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vol.44 パラグアイ経由でブラジル入国【2009 南米2か月】

次の目的地はサンパウロです。いよいよ本格的なブラジル入りとなりますが、今回の旅で訪れる最後の国でもあります。ここまで来るとさすがに「旅の終わりが近づいてきた」という実感が湧いてきました。

ただ、その前にパラグアイへ少しだけ寄り道をすることにしました。フォス・ド・イグアスからサンパウロへ直接向かうこともできるのですが、物価の安いパラグアイから乗ったほうがバスの運賃も安くなるらしい、という情報を仕入れていたのです。それに、単純にパラグアイという国の土も少し踏んでみたかった、というのも正直なところです。

サンパウロ行きのバスは何も予約していませんでしたが、1日に数便出ているらしいので当日でも乗れるだろうと高を括っていました。所要時間は17時間ほどかかるらしく、夜中に着くよりは午前中に到着したい。そう考えると、昼便くらいに乗るのがちょうどよさそうです。まずはパラグアイのシウダー・デル・エステへ向かうことにしました。

まずホステル・イグアス・フォールズをチェックアウトします。この宿、夜になるとエアコンがガンガンに効いていてとにかく寒い。暑がりの欧米人旅行者が多い宿では、こういうことがよくあります。油断すると風邪をひくので要注意です。

路線バスでパラグアイへ向かいます。このバス、実はアルゼンチン→ブラジル→パラグアイと3カ国をまたいで走る、なかなかユニークなルート。運賃は6ペソ(180円)で、9時45分に出発しました。

アルゼンチンとパラグアイの間には直接橋がかかっていないため、必然的にブラジル領内を通るルートになりますが、途中での乗降扱いはないのでブラジルの出入国審査はスルーされます。橋を渡ると、パラグアイのシウダー・デル・エステという街に入ります。アルゼンチンとブラジルをつなぐ橋はスイスイ流れていましたが、ブラジルとパラグアイをつなぐ橋はかなりの交通量でした。

パラグアイ側のイミグレーション(出入国管理局)に到着したのは9時55分。バスの乗客のほとんどは降りることなく素通り。日帰りで行き来する人は手続き不要なようで、降りたい人、あるいは正式に入国する必要がある人だけが対応するシステムのようです。素通りしたら密入国扱いになってしまいそうなので、しっかり降りてスタンプをもらいました。

シウダーデルエステは免税の街

シウダー・デル・エステは免税の街です。もともとパラグアイは物価が安い国ですが、さらに消費税も免除されているとあって、ブラジルやアルゼンチンから大勢の買い出し客が押し寄せているようです。街を歩くと漢字の看板も目立ちます。中東系とともに、台湾や中国からの華僑が経営する店も多いようですね。

街に入った瞬間から、とにかくごちゃごちゃしています。アジアっぽい雰囲気で、こういう混沌とした感じは個人的には嫌いじゃないですけど。

とにかく店だらけです。電化製品を買わないかと声をかけてくる呼び込みもあちこちにいます。荷物を預ける場所もないため、バックパックを背負ったまま炎天下をひたすら歩き回りました。

ブラジルやアルゼンチンからの買い物客で賑わう街ですが、特に買いたいものもなかったのが正直なところです……。食事処もほとんどなく、あるのは屋台ばかり。久しぶりに味わう、エネルギッシュで活気ある雰囲気でした。

ナイキショップもありました。ほかにもスポーツブランドの店がいくつかありましたが、本物かどうかはかなり怪しいところです。

昼食を食べられそうな場所を探しましたが、結局見つからず、そのままバスターミナルに向かって歩き続けることにしました。それにしてもこの街、治安が悪く銃犯罪も増加しているとのことで、外務省から「渡航の是非を検討」という危険情報が出ているくらいです。バックパックを背負ってうろついていたのは、ちょっと無謀だったかもしれません。

13時、ようやくバスターミナルを発見。気づけば3キロ以上、1時間以上さまよっていました。まともな地図も持たずによく辿り着けたものです。改めて自分の方向感覚に拍手を送りたい。

ちょうど14時20分発のサンパウロ行きバスがありました。運賃は250,000グアラニー(190ペソ)。両替していなかったのでアルゼンチンペソで支払いました。日本円にして5,000円ほど。ブラジル側から乗るよりも3割ほど安い計算です。

昼食はバスターミナル内の食堂で、ハンバーガー・アメリカンを注文。出てきたのは、ハンバーグの上に山盛りの炒め玉ねぎがのった一品でした。空腹と疲れのせいか、やけにおいしかったです。コーラとセットで10レアル(450円)。パラグアイなのにアルゼンチンペソもブラジルレアルも使えるとは、さすが国境に面した街ですね。

乗車するのは真新しい2階建てバス。この旅最後の長距離移動になるはずです。

席は2階のセミカマ。比較的空いていたので、ゆったりと乗り込めました。定刻は14時20分でしたが、実際に出発したのは15時。パラグアイって、こんなに緩いの?

2階席は眺めが格段に違います。バスターミナルのすぐ裏には、まともな家もない貧困地区が広がっていました。バスに乗って初めて気づいた光景です。こういう現実を目にするのは久しぶり。貧困層の人が危ないとは一概に言えませんが、街中をバックパックを背負って歩き回っていたのは、やっぱり危なかったかもしれません。

パラグアイを出国します。今度は全員がバスを降りて出国手続き。さっき入国したばかりなので、なんとも不思議な気分です。

国境警備の担当者は携帯電話をいじっていて、まるで緊張感がありません。路線バスの乗客はほとんど素通りしていたくらいですから、実態としては密入国し放題なのかもしれませんね。

再び国境の川を渡ります。行きは気づかなかったのですが、2階からだと川の全体がよく見えます。この川はパラナ川で、下流でイグアス川と合流します。昨日まで眺めていたイグアスの滝を流れる川の本流です。

続いてブラジル側の入国審査。実はここで一瞬ヒヤリとしました。前日、イグアスの滝へ向かう際に一度ブラジルに入国していたのですが、その時点でビザを使い切っていたようです。マルチビザだと思い込んでいたのが、実はシングルビザだったのです。ところが審査官は何事もなく通してくれました。感謝しかありません。あぶなかった……。

フォス・ド・イグアスを出ると、車窓には広大な農地が続きます。道路も片側2車線で整備が行き届いており、快適そのもの。時間はかかりますが、こうして車窓から景色を眺められるのも地上移動ならではの楽しみです。

18時36分、夕暮れ。イグアス周辺は滞在中ずっと晴天に恵まれました。

20時すぎ、バスがレストランに停車しました。食事代は自腹のようです。単品注文ができるカフェテリアと、ビュッフェ形式の2タイプがありましたが、周りの乗客がこぞってビュッフェに向かっていたので、そちらのほうがお得なのでしょう。迷わずビュッフェにしました。

入口で札をもらい、後で精算する仕組みです。焼き肉も種類豊富に並んでいます。最後に皿ごと計量して、重さで料金が決まるスタイル。

炭水化物を山盛りにしたら損な気がしてくる。コーラとあわせて11レアル(500円)。大満足です。それにしてもブラジルの飯はうまい。種類が増えて味も日本人に合う。なにより、普通に白いライスがあるのがうれしいです。

夜の車内はやっぱり冷え込みました。エアコンはガンガン効いているのに毛布も枕のサービスもなし。明日の朝に着く目的地はブラジル最大の都市、サンパウロです。いや、南米最大か。