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vol.23 チロエ島日帰り観光【2009 南米2か月】

1時間待ちでツアー出発

前日バスターミナルで申し込んでいたチロエ島ツアーに参加する。

集合時間の8時にバスターミナルへ向かったものの、いつまで待っても迎えが来ない。昨日申し込んだ旅行会社はまだオープンしていないし、ツアー代金12,000ペソ(1,992円)はすでに支払っている。どうしたものか。とにかく旅行会社が開くか、迎えが来るまで待つしかない。

結局迎えが来たのは1時間以上経った9:20頃。よく待ったよ。集客に時間がかかっていたらしく、自分が最後の一人だったみたい。

ツアーはスペイン語のみなので、ガイドの説明がまったくわからない。それに参加者の年齢層がかなり高く、老人会のツアーに紛れ込んだような感じ。

昨日と同じパターンで、プエルト・モントを出る時は雨だったが、次第に晴れてきた。チロエ島へはフェリーで約30分の移動。フェリーの移動も観光客にとってはイベントで、みんな甲板に出て景色を眺めている。

フェリーからはオットセイが見えた。よく見るとかなりの数がいる。この海域はフンボルト海流の影響で栄養豊富なため、海洋生物が多く生息しているのだという。たまにイルカも見えた。

チロエ島の教会と歴史

チロエ島に上陸。チロエ島には、ヨーロッパの建築様式と島の伝統が融合した「チロエ様式」と呼ばれる木造教会が150棟以上現存している。17世紀にイエズス会が島内での布教活動を開始し、18世紀以降はフランシスコ会がそれを引き継いで各地に教会を建て続けたためだという。うち14の聖堂と2つの寺院が2000年にユネスコ世界遺産に登録されている。

トイレ休憩を兼ねて立ち寄ったのが、チャカオの町の教会。世界遺産には登録されていない、ごく普通の町の教会。

観光地化された教会以外に足を踏み入れたのは初めてで、チロエ島にキリスト教が日常としてしっかり根付いているのが伝わってきた。

アンクー(Ancud)の町にあるサン・アントニオ要塞(Fuerte San Antonio)に立ち寄った。1770年にスペインが建造した海岸防衛の要塞で、チリ独立後も南米大陸でスペインが最後まで抵抗し続けた場所だという。

チロエ島第2の町アンクー

その後、アンクーの博物館前でフリータイムに。天気が良かったので、博物館で過ごすのももったいなく、そのまま町歩きをした。

サンティアゴから日帰りしたバルパライソに似た雰囲気で、カラフルな色使いの建物が多い。チロエ島第2の町ということで、人通りも多い。

図書館の壁に落書きが描かれていた。
アートのレベルはには達してないようなのだが。

プエルト・モントと比べてもさらにのんびりした空気が漂っていて、いい雰囲気。ツアーじゃなかったら、泊まっていきたかったなぁ。

カストロの水上家屋

車で1時間ほど移動し、カストロ(Castro)という町の近くにやってきた。入り江沿いには色とりどりの水上家屋が並んでいる。

この水上家屋はパラフィート(palafito)と呼ばれ、もともと19世紀後半に製材業者のための住居や倉庫として建てられたものだという。その後、1940年代に農村から流入した困窮した農民たちが「誰のものでもない」海辺を占拠して住みつき、潮が引けば魚や貝も採れることから広まっていったのだそう。これだけ土地があるのになぜ水上に、と思っていたが、そういう歴史的な経緯があったわけね。(※後日調べ)

大きな団体専用のレストランにやってきた。いろんなツアーが集まっているようで、なかなかの賑わい。ふと仕事を思い出すシチュエーション…。

なにか飲み物はいりますかと聞きにきたので、「セルベッサ!」と勢いよく注文したら、アルコールを頼んだのは自分ひとりだけだった。ちょっと恥ずかしい。ちなみにビールのことをスペイン語でセルベッサ(cerveza)という。900ペソ(149円)。

ソパ・デ・マリスコス(sopa de mariscos)は魚介類のスープ。貝がたっぷり入っていて、魚介の旨味もたっぷり。まずいわけがない。

メインはサーモンのソテー。シンプルな塩味のみだが、脂がのっていてジューシーで旨い。そしてでかい。グラスと比べてもらえばその大きさがわかると思う。昼食はオプションで3,500ペソ(581円)。まあ妥当な値段だ。

昼食後、ランチャと呼ばれる遊覧船に乗船。オプションだったけど、天気が良かったので参加しました。約30分で2,000ペソ(332円)。

海から見るカストロの町並みは穏やかで美しい。海から眺める水上家屋は、陸から見るのとはまた違う趣がある。

水上家屋から飛び込んで、こちらの船めがけて泳いでくる地元の子どもたち。追いつけるはずもないのだが。天気も良くて気持ちよさそうだ。

丘の斜面にカラフルな家々が重なり合うように立ち並ぶ光景は、ポストカードにしたくなる。

船に掲げられたチリの国旗。白はアンデス山脈の雪、赤は独立のために流された血、青は澄んだ空を表し、青地の白い星は進歩と名誉を意味する。……地球の歩き方調べ。

カストロの街を散策

世界遺産に登録されているカストロのサン・フランシスコ教会(Iglesia San Francisco de Castro)。1910年に着工し1912年に完成。

設計はイタリア人建築家エドゥアルド・プロヴァゾリ。面白いのは、プロヴァゾリが送ってきた設計図はもともと石造りだったのだが、チロエの大工たちが「これは木材とトタンで作れる」と判断し、木造に作り替えてしまったのだという。

内部はすべて木造で、明るく温かみのある雰囲気だ。石造りの重厚な教会とはまったく異なる、チロエ島ならではの空間だった。

このあとカストロの町中で1時間のフリータイムがあった。同じツアーに参加していたチリ人の大学生が話しかけてきて、ふたりで散策することになった。英語のレベルが同じくらいだったのでちょうどいいかと思ったのだが、だんだん話が続かなくなり、気まずい雰囲気のまま1時間を過ごすことになった。疲れた…

チロエ島の建物に多く見られるうろこ状の壁。

「うろこ」が英語で出てこず、とっさに「fish body」と言ったら爆笑された。笑いが取れたら正解、これでいい。

カストロは坂のきつい町だったが、ペルーやボリビアで高地を旅してきた後のせいか、楽々と歩き回れた。これがマラソンとかでおこなわれる高地トレーニングの効果?

帰り道にもう1つ、世界遺産の教会に立ち寄った。到着直前まで寝ていたので場所がよくわからなかったが、後で調べるとカストロから約4km南のネルコン村にある「ヌエストラ・セニョーラ・デ・グラシア・デ・ネルコン教会(Iglesia Nuestra Señora de Gracia de Nercón)」だった。1879年から1890年にかけて建造されたネオロマン様式の木造教会で、白く落ち着いた外観が印象的。

やはり外壁もうろこ状の板張りだ。気になって後で調べてみると、チロエ島は多雨で冷涼な気候のため短い薄板をうろこのように打ち付けて気密性を高めた造りになっているのだという。

チロエ島観光は思ったより時間がかかり、帰りのフェリーに乗ったのは20時前だった。名前から想像して「ちょっとした島」と思っていたが、あらためて地図で確認すると南北190kmもある大きな島だった。そりゃ、時間もかかるはずだ。

21時頃、ようやくプエルト・モントへ戻ってきた。車内で寝ていたところを起こされて、慌てて降りた。降り際にさっきのチリ人大学生から名前と電話番号を書いた紙を渡されたのだが、さっきの会話力ではさすがに連絡する自信がない。いい思い出として、そっとしておこう。ちなみにチリ人大学生は女性です。

再び昨日と同じサッカー中継をやっている店へ。すでに22時だが、迷わず1リットルビールを注文。1,500ペソ(249円)。

久しぶりにライスが食べたくて、ビーフステーキウイズライスを注文した。白ご飯を期待していたが、出てきたのはパラパラに炒めたものだった。それでも、ビーフはボリューム満点で旨い。2,980ペソ(494円)。

ほんと、男はサッカーが好きだな。

宿にWi-Fiがなかったので、近くのネットカフェで次の目的地の情報を調べてから戻った。数年前までは旅行中にネットカフェへ行くのが当たり前だったのだが、一度Wi-Fiに慣れてしまうと、ないだけでこんなに不便に感じるとは。