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vol.32 セロトーレを見にトレッキング【2009 南米2か月】

今日は夕方18時のバスでカラファテに戻りますが、それまでたっぷりと時間があるので、セロトーレを見に行くコースを歩きます。

今日の朝食はヨーグルトにフレークをトッピング。近くの売店で買いました。最近軽食ばかりが続いています。

セロ・トーレを見るべく、まずはトーレ湖を目指して朝8時半に出発。チャルテンの街から片道9km、所要3時間ほどのルートです。この時間はまだ誰も歩いていません。


町の裏にある小高い丘を越えるため、いきなり登りが続きます。昨日あれだけ歩いたせいか、足が重い。

道中、幹がぽっきり折れた木が目にとまりました。近くに雷注意の看板も立っています。このあたりは落雷が多いのでしょうか。

進行方向の空に、きれいな虹がかかっていました。思わず見とれてしまいますが、虹が出るということは雨が降っているということ。この後、晴れてくれるといいのですが……。

かなり虹が鮮明に見えてます。

街の裏手の丘をひとつ越えると、あとはほぼフラットなトレイルが続きます。トーレ湖から流れ出る川の左岸に沿って、ゆるやかに進んでいく道のり。

日本のトレッキングに比べると、本当に花が少ない。もうすぐ秋に入る時期だからかもしれませんが、少し寂しい印象です。

歩き始めてしばらくすると、だんだんと雲が取れてきました。後方に白い岩峰が姿を現しています。方角的に昨日見たフィッツロイの稜線の一部でしょうか。岩が凍り付いたように鋭く、別の惑星の景色のようです。

周囲の木々が生き生きとしてます。
人はほとんどいません。昨日のフィッツロイコースに比べると、セロ・トーレ方面はかなり静かです。

川はミルキーな白濁色。氷河が溶け出した水が流れ込んでいる証拠です。歩いているうちにどんどん青空が広がってきました。風もなく、半袖で十分なほどの陽気。

湿地帯に差しかかると、木製の遊歩道がしっかり整備されていて助かります

「トーレ湖まであと10分」の標識。最後だけ少し坂を登るようです。周囲の山が迫ってきて、いよいよという雰囲気になってきました。

そしてトーレ湖に到着。氷河が流れ込む氷河湖で、湖面は灰褐色に濁っています。湖畔に立った瞬間、猛烈な風に吹き飛ばされそうになりました。ここまでの穏やかさが嘘のよう。ただ、肝心のセロ・トーレは雲の中で、まったく姿を見せてくれません。

11時着。帰りのバスは18時出発なので、まだたっぷり余裕があります。2時間半で来られたのは思ったより早かった。どうせなら晴れるまで待ってみようと、岩陰に身を隠して昼寝しながら待ちます。トーレ湖のほとりは強烈な風が吹きっぱなしで、とても開けた場所にはいられません。

なかなか雲が取れません。山にぶつかって雲が次々と生まれていく様子がよくわかります。昨日のフィッツロイとまったく同じ。このあたりの山、全部が「煙を吐く山」なんじゃないかと思えてきます。

昼食兼、おやつ。

もうすぐ晴れそうなタイミングでセルフタイマーで1枚。カメラが吹っ飛びそうな風だったので、カメラを石で挟み固定しました。

セロ・トーレという名前はスペイン語で「尖塔の峰」を意味するだけあって、山容はまさに一本の塔。標高3,128mと数字だけ見ると富士山より低いのですが、フィッツロイよりもさらに気象条件が厳しく、世界で最も登頂困難な山のひとつとも言われているそうです。

ほぼ雲が取れてきました。昨日のフィッツロイもすごかったけれど、このセロ・トーレもかっこいい。山の直下まで氷河が迫っています。これがトーレ氷河で、その融解水がトーレ湖に流れ込んでいます。湖から山頂まで、標高差は2,500m以上。目の前に見えているのにとんでもないスケールです。

改めて見ると、もはや「山」という感じがしません。ほんとうに棒、あるいは塔です。周囲の岩壁も含めると、どこに手をかけて登るのかすら想像できない。熟練したクライマーでさえ登攀が極めて難しいというのも、見ればうなずけます。

13時半。結局2時間半も待っていたことになります。昨日と違って時間に余裕があって良かった。標識によるとここからチャルテンの街まで2時間30分とのことで、待っている間に街まで戻れた計算になります。少し笑えてきました。来た道をそのまま戻ります。

振り返ると、もうセロ・トーレに雲がかかり始めていました。あのあたりはずっと雲の通り道になっているんでしょうね。

セロ・トーレ周辺を除けば一面の青空。風もほとんどなく、長袖だと汗ばむくらいのポカポカ陽気です。

木々の間を縫うトレイルは、歩いているだけで気持ちがいい。すれ違う人も少なく、静かに森林浴を楽しめます。

川原を抜けて再び丘を登ると、フィッツロイが姿を現しました。くっきりと晴れ渡っています。昨夜ドミで話したフランス人が「今日はフィッツロイに行く」と言っていたのを思い出しました。それは良かった。

15時半、眼下にチャルテンの街が見えてきました。断崖に囲まれた小さな街の全容が一望できます。改めて見ると、本当に小さな街です。

それにしてもお腹が空いた。そして喉がからから。往復6時間のコースなのに、500mlボトルの水を半分しか持ってきていませんでした。昨日に続いて相変わらずの無計画ぶりです。

中途半端な時間で食事するところがあいてなかったので、そのままカラファテまで戻ります。また3時間かけてバスでカラファテに戻ります。昨日の18時は暗かったけど、今日はまだまだ明るい。

車窓には綺麗な夕焼け。心地よい疲れが気持ちいい。2日続けてのトレッキングでしたが、ぜんぜん筋肉痛にならなかったのは意外でした。明日も晴れますように。

隣の席のイタリア人がとにかく話好きで、どんどん話しかけてきます。日本に行ったことがあるらしく、日本食の話題になったときにうどんのことを「ビッグスパゲッティ」と表現していました。さすがパスタの本場イタリア人、なかなか笑える表現です。

宿に戻ると昨日の食材が残っていたので、偶然にも「本物のスパゲッティ」を自炊することに。今日こそ茹ですぎないようにと気をつけたら、今度は固すぎました。自炊はめんどうですが、安上がりなのがありがたい。

宿のみんなが「水よりワインのほうが安い」というので半信半疑でスーパーに行くと、本当でした。さすがに水より安いというのは少し大げさでしたが、大きな1リットル紙パックのワインが5ペソ(150円)。アルゼンチンはワインの生産大国だけあって、日常の飲み物として手軽に楽しめるようです。ついでに翌日の昼食用のパンと具材も買っておきました。