しばらくの間休みをもらいました。
2か月間。南米へ行ってきます。
年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇のたびに海外へ出かけてきたけれど、そろそろ本気で旅をしたくなった。
最初は会社を辞めるつもりでいたが、ちょうど仕事のオフシーズンでもあり、「2か月くらいなら」と交渉した結果、最終的に休職扱いに落ち着いた。正確には休みじゃないけどね。
行き先を南米に決めるまで
最初の候補は、世界一周だった。
「世界一周航空券」というものがある。複数の航空会社が提携して、世界を一方向にぐるっとまわれる特別な航空券だ。「世界一周」……いい響きだ。ただ、2か月という限られた期間で使うと、各地をつまみ食いするような旅になってしまう。それは自分の中では世界一周とは呼べないし、自分の旅のスタイルとも違う。基本的には陸路で国境を越えながら、いくつもの国をじっくりまわりたい。
では、行きたいエリアを探すことに。日本から一番遠い南米はどうだろう。南米は日本から非常に遠く、直行便はなくいずれも20時間以上かかる地域ばかりで、普通の長期休暇で行くには大変です。一度行ってしまえば、陸続きでいくつもの国を回れるのも魅力。
マチュピチュ、ウユニ塩湖、イグアスの滝、パタゴニアの氷河…行きたいところだらけ。
しかし、詳しく調べるうちに、治安面で不安になってきました。
モロッコから、スペイン、イタリア、クロアチア、ギリシャ、トルコ、シリア、アンマンなど沿岸をぐるッとまわる地中海エリア。このルートは世界遺産クラスの遺跡が目白押し。行きたいと思ってた国も多く、納得して計画をすすめ、途中通るシリアのビザまで取得していました。
でも、どこか引っかかりが残っていた。南米にあって、地中海エリアにないもの、自然が作り出した絶景。地中海エリアにもないとは言えないですが、南米と比べると自分のなかでは劣るものがありました。
やはり、こんな機会はないのだから、やっぱり行きたい一番行きたい南米へいくべきだと決心しました。
旅のルートと航空券
実際に南米に決めたのは年明け。出発まで約1か月しかなく、わりとバタバタしました。
南米へ行くには、アメリカで乗り継ぐルートが一般的。日頃からJALのマイルを貯めていたので、手元に10万マイルあり、これを使うことにしました。まずはアメリカの乗り継ぎ地点を決めます。最短距離は西海岸で、南米からの便数が多いロサンゼルスが第一候補でしょう。でも日本からアメリカへのマイル数は、ロサンゼルスもニューヨークも同じ。それなら移動距離は遠くなりますが、ニューヨークという魅力的な都市があります。乗り継ぎの際に数泊してでも訪れたい。即決でした。
次に南米の発着地点。外せないのはマチュピチュ、ウユニ塩湖、パタゴニアのペリト・モレノ氷河、イグアスの滝の4か所。さらにブエノスアイレスとリオデジャネイロにも立ち寄りたい。
地図にマークしていくと、アルファベットの「V」の字にまわるルートが出来上がりました。西側の起点はマチュピチュのあるペルーの首都リマ、東側の終点はブラジルのリオデジャネイロ。どちらもニューヨークから直行便があります。
ではどちらをスタートにするか。これはすんなり決まりました。2月はリオのカーニバル開催期間と重なるため、混雑を避けて西側のリマからスタートすることに。せっかくだからカーニバルを見ればいいという人もいるでしょうが、お祭り騒ぎで混み合う場所は正直得意ではありません。世界中から観光客が集まる時期は宿も高騰するし、何かと大変そうです。
2月5日 伊丹→成田→ニューヨーク→リマ
3月30日 リオデジャネイロ→ニューヨーク
4月2日 ニューヨーク→成田→伊丹
航空券はネットだけで手配できるので、以前のように旅行会社を介していた頃に比べればずいぶんスムーズでした。
あとは現地での移動や宿のすべて現地で手配するバックパッカースタイルです。
予防接種と旅の準備
一番の問題は予防接種。これは時間との戦いでした。ブラジル入国には黄熱病ワクチンの接種証明書が必要でしたが、こちらは1回接種すれば済むので問題なし。厄介だったのはB型肝炎と破傷風で、約1か月の間隔を空けて2回接種する必要がありました。幸い会社の近くの病院にトラベルクリニックがあったので、仕事を抜け出しながらなんとか出発数日前に完了しました。
お金はJTBのグローバルキャッシュを利用。現地のATMから引き出せるプリペイドカードで、30万円を入金しました。これにクレジットカードと米ドル800ドルほどを持っていきます。
海外旅行保険はクレジットカードの付帯保険で対応。マイルを貯めるために年会費1万円以上のJALカードを持っていたので、補償内容も十分です。
また、今回は小型のノートパソコンを新たに購入しました。宿でWi-Fiが使えるようになってきていることもあり、デジカメのメモリーカードのバックアップと、この旅行記をできるだけリアルタイムで書き綴っていくためです。
あとドライヤーも持っていきます。バックパッカーにドライヤーは不要と思われるかもしれませんが、南米は夏とはいえ、標高が高い地域や極地に近いエリアもあり、意外と寒い。途中で風邪をひかないための保険です。
出発当日、成田空港まで
2か月間職場を空けるので、担当のお客さんにもひと通り報告をしました。中にはお小遣いまでくれる方もいて、みなさん温かく送り出してくれました。ただ、まったく案件がないわけでもなく、引き継ぎもあり、直前はほとんど休む間もなく働く日々。翌朝早いのに出発前日も20時ごろまで仕事をして、ゆっくりする間もなく準備に追われました。

2月5日。まだ外が暗い朝5時半ごろに家を出発し、まずは伊丹空港へ。

伊丹空港では、成田発の国際線の搭乗手続きまで済ませることができます。チェックインカウンターで手続きを終えると、いきなりニューヨークまでの航空券が手元に。いよいよ旅が始まる実感が湧いてきました。

JL3002便 伊丹08:25発→成田09:40着 大阪の空は晴れ渡っていました。

ひとまず成田空港へ向かいます。国際線仕様の機材なのか、座席の半分がビジネスクラス。エコノミークラスにも個人モニターがついていました。

しばらくすると、我が家のある滋賀県が誇る日本一の湖、琵琶湖が見えてきました。しばらく離れるのが、なんだか少し切なくなりました。この後雲が増えてきて、残念ながら富士山は見えませんでした。

成田国際空港に着陸。さまざまな航空会社の飛行機が並んでいて、さすが日本屈指の国際空港です。利用するのは2回目ですが、空港の敷地が広くて、着陸してからスポットに入るまでがとにかく長い。

JALが主に発着する第2ターミナルの出発案内板。出発する飛行機の便数がとにかく多い。でもこれで半分。ANAが主に発着する第1ターミナルもあるわけですから、関西とはスケールが違います。
プレミアムエコノミーでニューヨークへ

長時間フライトということで、ビジネスクラスとまではいかないものの、今回はプレミアムエコノミーを利用しました。JALのニューヨーク路線には2008年8月から導入されているクラスです。
今回もマイレージの特典航空券で、64,500マイルを使用。通常の一番安い運賃「Web悟空14」が174,000円〜という設定なので、1マイルあたり約3円の価値になる計算です。別途、燃油サーチャージ44,000円、航空保険3,010円、成田空港税2,040円、アメリカ空港税2,900円、合計51,950円を追加で支払いました。
プレミアムエコノミー利用者は、上級会員用のさくらラウンジが使えます。ただ、完全にバックパッカーの格好をしていたので、場違い感がすごかったですw
JL006便 成田11:30発→ニューヨークJFK10:15着(所要時間12時間45分)

この飛行機で13時間も飛んでいくのか、長いな……と思ったけれど、以前の関西からイスタンブールが約12時間だったので、そんなには変わらないか。

行き先はニューヨーク。その名前を聞くだけでなんだかかっこいい。ちょっとテンションが上がりますが、13時間のフライトはやっぱり憂鬱。

プレミアムエコノミーの座席。ビジネスクラスと比べると見劣りするかもしれないけれど、エコノミーとはだいぶ違います。最大の特徴は「JALスカイシェルシート」で、前の席が倒れてこない構造になっているので、自分のスペースが確保されているのがうれしい。

座ってみると足元のゆとりがかなり広く、フットレストも出てくるので足を乗せたり自由自在。さらに横が空席で、後ろにも座席がなかったので、気分的にもかなり楽チンでした。

成田空港を離陸するとき、窓の外になにやら巨大な飛行機が。オール2階建ての超大型機、エアバスA380です。実際に目にすると、その大きさに圧倒されます。世界で最初にA380を導入したシンガポール航空の機体です。ANAも導入を検討していましたが、リーマンショックによる景気悪化で計画を凍結中とのこと。

無事離陸し、雲の上へ。長いフライトの始まりです。ほとんど海の上を飛んでいくのかな。

プレミアムエコノミーはシャンパンのサービスがあります。機内でシャンパンはなかなか酔いが回りますね。

パーソナルモニターではかなり豊富な映画が楽しめます。これは退屈しないかも。でも映画ばかり見ていたら、眠る暇がなさそうです。

残念ながら機内食はエコノミークラスと同じメニュー。シーフードのレモンパプリカソースも鶏の直火焼き丼もどちらもおいしそうで、両方頼めないものかと思ってしまいますw

シーフードをチョイス。おいしかったですが、もう少し豪華さがほしいかな……まあエコノミークラスと同じメニューなので仕方ないか。白ワインも追加しました。

地図で見てもニューヨークって本当に遠い。最短距離で飛ぶと、地図上では北へ大きく迂回しているように見えます。地球は丸いと改めて実感。人生初の日付変更線越えです。

パーソナルモニターの麻雀ゲームも楽しい。機内の他の乗客と対戦もできるようですが、誰も参戦せず。コンピューター相手に遊んでいたら、最強レベルにも勝ててしまいます。おかしいな。

リフレッシュメントのサービスはすべていただきました。カップうどん、アイスクリーム、デニッシュ。プレミアムエコノミーならではのサービスらしいですが、ビジネスやファーストクラスはもっと豪華なんだろうな。

到着前には朝食も出てきました。ワッフルにハム、サラダにオレンジジュース。ほんと食べてばかりでお腹いっぱいです。

翼に朝陽が当たりはじめました。日付変更線を越えているので、2月5日2回目の朝です。

カナダ上空からアメリカの五大湖上空へ。眼下には真っ白な世界が広がります。いやあ、ほんと寒そう。まさかこの白い景色がニューヨークまで続くとは思っていませんでした。

ニューヨークには3つの空港がありますが、通称JFKと呼ばれるジョン・F・ケネディ国際空港に到着です。滑走路も一面の雪景色。

到着前のアナウンスで外の気温はマイナス9度……やばい、寒すぎます。グランドスタッフもめちゃくちゃ厚着しています。
ちなみに日付変更線を越えているので、成田を出発したのは5日の11時30分。12時間45分飛んで、ニューヨークに着いたのは5日の10時30分。出発より前の時刻に到着したことになります。初の日付変更線越え、ほんと不思議ですね。
