無計画な新潟の旅ですが、今日のプランだけは確定しています。のって楽しい列車「海里」の海側座席を予約できたからです。のって楽しい列車というのは、JR東日本がつけた名前で一般的には観光列車と呼ばれ、その名前のとおりで乗ること自体が観光になる列車のことです。
海里は金曜日~日曜日と祝日を中心に運行している全席指定の観光列車。快速列車なので、青春18切符プラス座席指定840円をうければ乗車することが可能です。2019年10月に新車が導入され、現在では落ち着いていますが、青春18切符シーズンは予約がとりずらい列車のひとつです。
今回は海側の座席を予約することができました。座席指定のみで乗車できるのは基本的に1両のみで、そのなかで海側座席は8席しかありません。春休みシーズンなのに2週間前に予約できたのはラッキーでしたし、今日の時点では満席になっていました。
そんな海里は「新潟・庄内の食と景観を楽しむ列車」をコンセプトとしているので、新潟の出発は少し遅めの10時11分です。帰りは新潟まで戻らずに、村上市の瀬波温泉に宿泊します。
カントリーホテル新潟のフロント
一泊4,000円前後のビジネスホテルとは思えないほど、綺麗で整備されている。スタッフも24時間滞在しています。
いつでもコーヒーが飲み放題なのもありがたい。
コーヒー片手に朝の散歩。古町エリアの中心にある新潟中郵便局。
奥にはNEXT21という19階建てのビルがある。以前はこの土地に、新潟県庁、次に新潟市役所があったが手狭になり移転して、その跡地にNEXT21が建てられた。かつては、ラフォーレ原宿が入店していたが撤退し、そのた後に新潟市中央区役所が入店している。
古町は新潟行政の中心地だったことがわかる。
宿泊しているカントリーホテル新潟は14階建ての立派な建物で、写真でもわかる通りぷらっと本町という商店街に面している。目の前の大通りには新潟方面のバスが頻繁に往来しているので、アクセスは悪くない。
いまいちすっきり晴れてこない。4連泊中ですので、本日は戻りませんとフロントに伝えてでかけました。
いい感じに晴れてきました。
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穏やかな信濃川。水面を良く見ると海のほうへ流れているのが分かります。
バスセンターのカレー
新潟の名物とまで呼ばれるようになったバスセンターのカレーを食べに来ました。朝8時から営業しています。
バスセンターの正式名称は万代シティバスセンター。2021年7月にリニューアルしたばかりでとても綺麗でした。
お店の名前は「万代そば」らしいのですが、カレーのほうが有名になったので、食券機もこの順番です。ただ全員がカレーというわけでなく、朝ということもあったのかもしれませんが、2~3割りの人はそばを注文していたと思います。
また最近値上がりしたばかりのようです。2022年12月まで普通盛り480円でしたが、500円、530円と今では550円。わりと量が多いと聞いていたのですが、普通盛りにしてみました。
普通カレーライス550円
このボリュームで550円なら納得。そして、黄色い。セルフ方式の立ち食いスタイルでいただきます。
万代そばという店名ではなく、バスセンターなのはなぜ?
小麦粉多めのねっとりとしたルー、たまねぎたっぷりの具材で学校給食のようなカレーと思ったら、味はスパイスが効いて本格的で、けっこう辛いです。
カレールーもねっとりしてることも相成って、かなりお腹が膨れました。ミニサイズで他のお店なら普通サイズぐらいかと思います。
バスセンターは万代シティの中心にあり、ラブラ万代、伊勢丹などに囲まれています。このあたりが新潟で一番栄えているエリアかと思います。
あー、NGT48ってありましたね。まだやってるのかな?
スイッチバック式で有名だった新潟駅の万代口バスターミナル。現在は新潟駅高架下の新しいバスターミナルの運用が始まり、取り壊しを待っている状態です。明日、土曜日にさよならイベントがあるので、その後には取り壊されるのかな。
何度か新潟駅には来てたのに、運用している間に見たことがなかった。一週間前の2024年3月31日(日)をもって閉鎖されたということで、なんともタイミングが悪い。しかし、一週間前までバスが出入りしたとは思えないほど、昭和レトロな雰囲気で、今まで使われていたこと自体が驚かされるほど古めかしい。
新潟市内のバス路線は新潟交通の一社独占のようですね。もし路面電車やLRTを作るなら、新潟交通の運営になりそうですね。
自動券売機でチケットを発券しました。
JR東日本運営のコンビニ「NEWDAYS」。
生ビールだけでも驚きですが、日本酒のカップ売りもしています。さすが新潟。
お腹いっぱいで車内で食べる予定はないのですが、夕食用に駅弁を買っておこうと思います。周辺にはスーパーはなく、飲食店もほぼないようなので、確保しておいたほうが無難でしょう。これが結果的に大正解でした。焼漬鮭ほぐし弁当 1,300円を購入しました。ちなみにNEWDAYSもにいがたクーポンが使えます。
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となると、晩酌用に日本酒も確保しておこうと思い、ポン酒館へ。朝9時から営業しているのはありがたい。
日本酒パラダイス。新潟県の日本酒の蔵の数は、全国一位ですから、かなりの種類がありますね。
ワンカップ酒も豊富です。何種類か飲み比べするのも良いですね。ワンカップは200mlです。
ただあまりいいお酒じゃなく、醸造アルコールがはいった普通酒が多いのが難点。醸造アルコールは苦手なんですよね。
津南酒造さんは1合瓶で様々な種類を販売してました。割高ですが、こういうのは観光客にとってはありがたいです。
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昨日の摂田屋(長岡市宮内)もそうでしたが、新潟県は醤油蔵よ多いようです。関西だと和歌山県の有田、兵庫の竜野や、小豆島が有名かな。
日本酒とビールを購入して、そろそろホームへ向かいます。にいがたクーポン使えました。
白新線・羽越本線 新潟10:11→酒田13:28
快速海里・酒田行き
コンビニでお弁当購入してトイレに行っていたら、海里はすでに入線していました。
日本海に沈む夕日をイメージしたオレンジ色。車体はシンプルですね。パンタグラフがないので純粋な電車ではありませんが、ディーゼルで発電して蓄電し、その電気を使って走るディーゼルハイブリッド車です。観光列車として、非電化区間を走れるために、ハイブリッド車にしたのでしょう。
1号車はリクライニングシート。以前乗車したリゾートしらかみとかなり似てます。座席の前後幅はかなりゆったりとしています。天井のモニターには前方の車窓が映し出されます。
運転席の後方には展望室があり、酒田側の1号車は進行方向の景色を眺められます。
2号車はコンパートメント。半個室の4名のボックスシートが8室。すべて埋まっていましたが、1名~2名で利用されてる人が大半でした。
3号車は売店とイベントスペース。通常の海里でイベントは何もないけど、別区間を走るときに何かやるのかな?走行中ほとんど滞在している人がいなかった。取り外しできるような椅子でも設置してくれたら、良かったのにと感じました。
スタッフさんは販売品を準備しています。ドリンクや海里オリジナルグッズの購入ができますが、のちほど。奥には厨房があるのかな。
アリバイグッズ。
4号車はダイニング。食事付きで旅行商品として販売されています。ほかの人は立ち入ることができません。1号車と同じく展望席がついています。季節により価格が変わりますが、なかなか高めの値段設定になっています。
乗車券3,080円+指定券840円=3,920円
青春18切符2,410円+指定840円=3,250円
食事付き旅行商品 11,500~18,200円
足元広々です。お隣さんは通路挟んのでご夫婦が座られています。満席のはずですが、実際には7割りほどの乗車率。指定料金だけだと安いから、予約だけしておいて、乗らない人が多いのかなぁ。
新潟駅の駅員さんの見送り。
思ったよりたくさんいらっしゃってびっくり。指定席しか払ってないの申し訳ない気分ですが、メインは食事付きのお客様に対しての歓迎でしょう。
まずは白新線を通り北上していきます。しばらく上越新幹線の回送線が続きますが、これって羽越新幹線見越して作ってたんじゃないかと思うほど長くて立派な高架が続きます。
阿賀野川を渡ります。いまでは新潟市から数キロ東に河口がありますが、1762年頃までは新潟市中心部で信濃川と合流して河口に注いでいました。1730年に放水路を作った後に阿賀野川が氾濫し、その洪水をきっかけに放水路が本流となったそうです。
越後平野。阿賀野川がたびたび氾濫し、江戸時代初期まではこのあたりは沼地や潟湖ばかりだったそうです。もともとは海の底だった場所が、信濃川や阿賀野川の堆積物で砂州や砂丘ができて海と隔てられ、徐々に陸地ができた場所でもあります。
次の停車駅は羽越本線との合流地点の新発田駅。特急なみの停車駅の少なさですが、差別化のためかそれほどスピードはでていません。
サッポロビールから販売されている新潟限定ビールの「風味爽快ニシテ」。もっと後で飲むつもりでしたが、車内が暑かったので、早々に開栓しました。
たくさん鉄ちゃんが乗ってるかと思いきや、数名ほどでした。新潟駅出発時は展望席に5~6名が集まってましたが、それ以降は結構空いてました。
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右側。新発田駅を過ぎると朝日山系から注ぐ加治川を渡ります。
中条、坂町駅の停車して、飯豊山系から注ぐ荒川。
村上駅手前からは奥にはひときわ白く冠雪した飯豊山が見えるようになります。
村上駅を過ぎて、電流の切り替わるデッドセクションを通過します。デッドセクションとは電流が切り替わるポイント。ふだん何気なく乗ってる電車ですが、架線に流れている電流には交流と直流の2種類あります。都心部は直流が多く、地方にいくと交流が多いので、その境目ではこのようなデッドセクションが存在します。
基本的に電車は直流か交流かのどちらかですが、両方に対応する電車もあります。ただ設備が高価になるので、最近ではディーゼル車やハイブリッド車を運行していてることが多いようで、この区間を走る普通列車も海里と同じくディーゼルハイブリッドが走っています。
村上市を流れる三面川を渡ります。秋になると鮭が遡上してきます。村上市は鮭の街としても知られています。今日宿泊する瀬波温泉は村上市にあるので、再び村上まで戻ってきます。
この先は海里の売りである「日本海の景観」を楽しめる区間です。日中に通るのは今回で3回目です。
笹川流れといわれる区間より、最初の区間が海に近いので景色が良いですね。途中からは海との間に道路が割ってはいります。
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イベントスペースの車両はやや窓が小さいのが難点。
道路の幅だけ海が遠い。
ドライブしたくなりますね。奥に見えているのは粟島です。
桑川駅
11:28 桑川駅
桑川駅で約30分の停車時間があります。海が近いので散策してくださいということでした。桑川駅は無人駅でした。
海風がとても気持ちいい~。車内が温度高めなので、すっきりしました。
道の駅の2階から展望デッキに繋がっています。
上から眺めると水がとても綺麗ですね。新潟あたりから列車にのって日帰りで泳ぎにこれますね。
少し北側に歩くと、笹川流れ遊覧船が発着しています。
車内でも案内がありましたが、海里の時間帯のみつみれ汁を販売しているとこのとで、購入します。時間があるのでレストラン内で頂くことにしました。
わりと時間あるので、すぐに食堂にきたら、食事を取ることも可能かと思います。どんぶりなら提供早そう。
レストランは2階にあるので日本海を眺めながら食事できます。
1階は売店になっています。その横に改札があるという感じですね。
11:52 特急いなほが通過。
12:03 桑川駅出発前に運転手さんから挨拶がありました。
桑川駅からまでが、笹川流れと呼ばれる景勝地。展望室から眺めることにしました。
ここが一番の景色の良い区間だそうで、停車しそうなほど徐行運転してくれました。
ほんと道路があるので、それほど海の近くを走っている感じがないのは残念です。リゾートしらかみの運行する五能線のほうが海が近く絶景でしたね。
羽越本線は単線と複線が入り交じりますが、複線の上り方面はトンネル区間も多いので、できれば下り方面で乗車するのがオススメ。日中は2時間に1本程度の普通列車しか走っていませんが、特急列車と貨物列車が通る路線なので、追い越しや反対列車待ちがたまにあります。
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コンパートメント。4名まで座れるので、1~3名の場合は相席になる可能性があります。この距離感、閉鎖スペースで他人はけっこう気まずいですよね。満席だったのにもうふたつ空いてました。
暑いのでビールを追加します。冬だったら日本酒かな。
こちらは海里オリジナルグッズ。
イベントスペースは涼しくて、まさに気分爽快です。ほかの車両に比べて、窓ガラスの紫外線カットの色が強いので、車内の温度があならないのかもしれません。
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庄内平野
海の区間が終わり、庄内平野にはいります。前方に鳥海山見えてきました。
月山
まずは右側に冠雪した月山(1,984m)。庄内平野の南東部にそびえる山です。なだらかでおおらかな山の形をしています。
月山は火山ですが、火山活動はなく死火山とされています。出羽三山のひとつで、修験の山、霊山として知られています。日本百名山。
昨秋は晴れていたけど、雲がかかり見えなかったので、今回は見ることができて嬉しい。当初、途中の鶴岡駅で降りて、早めに瀬波温泉に行こうと思ってましたが、終点の酒田駅まで乗ることにしました。
結局、村上以降はとんど座席に座っていなかった。陽当たりが良いのか、エアコンが効いてないのか、座席のところはとても暑いんです。だから前方の展望室かイベントスペースで立ってました。
リクライニングシート席が満席でも、コンパートメントで予約して、かりに相席になった場合でも、イベントスペースで立ちっぱなしでも大丈夫そうな感じです。
鳥海山
続いて前方に鳥海山(2,236m)が見えるようになりました。庄内平野には田んぼだけで遮るものがないので、周囲の山がよく見ることができます。この日は春霞も少なく綺麗に見えてほんと恵まれていました。
余目駅を過ぎて最上川を渡ると左にカーブするので、右側の車窓から見えるようになります。
鳥海山は山形県と秋田県の県境にそびえる火山。日本海まで延びる裾野が美しい独立峰で、出羽富士とも呼ばれています。日本百名山のひとつです。
13:27 酒田駅に定刻通り到着。3時間超えの乗車時間があっという間でした。
この後ろではJRの駅員さんと酒田市の職員さんが記念品とパンフレットを配布しています。酒田には滞在せずにすぐに戻るので少し心苦しい。
左は酒田市の職員から頂いたソース旨煎で味が濃くて美味しかった。酒田市の酒田米菓さんが作っています。仙台、山形、秋田、東京では購入できるようです。さすがに米菓王国の新潟では販売してませんでした。
右は羽越本線100周年記念のロゴマークが焼かれた煎餅。新潟市の新津駅から秋田駅を結ぶ羽越本線は今年、2024年7月31日に100周年を迎えるそうです。JR東日本はこういうのを作れる風土がある会社だから、色んな観光列車を運行することができる気がしました。ソース旨煎に比べてかなり薄味でした。
折り返しの村上行きの普通列車まで、約1時間あります。昨年、レンタルサイクルでうろうろしたので、どうしようかな。とりあえず、駅前の観光案内所にいってみます。