尾道13:31→糸崎13:40 普通・三原行き
乗車するのは三原行きでしたが、目的地の広島方面へは列車の乗り換えが必要で、始発の糸崎駅で乗り換えます。ホームにはすでに列車の到着を待つ長い行列ができていましたが、空いていた一番先頭車両付近へと足を進め、列車を待ち乗車しました。
糸崎駅では、ホームの前方にある乗り換え階段に合わせて車両が停車するため、次の広島方面行きの列車は、前方の車両ほど混雑します。少し失敗したなあとは思いつつも、私は先頭車両の補助シートに座り、エアコンの効いた車内で一息つきながら、窓の外に広がる海を眺めました。
糸崎13:53→宮島口15:41 普通・岩国行き

糸崎駅で4両編成から6両編成の岩国行き列車へ対面乗り換え。先頭車両で座席を確保しましたが、尾道からの列車も混んでいたので、わりと座席が埋まりました。
尾道から広島へ向かうであろう外国人旅行者もちらほら見かけましたが、乗り換えてきた欧米人夫婦が、乗車した車両で学生に「Hiroshima?」と尋ねていました。学生は「分からない」と答えていたようですが、彼らが本当に知らないのか、それとも単に英語の会話を避けていたのか…。
少々お節介かと思いましたが、「これで広島に行けますよ」と伝えた後、夫婦が一緒に座れる席がなかったので、私の席を譲って後方の車両に移動しました。対面乗り換えの際、すぐ隣の車両に座席を確保しがちですが、こういう時は後方の車両が比較的空いていることが多いものです。実際、最後尾の6両目に行ってみると、乗客は2名しかおらず、ガラガラでした。結果オーライですね。
山陽本線の三原から広島までの区間は山の中を走るため、これといった見どころはありません。宮島口までは約2時間です。エアコンの効いたガラガラの車内でゆっくり休憩できそうです。

石州瓦の朱色の屋根の家並み。

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タカギベーカリー本社、本社は広島にあったんですね。

朝みかけたマツダスタジアム近くの赤いローソン。屋台がでていて、赤い服の人がたくさん歩いているので今日は試合があるようです。試合開始のまだ3時間以上前ですが…

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15時41分。ようやく宮島口駅に到着しました。もうすぐ夕方にも関わらず、わりと多くの外国人観光客が列車から降りてきました。広島駅から多くの外国人観光客が乗車してきていたので、ある程度は想像していましたが…。

1964年に建築された宮島口駅の駅舎は、当初、朱色で厳島神社の大鳥居を意識したデザインだったそうですが、現在は落ち着いた茶色になっています。駅前には交通量の多い国道2号線が走っているため、地上の横断歩道は設置されていません。フェリーが出航する宮島口へは、地下道を利用して横断します。

2020年から運用が始まった新しい宮島口旅客ターミナル。ここからは、宮島へ向かう2社のフェリーが運航しています。ターミナルを見て右側がJR西日本フェリー、左側が松大汽船です。
料金と所要時間に違いはありませんが、JR西日本フェリーは宮島へ向かう際、厳島神社の大鳥居により近い航路をとってくれるのが特徴です。今回、私が利用している「広島ワイドパス」にはJR西日本フェリーも含まれていますが、2023年から徴収されている宮島訪問税(100円)を、乗船受付で別途支払う必要がありました。
宮島口15:55→宮島16:05 JR西日本宮島フェリー
フェリーを降りてくる外国人観光客の多さに驚かされました。京都も多くの観光客で賑わいますが、宮島は日本人観光客が少ない分、外国人の比率がとんでもなく高いことに驚かされますね。全員が船から降りてくるのを待たずに、乗船が開始されました。

大鳥居を見るために、フェリーの進行方向右側から海を眺めました。宮島までの所要時間は約10分で、フェリーは15分ごとに1本運行されています。
宮島へアクセスする方法は、宮島口からだけではありません。広島港からの直行便や、広島中心部の原爆ドームまで直接乗りつける船も運航されています。宮島口からのフェリーだけでも1時間あたり8本も運航されていることからも、いかに多くの観光客が訪れているかがわかりますね。
実際に調べてみると、昨年度(2024年度)は年間4,854,369人が宮島を訪れたそうです。直近の4月だけでも463,771人ですから、1日あたりに換算すると約15,459人もの人々が宮島を訪れていることになります。宮島に実際に住んでいる人口が約1,670人(2025年時点)なので、住民の約10倍もの人々が毎日宮島にやってくる計算になります。
お金の話をするのは少し野暮かもしれませんが、一人100円の訪問税が毎日150万円以上も徴収されていると考えると、税収としては大きいですね。

ちょうど大潮の干潮ピーク時間だったので、厳島神社の大鳥居が完全に陸の上に立っていました。そのため、フェリーの航路はかなり遠目を通る航路になりました。

いままでは、海に浮かぶ厳島神社を見たく、満潮に近い時間帯を狙ってきてたので、ここまで潮が引いて砂地が顔を出しているのを始めてみました。この日の潮位は大潮、干潮のピークは現在15時~16時は36cmです。今日の満潮ピークは345cm。その差はなんと3mというから驚きです。瀬戸内海はほんとうに干満の差が大きいです。

厳島神社の大鳥居は、2019年から2022年にかけて70年ぶりの大改修を終え、その真新しい姿と鮮やかな朱色が印象的でした。私はもっと丸みを帯びた柱を想像していたのですが、実際に見てみると、木の形状がそのまま現れた意外とごつごつとした質感に驚かされました。
この大鳥居は、高さ16.6メートル、棟の幅は24.2メートル、主柱の周囲は9.9メートルにも及び、日本最大の木造鳥居として知られています。やはり真下から見上げると、その巨大さと迫力に圧倒されますね。

宮島では、約500島の鹿が生息していて、自由に歩き回る姿をよく目にします。大鳥居と鹿を一緒に写真に収めたいと思うのですが、これがなかなか難しい。鹿は、餌を持っていそうな観光客めがけて近づいてくるのですが、実は鹿への餌やりは1998年に禁止され、2007年からは鹿せんべいの販売も中止されています。それでも鹿が人に寄ってくるということは、残念ながらいまだに誰かが餌を与えているのでしょう。宮島の鹿たちは基本的に空腹状態のようで、食べ物が入ってそうな観光客のカバンをかじったり、あさったりする姿が散見されました。


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厳島神社社殿と大鳥居は160m離れています。厳島神社は18時まで拝観できるのですが、この状態ですからかなり参拝者は少なかったです。

この時期の夕暮れは遅いので、さすがに夕陽まで待つには長すぎるし、さっきまで晴天だったのに薄雲がかかって微妙だったので、広島市内に戻ることにしました。尾道から2時間以上かけて宮島に来て、大鳥居の周りをウロウロして終わりました。いやあそれにしても外国人率高いですね。8割は外国人という感じです。

宮島17:25→宮島口18:35 JR西日本宮島フェリー
ちょうど広島を訪れていた時期に、平和公園と宮島を結ぶ「ひろしま世界遺産航路 」の利用者が年間37万人というニュースを目にしました。10年以上前に運行が開始されたのは知っていましたが、これほど多くの人が利用しているとは驚きですね。この航路の魅力は、なんと言っても宮島から原爆ドーム、つまり広島の中心地まで乗り換えなしでダイレクトに行ける点でしょう。所要時間も約45分と最速で、片道2,200円かかったとしても、その利便性は非常に高いと感じます。予約制で着席移動が確約されているのも大きなメリットですね。現在、定期船は1日17便も運航されていますが、潮位の影響で時間帯によっては欠航になる場合があるため、利用の際は注意が必要です。

宮島口17:49→新白島18:14 普通・西条行き
ちょうど帰宅時間帯だったため、岩国始発の列車は到着時にはすでに混雑しており、座席を確保できるどころか、途中からはさらに大混雑となりました。広島市内へ向かう列車とはいえ、想像以上の利用者の多さに驚きです。


各駅で降りる人もいれば、それ以上に乗り込んでくる人も多いため、車内は常に人でごった返していました。さすが中国地方最大の都市、広島だと実感する帰宅ラッシュでした。

広島平和記念公園まで歩きます
広島平和記念公園へ向かうために、徒歩で1番近そうだったJR新白島駅で下車しました。アストラムラインという地下鉄と接続している駅で利用客も多い駅でした。2015年に開業した新しい駅です。

アストラムラインの新白島駅の駅舎は、その近未来的なデザインが印象的ですね。背後にそびえる県営住宅と合わせると、まるで日本の風景ではないかのような、独特の雰囲気を醸し出しています。
アストラムラインは、この新白島駅から中心部の本通駅まで南側が地下化されています。広島平和記念公園へ向かうには非常に便利なのですが、途中に位置する広島城を見たいので歩いて向かいます。
広島城
広島城(ひろしまじょう)は、毛利輝元(もうりてるもと)によって1589年(天正17年)に築城された城で、太田川の河口に広がる三角州に位置する典型的な平城です。別名を「鯉城(りじょう)」ともいい、その名の通り、堀に鯉が多く生息していたことに由来すると言われています。
安土桃山時代から江戸時代にかけて広島藩の中心として栄えましたが、1945年(昭和20年)8月6日の原爆投下により、爆心地から約980メートルの距離にあった天守閣は倒壊するという悲劇に見舞われました。現在の天守閣は、戦後の復興のシンボルとして1958年(昭和33年)に外観が復元され、内部は博物館として整備されています。

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個人的な好みですが、黒漆喰(くろうるしっくい)塗りの城は本当にかっこいいですよね。広島城は、その魅力が十分にアピールされていないように感じます。
確かに近くには原爆ドームや平和記念公園といった世界的に有名な観光地があり、広島城は比較的忘れられがちかもしれません。しかし、それらの主要観光地からわずか1キロ程度の距離に位置しているのですから、もっと積極的にアピールすれば、訪れる外国人観光客はさらに増えるのではないでしょうか。
再建された天守閣ではありますが、全国の入場者数でトップを誇る大阪城や、それに次ぐ名古屋城もまた鉄筋コンクリートで再現されたものです。広島城もまた、その歴史的価値と復元された美しい姿を、もっと多くの人に知ってもらうべきだと感じました。

サンフレッチェ広島の新しいホームスタジアムである「エディオンピースウイング広島」は、2024年2月1日に開業しました。収容人数は約28,520人です。全席屋根付き。スタジアム名には「恒久平和と、夢や希望を持って明るい未来へ羽ばたく」という願いが込められています。
スタジアム前には、「HiroPa(ヒロパ)」と名付けられた広大な芝生広場が広がっています。その周囲にはショップやレストランが軒を連ね、試合開催日以外でも人々が訪れるように整備されているのですが、私が訪れた日は試合のない平日だったためか、かなり静かで、集客には苦戦しているようでした。

エディオンピースウイング広島が位置する広島市中央公園周辺には、県立体育館、ファミリープール、図書館、美術館など、公共施設が集まっています。このエリアでは、試合や催し物による大規模な人の移動を想定してか、交差点に横断歩道はなく、すべて大きな歩道橋でつながれています。しかし、これが意外と不便に感じられますね。通常であれば横断できる場所に歩道がないため、大きく迂回する必要があるのが難点でした。

かつて広島東洋カープの本拠地であった広島市民球場跡地に、「ひろしまゲートパーク」が誕生しました。2023年3月31日に開業したこの施設は、中央のイベント広場を中心に、物販・飲食・サービス店舗がC字型に配置されています。さきほど訪れたエディオンピースウイング広島前の「HiroPa」と同様に、最近の都心部における広場整備のトレンドを反映していると言えるでしょう。都心部の広大な敷地を、イベントや憩いの場として活用できる空間に再開発する動きが全国的に見られますね。
原爆ドーム
日本人なら誰もが知る原爆ドーム。1945年8月6日の原爆投下において、爆心地からわずか160mという至近距離にありながら、その姿を奇跡的に残した建物です。かつて旧広島県産業奨励館として利用されていたこの建物は、爆風を上から受けたことで柱や壁の一部が倒壊を免れました。
原爆の強烈な爆風と熱線は、爆心地から半径約2km圏内の建物のほとんどを壊滅させましたが、唯一その姿を留めた原爆ドームは、被爆時のまま保存されています。これは、核兵器の悲惨さと平和の尊さを世界に伝えるシンボルとして、1996年にはユネスコ世界遺産に登録され、人類共通の「負の遺産」として深く記憶されています。

日が暮れて徐々に周囲が暗くなる中、ライトアップされた原爆ドームが厳かに浮かび上がってきました。その前にある、被災状況を説明する案内板の前では、ほとんどの人が足を止め、じっくりと文章を読み込んでいました。
広島を訪れる外国人観光客の方々は、やはり平和学習を主な目的としているのでしょう。彼らが真摯な表情で被災地と向き合っている様子を目にすると、日本人として、少し感極まるものがありました。

広島平和記念公園

日が暮れてからも平和記念公園を訪れる外国人観光客が多いことに驚かされます。特に、アジア系の方々よりも欧米系の訪問者が多いように見受けられました。これは、広島が平和の象徴として世界的に認知されていることを改めて示していると言えるでしょう。

日中の喧騒とは打って変わり、静寂に包まれていました。ライトアップされた慰霊碑は幻想的ながらも厳かな雰囲気を醸し出し、その前で祈りを捧げる時間は、より一層深く心に響きました。観光客の姿もまばらで、静かに歴史と向き合う貴重なひとときを過ごすことができました。この時間に訪れて正解でした。

広島平和記念資料館は、公共施設としては珍しく夜19時まで開館しており、その時間の長さに驚きました。朝も7時30分から開館しているようです。以前はもっと開館時間が短かった記憶があるのですが、昨年から朝夕ともに延長されたとのことでした。もう少し早い時間に訪れて、じっくり見学したかったですね。
広島都心ウォーク
平和記念公園から宿のある広島駅までは、約3キロと少々遠いですが、歩いていきたいと思います。近年の広島の中心部も見ておきたいですしね。

広島電鉄の本通(ほんどおり)駅は、広島市の中心部に位置し、その周辺は「紙屋町(かみやちょう)」と呼ばれる広島屈指の繁華街です。百貨店やファッションビル、商業施設、金融機関などが集積するオフィス街・商業地として、まさに広島の中心機能を担っています。昨日、広島港から広島駅へ向かう際、うっかり1号線に乗車してしまい、この本通駅を含む区間を大回りしてしまいました。

本通商店街は、広島市中区の紙屋町から金座街まで東西約500メートルにわたって続く、広島最大の商店街です。通りを歩くと、日本人だけでなく、実に多くの外国人観光客の姿が目に留まります。欧米人向けと思われるバーが増え、活気あふれる賑わいを見せていました。

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本通商店街は、広島パルコの西側で終わりを迎えます。そこから中央通りを横断すると、そこは「堀川町(ほりかわちょう)」と呼ばれるエリアに入ります。本通商店街が日中のショッピングや散策を楽しむ「昼の顔」を持つ一方、堀川町は一転して、夜の賑わいを見せる飲食店街へとその表情を変えます。

居酒屋やバー、クラブなどがひしめき合う「流川(ながれかわ)」は、まさに広島最大の歓楽街です。その規模は、中国四国地方で最大と言っても過言ではないでしょう。私が訪れた時間帯はまだ早めだったためか、期待したほどの賑わいはなく、比較的閑散としていました。

さすがに歩き疲れました…。

昨日も足を運んだ広島駅ビル「minamoa(ミナモア)」内のアバンセ。まさに惣菜コーナーで半額シールが貼られ始めたタイミングだったので、これはとばかりに物色し、宿でいただくことにしました。相変わらず半額にする決断が早く、貧乏旅行者にとっては本当にありがたい限りです。

・天然魚の刺身盛合せ862円→430円
・広島産カキフライ弁当862円→430円
・瀬戸田CHUHIレモン

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サワラの炙りと鯛の刺身が特に美味しかったですね。やはり魚は皮目にこそ、豊かな旨味があるのだと改めて感じました。
サワラの炙りは、皮目を炙ることで香ばしさが加わり、身の甘みとのコントラストが絶妙でした。また、鯛の刺身も、皮と身の間にある脂に独特の甘みや風味が凝縮されており、皮目を湯引きして残すことでその旨味を存分に味わうことができます。新鮮な瀬戸内海の魚介が豊富な広島ならではの美味しさでしたね。

近くの人がソフトクリームを食べているのを見て「なぜだろう?」と思って、目に留まった機械には「火曜(今日)限定、ソフトクリーム食べ放題」と記載されていました。 通常は朝食時間帯のみのサービスです。食後にぴったりのこのサービスは嬉しい限りです。この宿は、提供される価格とサービスが全く釣り合っていないと感じるほど、お得に宿泊できています。

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