不老ふ死温泉からの帰路|2024 大人の休日倶楽部パス vol.5

五能線(ウェスパ椿山駅)
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予報どおり、朝から天気は良くないですね。

今日は長野まで戻って、車でそのまま帰宅します。到着は深夜になるので、本来なら一泊、もしくは車中泊してから帰宅した方が安全なのですが、天気予報が今夜から降雪予報で気温も氷点下予報なので、できるだけ早く帰りたいんです。出発前の天気予報では問題なかったで、スタッドレスタイヤ履き替えてなかったんです。失敗しました。

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雪が積もり始めた不老ふ死温泉

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朝の混浴露天風呂へいってみる。目の前に広がるのは荒れ狂う冬の日本海。昨日とはうってかわって海は大荒れ。波が岩に打ち付け、白い飛沫を上げている。これぞ冬の日本海、といった光景だが、いかんせん寒すぎる。

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露天風呂に浸かるのは気持ちよさそうだが、これはさすがに風邪をひいてしまいそうだ。脱衣所が露天というのも、なかなか厳しいものがある。濡れた体を拭いて服を着ている間に、容赦なく体が冷えてしまうだろう。入るのはやめておこう。

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朝食の時間になったので、会場へ向かう。朝食もバイキング形式。好きな席に座ってゆっくりといただくことにする。朝は自由席だった。

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おっ、これは酒の肴になりそうなものばかりではないか。焼き魚、煮物、漬物、どれもご飯が進みそうだ。お酒が好きな人にはたまらないだろう。筋子が食べ放題なのは嬉しいが、塩分が少し気になるな。健康診断の結果も気になるお年頃なので、ここは控えめにしておこう。

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2回目のおかわりでは、すりおろしリンゴ入りのカレーをチョイス。最近、朝食バイキングでカレーを見かけることが多くなった気がする。朝カレー、なかなか良いものだ。

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窓の外を見ると、雪がちらつき始めた。予報よりも天候の悪化が早い。今日の帰りの行程はすべて列車だったら良かったのだが…。車の運転、少し心配になってきた。

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朝食後、部屋に戻って少し休憩してから、もう一度、海際の露天風呂にチャレンジしてみたが、今度は雪が激しくなってきたので断念。結局、今回の旅で海際の露天風呂に入れたのは、最初の一度きりだった。もう少し露天風呂を堪能したかったが、この季節だから仕方がない。

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部屋の前の芝生も白くなり始めたので、早めにチェックアウトを済ませることに。最近は温泉ホテルでも自動精算機が導入されているんだな。フロントに並ばずにチェックアウトできるのは便利だが、少し寂しい気もする。人件費削減には貢献しているのだろうから仕方がない。

五能線に乗って東能代へ

五能線・快速 東能代行き
ウェスパ椿山 09:35→ 東能代 10:37

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ウェスパ椿山駅からは、五能線・快速東能代行きに乗車。車窓はすっかり雪景色だ。昨日までとはうってかわって、一面銀世界が広がっている。不老ふ死温泉からは、7人ほどの宿泊客が利用していた。

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快速と名乗っているだけあって、リゾートしらかみ号と同じく停車駅は少ない。途中に停車するのは、十二湖、岩舘、あきら白神、能代駅のみで、12駅は通過する。

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新型車両なので乗り心地は良いのだが、窓ガラスのUVカットが強く、景色が自然のままに見えないのが少し残念だ。せっかくの絶景路線なのに、これではもったいない。まあ、それならリゾートしらかみに乗れってね…

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五能線といえば、やはりこの日本海を望む絶景区間。車窓からは、雄大な日本海の景色が広がる。リゾートしらかみ号だと徐行していた区間も、スピードを上げて通過する。少し高台を走るので、海の眺めは最高だ。天気が良ければ、もっと素晴らしい景色が楽しめたのだろう。

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あきた白神駅に停車。「八森いさりび温泉ハタハタ館」という温泉施設が隣接していて、日本海を一望できる露天風呂があるそうだ。名前の通り、ハタハタを中心とした地元の食材を使った料理も味わえるらしい。時間があれば、立ち寄ってみたかったな。

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これで海とはお別れ。やっぱり天気の良いときに乗りたいですね。

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能代駅。能代市は「バスケの街」として知られており、特に能代科学技術高等学校(旧:能代工業高等学校)は、全国屈指のバスケットボール強豪校として有名です。全国優勝58回を誇るバスケットボールの名門校です。近年は低迷してて、若い人は知らないかもしれないけどね。

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能代駅を過ぎたら突然晴れてきた。この後の展開は予想できなかった。

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五能線の終着駅。奥羽本線との接続駅。ここで乗り換えとなる。

強風で運転見合わせか? - 特急つがる

東能代駅に着くと、特急列車が強風の影響で止まっているというアナウンスがあった。えっ、マジか…。秋田方面からの列車も遅れているようで、この後の展開が読めなくなってきた。

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さらに乗ってきた五能線の列車はここで運行が打ち切りになったようだ。危ないところだった。天候悪化が早ければ、ここまでたどり着けなかったかもしれない。

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この様子だと、乗車予定のこまち26号には間に合わないだろう。そもそも、今日中に家に帰ることができるのだろうか?最悪、どこかで一泊しなければならないかもしれない。とにかく、手持ちのこまち26号の乗車券は使えないはずなので、いったんキャンセルしておくことに。

券売機でリモートでオペレーターと話しながらキャンセルするが、最終的には駅員が出てきて取り消しのハンコを押すという、なんともアナログなやり取りだった。最近はネットで何でもできる時代なのに、こういうところはまだまだアナログなんだな。そろそろ発券せずに、チケットレス化してほしいものだ。

特急つがる42号 秋田行き
東能代 11:36 → 秋田12:22 ※37分遅れ

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特急つがる42号秋田行きに乗車。運行が再開したということでホームに出て特急列車を待っていたが、また一つ手前の駅で強風のため列車が停止したという。おいおい、またかよ…。その後、案内もなくしばらくホームの上で待つことになった。

さんざん焦らされたが、列車は遅れて到着。車内は空いていて、座席は選び放題だった。この先も平野が広がり、日本海から遮るものがないので、列車が止まらないか心配だ。

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強い風が雲を吹き飛ばしてくれているおかげか、青空が広がってきた。さっきまでの天気が嘘のようだ。ただ、今後のこともあるので、あまり車窓の風景を楽しんでいる余裕はない。

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男鹿半島と寒風山。このあたりが八郎潟で、かつては琵琶湖に次ぐ日本で2番目に大きな湖だった場所だ。干拓事業によって大部分が陸地化されている。

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もともと常磐線を走っていた車両だけあって、内装の雰囲気はどこか懐かしい。

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秋田駅に遅れましたが無事到着。37分遅れです。

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こまち26号の接続はなかったので、みるみるうちに次の乗車可能なこまち28号の座席が埋まっていく。みんな考えることは同じなのだろう。自分はまだネットの予約制限に達していなかったので、車内で窓側の座席を予約できたが、東能代駅で少しお話していた3人グループの方は、席がバラバラになってしまったようだ。

発券6回を超えると、みどりの窓口でしか変更できないのは辛いところだ。最近はネットで予約することが多いので、発券回数制限は不便に感じる。思ったほどではなかったが、秋田駅のみどりの窓口は混雑していた。

秋田新幹線こまち28号で大宮へ

秋田新幹線こまち28号 東京行き
秋田 13:06 → 大宮 16:39

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「こまち」のデザインは、フェラーリなどのカーデザイナーとして知られる奥山清行氏が監修。流線形のフォルムは、高速走行時の空気抵抗を低減し、快適な乗り心地を実現している。流麗なるフォルムは美しい。これが国内最高320km/hで走ると思うと、ワクワクしてくる。

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車内はほぼ満席で出発。横の席は予約したときは空いていたが、すでに座席は空いていなかった。

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秋田駅から大曲駅までは、座席が進行方向と逆に進む。進行方向が変わるたびに座席を回転させるのは面倒なので、こういう仕組みになっているのだろう。意外とこのバックで走る区間が長い。

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田沢湖線の線路と合流。大曲駅でスイッチバックして、右の線路を進む。進行方向が変わり、ようやく前向き進むことができる。

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角館駅を過ぎ、横手盆地を過ぎると、平野部は終わりだ。車窓には、山々が迫ってくる。

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秘湯として人気のある乳頭温泉郷への玄関口、田沢湖駅を通過。ホームに飾ってあるのは、田沢湖に伝わる「たつこ姫伝説」に登場する龍をモチーフにしたものらしい。田沢湖は日本で最も深い湖で、水深は423.4mもある。いつか乳頭温泉にも行ってみたいな。

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ここから仙岩峠越えに入る。岩手県と秋田県の県境に位置し、奥羽山脈の険しい地形が特徴だ。急勾配や急カーブが連続するため、列車の速度が制限される。

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雪にこまちは映えるね。トンネルの手前、志度内信号場ですれ違い。

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JR東日本は、仙岩峠付近の運行の安定化と所要時間短縮のため、新仙岩トンネルの建設を計画している。全長15kmのトンネルが完成すると7分短縮されるそうだが、まだ計画段階なので完成はまだまだ先になりそうだ。トンネルが開通すれば、所要時間が短縮されるだけでなく、冬の雪による遅延も少なくなるだろう。

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1時間に1本のこまち号。30分毎にすれ違い。この時点で7分近く遅れている。こっちが遅れているのに、なんで反対列車を待つんだ?大宮駅での乗り継ぎ時間がわずか10分なので、少し焦る。

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盛岡駅ひとつ手前の大釜駅で、またもすれ違い待ち。勘弁してくれ…。

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アプローチ線を使って、東北新幹線の線路へ合流していく。

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山形新幹線から合流する福島駅と違い、盛岡駅ではそのまま東京方面の上り線へ入線。先に到着していたはやぶさ28号とあわせて17両で運転する。

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盛岡駅を5分遅れで出発すると車内アナウンスがあり、仙台駅へは3分遅れ、大宮駅へは予定どおり到着するとのことだった。いつも300km/hで走っている意味は、回復運転の余地を残しておくためだったんだですね。さっきまでのハラハラ、イライラはなんだったんだ。

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320km/hはやっぱり早いですね。300km/hの時と比べて、スピード感が全然違う。少し宙に浮いている感覚になる時がある。

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大都会仙台駅。

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先日も似たような場所で夕陽を見た気がしたなと思ったら、4日前に仙台から東京駅へ乗ったのも、同じこまち28号だった。ぜんぜん気づかなかった。4日前と同じルートで東京へ戻っているんだな。

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富士山が見えて嬉しい日本人。

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大宮駅で下車。本当に盛岡駅出発時の5分遅れを回復した。新幹線の性能、恐るべし。

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紫色の帯だったので、今日も相棒はJR北海道所有のE5系のはやぶさ号だった。H514-4のHは、北海道の頭文字のHです。

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分離シーンも結合シーンも、まだ一度も見たことがない。今年の9月には、走行途中に分離する事象が起きてしまったけど、大きな事故にならなくて良かった。

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大宮駅までに回復運転をおこなった理由は、この地図に表されている。すべての路線が大宮駅から東京駅間に集まるので、非常に混雑する。しかも、東京駅で到着後に清掃して折り返すから、ひとつの列車の遅れが広範囲に広がる。新幹線は、日本の大動脈。遅延の影響は計り知れない。

北陸新幹線かがやき号で長野へたった1駅

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全席指定のかがやき号に乗車。大宮駅を出ると、次の停車駅はもう長野駅。かがやき号は停車駅が少なく、金沢駅までの停車駅は長野駅と富山駅のみ。

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秋田駅で予約した時点ではまだ余裕があったので、窓側の席を確保できたが、金曜日の下り列車ということで、仕事帰りのサラリーマンで車内はほぼ満席だった。早めに指定席を取っておいてよかった。あちこちから、缶ビールをあける「プシュッ」という音が聞こえてくる。仕事終わりの一杯は、さぞ美味しいだろう。

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4日前に出発した長野駅に戻ってきた。4日前にはここから旅が始まったんだな。あまり下車する人は多くはなかった。みなさん、富山、金沢方面まで乗るのだろうか。北陸新幹線が開通して、北陸地方へのアクセスが格段に良くなった。

このまま乗車していたら敦賀駅まで戻れるけど、もちろん車が平田駅に置いてあるし、上越妙高より先はJR東日本外になり、追加の乗車券・特急料金がかかるので降ります。

特急しなの号で松本へ

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すでに名古屋駅行きのしなの号がホームで待っていたが、自由席車両の窓側はすべて埋まっていた。長野駅から仕事帰りで松本駅へ向かう人がとても多いようだ。

運よく座席指定の権利があと1回残っていたので、座席指定を受けて指定席車両に乗り込む。大人の休日倶楽部パスも、そろそろチケットレスに対応してほしいものだ。

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最後部はパノラマ車両のグリーン車。こちらはガラガラだった。一方、指定席車両には自由席車から移動してきた乗客も多く、やはり通勤需要がかなり多いようだ。特急列車は姨捨駅でのスイッチバックもないし、姨捨山の夜景はあっという間に通り過ぎてしまった。

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しなの号が松本駅に到着すると、ホームが人で溢れかえった。大半の乗客が降りたのではないだろうか。上松行きの普通列車が13分の乗り継ぎで出発する。今回の旅の最後の列車だ。

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終わった…というより、これから自宅まで帰るのか…。長い一日になりそうだ。

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5日間駐車していたので、1,000円支払った。松本市が運営しているパークアンドライド駐車場で、格安で駐車できる。5日間も駐車していたのに、この値段はありがたい。

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駅前にTSURUYAがあって、20時までの営業時間に間に合ったので、野沢菜などのお土産と、夕食代わりのおやきを購入。

自宅までは距離300km、Googleマップでは一般道で6時間30分。昼間ならなにも問題ないのだが、夜は眠たくなるのが苦手なのと、雪予報と路面温度の低下が心配だ。

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道中、予報通り藪原あたりから雪が降ってきたが、なんとか積雪にはならず。気温1℃までは下がったが、おかげさまでなんとか自宅まで戻ることができた。

案の定、雪よりも眠気との闘いが大変だった。眠気覚ましにコーヒーを何杯も飲んだ。あと2時間早ければ、もっと余裕があった状態で帰宅できたはず。今回の反省点は、家から一番遠くてアクセスの悪い不老ふ死温泉に、最終日に宿泊したこと。旅の最終日は、余裕をもって立てるべきだと改めて感じた。

旅の総括

ひとり旅で温泉ホテルに二度も泊まるのは初めてだった。いつもは移動しまくったり、観光地を歩き回っていることが多いのだが、たまにはこういう旅もいいなと思った。おかげで本当にのんびりできたし、心身ともにリフレッシュできたから、大満足だ。

ただ、大人の休日倶楽部パスは、今回はちょっと使いこなせなかったかもしれない。乗り放題パスなのだが、十分に元はとれているけど、今回はあまり移動できなかった。日照時間が短い時期だと、すぐに暗くなってしまうから、今回は温泉にシフトしたわけだし、仕方がない。乗り放題をフル活用するなら、やっぱり日の長い春や夏が最適だ。

今回の旅で、温泉の魅力に改めて気づけたし、ひとりでのんびり過ごす時間はやっぱり最高だなと思えたから、大満足だった。たまには、こういう贅沢な時間の使い方もいい。

路線名区間/時刻時間種別
JR五能線ウェスパ椿山 09:35→ 東能代 10:371:02快速・東能代行
JR東北新幹線東能代 11:36 → 秋田12:22 37分遅れ
東能代 10:56 → 秋田 11:45 定刻
0:49
0:28
つがる42号・自由
強風のため
JR秋田新幹線秋田 13:06 → 大宮 16:393:33こまち28号・指定
JR北陸新幹線大宮 16:49 → 長野 17:440:55かがやき511号・指定
JR篠ノ井線長野 18:11 → 松本 19:060:55特急しなの24号・指定
JR篠ノ井線松本 19:19 → 平田 19:250:06普通・上松行
【自家用車にて帰宅】
交通費大人の休日俱楽部パス 東日本3,760円18,800円÷5日にて計算
駐車料金840円200円×6日間
ガソリン4,452円
飲食費秋田駅ND239円ビール
ツルヤ238円おやき
土産大宮駅ND1,253円
ツルヤ1,093円
合計12,235円
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