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vol.07 インカ帝国の古都クスコ【2009 南米2か月】

雨は降っていませんが、相変わらずの曇り空。翌日のマチュピチュ行きのチケットを買いに駅へ向かいます。旅行会社でも買えるとは思いますが、駅の近くに中央市場もあるらしいので、ついでに行ってみることにしました。

マチュピチュ行きのチケット購入

地球の歩き方には「治安が悪いので歩いていかないように」と書かれていましたが、実際はまったく普通。ゲートの先に市場と駅があります。

クスコにはマチュピチュ行きの駅が2つあります。中央市場前のサンペドロ駅と、郊外のポロイ駅。さらに南へ向かうプーノ行きのワンチャック駅。今日来たのはもちろんマチュピチュ行きのサンペドロ駅です。ただ実際に駅で購入はできず、近くのチケット売り場を案内されました。

チケットはすんなり購入できましたが、一番ランクの低いバックパッカークラスでも往復96ドル(9,120円)とかなり高め。外国人はローカル列車には乗れず、この観光列車しか選択肢がないらしく、割高感は否めません。

ただし、少しでも安く行く方法もあって、バスで途中のオリャンタイタンボ駅までバス移動してからそこで鉄道に乗り換えるルートなら料金を抑えられます。簡単に旅行会社で手配できますが、バスより鉄道が好きなので、多少値が張っても鉄道のみで移動することにしました。

クスコ市民が集う中央市場

中央市場前もアルマス広場に負けず劣らず、警備員の数がすごい。これなら治安が悪いどころか、むしろ安心して歩けるくらいです。

なんとなく感じていたのですが、この街の雰囲気はネパールのカトマンズに少し似ているかもしれません。盆地に広がる古都、赤茶けた屋根が連なる街並み、どこかのんびりとした空気、そして高地にある街という点も共通しています。2つの街に共通するものを感じます。

これぞアンデスのインディヘナ女性、といった三つ編み。アンデス地方では伝統的な髪型のひとつで、実は既婚者は2本の三つ編みの先をひとつに結び、未婚者は2本を分けたままにするという慣習があるそうです。

クスコの中央市場、正式名称はメルカド・セントラル・デ・サン・ペドロ(Mercado Central de San Pedro)。先ほどのサンペドロ駅のすぐ近くにある、野菜、肉、日用品から食堂まで何でも揃う街の台所のような場所です。観光客向けというよりローカル色が強く、地元の人たちの暮らしが感じられます。昼時を過ぎていたためか、人はそこそこいるものの買い物客は少なめでした。

食堂街だけは別で、かなりの賑わい。時計を見ると11時過ぎ、ちょうど昼どきとあって所狭しと並ぶ食堂に人が集まっています。値段がとにかく安い。すごいローカル感でいいですね。

なんとなく気になった店に座ってみました。

「ソパ(SOPA)」というスープ料理を注文。パスタが入ったスープで、ペルーではイタリア移民の影響でパスタ入りのスープが定番料理として根付いています。体が芯から温まります。ペロッと食べ終えるとおかわりを入れてくれました。おばちゃん、ありがとう。これで2ソル(60円)。観光客向けの店がいかに高いか、よくわかります。

市場に入れなかったおばちゃんたちも、場外で野菜などを売っています。こういう風景、見ていてなんだかほのぼのします。

靴磨きで商売をしている人も多く、地元の人たちが積極的に利用していました。靴を大事にする文化があるのかもしれません。

通りの案内板もタイル製。スペイン植民地時代の文化が今も残っているようで、こういうさりげない部分がおしゃれです。

クスコの街歩きとインカの石造文化

これが有名な「12角の石」があるアトゥン・ルミヨク通り(Hatun Rumiyoc)。本当に見事な石組みです。

インカの石工文化が発展したクスコでは、石と石の隙間がカミソリの刃一枚も通さないほど精密に加工されています。実際に数えてみると確かに12角ありました。ちなみに近くには13角や14角の石もあるそうです。

これがスペインが壊せなかったインカの石組みで、その上にスペイン風の建物が建てられています。スペイン人がインカを征服した際、神殿や宮殿を破壊しようとしたものの、インカの石組みはあまりに堅牢で壊すことができず、そのまま土台として利用したのです。実際に1650年と1950年の大地震では、スペインが建てた建物が次々と崩壊した一方で、インカの石組みはびくともしなかったとされています。この2つの文明の技術の差が、今でも壁の上下ではっきりと見てとれます。

一方、日本の城の石垣は地震の力を逃がすためにあえて隙間を持たせた構造になっています。同じ石組み文化でもまったく異なる発想があるのが面白いところです。

なお壁に触れると警備員に注意されるので要注意。

お土産屋さんに教えてもらったのですが、この石組みでピューマの形を表しているらしいです。よく見ると顔のあたりに目のようなくぼみが……。ちょっとわかりづらいし、こじつけっぽい気もしますが…

インカ帝国においてピューマは力と知恵の象徴とされた神聖な動物。クスコの街全体もピューマの形になるよう設計されたという説があるほどで、そう思って見ると、こうした意匠が随所に残っているのも納得できる気がします。

本当にクスコは坂道だらけ。
だいぶ薄い空気にも慣れてきましたが、
それでも坂道は歩いているだけでしんどいです。

さっきの写真は、この子供に撮ってもらいました。

雨の坂道

クスコは本当に坂道だらけ。薄い空気にも少しずつ慣れてきましたが、それでも坂道を登るのはしんどい。そのうえ雨がだんだん強くなってきました。それでもサンクリストバル教会からの眺めが良いということで、登ってみることにします。

盆地の底から周囲の山へと広がるように街が形成されていて、平地が少ないため家々は斜面に張り付くように建てられています。

サンクリストバル教会(Templo de San Cristóbal)までやってきましたが、待っていたのは土砂降りの雨。雨が似合う街とはいえ、今だけは晴れていてほしかった。

クスコの街は赤い屋根が目立ちます。スペイン植民地時代に持ち込まれた粘土瓦がそのまま根付いたもので、世界遺産の景観を守るために今も赤瓦が推奨されているようです。インカの石組みの上にスペインの赤い屋根、この組み合わせがクスコらしさを作り出しています。

雨で濡れた石畳の坂道を下るときは、滑らないように注意が必要です。

再びイタリア料理屋

昨日行ったイタリア料理屋に再び足を運びました。宿から徒歩1分の距離で、観光客だけでなく地元の人も入っていてなかなか繁盛しています。

今日は本場のクスケーニャで乾杯。5ソル(150円)。黒ビールにしてみましたが、やっぱり甘すぎる。クスケーニャとは「クスコの娘」という意味で、1908年にこの街で生まれたビールです。ちなみに瓶のデザインにはあの12角の石が彫られていて、クスコらしさが細部まで宿っています。

まず運ばれてきたのは、こんがり焼けたガーリックパンと、可愛い2色のディップソース。赤はオーロラソースかと思いきや、トウガラシが効いたピリ辛クリーミー味。白はヨーグルトかと思いきや、ガツンと濃厚なガーリック・クリーム。この2つをガーリックパンにたっぷり乗せて食べると、もう手が止まりません。これだけで満足する美味しさでした。しかも無料なのが嬉しい。

ピッツァ・マルゲリータ。
いやあ、普通においしいですね。
ちゃんとした釜で焼いていて、生地はパリッと、具はジューシーでチーズもたっぷり。

16ソル(480円)。
一人用サイズとはいえ、やっぱりかなりお腹いっぱいになります。

雨がひどいので、そのまま宿に戻って昼寝していました。

雨上がりの夜景

目が覚めて時計を見ると、午後6時。
雨は上がっているようだったので、再びサンクリストバル教会まで行ってみることにしました。

暗くなってからの一人歩きは危険と書かれていましたが、実際にはそんな雰囲気はまったくありません。

遠くには、雪をかぶったアンデスの山々。
標高はおそらく5000m近いのでしょう。
どこかネパールっぽい景色です。

徐々に暗くなり、町に明かりが灯り始めます。
いい雰囲気だ。

でも、自分は一人なんですけどね(笑)

男4人組で夜景を見ている。
男同士でも、やっぱり夜景は見たくなるものなんです。

街の明かりはほとんどがオレンジ色で、
それがまた落ち着いた雰囲気で、とても綺麗です。

まだ宿に戻るには少し早いので、
もう少し散歩してみることにしました。

最高裁判所。
なぜかここだけは白色でライトアップされています。

もう一度、12角の石のある通りへ。
この薄暗さが、なんともいい雰囲気です。

再びアルマス広場へ。
寒いはずなんですけど、なぜかベンチに座ってぼーっとしたくなります。

昨日の物売りの親子が、またやってきました。
ちゃんと覚えているものなんですね。
普段は絶対にあげないのですが、ついお金を渡してしまいました。

夜の中華の爆発力

なんとなく小腹も空いてきて、
22時だというのに中華料理屋へ。

ここなら量も普通かなと思ったのですが…。

メニューにあった安い「10ソル(300円)」のsoup with chicken noodleを注文。
誰が見ても、鶏肉入りヌードルスープだと思いますよね。

やってきました。
ああ、ちょうどいいサイズ。
温かいスープに癒されます。
少し麺が少ない気もしましたが、遅い時間だしこんなものかと。

…と思っていると、山盛りの焼きそばが運ばれてきました。まさか「スープ+チキンヌードル」だとは思いませんでした。それならwith fried chicken noodleと書いてほしい。

がんばって食べましたが、3分の1は残しました。やれやれ、ペルーにいるとどうも太りそうです。明日はいよいよマチュピチュへ向かいます。