープの少なさが少し残念でした。やはり、スープカレーはスープが命だと思います。こちらのスープカレーは、野菜の素揚げも丁寧で、このクオリティなら、提供に時間がかかるのも当然でしょう。他のスープもぜひ試して、自分のお気に入りを見つけたい、そんな素敵なスープカレー屋さんでした。

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美味しいスープカレーの満足感に浸りながら、地下鉄には乗らず、札幌の街をゆっくりと散策して宿へ帰ります。先程まで降っていた雪も、だいぶ弱まってきました。

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札幌駅の北口って南口と比べるとほんと質素だよね。

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地下通路は閑散としていますね。外は雪が降っているため、インバウンドの観光客の方々は、雪景色を写真に撮ったりしながら、ゆっくりと地上を散策しているようです。

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今夜が札幌最後の夜ですが、美味しいスープカレーを食べてお腹も心も満たされたので、ホテルに帰ります。健全な夜の過ごし方ですね。

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ホテルのフリースペースは、多種多様な言語が飛び交い、活気に満ちていました。7割ほどがインバウンドの観光客で、アジア圏だけでなく様々な国からの旅行者がいるため、国際的な雰囲気が漂っていました。このキャビンタイプの宿泊施設は比較的リーズナブルな価格設定で、ゲストハウスのような感覚で利用されているようです。海外のゲストハウスでの滞在を思い出し、懐かしい気持ちに包まれながら、札幌での最後の夜を過ごしました。

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