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vol.17 標高4,000mオフロードドライブ【2009 南米2か月】

サン・フアン村で迎える朝

6時半の出発に間に合うよう、6時に起きた。まだ暗い中シャワーを浴びる。シャワーを浴びるのは約2日ぶりだったので、かなり気持ちいい。朝もやっぱり寒かったので、7ボリ(105円)払ってホットシャワーにしてもらった。

朝食はトーストとホットのお茶類。まだ調理していたので他にも出てくるのかと思っていたら、ランチ用の仕込みをしていただけだった。

小さな携帯コンロで調理をしているジョニー。あの小さな道具でよく料理できるものだと思う。運転と調理を両方こなすのは、仕事とはいえ大変だろう。

部屋割りの関係でスイス人女性と2人部屋になったのだが、緊張して眠れそうになかったので、こっそり空き部屋に移って1人で寝ていた。ちなみにスイス人女性は消灯するとあっという間に寝ていた。

宿の周辺を散歩する。リャマが家畜として放牧されていた。

耳にカラフルなリボンをつけているのは、どこの家のリャマか区別するためだという。

これが宿泊していた建物。自家発電はあるものの、外部からの電気は来ていない。それでも、寝るだけなら不自由はなかった。

火山に囲まれる4,000mの世界

昨日窓側だったので、気を使って2列目の真ん中に座ったのが命取り。この後ずっと同じ席で、窓側に座れることはなかった。気を使いすぎるのが日本人の良いところでもあり、悪いところでもある。

未舗装ながら一応道路っぽい。それでも昨日の塩湖の上と比べると、だいぶ路面が悪い。

途中、見晴らしのいい場所で休憩。周辺は火山地帯で、同じような円錐形の山があちこちに見える。

今日もよく晴れた。真ん中の席から、たまに窓を開けてもらって写真を撮る。

オジャグエ火山展望(Mirador Volcán Ollagüe)で写真タイム。展望台周辺は、過去の噴火で流れ出た溶岩が固まってできた広大な岩場になっています。

オジャグエ(Ollagüe)、標高5,868mの火山。今も噴気活動が続いており、山の向こう側はチリになる。山肌を横切るように線が敷かれているが、過去に硫黄(いおう)を採掘・運搬するために造られた道路の跡です。望遠レンズで撮っているのでこんなに近くにはない。

Cerros de Cañapa(カニャパ山群)カニャパ山(Cerro Cañapa)標高: 5,882m

しばらく車で移動してから、ジョニーに車から降りて歩くよう指示される。車がスタックしそうだからなのか、景色がいいから歩いたほうがいいということなのか、スペイン語がわからないので真意は不明だが、この先で合流するという。

それにしても今回のメンバーは、それぞれが自立しているというか、ぜんぜん群れたりしないんですよね。韓国人とか二人で参加してるのに、いつも別行動だし。たまたま旅行中に一緒になっただけなのかもしれませんが。

振り返ると絶景。5,000m級の火山にこれだけ囲まれた場所は、なかなかないかもしれない。雪を頂いたどっしりとした台形に近い、圧倒的な存在感を持つ成層火山、トマサミル山(Cerro Tomasamil)5830m。

息切れしながら坂を登る。富士山より高い場所を歩いているのだから、当然だろう。ただずっと車に乗りっぱなしだったので、歩くのは気持ちいい。

ウユニ塩湖に比べれば地味かもしれないけれど、標高4,000mを超える高原に火山が連なるこの雄大な景色は言葉になりません。ウユニ塩湖からチリへ抜けることしか考えていなかった中で、この景色は完全に予想外の感動でした。

アルティプラノ・プナ火山群(Altiplano-Puna Volcanic Complex)は、ボリビア・チリ・アルゼンチンにまたがる5万km²超の巨大火山地帯。ナスカプレートが南米プレートの下に沈み込むことで形成され、地球上で最大級の活動的なマグマ溜まりを地下に抱えています。標高4,000mを超える高原に、無数の火山が連なる光景はまさに地球の鼓動を感じさせます。

高度計を見ると4,240m。今回の旅ほど、この時計が役立ったことはない。

どうやら坂道と岩がゴロゴロしていて道路状況が悪くて歩いてたみたい。この後しばらく空車のままで、車の後を追って歩いて行った。

高地の湖と砂の世界

標高4,140mのラグーナ・カニャパ(Laguna Cañapa)に到着。湖面が静かで、空と山がくっきりと映り込んでいる。

ほんとうに綺麗。空の青さが半端じゃない。標高が高くて空が近いせいか、それとも南米が夏だからか。主峰はタパキルチャ山(Cerro Tapaquillcha)5,708 m。

ラグーナ・カニャパの東にそびえるセロ・カケラ(Cerro Caquella、標高5,857m)。山頂部が大きく崩れ落ちたような独特のシルエットが印象的な火山です。

Cerro Araral 5,363 m

車で15分ほど移動し、ラグーナ・エディオンダ(Laguna Hedionda)へ。先ほどのラグーナ・カニャパ(Laguna Cañapa)と比べると水が少なく、どことなく地味な印象。湖岸に広がる白い部分は塩です。湖の奥にそびえるセロ・アララル(Cerro Araral、標高5,363m)は、裏側がチリとの国境になっています。

このあたりの湖にはフラミンゴが生息している。高地にフラミンゴとは意外な気もするが、高塩分の湖に豊富に発生する藻類やプランクトンが主食で、天敵も近づきにくいこの環境が格好の生息地になっているらしい。あの鮮やかなピンク色は、餌に含まれる色素によるものだ。

一匹だけだと絵にならないですね。

ラグーナ・エディオンダ(Laguna Hedionda)のほとりでランチ。散策している間に、ジョニーがさっさと準備を整えていた。その段取りの良さに感心する。メインはチキンミラネサ。鶏の薄切り肉にパン粉をつけて揚げたカツレツで、ボリビアでは定番の料理だ。パスタと茹で野菜もついて、色とりどりの一皿。

椅子とテーブルがあらかじめ設置されていて、みんなで昼食を食べた。ここはランチの定番スポットなのだろう。

この先はほぼオフロード。というより、車が走った跡があるだけで、道とそれ以外の区別すらつかない。

今度は赤茶けた砂の大地に変わっていました。このあたりはシロリ砂漠、標高4,500m。一帯には火山灰や軽石、溶岩といった火砕流堆積物が降り積もっており、鉄分を豊富に含む火山岩が地表に露出しています。それが何万年もの時間をかけて酸化し、見渡す限りの赤い大地を作り出しています。

アルボル・デ・ピエドラ(Árbol de Piedra)、スペイン語で「石の木」という意味。風で飛ばされた硬い砂粒がヤスリのように岩の根元を激しく削り取る「風食作用(サンドブラスト効果)」によって、下部だけが細く削り取られ、奇妙な形が生まれたという。

標高が極めて高く乾燥しているため、火山岩が風化しにくく、数百万年前の噴火の跡がまるで最近のことのように鮮明に残っている。

ラグーナ・コロラダ湖畔

エドゥアルド・アバロア国立アンデス野生動物保護区(Reserva Nacional de Fauna Andina Eduardo Avaroa)の中に入る。道なんてあってないようなものだけど、一応ゲートが設置してある。事務所で30ボリ(450円)支払った。

ラグーナ・コロラダ(Laguna Colorada)。標高約4,278m、チリとの国境近くに位置する塩湖。湖面が赤と白に染まっているのが独特で、赤は藻類の色素、白はホウ砂の堆積によるものらしい。

ラグーナ・コロラダにはフラミンゴもかなりの数がいた。

16時半ごろ湖畔の宿に到着。今日は6人全員同じ部屋。そして明日は5時出発だという。早い。

外はまだ明るいが、特にすることもなく、みんなで話しながら時間をつぶす。

19時半ごろようやく電気がつき、夕食タイム。まずスープ。寒いのでほんとうに美味しい。パンをスープに漬けて食べると美味しいと、ブームになる。

メインはジャガイモ、タマネギ、ソーセージの炒め物。今日がツアー最後の夜ということで、ワインが1本サービスで出てきた。この心意気にみんな拍手喝采。なんだか合宿みたいで楽しかった。

夕食後、宿の前で星空を見上げる。今まで見たことがないほどの星の数だった。高い標高、澄んだ空気、外灯なし、山に囲まれた最高のロケーション。世界一星がきれいに見える場所と言われるチリのアタカマ砂漠に、ここから国境を越えればすぐ。三脚もなくカメラのスペックも足りず、写真に収められなかったのが残念だった。22時になると消灯。明日は5時出発というので早く就寝した。