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vol.14 ラパス郊外の月の谷【2009 南米2か月】

ボンネットバスで月の谷へ

ラパスには特に見どころがないかなと思っていたけれど、日本料理や韓国料理が安くて美味しいので、すぐにウユニへ移動するのはもったいない気がして、もう1泊することにした。ラパス郊外に「月の谷」と呼ばれる奇岩地帯があるらしいので、行ってみることにする。バスが出ている学生広場まで歩いていった。

たまに日本の企業名のはいった車をみかけます。塗り替えたらいいのにと思いますが、
もしかすると日本の車は優秀ということで、その証にそのまま消さないのかも。

今日もいい天気。でも坂道が多いので、散策はなかなかきつい。慣れてきたとはいえ、ここは世界一標高の高い首都ラパス。といっても、実は憲法上の首都はスクレで、ラパスは行政・立法府のある事実上の首都らしい。最高裁判所は今もスクレに置かれているというから、なんとも不思議な二重首都制というかややこしい。

ボンネットバス、味があってかっこいい。CHEVROLET製なので、アメリカから中古で輸入されたものかもしれない。

マリスカル・サンタクルス通りは、サン・フランシスコ教会前から延びるラパス有数の大通り。日中はそれほど渋滞もひどくない。通り沿いにはハンバーガーショップやチキン専門店などのレストラン、カフェ、映画館など一通りのものが揃っている。

ちなみに、通りにはToyotaのお店も。さっきの企業ロゴ入りの車といい、ラパスでは日本のブランドをあちこちで見かける。

学生広場で月の谷行きのバスを探していると、クスコからプーノまで同じバスだったオーストラリア人男性のJと、日本人女性のHさんにばったり会った。実は2日前に日本料理「けんちゃん」で、昨晩は韓国料理屋でもばったり顔を合わせていて、こんな偶然があるものかと驚いていたところだった。

この近くの宿に泊まっていて、朝ごはんを食べて帰るところだったらしい。月の谷へ行くという話をすると、Hさんも行きたいと言ってきた。もともと2人で近くのサン・ペドロ刑務所へ行く予定だったらしいが、Jさんは月の谷には興味がなく、刑務所に1人で行くことになったようだ。Hさんはその逆で、刑務所には興味がなかったみたい。

2人の予定をぶち壊したうえ、ほかの男と2人にしてしまっていいものかと申し訳なくなり、「ほんとに大丈夫?」と何度か聞いたが、問題ないとのこと。自分に彼女がいたら絶対怒られそうなシチュエーションだ。お互いに自立しているんだなと感心させられた。

ちなみにその刑務所、サン・ペドロ刑務所というのだが、公式な観光施設ではないものの、お菓子などの食べ物を持参することで中を見学できるのだという。

月の谷行きのバスがやってきた。ボンネットバスだった。バスは満席で、しばらく立ちっぱなし。ちなみにドアは開けっ放しである。

近くのおばちゃんにガイドブックの写真を見せて「月の谷に着いたら教えて」とお願いすると、「私はその前に降りるから」というようなことを言って、別の人に話しかけてくれた。するとその人もまた別の人に話しかけて……いつの間にか車内がなんだか盛り上がっている。何を言っているのかはさっぱりわからないけれど、みんなで気にかけてくれているのはなんとなく伝わった。

月の谷はラパスの郊外にあるので、それより前に降りる人が大半で、途中からは席も空いてゆっくり座れるようになった。1時間弱乗って、月の谷に到着するころには乗客は数人だったので、最後は運転手が教えてくれた。下車時に1.8ボリ(26円)を支払った。

月の谷(Valle de la Luna)

さっきまでのラパスの喧騒が嘘のようだ。とっても静か。

月の谷(Valle de la Luna)はラパスから約10km南西にあり、粘土質と砂岩からなる大地が長年の風雨に削られ、無数の尖塔や奇岩が林立する不思議な風景が広がる奇岩地帯。名前の由来は、1969年に訪れた宇宙飛行士アームストロングが「月面のようだ」と評したことによるという。

入り口で15ボリ(225円)を支払う。15分コースと45分コースに分かれていたが、1時間かけてここまで来たのだから、45分コースのトレイルを進んでいく。

入り口でお出迎えしてくれるのは、モアイ像のような妙な顔の石像。

英語で”Lady’s Hat”と書かれている。言われてみれば……とはならないほど、そうは見えなかった。

写真を撮ってもらった。周囲には誰もいない貸し切り状態だったので、1人だったら撮れなかっただろう。

お父さんという名前らしい。まあ……そういえばそうかな、という感じだ。

土柱の上部にだけ砂利が残っていて、あとは細かい土だけで形成されているのがよくわかる。硬い砂利が蓋をするように土を守りながら、周囲の柔らかい土だけが雨に削られてこの形になったというわけか。カッパドキアの柱も確か似たようなものだったと思うが、自然が作り出すものはすごいな。

亀さんだそうです。これはまだ似てるなあ。

こちらは、静かなる谷。土柱にはさまれていて、風が遮られ、静かな場所でした。

「月の谷」とは大げさかもしれないけれど、騒々しいラパスの街から来ると、ほんとうに気持ちのいい場所だった。

悪魔の山だそうです。とんがってるな…

こういう景色を見ていると、グランドキャニオンにも行ってみたくなる。なにより、天気が良かったのが一番だった。

バス停で待っていると、コレクティーボと呼ばれる乗り合いバンがやってきた。乗車後に満員になったため、途中のバス停はそのまま通過していった。バスより早く着く分、少し割高で2.5ボリ(38円)だった。

お腹は空いていたので食事に誘いたかったが、待っているJさんに申し訳ないと思い、学生広場でHさんと別れた。くれぐれもJさんによろしくと伝えて。

とある一枚。

チキン専門店 Pollo Frito Cochabamba

「ポジョ・フリート・コチャバンバ(Pollo Frito Cochabamba)」というチキン専門店に入った。ラパスにはPOLLO(鶏肉)の看板を掲げたお店が多い。日本でいうケンタッキーみたいな感じだろうか——ケンタッキーはアメリカ発だけど。

チキンが片足まるごと入っていて、手でむしりながら食べる。皮はパリパリ、中はジューシー。お腹が空いていたこともあって、とても美味しかった。16ボリ(320円)。

まだお腹が空いていたので、帰りにアイスクリームを買った。5ボリ(75円)。なかなかのボリュームだ。

相変わらずサン・フランシスコ教会の周辺は多くの人で賑わっている。一度宿に戻って休憩してから、夕食へ出かけることにした。

ボリビア人はサッカーが好きだ。人だかりができている。南米はどこもそうなのだろうけど。

日本料理けんちゃん

再び日本料理「けんちゃん」へ。

注文したのはトゥルチャ(鱒)のちらし寿司定食。天ぷら、肉じゃが、鶏のから揚げ、きんぴら、味噌汁までついてくる。ちらしの中にアボカドも入っていて、これが美味しかった。45ボリ(675円)。この値段でこのクオリティはすごい。ボリビアを離れるのが惜しくなってくる。けんちゃん目当てにラパスに沈没(長期滞在)する旅行者もいるらしいが、それも納得だ。

帰ろうとすると、月の谷で一緒だったHさんと彼氏のJにまた再会。3日連続で夕食が同じ店というのも驚きだが、最初にバスで会ったのをカウントするともう5回目だ。さすがに笑ってしまった。せっかくなので合流してビールを追加し、一緒に飲んだ。

Jさんに「刑務所はどうだった?」と尋ねると、ぜんぜん面白くなかったと不機嫌そうな顔をしていた。相当期待外れだったのだろう……。

さて、明日はいよいよウユニへ移動する。