2024 大人の休日倶楽部パス|2日目(横浜→常磐線→花巻)

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目次

駅弁を買うために東京駅へ

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常磐線を仙台まで走り完走するロングラン運転するのは1日3往復しかなく、今晩の宿に程よい時間に到着するためには、ひたち3号を利用する必要がある。人身事故などで乗り遅れたりすると面倒なので、早めに宿を出発する。

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石川町駅

横浜駅で6時15分発の東京方面の東海道本線に乗り継ぎましたが、ホームには長蛇の列。一番後方の車両に乗りましたがかなり混雑していて、品川駅まではつり革を持つのも苦労するほどでした。ほんと首都圏で通勤している人は大変ですね。

駅弁屋 祭 グランスタ東京

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駅弁屋 祭 グランスタ東京

朝5時半から営業している中央コンコースにある『駅弁屋 祭』。全国の駅弁を常時150種類以上販売しています。たかが駅弁ということでスルーしてきましたが、4月に新潟駅の駅弁を食べて美味しかったので、今回は購入してお昼ごはんにすることにしました。

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JR西日本管内でも駅弁を集めた『旅弁当』というお店がありますが、充実度合い、商品の魅力度が違いますね。見ているだけでテンションがあがりました。大人の休日倶楽部パスの切符を提示すると10%オフになります。

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時間があったので、特急ひたち号の始発駅の品川駅へ戻ります。

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品川駅の自由通路は、朝の通勤ラッシュ風景としてメディアで取り上げられる。品川駅の東側はマイクロソフト、キャノン、ソニー、大塚製薬など名だたる大企業のビルが立ち並び、JRと京急と改札から出てきた人が合流して、自由通路を通り駅の東側に向かうので人の流れが出来やすい。メディアではこの光景を望遠レンズで圧縮しているから余計に混雑しているように写し出されている。

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品川駅のえきべん屋まつりの売場をチェック。かなり規模は小さかったので、東京駅まで足を運んで良かったです。

常磐線を乗り通して仙台へ

特急ひたち3号・仙台行き
品川07:43→仙台12:28

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ひたち号は全席指定の列車ですが、品川駅から仙台間は距離が長く、webでは予約できない仕組みになっています。普通は新幹線で行くことを想定しているのだろう。昨日東京駅到着後にひたち号をみた時にかけたので、2席ごとに窓枠があると思って予約したのですが、号車によって小窓があったりする変則的な編成でした。予約した座席をチェックしたら、ミスってました。窓側の座席が空いてないかチェックしたのですが、窓側はすべての座席が埋まっていました。昨日あんなに空いてたのに…。5時間近く乗車するのに残念。

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座席の上の荷物棚の下に表示されているランプの色によって、指定席予約状況がわかります。全席指定とはいえ座席指定を受けずに乗車することも可能なので、この表示はとても便利ですね。空席に座ってて途中から、指定を受けたお客さんが乗車してきたら、お互いに気まずいですしね。えきねっとで座席の予約状況は調べられますが、その必要はなくなり利便性向上にかっていると思います。

ひたち3号の停車駅は、東京、上野、柏、土浦、水戸、勝田、常陸多賀、日立、磯原、泉、湯本、いわき、広野、富岡、大野、双葉、浪江、原ノ町、相馬、終点の仙台です。20駅にも止まります。

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品川駅の次は東京駅。東海道新幹線はこの区間高速運転しないので、長い時間並走します。

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07:52 東京駅

東京駅、上野駅でたくさんの乗車があり、8割以上は座席が埋まっていました。昨日の朝では半分も埋まっていなかったのに駆け込み予約多いんですね。乗客の大半はビジネスマンで、買っていたビールを飲める雰囲気ではなかったです。

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北千住をすぎると荒川橋梁を渡ります。北陸新幹線の荒川橋梁は県境でしたが、常磐線の荒川橋梁は足立区と葛飾区との区境です。東京メトロ千代田線、常磐線、つくばエクスプレスの3つの路線、少しだけ離れて東武伊勢崎線と4つの鉄道会社の路線がかかる鉄道の要衝です。
常磐線の東京都と千葉県の県境は江戸川橋梁です。

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利根川橋梁を渡り千葉県から茨城県に入り、取手駅を通過してしばらくすると急に建物がなくなりました。東京都、千葉県内は常に建物がありましたので、ここまで変化するのか戸惑いました。

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水戸駅手前にある偕楽園。茨城県の県庁所在地である水戸駅で大半の乗客が降りていくと思っていたけど違いました。勝田駅でわりと多くの人が降りていき、その後もポロポロと続きました。意外と需要があるんですね。

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日本原子力発電の東海第二発電所。
東海第二発電所は、2011年の東日本大震災時に震度6強の揺れと高さ5.4mの津波に襲われましたが、原子炉は自動停止し、非常用ディーゼル発電機による冷却が継続されました。津波により一部の海水ポンプが故障したものの、残りのポンプで冷却を維持し、福島第一原子力発電所のような深刻な事態は回避されました。

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再稼働を目指して安全対策工事を進めていましたが、2023年に津波対策の防潮堤の基礎部分に施工不良が発覚し、工事は中断。原子力規制委員会による審査も進んでいますが、首都圏に近いため、広範囲に及ぶ避難計画の策定が課題となっています。再稼働は、安全性、避難計画、住民の理解など、多くの課題を抱えています。

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ひたち駅手前でようやく海が見えてきました。

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電機メーカーの日立製作所の企業城下町の日立駅。日立市沿岸部にも津波が押し寄せましたが、日立駅は高台に位置していたため浸水被害は免れました。今年1月に駅舎を見学しましたが、2階の自由通路先端のガラス張りの展望スペース「シーサイドテラス」からの眺めは絶景です。

磯原海岸付近で海の近くを走りますが、防風林が邪魔して海は見えませんでした。

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勿来海岸
常磐線で初めて海が間近に見えてくるのは勿来海岸。青い海と白い砂浜のコントラストが美しく、開放的な景色が広がります。近くに勿来の関がという関所があり、蝦夷(えみし)の南下を防ぐための軍事的な要所であったと考えられています。蝦夷(えみし)とは、古代から中世にかけて東北地方に居住していた人々。ひたち3号は勿来の関を超えて、茨城県から東北地方の福島県に入りました。

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いわき駅で大半の乗客が下車していきました。いわき市の人口は33万人で福島県で一番人口が多く、また東北地方でも仙台につぐ第2の都市でもあります。特急ひたちは品川からいわき駅間は1時間に1本の運行がありますが、ここから1日に3本の運行と激減します。数少ない仙台行きの特急ですが、車内はいっきに閑散としてしまいました。

それでも運行し続けるのは、東日本大震災からの復興という側面があるからだと思います。

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波立海岸

いわき市の北部にある海岸。玉砂利の珍しい海岸で、古くから、この海岸の玉砂利を持ち帰ると目を患うという言い伝えが残っています。太平洋側を走る常磐線ですが、海のが見える区間はあっという間に終わりました。

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太平洋側を走る常磐線ですが、海が見える区間はわずかです。ほんとあっという間に終わりました。

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福島第一原子力発電所を避けるかのように、しばらくは内陸部を走ります。

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車内も落ち着いたので、ようやく駅弁タイムです。

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品川名物貝づくし1,250円

ひたち号出発駅の品川の名物ということもあり、数ある駅弁の中からチョイスしました。これはあたりでしたね。想像していたよりも、貝がたくさんはいっています。あさり、しじみ、ほたて、小柱。様々な貝の旨味が口の中でひろがって、日本酒に合いますね(3日前の日本酒が残ってて良かった)。現在の姿からは考えられませんが、品川あたりは干潟がひろがり、貝がたくさんとれたので潮干狩りの名所でもあったんです。自分の親戚も若い頃は羽田空港のあたりでよく潮干狩りをしたという話を聞いたことがあります。

原発事故避難区域だった区間

常磐線の中で特に被害が大きかったのは、福島第一原子力発電所に近い富岡駅~浪江駅間です。この区間は、放射線量の高さから復旧作業が難航。除染作業や線路の再建が進められ、2020年3月14日に富岡駅~浪江駅間が運転を再開し、常磐線は全線開通に至りました。

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富岡駅。富岡市では駅東側一帯が津波により広範囲に浸水し、家屋の倒壊や流失が多数発生。また福島第一原子力発電所事故の影響により、富岡町は全域が避難区域に指定されました。避難指示解除後に復興事業が進められましたが、現在もこの一帯には建物などの構造物は見当たりません。

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先入観もあるのかもしれませんが、風景から人の営みが感じられません。建物はなく通行する車も見当たりません。

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大野駅。富岡駅の次の夜ノ森駅を通過しただけで、大野駅に停車します。震災前は木造駅舎がありましたが、橋上駅舎を兼ねた東西自由通路を造るため、現在の駅舎は新しくなっています。大野駅は大熊町の唯一の駅で、震災前は人口は1万人を超えていましたが、現在は住民登録はあるものの県外などに避難したまま暮らしているため、実際の居住者はわずか834人だそうです。駅周辺含めた避難指示が解除されたのが2020年3月と震災から約9年経過していたためか、かなり復興は遅れているように見受けられます。

駅の西側には、産業交流施設「CREVAおおくま」と商業施設「クマSUNテラス」の建設がすすめられ、来年2025年3月には完成のオープンするそうです。大野駅で3名ほどの乗客が別々の号車から降りていきましたが、ホームでみなさん挨拶されていました。仕事関係でお知り合いだったのでしょうか。

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大野駅~双葉駅間は元の複線区間を単線化し、片側の線路跡を避難道路として整備しています。災害時の避難路確保と、復旧費用の抑制を目的としています。この区間は福島第一原子力発電所から近い場所を通り、一番近い場所ではわずか3km弱です。

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福島県立双葉高等学校
震災当時には469人が通っていたが、東京電力福島第一原発事故の影響で広域避難を余儀なくされ、生徒たちはバラバラになったという。その後、いわき市の大学内に間借りで教室を設けて授業を続けていたが、2017年3月をもって休校されている。野球部は甲子園に3度出場したこともあるそう。どうしてもビジュアル的に津波被害をうけた被災地に目が行きがちだが、すぐに復興にとりかかることの出来なかったこのエリアにも目を向ける必要があると感じました。

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双葉駅手前にある線路をまたぐ歩道橋は寸断されていますが、震災で壊れたものではなく2022年3月16日の地震で壊れたそうです。地震は夜遅く23時36分に発生したため、すでに開通していた常磐線での列車事故等はなかったそうです。

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双葉駅。茶色の建物は旧双葉駅と一体化していたステーションプラザふたば。駅自体は震災の影響は受けていませんが、橋上駅舎に建て替えられています。右後にあるのは2022年に建てられた双葉町役場。震災後は埼玉県、2013年にいわき市に移転し業務を行っていたそうです。双葉町は震災前は7,000人ほどが暮らしていましたが、現在の居住者はわずか170人ほどです。現在、駅の西側では帰還する町民用に新しい住宅地の開発がすすめられていますが、どのぐらい戻ってくるのでしょうか。

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浪江駅。福島第一原発事故発生当時は避難区域に設定されましたが、実際には浪江町の駅周辺は風向きの関係で汚染の影響が少なかったようです。ただ避難指示の解除が遅れたことにより、震災当時に21,500人いた人口も、現在の居住者は2,200人にとどまっています。また浪江町の北西部では現在も大半が帰宅困難区域のままでその面積は浪江町の8割にもなります。

ところで富岡駅、大野駅、双葉駅は駅舎が新しくなっているのですが、浪江駅はなぜそのままなのでしょう?と思って調べてみたら、浪江町が駅周辺の整備事業として、仮駅舎を設置したのち、新駅舎を造るそうで、完成は2030年3月を見込んでいるとの事でした。

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浪江駅を過ぎると、車窓の景色から人々が生活している雰囲気が感じられ安堵します。

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東北電力 原町火力発電所。福島第一原子力発電所のインパクトが強すぎて知る人もいないが、こちらも東日本大震災で18mの津波が直撃し、火災が発生した甚大な被害を受けている。津波によって8万トン級の石炭船も沈没という。日本国内で運行するフェリーよりも大きい船が転覆していたのだから、やはり津波の威力は恐ろしい。

2012年には新運転を始め、2013年から営業再開を始めたという。メルトダウンを起こす原子力発電所に比べると、被災時の影響はかなり違うようです。

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福島県の駒ヶ嶺駅から浜吉田駅までの4駅間は、震災前は海沿いに線路が敷かれていましたが、津波によって線路や橋げたが流失したため、内陸部にルートを変更して復旧しています。再度津波の影響を受けにくくするために、そのうち4割ほどは高架として復旧したので眺めがよくなりました。

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車窓左側は、阿武隈山脈がずっと続いていました。宮城県南部から福島県、茨城県北部にかけて 南北約170kmにわたって連なる長い山脈です。最高地点は大滝根山1,192mと高くなく、また比較的なだらかな地形のため、車窓を楽しむにはあまり向いていないかなという印象です。

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阿武隈川を渡ると、東北本線と合流します。すでに列車は宮城県に入っています。この方角には蔵王連峰が見えるはずですが、この天気では厳しいようです。太平洋側は晴天でしたが、予報通り北上するにつれ天気は悪化していきました。

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仙台駅到着前にトイレにいっておこうと思って、隣の車両にいったら誰も乗っていませんでした。たまたま自分の車両だけ10人弱乗車していたようです。

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7時52分に品川駅を出発したひたち3号は、定刻通り12時28分に仙台駅に到着。仙台駅でも下車してく人はまばらで、4時間36分も走破したのに、なんかあっけなく到着した感じでした。震災前はひたち号は原ノ町までしか定期運航していなかったようで、それが納得の乗車率でした。

東北新幹線で花巻へ

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仙台駅では在来線からの乗り換え口は、2つあったのでスムーズに移動できました。

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乗り換え時間は11分しかなかったので、ひたち3号が遅れなくて良かったです。次の目的地は新花巻なのですが、停車するやまびこ号は1時間に1本しかないので、乗り遅れたくはない。春や夏の時期なら多少遅れても良いのだが、この時期は日暮れが早く、次の列車だと宿に着くころには真っ暗になってしまうのです。

仙台12:39→新花巻13:41
東北新幹線やまびこ57号・盛岡行き

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仙台駅に到着したやまびこ57号。ここで乗務員の交代があるようで、少し長めの停車。ほんとノーズ部分が長くて、ロケットのようにも見えてくる。

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仙台駅を象徴する仙台駅西口のペデストリアンデッキ。歩行者専用の高架歩道橋を「ペデストリアンデッキ」と呼びます。東北一の利用者を誇る仙台駅からバス乗り場、商業施設、オフィスビルへ直結して利便性が良いことから、1日の利用者数は25~30万人とも言われその規模は日本一。自分の住んでいる大津市の人口が毎日ここで移動していると思うと驚きです。

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仙台駅→古川駅

仙台駅を出発してあっという間に減速を始めました。

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仙台駅から古川駅では多くの人が下車していきました。古川駅は人口12万人の大崎市の中心駅ですが、仙台駅から古川駅へいくには、途中の小牛田駅で東北本線から陸羽東線に乗り換える必要があります。料金は高くなりますが新幹線を利用すると時間的にかなり早く到着できるので利用者が多いのだと思います。また陸羽東線に乗ると鳴子温泉へ行けることから、外国人観光客の姿も見られました。

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本格的に冬空になってきました。

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一ノ関駅で後続のこまち・はやぶさ号の通過待ちとのアナウンスがあり、最後尾に乗車していたのでその様子を見に行くことにしました。

時速300kmで通過していく様子は圧巻でした。こまち号に連結していたのは、帯が紫のJR北海道のH5系でした。

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一ノ関駅からは北上盆地に入ります。東北新幹線は北上盆地を南北に線路が敷かれているため、並行する北上川を何度か超えていきます。北上川は江戸時代から明治時代までは重要な水運路として利用されてきましたが、鉄道の発達とともにその役目を終えています。

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最後部の1号車に乗車していましたが、新花巻駅前には車内は無人状態。E5系の最後部はノーズ部分があるので、座席は6列しかありません。

仙台から盛岡の間には、古川駅(大崎市12万)、くりこま高原駅(栗原市6万)、一ノ関駅(10万)、水沢江刺駅(奥州市10万)、北上駅(9万)、新花巻駅(花巻市8万)と程よく中規模な街があるので、どの駅も一定数の利用者があるようでした。

新花巻駅

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新花巻駅に到着。降りる人少ないですね。新花巻駅は市街地から離れているため、利便性はかなり微妙です。

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交差するように釜石線が通っており、花巻市の中心部の花巻駅までは2駅の距離です。しかし釜石線は地方ローカル線で本数も少ないので、東京仙台方面からの場合、北上駅で東北本線に乗り換えたほうが便利な時間帯もあります。また青森方面からも似たような状況にあり、盛岡駅で乗り換えたほうが良い時もあります。なかなか不遇な立ち位置の新花巻駅です。

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長いエスカレーターを下ると「ゆ」の暖簾が出迎えてくれます。花巻は奥羽山脈から流れる2つの川沿いに12もの温泉が湧いている温泉の街でもあります。

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新花巻駅構内の待合室「ステップイン・はなまき」では、花巻市にゆかりのあるプロ野球選手の写真、直筆サイン入りユニフォームやボールなど、貴重なグッズの数々を展示していました。もちろん目玉は花巻東高校出身の大谷翔平。看板は2023年と記載され昨年のものですが、今年2024年もナショナルリーグのMVPを受賞しています。また2024年からはロサンゼルス・ドジャースに移籍し、ワールドシリーズの優勝チームの一員となっています。ロサンゼルス・エンゼルスに移籍した菊池雄星も花巻東高校出身です。考えたら同じ高校出身のメジャーリーガーが同じロサンゼルスにいるって凄いことですね。

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新花巻駅前の公園の入口にあった銀河鉄道の夜をイメージしたアーチ。著者の宮沢賢治は、花巻市で生まれで37歳という短い生涯を花巻で過ごした作家。「銀河鉄道の夜」や「注文の多い料理店」など、独特な世界観を持つ作品は、世代を超えて多くの人々を魅了しています。読書にまったく興味のない自分でも、こどものころ上記の2本は読んだことがあるほどです。

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釜石線の新花巻駅は、新幹線の新花巻駅と別会社扱いかのように一体感なし。かろうじて乗り場までの屋根は作られています。

新花巻14:02→花巻14:10 釜石線・普通

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上下線で同じホームを使うので、方向音痴の人は注意が必要。列車の本数も少ないので間違うことは少ないかとは思います。

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1両編成でしたが、日中ということもあってか空席多数です。

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わずかな乗車時間だったので着席せずに最後部から車窓を眺めていましたが、ディーゼル車独特の速度感がとても心地良かった。明日は八戸に行くのですが、急に新花巻よりも先の区間を乗ってみたくなったので、明日は三陸海岸経由でのんびり行くことに変更しました。

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花巻駅。夜になると駅の明かりでステンドグラスが綺麗に見えるような仕組みになっているそうで、銀河鉄道の夜をイメージする仕組みになっているようです(個人的主観)。花巻駅は近い将来取り壊されて、東西自由通路をとりいれた橋上駅舎になる予定とのことです。

イトーヨーカドー花巻店

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送迎バスまで待ち時間を利用して、イトーヨーカドー花巻店まで今夜の晩酌用の酒を買いにきました。12月だというのにツツジの紅葉が見事です。

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イトーヨーカドーの中に酒屋のテナントがあったので、岩手県内の小さめのお酒を2本購入しました。夜が楽しみです。

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親会社のセブンアンドアイは、事業を集中するために北海道と東北のイトーヨーカドーは撤退する方針を明らかにしています。そのまま閉店ということはなく、右にステッカーが貼られていますが、ロピアがオープンするようです。

花巻南温泉峡シャトルバス 花巻駅15:25→大沢温泉15:55

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松倉温泉、志戸平温泉、渡り温泉、大沢温泉、山の神温泉、鉛温泉、新鉛温泉の宿泊者が利用できる無料の送迎バス。予約不要で乗車時に下車する温泉名を伝えます。バスの始発駅は新花巻駅ですが、乗車している様子はありませんでした。

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おおよそ20名ほどが乗り込んだと思います。乗車後の案内によると各温泉地はほぼ1キロ間隔にあるそうです。バスは盆地を抜けると豊沢川沿いの山深い峡谷を上っていき、約30分ほどで大沢温泉へ到着しました。

大沢温泉

大沢温泉湯治屋

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噂通りの雰囲気の良い大沢温泉湯治屋。江戸時代の建築様式を残す木造建築で200年以上の歴史があるそうです。まだ16時前ですが、山深い場所にあるのですでに周囲は薄暗く、建物から漏れてくる明かりがとても幻想的です。

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スタッフさんが部屋まで案内してました。2階の部屋なので目の前の廊下はそれほど人通りは多くなさそうです。その場で暖房器具が必要かを確認します。部屋の造り的にガラス扉のみだったので、外気がダイレクトに伝わりそうだったので、今回は灯油ストーブをお願いしました。コタツはいらないとお伝えしたところ、コタツのコードを抜いて持って帰りました。灯油ストーブは1回(1給油)あたり660円、こたつは1泊あたり330円。灯油ストーブは翌朝までつけていたところ、半分ぐらいになっていました。

布団一式付き素泊まり3,860円。レストランで直接注文できない「やはぎ定食」が夕食についたプランは6,450円。当日だとケチケチしてしまいそうだったので、夕食付きのプランにて予約しました。

大沢温泉公式ホームページよりお借りしました

明るいうちに入浴したいと思い、いの一番で河原の混浴露天風呂「大沢の湯」へいきました。長い廊下を歩き、河原露天風呂への階段を降りて、扉を開けると…

夜のとばりが落ち始める渓谷。露天風呂から立ち上がる湯けむり。聞こえてくる川のせせらぎ。まるで異次元の雰囲気です。脱衣所は外にあるので急いで着替えて、露天風呂へ入ります。あ~、至福のひと時です。

ほんと来て良かった。この「来て良かった」という言葉に凝縮された満足感。この思いのために、自分は旅に出ているのだと感じました。

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趣のある廊下。歩くたびにギシギシと音を立てます。部屋の鍵は閉まらないので、貴重品は必ず部屋備え付けのロッカーに入れる必要があります。

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豊沢川の対岸にある大沢温泉菊水館。湯治屋から曲橋という木造橋を渡っていくことができます。宿泊施設とは休館中ですが、訪れたときは「もうひとつの鈴木敏夫とジブリ展」が開催されていました。確かにこの大沢温泉はジブリ感がありますね。スタジオジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんが大好きな大沢温泉を応援するために開催したらしいです。大沢温泉でゆっくり過ごしたいので入館は遠慮させて頂きました。

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曲橋から見た大沢温泉湯治屋。

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曲橋から見た大沢温泉湯治屋。新緑か紅葉の頃に訪れたい。雪景色も良さそうだな。今の季節が一番中途半端だったかな。

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曲橋からは混浴露天風呂「大沢の湯」はまる見えです。入浴しているのは男性ばかりなどで、気遣いは無用。女性専用の脱衣所はありますが、温泉が透明なのでわりとハードルが高いように感じます。そのため夜20時~21時は女性専用タイムがあります。また女性専用の露天風呂「かわべの湯」があります。

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廊下は寒いのですが、この戸隔てて中に人がいるのだと思うと温もりを感じます。

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待合室。帳場の真横にあり、中は暖房がきいててとても暖かい。もし暖房代を節約したいならここに籠るのが正解かもしれません。夜には閉められますが。

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売店ではクレジットカードとPayPayが使えます。お土産物が充実していました。

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アルコール類は少々お高めです。館内に自動販売機はあります。

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自炊場があるので食材も販売してるのかと思ったら、野菜や肉類はみあたらず。なぜか納豆だけが種類豊富。周辺には商店などはないので事前に花巻市内で購入しておく必要がある。一番近いコンビニは約2キロほどの志度平温泉にあります。

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山あいの夕暮れは早いが、部屋の明かりからは温もりが感じられ安心感があります。昼間にとおった原発事故の避難指示エリアでは日中でも人の営み自体を感じることができなかったから、余計にそう感じるのかもしれません。

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時間が経過するにつれて気温が下がってきます。角部屋だったため、壁が二面しかないようなもの。外から冷えた空気が遠慮なしに伝わってくるので、ストーブを借りておいて正解でした。遮音性も低くとなりの部屋のテレビの音もよく聞こえてきました。

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今回はじゃらんの布団つきプランで予約していたので、布団一式(掛布団、敷布団、毛布、マットレス、シーツ、枕)は含まれています。長期間滞在する人は、節約のためこれらを持ち込むことも可能です。夏場はエアコンがないので、暑いかもしれませんね。

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湯治館に混浴露天風呂、女性用露天風呂、内風呂。ほかに山水館の露天風呂(冬季は内風呂)が24時間利用できるようです。

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大沢温泉湯治屋の良いところはお食事処があり、当日にふらっと訪れても食事をとることができるので、自炊する必要がないこと。昼の営業もあるので、連泊する場合も安心です。

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朝は事前予約制になり、チェックインするときに聞かれました。事前に調べてたのですが値段的に魅力を感じなかったので、駅のコンビニでパンを購入してきました。あと朝が7時30分からというのが遅いんですよね。

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予約していた時間になったので、やはぎへ向かいます。すでに店内は多くのお客さんで賑わっていました。

お食事処やはぎ

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  • やはぎ定食 2,590円相当

刺身盛り合わせ、天ぷら盛合せ、きのこの煮物、きんぴら蓮根、ひっつみ汁、茶わん蒸し、漬物、白ご飯、ババロア。ボリューム満点です。山の中の食堂を侮るなかれといったメッセージが伝わってきます。宿泊代でじゃらんクーポンを利用しているから、実質2,000円ほどかな。

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刺身盛り合わせは、中とろ、鯛、カンパチ、タコ、サーモン。どれも一切れが大きいし、サーモンは3切れも入っていました。どれもべちゃっとした感じはなく、生臭さもなく、美味しかったです。

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岩手県の郷土料理「ひっつみ汁」。水でこねた小麦粉を使うのですが、大沢温泉ではそば粉が含まれているそうで、アレルギーがないか確認されました。もっちりとした団子といった表現がいいでしょうか。東北地方の料理にしては、上品な味つけだと感じました。

たくさんのおかずで思わず白いご飯をお替りしたくなったのですが、メニューに記載はなかったので確認すると、普通サイズで100円というお手頃価格だったので、もちろんお替りしました。宿泊代でじゃらんクーポンを利用しているから、実質2,000円ほどかな。満腹満足です。店内はひっきりなしに来客があり、テーブルを相席しなければならないほど、賑わっていました。

山水館へは渡り廊下でつながっていますが、山水館にはいると館内暖房で急に暖かくなります。山水館の露天風呂は湯治館の利用者も24時間利用することができます。冬季は窓で閉鎖していて夜間は外の景色はまったく見えません。風呂からあがっても、脱衣所も廊下も暖房がかかっているため暑くて気持ちが悪いので、急いで湯治屋に戻りました。もともと暖房で暑いのは苦手ですし、身体が湯治屋の寒いのに慣れてしまったようです。

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まるで一昔前の貧乏学生が暮らすような部屋ですね。地方のローカル番組では地域の情報が手に入るので思わず見てしまいます。

今晩のおともです。

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10~3月の冬季限定販売だという雪っこ。とろりとした口当たりで濃厚な味わいで、程よい甘さの甘酒といった印象でしょうか。アルコール度数は20度と高めなこともあり、180ml缶一本で十分に酔っぱらってきました。販売から50年というロングセラー商品だそうです。

製造している酔仙酒造さんは東日本大震災で大きな被害を受けていて、震災前に陸前高田にあった酒蔵・倉庫は津波で全壊し、また従業員7名も亡くなったそうです。しかし半年後には岩手県の同業者の酒蔵を借りて醸造を始め、さらに1年後には大船渡市に新しい酒蔵を建造したという復興を象徴するような酒造メーカーです。

路線名区間/時刻時間種別
JR根岸線石川町 06:05 → 横浜 06:120:07普通・大宮行
JR東海道本線横浜 06:15 → 東京 06:400:25普通・宇都宮行
【東京駅 駅弁購入】
JR東海道本線東京 07:01 → 品川 07:090:08普通・熱海行
JR常磐線品川 07:43 → 仙台 12:284:45ひたち3号・指定
JR東北新幹線仙台 12:39 → 新花巻 13:411:02やまびこ57号・自由
JR釜石線新花巻 14:02 → 花巻 14:100:08普通・花巻行
【花巻 お酒購入】
送迎バス花巻駅 15:25 → 大沢温泉 15:550:30無料シャトルバス
【大沢温泉 宿泊】
交通費大人の休日俱楽部パス 東日本3,760円18,800円÷5日にて計算
飲食費東京・駅弁屋祭1,125円貝づくし 10%引
品川駅・ND250円ビール
ひたち3号・車内200円お菓子
飲食費花巻・イトーヨーカドー1,072円日本酒・おつまみ
花巻駅・ND479円ビール・翌朝のパン
大沢温泉100円白ご飯
飲食費大沢温泉5,020円夕食付・じゃらん1,500円CP
雑費大沢温泉660円灯油ストーブ
合計12,666円
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