セコイヤ・キングスキャニオンvol.1(2012US04)

2012 ヨセミテ
セコイア国立公園 BUTTRESS TREE
2012 ヨセミテ

朝6時20分。
天気が気になったので、ふと道路に出て、
セコイア国立公園とキングスキャニオン国立公園のある東の方角を眺めてみる。
天気は上々のようだ。

2つの国立公園は、シェラネバダ山脈の西側山ろくに広がる国立公園。
ということは見えている稜線は、4,000m級。
思ったより長い山道の旅になりそう。

6時30分、日の出。
いい一日になりそうな予感。

今回のレンタカー、ヒュンダイのSanta Fe。
日本車のように機能的で、乗り心地抜群でした。

今日は、山道がメインのようなので、力強い走りを期待しています。

軽食スタイルのバイキング朝食つき。
クリスピーチキンもあって、思っていたより満腹感のあるメニューが多い。
それが人気なのか、工事現場で働いているような服装のお客さんも多かった。

I-99号を少し北上し、Visalia近くのジャンションから、州道198号線を東にすすむ。
真正面に、シェラネバダ山脈の陰影が浮かび上がってくる。

Visaliaの町を過ぎると、空気がすっきりとしてきた。
あたりの風景も緑が多くなった。

カウェア湖という人造湖の脇を通り過ぎ、
スリーリバーという小さな町を越えると、セコイヤ国立公園の入り口に到着。

思ったより早く到着したので、まだ8時30分。
早めに出てきたのには理由があって、山間部で工事をしているため、
通行できる時間がかなり限られていて、
平日だと、2時間おきに20分しか通れないらしい。

午前中は10時すぎの20分間のみで、もし間に合わなかったら、
次の開通まで2時間以上も待たなければならない。

少し歩ける遊歩道があったので散策してみると、
様々な花が咲いていました。
日本の山でも見かけるような、小柄で可憐な花。

黄色の鮮やかな花が一面に咲き誇っています。
自然の中を歩くのはとても気持ちがよく、
やっぱり街よりも、自然が好きなんだと再認識しました。

朝のすがすがしい空気も良いですね。

Foothilsのビジターセンター。
平日なのか、それほど人気がない国立公園なのか、人が少ないです。

標高があがってきて、空の色もだいぶ青くなってきました。

Foothilsのビジターセンターのこじんまりとした展示室。

国立公園内に入ると、州道198号線の通称はGenerals Highwayとなります。

カーブも多く、どんどん標高をあげていきます。
雪の心配もあっただけに、晴れてて良かった。

文字通り、トンネルロック。
対象物がないので大きさがわかりにくいですが、
セダンタイプの車ぐらいなら通れるほどのスペースはあります。
以前はここを利用していたのでしょうか。

現在は、横にある大きな道を利用しています。

Potwisha Campground。
この先で、工事が行われているようです。

Potwishaとは、ここに住んでいた先住民インディアンの族の名前です。

セコイヤ国立公園内には、いくつものキャンプ場がありますが、
こんな自然豊かな場所で、キャンプできるなんて本当うらやましいです。

しかし、「熊出没」に関する注意書きはかなり書かれていました。
食べ物やゴミの管理には、かなり気を使う必要があるようです。

近くに川が流れているようなので、降りてきました。
雪解け水が豊富なのか、結構な流れです。

DEADLY RIVER…
恐ろしい表示です。

Hospital Rock.

赤い塗料で塗られた絵が残っています。
先住民によって描かれたものなんでしょうか、説明が何もありませんでした。

10時前に工事区間に車を走らせましたが、
工事待ちの車は20台ほどでした。

思ったより長い区間を工事していましたので、すぐには開通しそうもないですね。
この区間を過ぎると、セコイヤ国立公園の核心部です。

工事区間を通り抜けると、風景が一変しました。
森の中を走りますが、そのセコイヤの木が大きいこと・・・

いづれも高さ数十メートルもあり、車が小さく見えてしまう。

Generals Highwayからそれて、
Crescent Meadow Roadと呼ばれる片道3マイルを走ります。
この区間は冬季は閉鎖されています。

「Auto Log」と呼ばれるセコイヤの倒木が置いてありますが、
木自体の大きさよりも、根の巨大さに圧倒されます。

倒れたときはもっと大きかったと思いますが、
硬い部位だけでも、自分の身長から換算しても、5mはありそうです。

なぜAuto Logと呼ばれているかというと・・・
Auto=自動車、Log=丸木

そのままでした。
環境保全が確立される前に作られたものだと思いますが、
車が木の上に乗れるようになっています。

平坦になるように木も削ってありますし、可愛そうです。

Auto Logを見たとき、硬そうな木だと思ったのですが、
実際に触ってみると表面は柔らかくて、
根に乗ってみるとふわふわしています。

広角レンズで全体を写しているので、大きさがわかりずらいですが、
写真左下に歩いている人と比べると大きさがわかると思います。
写真をクリックすると大きな画像になります。

ちょっと焦げたような跡がありますが、そのあたりは後述します。

BUTTRESS TREE
1959年に倒れたもので、樹齢2300年のセコイヤの木。
高さは82m、太さは6mもあります。

不思議な光景です。
車や人間が小さくなってしまったようですね。

TUNNEL LOG
高さ2.4m、幅5mの木のトンネル。
車で木のトンネルを通るなんて、生まれて初めてです。

このセコイヤの木は1937年に倒れたもので、
高さ84m、太さ6.4mもあるものです。

通れないような大きい車は、迂回路があります。

Crescent Meadowと呼ばれるエリアがあり、
トレッキングルートがあるようなので、歩いてみることにしました。

しかし、熊に関する注意書きが・・・
車には食べ物は置いてないので大丈夫でしょうが、
人も少ないので、ちょっとびびりながらのスタート。

湿原地帯には、たくさんの雪が残っていました。
ガイドブックによるとは、夏にはたくさんの可憐な野の花が咲き誇るようです。

聞こえてくるのは鳥の鳴き声ぐらいです。
ほんと静かで怖いぐらいですが・・・

雪解けしたばかりなので、まだ草原全体が湿っています。
セコイヤの高い木々に囲まれているので、まるで秘境のオアシスのようです。

実際に歩いているときは、大きなセコイヤに魅了され、
たくさんの写真を撮ってますが、
写真で木だけを見ていると、ただの木にしかみえないですね。

見上げてみるとこんな感じです。
首が痛くなりそうです。

散策していると、丸焦げになっている木々が結構あります。
落雷などによる自然発火の山火事があるようですが、
これがセコイヤの木々が長年かけて生長した理由のようです。

ひとたび山火事がおこると小さい木々は丸焦げになりますが、
大きなセコイヤは燃えにくく、腐りにくいので、表面は焦げても生き残ります。
そしてセコイヤの種は、松ぼっくりの中にありますが、
火事があったときに燃えて、飛び跳ねて、種が地面に落ち発芽するようです。

このようにして、3000年近くまで樹齢が達するセコイアの木は、
成長していくようです。

以前は山火事が起こったときは、人の手で消化されてたようですが、
セコイヤにとって山火事は必要な自然現象だとわかった今では、
山火事が起きても消化されていないようです。

人の手によって切られたセコイアの切り株がありました。
外側の茶色いところは、とても柔らかいのですが、
白より中心部側はとても硬く、まるで石のような硬さでした。

層が薄く、とても数え切れないほどの年輪の数。
1年で成長するのは僅かですが、
それだけにしっかりとした幹が育つのでしょうね。

この後、駐車場に戻る時、不気味な音を聞きました。
人もあまり歩いていないし、鳥の鳴き声ぐらいしか聞こえなかったのに、
ウゥ~~という、唸り声。
何度が聞こえましたが、わりと近そうな感じでした。

まさかとは思いましたが、熊しか考えられません。
急いで車に戻ろうとし、あわてて駆け足気味で歩いていきます。

近くを歩いていた老夫婦もその声を聞いてたはずで、
「熊?」と聞いたら、にこっと笑い返されました。
熊よりも、あわてて歩いていくこちらの姿が面白かったのかもしれません。