2024年9月10日(火)

宿泊者は無料、外来者でも700円で利用できる朝食バイキング。06:15開始と早めにオープンしてくれると朝の行動に余裕が生まれるのであいがたい。今回は1本早い列車に乗ることができたので、浜田で1時間ほど散策する時間がつくれました。あと朝食会場がとても綺麗。

旅行中は生野菜を食べる機会が少ないのでバイキングはありがたいです。

無料なので品数は多くはなかったけど、基本は抑えてあるし、豚ロールカツやエビシュウマイもあって、朝からしっかり食べられるのは嬉しい。700円で食べられるなら、外来で訪れるのも良さそうです。
益田~浜田-41.2km
山陰本線・普通 江津行き益田07:02→浜田07:51

普通・江津行き 益田07:02→浜田07:51
このキハ120形は全長が一般的な車両の20mよりも短い16.3mのため、まるでバスが線路を走っているようで、見た目があまり好みではありません。朝の通学・通勤時間帯なので2両編成です。

昨日、益田駅から折居駅まで往復しました。同じ海を見ているのですが、時間帯が違うと景色が変わって新鮮でした。特に、朝の澄んだ空気の中で見る海は、昼間とは異なり、静かで神秘的な雰囲気に包まれていました。



この辺りの海岸線は、花崗岩の隆起によって複雑な地形が形成されているようです。日本海は潮の満ち引きの影響が少ないため、干潮時でも見えにくいのですが、よく見ると海水面ぎりぎりのところに花崗岩特有の白い部分が確認できます。

グーグルマップや島根県、浜田市の地図を見ても、この美しい海岸線に名前が付けられていないのは不思議です。昨日の山陽本線で見た綺麗なビーチもそうでしたが、アクセスが困難だったり、人が立ち入らない場所は、やはり名前が付けられないのでしょうか。

昨日たくさんの降車客がいた三保三隅駅からは、同様にたくさんの通勤客・通学客が乗車してきました。定期券の補助金でも出してるのかと思うほど、町の規模の割にJR利用率が高い気がする…。

折居海岸。昨日の道の駅ゆうひパーク三隅から見下ろしていた場所です。朝のほうが海の色が綺麗な気がします。

折居駅から周布駅の間も美しい海の景色が続きます。


浜田駅に到着。この列車は引き続き江津まで向かいますが、江津駅まで行っても1時間後の浜田駅始発の列車に乗ることになるため、浜田駅で下車して、周辺を散策することにしました。この後もぜひ窓側の座席を確保しておきたいので、始発駅から乗車したいところです。浜田駅には二つの高校があるため、ここから新たに乗り込んでくる学生が多くいました。
銀天街「どんちっちタウン」

浜田市は人口が5万人で、島根県西部(石見地方)では最も大きな町です。鉄筋2階建ての立派な駅舎にはエスカレーターも設置されていていました。

8時から駅前の石見神楽のからくり時計が動き出しました。島根県西部(石見地方)を中心に伝わる伝統芸能で、日本神話や伝説を題材とした演目が中心です。

「どんちっちタウン」は、JR浜田駅に直結する浜田駅前銀天街の愛称です。「どんちっち」とは、石見地方に伝わる伝統芸能「石見神楽」のお囃子の擬音語です。

特徴的なのは、その立地です。通常、駅前の商店街は平坦な場所に広がることが多いのですが、どんちっちタウンは坂道に位置しています。

坂道に作られた商店街って珍しいですね。さすがに朝8時ということで開いているお店はありませんが、空き店舗が目立つような雰囲気はなかったです。

昔ながらの商店街の雰囲気を残しており、懐かしい街並みを散策できます。それにしても、この傾斜きつくないですか?
浜田~出雲市-88.7km
山陰本線・普通 出雲市行き
浜田09:07→出雲市11:09

さきほど乗車していた列車が江津から戻ってきて、そのまま折り返して出雲市行きになりました。もちろん2両編成です。列車到着時はガラガラでしたが、出発時では海側のボックスシートは埋まっていました。海側のボックスシートは1車両あたり2つしかありませんので、すぐに埋まります。

手前の波子海水浴場から、奥に広がる姉ケ浜海水浴場まで、約3.5kmにわたって続く白い砂浜は、「日本の快水浴場百選」に選ばれるほどの美しさ。朱色の石州瓦が特徴的な集落越しに望む、コバルトブルーに澄み切った海の風景は、石見地方ならではの景色です。JR波子駅の裏の小高い丘に展望台も設置されています。

昨日も少し触れましたが、山陰本線の益田から鳥取までの間は、島根県と鳥取県が出資し、2001年に山陰本線の高速化を実現させました。高速化のために、線路の改良(カーブの緩和、高速走行に対応した線路への改修など)、新型車両の導入(キハ187系、キハ126系など)を行い、移動時間の短縮され、列車の本数が増加し、乗り心地も改善したことにより、利用者数はかなり改善したようです。
ただ、鳥取から益田までの間で無料(一部)の高速道路が開通した時に、車の利便性が高まり、利用者数が減りそうな予感がします。もともと、この地方は人口減少は深刻な問題で、全国平均を大きく上回っています。

江津東ウィンドファーム風力発電所の立ち並ぶ風車群が見えてきました。浅利海岸の白い砂浜と青い海とあわせた景色は素晴らしいですね。近くには山陰本線の列車と撮影できるスポットが近くにあったと思います。

波子駅周辺の集落と同様のロケーションで、朱色の石州瓦の屋根が連なる集落越しに、紺碧の日本海を望むことができます。浅利海岸沿いの線路は内陸部を通るため、風車の間近を通り過ぎることはありません。


温泉津温泉の最寄り駅。温泉津温泉は、世界遺産・石見銀山と共に栄えた、古くから湯治場として親しまれてきた温泉地。共同浴場や旅館が点在し、石州瓦の町並みが残る温泉街は、懐かしい雰囲気が漂うらしい。駅から徒歩圏内なので、時間があれば途中下車してみたかった。

馬路駅近くにある琴ヶ浜海水浴場は、砂を踏みしめると「キュッキュッ」と琴の音色を奏でる鳴き砂で有名な海岸。白砂青松の美しい風景は「日本の渚百選」にも選ばれています。

掛戸松島は、鎌倉時代に波根湖の水を日本海へ流すために開削された切り通し工事の記念碑として残された人工島。両側は切り崩した崖になっているので、見えるのはわずかです。日本海の荒波と奇岩の織りなす景観は、人工的に作られたものとは想像できないほどで、長年の波による浸食がそう感じさせないのだろう。

この先で石見地方から出雲地方へと変わるので、石見地方の特産品である石州瓦の風景も徐々に減っていくのだろう。

羽根駅から田儀駅へ向かう車窓は、道路が通っていないため、鉄道からしか見ることができない海の風景が続く。岩礁地帯では、2隻の小型船が漁をしている様子。夏が旬のアワビやサザエなどの貝類を狙っているのだろうか。

しかし、なぜこんな海際に鉄道を建設しようとしたのだろう。当時の技術ではトンネルを掘ることが困難だったからだろうか。それでも100年近くも前に建設されたのだから、大変な作業だったに違いない。おかげで、今こうして美しい景色を楽しむことができるのだから、感謝しかない。

海越しに島根半島の山並みが見えてきました。左に突き出たところが日御碕あたりですが、位置的に厳密な日御碕は見ることはできないはずです。あの山の麓に縁結びで有名な出雲大社があります。

反対列車待ち合わせのため、田儀駅で6分間停車するということだったので、ホームに降りてみました。

田儀駅は海岸線に近く、駅のホームからは雄大な日本海の景色を望むことができます。

徐々に島根半島の山並みが大きくなってきました。それと同時に、山口県から続いた海沿いの区間も終わりに近づいています。

次に海の近くを走るのは、鳥取県と兵庫県の県境付近になるので、だいぶ先になるでしょう。

出雲市のある出雲平野は、斐伊川によって運ばれた土砂が堆積してできた沖積平野で、宍道湖と日本海に挟まれています。島根県内でも有数の米どころであり、稲作の季節には、緑豊かな風景が広がります。

出雲市は人口約17万人を擁し、県庁所在地の松江市に次ぐ島根県第2の都市です。下関市以来久しぶりに、都市と呼べる10万人規模の町を訪れました。ここまで非電化区間でしたが、車両基地のある西出雲駅からは電化されています。
JR出雲市駅

出雲大社への玄関口として多くの観光客が利用する駅です。近代的な高架駅舎でありながら、その入口は出雲大社の神門を模したデザインで、出雲らしさを感じさせます。今回初めて出雲市駅で下車しましたが、駅構内には飲食店や土産物店などが充実していました。

出雲市駅は、国内唯一の定期夜行列車『サンライズ出雲』の終着駅です。駅構内のセブンイレブンでは、『サンライズ』のイラストが描かれたトラベルセットが販売されていました。

今年2024年3月にデビューした新型やくも。その車体に施された『やくもブロンズ』は、宍道湖の夕日、たたら製鉄、大山夏山開き祭のたいまつ、赤瓦の町並み、これら4つの色彩を基にしたオリジナルカラーです。出雲市を出発し、米子から中国山地を横断する伯備線を経由して岡山駅まで運行されています。
先週、岡山駅から松江駅まで乗車しましたが、やくも号が通る路線は全線電化されており、1時間に1本と運行頻度も高く、陰陽連絡線(山陰と山陽を結ぶ路線)の中で最も輸送力の高い移動手段です。
出雲市~米子-61.6km
山陰本線・普通 米子行き
出雲市11:48→米子13:06

2両編成。キハ126系はJR西日本が設計し、2000年から運行はじめたディーゼル車。いわば山陰地方のオリジナル車両。これも高速化事業の一環で投入されたものです。

今日の行程は乗り換えがスムーズすぎて、昼食をとる時間がありません。車内も混雑していそうだったので、出発前にセブンイレブンでピザまんと肉まんをさっと買って済ませました。

日本で7番目に大きい湖、宍道湖。淡水と海水が混ざり合う汽水湖で水産資源が豊富。スズキ、シラウオ、アマサギ、ウナギ、モロゲエビ、シジミ、コイの7種の魚介類「宍道湖七珍」が名物です。
平日ですが、午前中授業の学校が多いのか、車内はたくさんの学生で賑わっています。

松江市は人口19万人。島根県の県庁所在地であり、山陰地方で一番大きな都市。宍道湖と中海に面した水郷都市です。

松江城は現存12天守の一つであり、その特徴的な黒塗りの外観から「千鳥城」とも呼ばれています。天守の屋根を飾る千鳥破風が、まるで翼を広げた千鳥のように見えることに由来するそうです。

宍道湖と中海を結ぶ全長約7.6kmの大橋川。川というより水路という表現があっているかと思います。宍道湖側が上流にあたりますが、潮の満ち引きによって水が逆流することもあるそうです。

日本で5番目に大きな中海。車窓から見えるのはほんの一瞬。境水道を通じて日本海とつながっているので、汽水湖ですが宍道湖と比べると塩分濃度は強め。ちなみに7番目の宍道湖79.1k㎡と5番目の中海86.2k㎡を合わせると、2番目の霞ケ浦167.6k㎡とほぼ同じ大きさになります。

米子駅は2023年から新しい駅舎になり近代的になりました。1つ手前の安来駅は島根県ですが、米子駅から鳥取県にはいります。米子市は14万人で鳥取県第2の都市ですが、地理的に松江市や隣接する安来市と近く、同じ経済圏を形成しています。
米子~鳥取-92.7km
山陰本線・普通 鳥取行き
米子13:40→鳥取16:10(2h30m)

米子からは再びたらこ列車キハ47。これだけでも嬉しいのだが、まさかの4両編成という大出血サービス。鳥取までの間ですれ違った車両は126系ばかりだったのでした。やっぱりローカル線の旅はキハ40か47ですね。

1車両あたりボックスシートは4つ、あとはロングシートという変わった編成。ワンマン運転なのですが、4両すべてでドアが開閉するそうで、もうキセル対策とかどうでもいいのでしょうか?ほとんどが無人駅だと思うんですよね。

周囲の目線を気にせずにのんびり列車旅を楽しめそうだったので、ビールを買いにいきました。最近、キリンの晴れ風がマイブームです。飲みやすく、すっきりとした味わいが夏にぴったりです。

列車の最後尾に移動し窓を全開にして、流れる景色を独り占め。日野川の雄大な流れと、その先にそびえる大山の荘厳な姿に、思わずテンションがあがります。外の風を感じながらの列車旅はいいですね。まあ熱風に近いものがあるんですが…w
キハ47のいいところは、窓ガラスが開けられるところなんですよね。さすがに外は暑いのでずっと開けるわけにもいかないので、季節の良い時にまた乗りに来たいなと感じます。

鳥取県の大山は、標高1,729mの中国地方最高峰。その美しい山容から「伯耆富士」とも呼ばれ、日本百名山にも選ばれています。漫画岳でも語られてたけど、「登ったことある山は、より綺麗に見える説」は当たってますよね。

岡山方面への伯備線さようなら。伯備線は電化しています。

電化していないほうが、景色を邪魔する電柱と電線がなくて良いですね。

海の景色だけでなく、山の景色も楽しめるなんて、ほんと山陰本線は最高ですね。

夏を感じる風景ですね。一昔前と違って、9月はまだまだ真夏ですね。

大山から流れ出た溶岩で海岸までなだらかな大地を形成しているので、遠くに日本海を見ることができました。このあたりの海外線は比較的単調です。所々に朱色の石州瓦は残っていますが、9割以上は黒い屋根瓦です。

赤碕駅で反対からくる特急列車の待ち合わせ。長大編成が運行していた名残で、ほとんどの駅でホームが長くなっています。昭和にタイムスリップしたような光景ですが、たらこ列車は青空の下でも映えますね。特急のすれ違いで9分間停車しました。

赤碕漁港では、港湾内の水の色が外洋と異なり、日本海の概念を覆すようなコバルトブルーの海が広がっています。

最後尾の4両目にに乗車していますが、乗客はわずか5人です。この閑散とした様子はローカル線ならではですが、営業的にはかなり厳しい状況でしょう。

米子~鳥取駅間で海に最も近いこの場所は、およそ150mの距離です。米子市から鳥取市間は無料の高速道路が整備されているため、併走する国道9号線は交通量が少なく閑散としています。

名探偵コナン列車にすれ違いました。「名探偵コナン」の作者である青山剛昌氏のふるさが鳥取県北栄町出身で、「まんが王国とっとり」の建国を記念し運行が始まったとの事。
すれ違ったこのラッピングはすでに4代目の名探偵コナン列車「探偵車両」。茶色側のテーマは「招集された探偵たち」だそうです。反対側は黄色になっているようで「少年探偵団」。
「名探偵コナン」の作者である青山剛昌氏のふるさが鳥取県北栄町で、最寄り駅の由良駅を訪れるファンも多いらしいです。

米子駅のセブンイレブンで購入済み。この後、通学客の帰宅時間に入るので、なかなか食べる機会がなさそうなので、早めに食べることにしました。今日はまったく旅行先らしい食事はなかったけど、景色で満足している時はほんと気にならないんですよね。今回はほんと物理的に食事をする時間がなかったんだけど。日本海沿いということで、苦し紛れの海鮮系でまとめてみました。

鳥取~倉吉間ではスーパーはくとが1時間に1本運行しているので、これまで以上にすれ違いと追い越し待ちの停車が多くなります。宝木駅で10分間停車し、スーパーはくとの追い越しと反対列車待ち。

池の向こうは日本海でもともとは海とつながった湾だった場所。砂が堆積して砂丘が形成されたことによって海と切り離された湖。この砂というのは鳥取砂丘と同じ砂で、中国山地の砂が千代川によって運ばれ、沿岸流や季節風によって堆積したものです。広義的にはこの近くのこの近くの白兎海岸から鳥取砂丘がはじまっているそうです。

日本一大きな池として有名な、湖山池。「池」と名のつく湖沼としては日本最大の広さを誇ります。日本海とつながっていたものが、砂丘の発達により分離してできた海跡湖です。

湖山池の18kmあります。参考に長野県の諏訪湖の周囲が15.9kmです。美人すぎる…みたいな感じでいうと、大きすぎる池?
湖山池の近くに鳥取大学前という駅がありますが、ここで車内の様子は一変します。4両ガラガラだった車内はいっきに立ち客がいるほど学生が乗ってきました。大学生だけでなく小学生から高校生までまんべんなく学生さんが乗車してきました。このために米子駅から4両編成で来る必要があったわけですね。

鳥取~豊岡-81.9km
山陰本線・普通 豊岡行き
鳥取16:21→豊岡18:33(2h12m)

鳥取駅での乗り換え時間は11分。すでに豊岡行きの列車には学生さんがたくさん乗車していて、空席はあったのですが、後部に窓を開けられる場所があったので立っていくことにしました。

鳥取駅を出発した列車は南東へ進みます。久松山の上に鳥取城址がありますが、戦国時代に豊臣秀吉が兵糧攻めした鳥取城。深刻な飢餓状態に陥った際、城兵や住民の間で共食いが起こったと伝えられています。

沿岸部の鳥取砂丘を避けるようにして、山間部を進みながら次の福部駅を目指しますが、1駅間の所要時間は14分で距離にして11kmも離れています。

あの丘の向こうに鳥取砂丘があります。鳥取を訪れたら誰もが訪れる観光地ですが、JRのどの駅からも離れています。勝手な想像ですが、線路に砂丘の砂がのって、車輪が空回りするのを嫌ったのでしょうか?

羽尾海水浴場。再び日本海です。このあたりの海では何度か泳いだことがありますが、透明度が高いのでおススメします。

東浜海水浴場。夏休みの間は多くの海水浴客で賑わったのでしょう。

トワイライトエクスプレス瑞風が停車する東浜駅。近くのアルマーレというレストランで朝食をとるために立ち寄ります。

山陰の日本海側はどんどん無料の高速道路が作られているのですが…。次のトンネルを超えると兵庫県です。

浜坂駅で下車する乗客は多かったですね。鳥取県へ越境して通学、通勤している人が意外と多いようです。兵庫県北部の大きな都市といえば豊岡市で人口が7万人、鳥取市の人口は18万人と大きな差があるので、同じような距離だと必然的に鳥取市に通う人が多くなりますね。

余部橋梁は、かつては余部鉄橋と呼ばれ、明治時代に建設されたトレッスル橋でした。地上からの高さは約41.5mで日本海の絶景を望む橋梁でしたが、1986年に列車転落事故が発生し、多くの犠牲者を出しました。事故後、架け替え工事が行われ、2010年に現在のコンクリート橋となっています。旧橋梁の一部は「空の駅」として保存され、駅に隣接した展望台から美しい景色を楽しめます。

餘部駅を出発した列車はゆっくりと余部橋を渡ります。初期の余部橋梁が完成したのは明治45年(1912)。100年以上も前に、このような高所に鉄道を通すことができた当時の鉄道技術の高さに驚かされます。

新しい余部橋梁を通過すると、線路の形から古い橋脚が設置されていた場所が想像できます。

鎧駅を過ぎると海と山に囲まれた小さな漁村、鎧の集落を望むことができます。現在使われていない鎧駅旧1番ホームからはとても眺めが良いそうで、一度途中下車してみたいですね。

ユネスコ世界ジオパークに認定されている香住海岸のオッパセ浜。遊覧船が香住港から出港していて、ダイナミックな地形が連続する香住海岸を海上から見学することができます。



香美町の中心駅である香住駅に到着しました。下校の生徒さんが乗車待ちの行列を作っていましたが、列車到着後も待合室から次々と生徒さんが現れ、車内は賑わいました。地方ローカル線にとって、通学の学生さんはまさに生命線ですね。香住駅の待合室はウッド調でとても綺麗で、居心地が良さそうでした。

柴山集落は、山と海に囲まれた風光明媚な港町が続く場所にあります。冬の味覚、ズワイガニの有名な水揚げ港がある町として知られています。この周辺の漁港では、ほとんどがズワイガニを水揚げしています。



山陰本線から見える最後の海。
切浜海岸は1994~1996年の3年間、夏季限定で「きりはまビーチ駅」が設置されていたほど人気のビーチだったそうですが、実際に列車に乗って海を訪れる人は少なく、利用者低迷から廃止されたそうです。

城崎温泉駅の手前で、城崎温泉の中心部を流れる大谿川を渡ります。川沿いには柳並木が続き、風情ある温泉街の景色が広がります。まだ西の空は明るいですね。

城崎温泉駅から円山川沿いに南下し、終点の豊岡駅へ向かいました。浜坂駅からは空席も目立ちましたが、夕方になり気温も落ち着いてきたので、最後尾の車両で窓を開け、外の空気と景色を楽しみました。結局2時間立ちっぱなしでしたが、疲れを感じさせないほどの素晴らしい景色に魅了され、終点の豊岡駅に到着しました。JR西日本では、国鉄時代の古い車両がまだ活躍しているので、今のうちに楽しんでおきたいですね。
豊岡~京都-148.4km
山陰本線・普通 福知山行き
豊岡18:33→福知山19:52

ここでも国鉄型115系が頑張っていました。1分乗り換えだったのですが、すでに2両編成の車内は下校の学生さんはじめ通勤客でいっぱい。ワンマン運転用に改修されていて、この区間では運転手がきっちりと改札作業をされていたのですが、途中の八鹿駅で乗客の大半が降りて行ったので、それだけで3分近く列車が遅れるほどでした。さすがに通勤・通学時間帯だけでも、八鹿駅に駅員を配置したらよいのにと感じました。
播但線との分岐駅である和田山駅で多くの乗客が下車し、静かになった車内にモーター音を響かせながら、夜久野峠を越えて福知山駅へと向かいました。
山陰本線・普通 園部行き
福知山20:12→園部21:25

見慣れたステンレス車両を見ると、近畿都市圏に近づいてきたことを実感します。福知山駅を出発した時点では立ち客もいましたが、田舎特有の距離感から、すべての座席が埋まることはありません。福知山駅から綾部駅までは直線区間で、車両が新しく加速も速度も速いため、まるで特急列車に乗っているような感覚。綾部駅で大半の乗客が降り、その後は園部駅までほとんど乗降はありません。静かになったモーター音を聞きながら、丹波の山あいを走り抜け、園部駅へと向かいました。
山陰本線・普通 京都行き
園部21:29→京都22:11

長かった日本一長い在来線、山陰本線の旅もこれで終わりです。遅い時間にもかかわらず乗客も多く、夏ということもあって遅くまで飲んでいた若者たちが亀岡駅から乗車してきたりと、車内はわりと賑やかでした。

京都駅の山陰本線の乗り場は線路が行き止まりになっていて、終着駅感があっていいですね。門司港駅のような趣きがあれば良いのですが、それはもう旅人のわがままでしかありませんね。