先月(5月)にtabiwaの周遊パスを使った旅行が有意義で楽しかったので、今月もtabiwaを使って、今度は香川県をメインに出かけることにしました。『岡山香川ワイドパス』は実際には香川県全体でJRが利用できるに比べて、岡山県はわりと一部です。あと小豆島に行くこともできるので船に乗ることもできます。魅力はなんといっても3日間で3,600円という安さ。

6月末まではwesterポイント超特典きっぷを利用すると山陽新幹線は定価の75%割引なので、これも前回同様に使います。新大阪から岡山までは1520ポイントでした。先月、新大阪から福山の間だと、こだまやひかりに比べて、のぞみやみずほを使うと200ポイントも追加が必要だったのに、岡山だと30ポイントしかあがらなかったので、みずほを利用しました。
九州直通の普通車はほぼグリーン車。

みずほ603号に乗車します(新大阪07:23発 → 岡山08:08着)。基本的に新大阪駅が始発の新幹線は21番線から出発します。21番ホームへのエスカレーターや階段は少し奥まった場所にあるため、初めて利用する人にはやや見つけづらいかもしれません。
車両は、山陽新幹線から九州新幹線へ直通するN700系7000番代・8000番代で、少し青みがかった車体が特徴です。7000番代がJR西日本所有、8000番代がJR九州所有という違いだけで、車両自体に違いはありません。

この列車(九州新幹線直通列車)の普通車指定席は、ほぼグリーン車と同じ2×2列の座席配置です。座席自体は広く、クッションもフカフカで快適なのですが、九州新幹線直通列車は8両編成と短く、また自由席が3両設置されているため、グリーン車1両を除くと、実質4両しか指定席がなく、座席数が少ないため混雑しがちです。
この時も横の座席に外国人グループがまとまって予約できなかったようで分散して座ってきました。「新大阪駅始発なのだから自由席に座ればいいのに」と思ってましたが。

新大阪駅を出発してすぐ、左下に見えてくるのは在来線の車両基地、宮原総合運転所です。大阪駅発着の列車がここから送り込まれるため、様々な列車が停まっています。中央には、深い緑色のトワイライトエクスプレス瑞風も見えました。
途中、新神戸駅からも多くの乗客があり、指定席はほぼ満席になりました。ただ、2×2列しか座席がないため空間にはゆとりがあり、それほど混雑している雰囲気はありません。九州新幹線直通のN700系は満席になりやすいものの、満席になっても混雑を感じないのは良い点だと感じました。東海道新幹線でグリーン席を選ぶ人の気持ちが少し分かった気がします。

西明石駅を出発して左手に見えてきた最初の海が瀬戸内海で、良い感じで晴れていました。山陽新幹線で瀬戸内海が見えるのは意外と少なく、他には徳山駅前後にコンビナート越しに見えたぐらいでしょうか。


新神戸駅を出発すると、次の停車駅は岡山駅です。姫路駅も高速で通過し、わずか45分で岡山駅へ到着しました。45分間と考えるとそれほど短いわけではないですが、新幹線に乗車している時間と考えると短く感じます。運賃はさておき、これなら本当に新大阪―岡山間は通勤圏内ですね。実際に、大阪や名古屋へ新幹線通勤している友人もいましたが、半年分の定期代が数十万円だったのを覚えています。
瀬戸大橋線で香川県最西端の街へ

岡山駅から瀬戸大橋線で香川県へ渡ります。まだ通勤時間帯ということで混雑の岡山駅。通勤客を運んできた瀬戸大橋線は7両で到着しましたが、後ろ側(姫路側)2両を切り離しました。しかし、ちょうど前の列車との間隔があいていたのと、10分弱遅れてきたので、車内は混雑していました。先頭に並んでいたので窓側を確保できました。
岡山-茶屋町間は以前の宇野線に部分的に複線にしているだけなので、反対列車待ちがあったり、それほど速度を出しません。ですが、茶屋町から先は新しく(とはいっても30年前)に敷設された全線高架の複線なのでいっきにトップスピードで爆走していきます。列車の揺れからの体感的には、新快速並みの130km/hをでていたと思います。

瀬戸大橋の通過は旅行者にとっては一大イベント。いや、出張できた人にとっても橋の上から海を眺めるのは珍しい光景だと思う。けど、車内は日常的に通っている人ばかりなので、窓の外にくぎ付けになっている人はほんとわずかです。
この海の上を走る区間は、以前は開通時に120km/hと高速で走行していたのですが、列車走行時の騒音が大きいということで、現在は95kmに落とされています。観光客にとってはゆっくり景色を見れるようになって好都合ですが、日常的に乗車している人にとってはもっと早く移動してほしいでしょうね。

線路と海の距離が近いので、下り線(岡山→高松)は左側が景色が良いのですが、午前中ということで逆光を避けるために、右側に座りました。やはり海までは距離があって、それほど眺めが良くないですね。

瀬戸大橋開通時に建設された瀬戸大橋タワーは1988年に瀬戸大橋が開通したときに開催された瀬戸大橋架橋博覧会の施設。いまだに現役なのが驚きです。小学生の時につれてきてもらった記憶があります。

南備讃瀬戸大橋と四国を結ぶ2,940mの高架橋を通り過ぎると、分岐があり、左へ進むと坂出、高松方面。右へ進むと、宇多津駅、松山、高知方面へと続きます。
今日の行先は、観音寺市です。岡山からだと特急列車が観音寺に直通していますが、特急は今回のワイドパスには含まれていないので、マリンライナーの四国側の最初の停車駅坂出で乗り換えます。厳密にいえば、別途特急券を購入すれば乗車は可能ですが。高松-観音寺間は普通列車が1時間に1~2本程度運行されています。

讃岐平野にそびえる422mの讃岐富士こと飯野山。綺麗な円錐形の形をしています。

坂出駅で観音寺行きに乗り換えます。2両編成です。

いや、マジで驚いた。

多度津駅でアンパンマン塗装の南風号との遭遇でした。

海岸寺駅から詫間駅の間は海沿いギリギリを走る区間。瀬戸内の眺めが良いです。

観音寺駅到着。梅雨入り前、6月上旬といえど燦々と降り注ぐ日差しのしたにいると真夏のように暑い。
観音寺駅は、人口5万6000人(2024年)、香川県で4番目の規模の街の中心駅です。
観音寺市は、地理好きか、鉄道好きじゃないとピンとこない地名ですね。でも、SNSでよくみかける「天空の鳥居」のある場所というと、あーっという人のほうが多い気がします。
観音寺市は香川県で最も西の自治体で、今回のワイドパスに含まれています。気になったのは、観音寺市に伊吹いりこの産地の島があって、伊吹いりこのでとったラーメンが美味しいということで訪れてみたいと思ったのです。あとレンタカーがなくても、「天空の鳥居」も歩いて登れるようなので、観音寺市を訪れました。
できれば天空の鳥居は涼しい早朝から登りたかったのですが、明日がいりこラーメンの店が休みだったので、今日訪れることにしました。
苦みが大人の味。伊吹いりこラーメン

JR観音寺駅に到着後、まずは駅前の観光案内所(大正橋プラザ)で自転車を借りました。電動アシストなしなら1日200円と安価です。電動アシストつきは1日1,000円です。

早速、伊吹いりこのラーメンを食べるべく、観音寺港付近にある「讃岐らぁ麺 伊吹いりこセンター」へ向かいました。お店は港に面した一の谷川の河口に位置し、観音寺駅からは1.6kmほど離れています。

「伊吹いりこセンター」へ到着。レトロな雰囲気を残した良い雰囲気のお店。平日10時半。中途半端な時間ですが、すでに8割ほど席は埋まってました。ほとんどが若いグループ客でした。みんな何している人なのだろう。
スタッフも若い人がテキパキと作業していて、昔からあるお店ではなく、伊吹いりこを売り出そうとした、新しくチャレンジしているベンチャーのお店のようです。

普通のラーメンを食べるつもりだったのですが、なんせ暑くて、思わず「冷やしらーめん」に目がいってしまいました。

透き通ったスープに、丁寧に盛り付けられた麺。細麺も選べましたが、平打ち麺をチョイスしました。
いりこは、いわしのことです。苦みがいいですね。大人のラーメンですね。あと麺が想像以上にコシがありました。思わず、別府冷麺を思い出しました。さすがコシが売りの讃岐うどんの地だなと感じました。暑い夏にぴったりで大満足。これで天空の鳥居目指して登れそうです。

香川県の人気スポット、高屋神社の「天空の鳥居」
今日の目的地、高屋神社の「天空の鳥居」です。SNSで話題となり、一躍人気スポットとなったその鳥居は稲泉積山404mの山頂付近にあります。

瀬戸内海の穏やかな田園風景の中を、私は黙々と自転車で進んでいました。視線の先にあるのは、今日の目的地、高屋神社の「天空の鳥居」が見えています……が、正直、思ったより遠い! 軽い気持ちで来たことを早くも後悔し始めます。

まずは参拝口である下宮を目指しますが、その道のりが最初の試練でした。道中、先ほど美味しくいただいた伊吹いりこの産地、伊吹島を遠景に見ながら進むのですが、下宮までの坂道は急すぎて、自転車に乗って登るのは早々に断念。サドルから降りて押し歩きに切り替えました。日頃から歩いてはいるものの、自転車を漕ぐ筋肉とは全く違うようで、登る前から既に足が重い。「これは先が思いやられます」。

下宮の駐車場には、平日にもかかわらず何台か車が止まっていました。休日はマイカー規制でシャトルバス利用が必須ですが、平日なら山頂の本宮近くまで車で来られるのは、心底羨ましい。登山口のここまで車で来られるだけでも、肉体的負担はだいぶ違うでしょう。

「天空の鳥居までは30~50分」という看板を前に、かつて登山に熱中していた頃は3時間の行程など朝飯前だったのに、今や30分ですら億劫に感じてしまう自分に時代の流れを感じます。重い足を叱咤して登り始めます。最初の整備された坂道が、斜度もあり一番きつかった。

幸い、道中は大半が木陰だったので、日中の暑さは少し和らぎました。登山道は九十九折になっていて、それほど急な場所はありません。

運動不足の自分にとってはなかなかの修行です。ところどころの眺めの良い場所で小休止。

登山道後半に差し掛かると岩場が増えてきました。これって安山岩ですね。安山岩はマグマが急激に冷えて固まった火山岩の一種です。

視界が開けると、北側の海岸線、そして遠くにはウユニ塩湖っぽい写真が撮れる父母が浜がある市街地が見えました。

石段が見え、ついに高屋神社、天空の鳥居が見えました。

「ここか〜〜〜」というのが、正直な第一印象でした。SNSで過剰に美化された写真ばかり見ていたため、期待値が上がりすぎていたのかもしれません。これぞSNS時代の功罪ですね。

しかし、やはりここは映えスポット。景色は素晴らしく、山頂の空気は格別に気持ちがいい!しかし、やはり人のマナーが気になりました。数枚撮ったら譲るという配慮がなく、特にアジア系の観光客がシャッターを切る枚数が多すぎて、鳥居前はなかなか空きません。

私は諦めてベンチに座り、20分ほど待機してからようやくシャッターを切ることができました。平日のお昼時ですらこの賑わい。週末の混雑ぶりは想像を絶するでしょう。写真の完成度以上に、この場所へ辿り着いた達成感と、眼下に広がる絶景こそが、ここに来た価値だと感じました。

しばらく休憩した後、いよいよ下山を開始。最初の石段。確かに眺めは抜群で、ここから見下ろす瀬戸内海と観音寺の町並みは気分爽快。しかし、その爽快感とは裏腹に、斜度が想像以上に急なのです。足を滑らせればそのまま転げ落ちてしまいそうな怖さを感じ、慎重に足元を確認しながらの下山開始となりました。
標高153mの尖った山、江甫草山(えぶぐさやま)。この山は、その美しい姿から讃岐七富士の一つに数えられ、「有明富士」という別名も持っているそうです。登山道から少し外れたところに、江甫草山を眼下に望む絶好の撮影スポット「鼻ご岩」があったのですが、その分岐をうっかり見過ごし、そのまま麓まで降りてしまいました。

下宮まで降りてきましたが、列車の時間まで余裕があるので、銭形砂絵を見下ろせる琴弾公園へいってみることにしました。

琴弾八幡宮の大鳥居横に自転車を停めて、参道を歩いていくようです。

随神門の横にねこちゃんが昼寝中。かわええな…。次の列車まで急げば間に合うはずでしたが、猫トラップにひっかかってしまい、急ぐのはやめました。

耳がカットされた、さくら猫になっていますね。さくら猫とは、不妊去勢手術済みの証として、耳の先端を桜の花びらにカットした猫のことです。

琴弾八幡宮の本殿、展望台までは長い石段になっていました。また登るのか…

階段を上がると琴弾八幡宮の本殿です。

70mの琴弾山山頂にある銭形展望台。

展望台から眼下を見下ろすと、「寛永通宝」の砂絵が出現します。展望台からの視界では全体がよく収まるので、一見するとその規模が分かりにくいのですが、案内板を見ると、その実態は東西122m、南北90mという大きさ!砂の盛り上がりも2mほどあるそうです。
この砂絵は、江戸時代・寛永の頃に藩主歓迎のために一夜で造られたと伝えられています。これだけ巨大なものを一夜で作り上げるという伝説には、当時の人々の並々ならぬ気概を感じます。
この巨大な砂のアートは、風雨にさらされれば崩れてしまいます。しかし、地元市民が年に二回ほど「砂ざらえ」という活動に参加し、美しく整えることで、この奇跡的な遺産を守り続けているとのこと。
ちなみに、ここも車で簡単に来れます。

乗車しようと思っていた14時14分発の高松行きにわずかでしたがわずか3分間に合わず…。猫のせいです(笑)。しかしこの時間帯は1時間に2本あったので助かりました。
観音寺では4時間半ほど滞在しました。もし車だったら半分以下だったんでしょうね。やはり車は偉大だわ。ひさしぶりにたっぷりと汗をかきました。

観音寺駅14:38→高松駅15:51 普通・高松行き
ホームで列車を待っている時間がとても心地よかった。日陰に入ればまだまだ涼しいです。春は日暮れが遅いのでまだまだ遊べます。


津島ノ宮駅。近くには岸から250m離れている津嶋神社まで橋が架けられていますが、普段は渡ることはできません。「津嶋神社」の夏季大祭では橋を渡ることができるのですが、この駅は夏季大祭の二日間のみ営業し、日本一営業日が短い駅として知られています。通常は無人駅としても機能しないこの駅が、大祭の時だけは賑わいを取り戻し、多くの参拝客を乗せてきた列車が停車します。2024年は2日間で1万4千人が利用し、ホームは人でごった返したそうです。

日本で一番面積の狭い香川県ですが、意外と時間がかかりました。香川県の西の端、観音寺駅からほぼ中央に位置する高松まで、各駅停車で19駅、1時間13分。
讃岐うどん1杯目:めりけんや

県庁所在地である高松とはいえ、夕方近くになると営業しているうどん店は少なくなります。讃岐うどんの店は、地元の人たちの朝食や昼食の需要に応えるため、基本的に朝から昼過ぎまでの営業となる場合が多いのです。この時間に営業しているお店は本当に貴重でありがたい存在です。
高松駅前で朝から夜まで営業しているチェーン店、「めりけんや 高松駅前店」の暖簾をくぐりました。最初の一杯でいきなりハードルを上げすぎないよう、まずは手軽なチェーン店から本場の味に触れてみようという作戦です。

今回は「釜玉うどん(大)510円」をいただきました。美味しいことは美味しいのですが、「さすが本場」というレベルまではいかないというのが正直な感想です。本当に美味しいお店のうどんは、コシと柔らかな食感のバランスがとても良いものです。噛むたびに弾力が感じられつつも、表面は滑らかで柔らかい。それに比べると、「めりけんや」のうどんは、コシはそこそこあるものの、柔らかな食感は表面の一部だけ、といった印象でした。
最初の一杯なので、いきなりハードルを上げないためにもチェーン店を選んだのですが、やはり本場の奥深さを感じるには、もう少しこだわりのお店を巡る必要がありそうです。
サンポート高松:連絡船の終わりと「都市拠点」への進化

高松駅に降り立つと、その近代的で都会的な雰囲気に驚かされます。ここはかつて、本州と四国を結ぶ連絡船が発着し、四国の玄関口として機能していた旧高松駅周辺の再開発エリア、サンポート高松です。連絡船の廃止(瀬戸大橋開通)に伴い、港の一部を埋め立て、駅を西側にずらして整備されました。2001年に開業した現在の高松駅を中心に、高松シンボルタワーなどの高層ビルが立ち並ぶ光景は、高松が「海の玄関口」から「新しい都市拠点」へと変貌したことを物語っています。

四国で一番高い建物、高松シンボルタワーの29階には展望スペースがあり、無料で見学することができます。オープン当初はレストランが入っていたため、エレベーターホールのあるは西側しか景色を見ることができませんでした。しかし、苦戦からかレストランが撤退し、結果として私たち観光客が景色を独占できる絶好の特等席に。運営側にとっては痛い話でしょうが、この絶景を独り占めできるのは本当にありがたい限りです。

展望室のガラス越しに、南側の景色へと目を向けます。高松市の中心部—丸亀町や瓦町方面—に広がる市街地は、想像以上に高層ビルがひしめき合い、奥まで建物が途切れません。この都会的な密集ぶりに、私は軽い衝撃を受けました。
「人口約41万人で、これほどの経済的な威容を誇るのはなぜだろう?」—この疑問が、高松の特異性を物語っています。
私たちが「四国最大の都市」としてイメージしがちなのは、人口約50万人を擁する愛媛県松山市かもしれません。確かに人口規模では松山に一歩譲りますが、高松が四国で確固たる存在感を放つ背景には、本州とのアクセスに優れるという強力な地理的優位性があります。
その結果、高松は「支店経済都市」として機能し、メガバンク、大手商社、大手保険会社など、広域ビジネスを展開する大企業が「四国支社」や「四国統括支店」を集中させる場所として選ばれてきました。この都会的な景色は、まさに四国経済の意思決定機能がこの地に集まっている紛れもない証拠です。人口規模ではない、この「経済的な中枢機能」こそが、高松の真の強みだと納得しました。
しかし、その活気の裏側には、少し複雑な日本の課題が見え隠れします。高松市の人口(約41万人)は、ピーク時(2015年)からほぼ横ばいを維持していますが、これは香川県全体の人口が着実に減少する中で、周辺自治体からの「一極集中」によって支えられているのが実情です。
このビル群が立ち並ぶ風景は、地方都市が持つ「求心力」を示している一方で、その裏側にある地域全体の衰退という、現代日本の構造的な課題を同時に見せつけられているような気がしました。

東側の眺望は、高松港と瀬戸内海。眼下にはこれから乗船する小豆島行きのフェリーが発着する高松港が見えますが、フェリーは1隻も見当たりません。連絡船が廃止されて以降も宇高国道フェリーが2019年まで運行されていましたが、現在では高松港から発着する定期航路は小豆島と直島のみ。かつて四国の玄関口として多くの船で賑わった港の歴史を思うと時代の移り変わりを感じさせてくれる風景です。
そして、この再開発の「光と影」も垣間見えます。小豆島行きのフェリーターミナルや、私鉄ことでんの築港駅へ移動する際、「意外と距離がある」と感じました。これは、駅を西側に移動した弊害かもしれません。立派な「箱もの」**を優先した結果、地元住民の日常的な利便性が犠牲になってしまったのではないかという懸念が頭をよぎります。展望室のレストラン撤退も、再開発エリアの苦戦を物語っています。
しかし、2024年3月に高松駅北側に、商業施設が入る新駅ビル「タカマツオルネ」がオープンし、客足は想定を上回るそうです。また今年(2025年)2月にオープンしたあなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)は、高松駅前の好立地を活かし、スポーツやコンサートで賑わいを生み出すでしょう。さらに、高松市の中心街の商店街は、テコ入れによって近年買い物客が増加しているという、地方都市では珍しい成功例を生み出しているといいます。
「利用者ほったらかし」と批判されかねない都市開発の課題を乗り越え、高松市は今、行政の手腕で「新しい都市拠点」としての真価を発揮し始めているのかもしれません。

高松-小豆島、フェリーさんぽ
ワイドパスに含まれている高松から小豆島池田港のフェリー。往復してゆったりと船の旅を楽しもうと思います。

今年、瀬戸内国際芸術祭という3年毎のアートのイベントが開催されているが、これは2010に設置された「Liminal Air -core-」という高さ8 mの2 本の柱の作品。開催期間は3期にわかれていて、今回はその開催期間外を狙ってきました。アートに興味ないし、混雑は避けたいですしね。

小豆島への便は充実しています。特に土庄(とのしょう)港行きは、フェリーが片道15便(所要時間60分、運賃700円)と本数が非常に多く、さらに高速船(所要時間35分、運賃1,400円)の選択肢もあります。一方、池田港行きは高速船はなく、フェリーのみ片道11便(運賃700円)です。

注目すべきは、この運賃の安さです。1時間近い乗船時間にして700円という価格は、乗船率の高さや、複数の港が存在することによる競争原理が働いているからかもしれません。池田港までの航路はtabiwaに含まれていますが、別途料金を支払ったとしても、お得に瀬戸内海の移動を楽しむことができそうです。
小豆島は、瀬戸内海で淡路島に次いで2番目に大きな島であり、橋で本土と繋がっていない島としては瀬戸内海最大です。人口は約2万5,000人。この規模と、同じ香川県内という地理的要因から、高松からのフェリーは非常に本数が多く、島民や旅行者にとって主要な交通手段となっています。
さらに、小豆島は広域アクセスも良好です。新岡山港、宇野港、姫路、神戸といった本州の主要都市とも航路で結ばれており、瀬戸内エリアの周遊拠点としての機能も持っています。しかし、このフェリー網も安泰ではありません。以前はより多くの航路があったものの、近年の人口減少(昭和22年6万2千人)の影響を受けて、航路が徐々に減少しているという現実もあります。
高松港16:47→小豆島池田港17:47

パンダとレインボーカラー。遊園地みたい・・・・

中途半端な時間だったので、船内はかなりすいていました。愛称「パンダ」号こと「第一こくさい丸」の船内は、えんじ色のファブリックで、よく言えば落ち着いた雰囲気、悪く言えば少しレトロな感じでした。2007年7月に就航開始された船で、すでに18年が経過しているため、やはり古めかしい感じがするのは否めません。
日中は売店でうどんも食べられるそうですが、残念ながら売店の営業は終了していました。

やはり甲板に上がってくるのは観光客ぐらいなもので、ほぼ貸し切りかと思いきや、喫煙所が甲板にあるため、時折、人がやってきます。しかし、基本的にはデッキは貸し切り状態です。海風が心地よく、気持ちいいですね。

時間帯的に西日が眩しいので、主に進行方向右側(東側)の景色を楽しみながらの船旅です。
海からもよく目立つ屋島は、綺麗な台形をしています。約1400万年前の火山活動でできた溶岩台地で、高さは282mから292mです。名前の通り、もともとは島でしたが、江戸時代の干拓によって現在は四国本土と繋がっています。
屋島といえば、源平合戦の舞台として有名です。都を追われた平家は一時屋島に逃れ、追い討ちをかけた源氏と海上で戦いました。特に那須与一の扇の的を射る逸話は、ここ屋島が舞台です。平家は当時の安徳天皇を連れていましたが、最終的に平家が敗れた下関で安徳天皇は身投げすることになります。
二年前に、その安徳天皇が祀られている下関の赤間神宮に行ったことを思い出しました。訪れた場所と歴史が繋がると、より深く楽しめて面白いですね

高松市側、南側よりもより北側から見たほうが、より台形に見えますね。

ふと気づいたのですが、瀬戸内海はそれほどべたべたしません。もしかしたら個人的な感覚かもしれませんが、実際に瀬戸内海は塩分濃度が低いです。
太平洋の塩分濃度が34~35‰(パーミル)であるのに比べ、瀬戸内海の低い場所では5‰以上低いとされています。内海にあると、海水が蒸発して塩分濃度が高くなりそうなものですが、それ以上に河川からの真水の流入が影響しているためです。

小豆島の全景が見えてきました。東西の長さは約29kmです。
約2000万年前に地殻変動と花崗岩が隆起してできた島とされています。遠くから見ると、平地が少なく、デコボコとした起伏に富んだ島という印象を受けます。実際には何度か訪れているので、島の雰囲気はよく分かっています。

船の前方側にも甲板がありましたが、前方にこれだけ広い甲板スペースがある船って珍しい気がします。

もうすぐ池田港に到着です。逆三角形のオレンジ色の屋根の場所が、池田港のターミナルです。
サンセットクルーズ?

小豆島池田港18:00→高松港19:00
1時間ほど池田港周辺を散策つもりでしたが、とんぼ返りすることにしました。理由は、今日の宿が個人経営のゲストハウスだったので、遅く到着するのは申し訳ないかなと思ったからです。乗船待ちの列が出来ていましたが、小豆島で仕事をした帰宅ラッシュのようです。大半が小豆島から高松市へ働きにいっていると思ってましたが、意外でした。

わずか10分の滞在で高松に戻ります。ちなみに明日の朝のフェリーでまた来る予定ですけどね。

フェリーの乗客は通勤、通学客が大半なので、帰りも甲板は貸切状態です。

西陽がまぶしい。

このあたりの島は花崗岩で出来ているようです。西日が当たり赤く染まっています。

太陽の真下にある円錐形の大槌島は、周囲1.67kmと小さな島にもかかわらず、島の中心に岡山県と香川県の県境があります。
また、この島が瀬戸内海の中間地点にあることから、現在の瀬戸大橋付近の島の県境を決める際に、この島から樽を流して決めようとしたという逸話があります。しかし、その際の海流が北側を通ってしまったため、結果としてほとんどの島が香川県になってしまったという過去があります。ただこれは岡山県側が領地をとられた言い訳のために、この話を流布したとも言われています。

夕日が沈む前にフェリーが高松港に到着してしまったので、急いで夕陽が見える岸壁に移動します。

19時04分。ギリギリ間に合いました。

19時06分。大槌島の南側に沈んでいきました。

右にあるのが昨年2024年オープンしたオルネ高松。駅の真横にあるという立地を活かして、売り上げは好評のようです。立ち寄ってみたい気持ちもありますが、明日以降も香川県をウロウロするのでまたゆっくりと訪れることにして、丸亀市へ向かいます。

高松駅19:40→坂出駅19:54
快速マリンライナー60号・岡山行き
最終的に、左の各駅停車に乗ることになるんだけど、すでに立ち客多数だったので、後発するマリンライナーを利用して、坂出駅で乗り換えます。

坂出駅20:00→丸亀駅20:08 普通・多度津行き
坂出駅で乗り換え。先ほど高松駅でホーム反対側に停車していた普通列車です。坂出からも乗客が多いですね。岡山方面からの乗り換え客も多かったのかな。

丸亀駅の照明が暗すぎて駅名も分かりずらい…。駅横の高架下にエースワンというスーパーマーケットがあるので立ち寄ってから宿へ向かいます。
丸亀駅前のゲストハウスうえるかめ
今回の旅行は丸亀駅前の「ゲストハウスうえるかめ」に3泊することにしました。日が暮れるまで電車でウロウロするので、駅近くがいいなと思ったからです。高松市のほうが便利だろうけど、意外と高松駅から距離があったりすると面倒かなと…。まあ結果的に1日の最後を高松駅で迎えることが多かったので、高松駅で良かったかも…。

丸亀駅前の商店街に今日宿泊するゲストハウスがあります。お店も開いてないし、照明もなくて、暗すぎる…

あとは素泊まり2,700円という安さ。ここからじゃらんクーポン使うので、1泊700円~1,700円×3泊。あとじゃらんポイントを利用したので、3泊合計での支払いは1,700円でした。ただ注意点としてはシャワーが別料金になります。1回300円です。

丸亀駅直結でエースワンというスーパーが併設されています。朝7時~夜21時まで営業しているので、便利ですね。残念だったのは閉店間際だったのに値引きシールが貼られていなかったこと…

最近のおしゃれなゲストハウスではなく、昔からあるような懐かしい雰囲気のゲストハウス。共用スペースとして談話室が1室あります。食事をしていたら、オーナーさんが足を運んでくれて、旅行談話をしていたら2時間近く経過していました。ありがとうございました。

