
竹原12:48→三原13:24 普通・糸崎行き
竹原市は、竹林が多くタケノコが特産であることから、地名が「竹」に由来するとされています。その竹のイメージが「かぐや姫」の物語と結びつき、町のイメージキャラクターとして定着しているようです。そういえば、昨日尾道で出会った芸術家の園山さんが、この竹原にあるかぐや姫美術館も運営されていると話していました。(かぐや姫美術館の最寄り駅は忠海駅です)

忠海港。正面の手前の濃い島影が大久野島。裏側は大三島。

山陽本線から眺める海の景色は、海が南側にあるため、どうしても逆光になってしまうのが残念な点です。もし山陰本線のように、海が北側にあれば、もっと美しい海の風景を堪能できたかもしれませんね。
忠海→安芸幸崎駅。1分47秒

何度目のくじら島?

三原市須波海浜公園付近。必殺徐行区間でゆっくりと走行します。背の高いソテツの木々が南国情緒を演出。まるで熱帯地方にいるかのよう。
高台を通るため、景色が良いのは言うまでもありません。ただ、雲一つない天気は嬉しいものの、その分日差しが強く、もう歩く気にならないですね。とはいえ、このまま帰るのはもったいないので、もうい1度、生口島(いくちじま)への船の上から景色を楽しみ、瀬戸田のカフェで柑橘系の爽やかなドリンクでも飲んで涼もうかと思います。

呉線の主要駅で見られる名物をモチーフにしたイラストは、地域性が表現されていて良い取り組みだと感じます。もしこれが他の路線や駅にも拡大されれば、観光客は駅に着くたびにその土地の文化や特産品に触れることができ、旅の経験がより豊かになるでしょう。
城の上に駅が築かれている三原駅

新幹線駅から最も近い天守閣を持つのは福山城ですが、天守閣がない城郭で比べるなら、三原城が群を抜いています。なぜなら、城の遺構の上にJR三原駅が築かれているという、極めて珍しい立地だからです。

三原城は、戦国時代に小早川隆景が築いた、瀬戸内海の海上交通を抑える要衝でした。海に突き出すように建てられた姿から「浮城」とも呼ばれたその威容は、明治期に鉄道が通る際に大きく姿を変えました。利便性のため城の大部分が取り壊され、その跡地に駅が建設されたのです。今でも新幹線ホームからは、かつての石垣や水濠の一部を見ることができ、駅と一体となった城の姿は、日本の城郭の歴史の中でも特筆すべき存在として、訪れる人々を魅了しています。
絶品たこ飯!人気の「こだま食堂」
目的としていたこだま食堂へ。こんな場所にも外国人観光客がいるのを見ると、Googleマップの普及により、旅先での国籍による偏りが減っているのかもしれないと感じました。幸運にも目当てのたこ飯弁当が手に入り、店の横のテーブルで早速いただきました。



【タコ飯弁当 850円】タコの旨味が凝縮されたタコ飯でした。タコの風味をこれほど引き出すのは、素人目線ながら至難の業だと感じます。家で何度か挑戦しましたが、意外とタコの風味が消えてしまうんですよね。さすが人気店たる所以がよく分かりました。
ゲソ揚げ、鶏唐揚げ、煮物と、おかずも充実していてボリューム満点。本当に美味しかったです。あのタコ飯の味が忘れられず、帰りにも立ち寄ろうとしたのですが、残念ながら売り切れていました。


船の時間まで余裕があったので、駅周辺をぶらついてみました。駅前の一等地に建つ三原市立図書館は、洗練されたデザインで、TSUTAYA(CCC)運営の施設かと思いきや、そうではありませんでした。駅チカに図書館があるのは非常に便利で、さらに隣にスーパーがあるのも嬉しいポイントですね。

スーパーで見つけたのは「広島県産はっさくサワー」(141円)。三原港の乗船場前のベンチに座り、景色を眺めながら一口。八朔は初めてでしたが試してみることに。甘酸っぱさの中に感じられるほのかな苦みが絶妙で、期待を裏切らない美味しさでした。海風が心地よい中で飲むこのサワーは、まさに最高の休憩時間。気づけば、この一本で気持ち良く酔いが回っていました。
2日連続で生口島へ

三原港14:30→瀬戸田港14:58 高速船/920円
瀬戸田行きの船は、初日とは別の弓場汽船でしたが、ここにも屋外席が用意されていました。屋外席を利用するのは観光客の自分だけで、他の乗客の皆さんは船内の座席を選んでいました。


初日は気づきませんでしたが、佐木島の南西の岬で開発が進んでいるのを発見しました。調べてみると、どうやら「NOT A HOTEL SETOUCHI」という富裕層向けのホテルが建設されているようですね。富裕層をターゲットとしていることから、定期船ではなく、クルーザーなどでの直接アクセスが主な手段となるのでしょう。

船が瀬戸田水道を進み、頭上を高根大橋が通過すると、程なくして目的地の瀬戸田港に到着します。

サイクリストの自転車で溢れかえっている尾道行きのフェリーは、乗船作業に手間取っている様子でした。船内も多くの乗客で賑わっていますが、目立つのはやはり欧米の方々ですね。

高根大橋と黄色い船が織りなす「黄色コラボ」は、尾道行きの船が遅れたからこそ見ることができた、思いがけない光景です。高根大橋は海面からの高さが23.5mもあり、橋の上からの景色はさぞ良いだろうなと感じました。もともとは瀬戸田のカフェで柑橘系のドリンクでも飲もうと思って来たのですが、先ほど「はっさくチューハイ」を飲んで、少しほろ酔い気分になって満足していたこともあり、この橋が人間も渡れるようなので行ってみることにしました。

おお、すごい勢いで潮が流れていますね。瀬戸田水道は、生口島と高根島の間にある狭い海峡で、潮の干満によって非常に速い潮流が発生することで知られています。瀬戸内海の複雑な地形と潮汐が影響し、狭い水道に大量の水が集中して流れるためです。


高根大橋


高根大橋まで来た甲斐がありました!高さ23.5mからの眺めは素晴らしく、瀬戸田の町並みと瀬戸田水道が一望でき、遠くには多々羅大橋の主塔も見えました。

北側を向くと、左に高根島、右に生口島、そして奥には佐木島が見えます。島々がひしめき合う瀬戸内海ですが、しまなみ海道が通るこのあたりは、まさにその中でも最も島が密集している場所だと実感します。

思ったよりも車通りが多いことに驚きました。もし歩道が整備されていれば、もっとのんびりと眺望を楽しめたでしょう。高根島の人口は432人と比較的多く、この橋によって生口島とのアクセスが格段に向上したはずです。

橋の色は、高根島の主要産業である柑橘栽培に由来すると聞きましたが、その視認性の高さも特筆すべき点ですね。なお、公式には黄色ではなくオレンジ色とのことですが、地元の方々からは「レモン橋」と呼ばれているそうです。当然そう呼ばれますよね。



橋の真ん中から眺める景色は素晴らしいですね。目の前に広がる瀬戸田水道は、川のように細く、先ほど潮が勢いよく流れていたことからも、ほんと川と錯覚してもおかしくないほどですね。

ちょっと雲が出てきましたね。

眺めの良さに時間を忘れ、高根大橋の上で20分ほど滞在していました。橋を渡りきって高根島にほんの少しだけ足を踏み入れ、再び生口島へと戻ります。帰りはしおまち商店街を通って帰ることにします。
再び、しおまち商店街
昨日も歩いたしおまち商店街ですが、昨日は9時前だったのでほとんどのお店が開いていなかったので、今日はのんびりと商店街を堪能したいと思います。

しおまち商店街を歩いていると、足元にカラフルなデザインマンホールを見つけました。これは、尾道市立大学の学生がデザインしたもので、空から見下ろした商店街の様子や、国宝指定の向上寺三重塔などが描かれています。レモン色の縁取りも印象的で、写真映えすること間違いなしです。

趣のある建物が目を引く「堀江理容院」。営業されているのかどうか、外観からは判断しにくいですね。

しおまち商店街の中央に位置する「汐待亭」は、築約150年の江戸時代末期に建てられた古民家を改装した魅力的なお店です。しまなみ海道を走るサイクリストにとっての拠点ともなっており、自転車のレンタルやメンテナンスサービスも提供しているようで、店先には多くの自転車が並んでいました。自家製レモネードを飲んで休憩しようと立ち寄ったのですが、すでに15時半のラストオーダーを過ぎており、残念ながら利用できませんでした。

レモンケーキの元祖「向栄堂」
しおまち商店街にある「向栄堂」さんでは、名物のレモンケーキを製造販売しています。賞味期限を確かめると、真空パックになっていて、賞味期限が3週間ほどあるということで、お土産として購入しました。自宅でいただきましたが、レモン味のチョコレートが爽やかな酸味と甘さのバランスが絶妙で、とても美味しかったです。ちなみに朝7時~夕方18時までとかなり長い時間営業しています。

当時の面影を残すレトロな建物が点在し、その歴史の深さを感じさせます。近年はしまなみ海道の開通によるサイクリングブームや、地域活性化の取り組みによって再び注目を集め、歴史ある古民家を改装したカフェやゲストハウス、個性的なショップがオープンし、商店街に新たな息吹を吹き込んでいます。
しかし、しおまち商店街は現状ではまだ活気が足りず、期待していたよりも店舗数が少ないと感じました。かつての賑わいを取り戻すには、観光客の誘致だけでは限界があるのかもしれません。

まだ16時にもかかわらず、瀬戸田港周辺のカフェやお土産店が軒並み閉店していました。もう少し瀬戸田での時間を楽しみたかったので、非常に残念です。この後、三原行きの船が来るので、このまま帰路につくのが良さそうですね。

瀬戸田港16:20→三原港16:48 高速船/920円
先ほど三原から来た便と同じ船、そして同じスタッフの方でした。私が散策している時間に、三原を往復してきたようです。船もスタッフも、休憩をほとんど取らずに稼働していることに頭が下がります。
船舶業界では人手不足と高齢化が進んでいると聞きますが、60歳よりは上に見えるそのスタッフは、日々の業務で体を動かしているからか、実にテキパキと作業されていました。こうしたベテランの方々の存在が、現在の日本の海運を支えているのだと改めて感じさせられました。


生口島の北端にある沢港に寄りました。近くに内海造船という造船所がありました。ここから一名の乗船がありました。横に停泊していたフェリーは三原港ではなく、佐木島を経由して、本州の須波港とを結んでいます。



黄色い構造物を見て、思わずレモン色だと感じてしまうほど、私の思考はレモンに支配されているようです。これはセメント工場の施設のようです。

通勤通学時間帯を過ぎても、船の乗客が少なくないのは興味深いことです。地図で確認すると、しまなみ海道が開通したとはいえ、本州と各島がすべて橋で最短距離を結んでいるわけではないため、船の存在が今なお不可欠であることを実感します。
しまなみ海道は確かに物流の主要な動脈ですが、島の住民の日常的な利便性とは必ずしも合致しません。特定の港から対岸への移動では、船の方が時間的に速かったり、費用が安価であったりするケースが依然として多く見られるようです。
200ポイント節約

まだ17時ですが、今回の旅には十分に満足したので、そろそろ帰途につこうと思います。三原駅から帰るよりも福山駅からの方がWESTERポイントを200ポイント節約できるため、福山駅まで移動することにしました。

三原17:20→糸崎17:24 普通・糸崎行き
三原駅から東方面へ向かう列車に乗車すると、次の糸崎駅が早くも終点となる列車が大半です。わずか1駅で乗り換えが必要なのは、三原と尾道、福山間を行き来する通勤・通学者にとっては、日々の手間となっていることでしょう。


糸崎17:27→福山17:55 普通・岡山行き



福山駅で下車。乗ってきた電車は岡山止まりでしたが、次に来るのは姫路行き。これなら在来線でも、たった一度の乗り換えで滋賀まで帰れるのですね。昔の青春18きっぷの制度が復活してほしいと、つくづく思います。
のんびりと「こだま」で帰る

「さくら」号は一般販売分もほぼ満席だったため、目的地までは時間がかかりますが、空席の多かった「こだま」に乗って、のんびりと帰宅することにしました。

そうか、瀬戸田レモンチューハイはJRのシリーズ商品だったのですね。柑橘類以外のフルーツはあまり得意ではないので、八朔を選んでみました。

福山駅新幹線上りホームからは、正面に福山城の天守閣が見えるという、他ではなかなか味わえない景色が広がります。
福山18:31→新大阪20:25 こだま860号・新大阪行き

かつて山陽新幹線を代表する車両だった「ひかりレールスター」も、今やそのほとんどが「こだま」として運用されています。8両編成という短い編成で運行されているのが特徴です。

「ひかりレールスター」の指定席は、グリーン車のような2列×2列の座席配置が特徴です。座席間のアームレストはしっかりと厚みがあり、隣席との仕切りとしての役割も果たし、プライベート感を保てるのが魅力です。まあ、車内はガラガラですがね。

購入したしまなみ八朔チューハイを早速開けてみました。期待を裏切らない美味しさで、八朔ならではのほろ苦さと爽やかな酸味のバランスが格別でした。この瀬戸内の味は、旅の終わりにふさわしい一杯です。

行きの「ひかり」号が各駅停車でも追い抜きなしで進んだのに比べ、やはり「こだま」は随分とゆっくりな運行だと感じました。岡山駅や姫路駅で10分以上もの通過待ち停車があっただけでなく、通過待ちのない駅でも3分ほど停車するなど、まさに「こだま」らしい、じっくりと時間をかけた移動となりました。

西明石駅で下りの「こだま」号が通過待ちをしていましたが、車内は大阪からの通勤帰りの乗客で混み合っているようですね。一方、こちらの上り「こだま」は、1車両に10人も乗車しておらず、対照的な車内風景でした。

新大阪駅に到着。各駅停車のこだま旅は、存分に乗り応えがありました。終始車内が空いていたのは非常に快適で、ガラガラの空間のおかげで、全く苦になりませんでした。
充実の船旅と「移動ツーリズム」の魅力
在来線を乗り継いで、22時前には無事に帰宅しました。
今回の旅は、たくさんの船に乗り、さまざまな島々や海の景色を堪能でき、心から満足しています。tabiwaのフリーきっぷを利用したことで、自由気ままに旅の計画を立てられたのが特に良かったですね。こうした自由な旅は、まさにひとり旅だからこそ実現できるものであり、最高の相性だと感じました。
今回の経験を通して、「移動ツーリズム」という新しい旅のスタイルがあっても良いのではないかと感じました。鉄道の車窓を楽しむ「乗り鉄」というジャンルがあるように、私は船から見える景色も、飛行機から見下ろす景色も大好きです。作り込まれた観光地を巡るよりも、移り変わる車窓や船窓をただ眺めている方が、よほど心が満たされる。そんな旅の形をこれからも楽しんでいきたいですね。
瀬戸田港16:20→三原港16:48 高速船/920円
三原17:20→糸崎17:24 普通・糸崎行き
糸崎17:27→福山17:55 普通・岡山行き
福山18:31→新大阪20:25 こだま860号・新大阪行き
新大阪20:35→京都20:59 新快速・長浜行き
京都21:12→比叡山坂本21:29 普通・永原行き





