神仏習合に触れる国東半島(九州遠征登山Vol.2)

九州
九州

マイカーにて九州上陸

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予報通り雨は上がっていましたが、まだ雲は取れていないので、
外は薄暗いままです。
この様子だと朝日は厳しそうなので、朝食をとることにしました。

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朝食は300円と割と安いので、食べてみることにしました。
事前に調べていたのでわかってましたが、結構質素です。
パンが2種類、生野菜、ゆで卵、ジュース・コーヒーのみ。
300円でもお腹いっぱいは食べれるのはありがたいですね。

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2便の朝食は豪華なようですが、
実際1便が質素な理由は、時間が短いという要素もあると思います。

夕食をとると朝食の無料券がもえらる影響か座席は混んでましたが、
メニューが少なく滞在時間は短いようで、
オープンして30分ほど経過した後にいくと空いていました。

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九州か…という実感はあまりありません。
新門司港は北九州市門司にありますが、市街地は北側(反対側)にあるので、
どこかの田舎に着いたような印象です。

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12時間半で予定通り新門司港に到着しました。
快適だったのでもう少し乗っていたい気分です。

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着岸してから車両のタイヤ止めを外すためにしばらく時間がかかります。
車両甲板に入ることができるのはそれから。
船舶の5階からはそのまま運転して降りて、九州上陸です。

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ようこそ北九州へ。
名門大洋フェリーという名前の「名門」の部分は、
名古屋と門司を結んでいたフェリー会社と合併していたからだそうです。
勘違いしますよね…名門ほどではなかったけど快適でした。
十分な睡眠がとれて、疲れなしで九州に入れたのは大きいです。

天気は回復傾向にあるそうですが、まだまだ暗いですね。
今日の宿泊地は大分県別府です。
九州の東側を走る国道10号線で南下して、大分県を目指します。

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国道10号線を走っていたら、週末の早朝だったので快調すぎて、
あっという間に大分県に入りそうだったので、
福岡県の地域クーポン処理のために行橋駅前のコンビニで酒類を購入しました。
日中だとスーパーなどで利用できるのですが、早朝はコンビニぐらいしか使えません。
しかもすべてのコンビニで使えるとも限らないので要注意。

再び国道10号線に戻ってからしばらくすると、
左側に滑走路が見えてきて、国道10号線でも少し迂回させられました。
こんなところに飛行場あったかなと調べると、
航空自衛隊の築城基地で、滑走路は2400mもありました。
隊員1600名も抱える大きな基地だそうで、
下道を走らなかったら気づきもしないことでした。
高速道路は景色が退屈すぎて、眠くなるので避けているのですが、
下道はこういう新しい発見が多々あるので好んで走行しています。

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豊前あたりから国道10号線は、片側2車線になり快適そのもの。

宇佐神宮

大分県に入って最初に訪れたかったのが、宇佐神宮です。

宇佐神宮は、伊勢神宮や出雲大社などと比べるとネームバリューでは劣りますが、八幡宮の総本社であります。

全国に11万あるとされる神社のうち、八幡宮は4万4千社、日本で一番信仰されている神様でもあるのです。

八幡宮とは、八幡大神を祭神とする神社のことで、八幡大神は第15代天皇の応神天皇の御心霊とされています。応神天皇は、大陸の文化や産業を国作りに活かされ、571年に宇佐にご示顕されたそうです。また弓の名手であったことや、母である神攻皇后が朝鮮半島で三韓征伐した帰路で応神天皇を産んだことなどから、武神として崇敬されるようになったそうです。所説あるそうですが…

初の武家政権となった鎌倉幕府が八幡神を氏神とし、鶴岡八幡宮を建立し、重要な祭事を行ったことで、全国に広まっていったそうです。

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宇佐神宮は国道10号線沿いにありました。
600台ほど停められる大きな駐車場があるので、初詣など多くの人が訪れることもあるのでしょう。

駐車料金は12時間400円です。
早かったので駐車してる車はまったくなかったです。

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07:53

伊勢神宮を彷彿させる大きな境内で、木に覆われて外からは社殿などは見ることができません。
ひとり旅の場合、行く候補地だけ決めて、詳しくは調べてこない場合が多いですね。
その方が旅先でワクワクします。
今回もそんな感じでした。

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菱形池にある左に能楽殿、右に絵馬殿。新緑に赤い建物が映えます。

菱形池の奥には古来より湧き続ける御霊水と呼ばれる水源があり、ここに八幡大神が現れたとされている神聖な場所があります。

御霊水が祀られた場所まで行くことができますが、参道の枯れ葉掃除をしていたので、邪魔したら悪いかなと遠慮させて頂きました。

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手水舎の水盤はひとつの御影石で造られていて、国産の御影石としては日本一の大きさで、重さ24トンもあるそうです。
山口県から運んできたそうです。

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宇佐神宮は、神仏習合の始まりの場所ともされています。

720年、朝廷が進めていた律令国家に反発した南九州の隼人を八幡神を担いで宇佐の民とともに制圧。

その後、宇佐では病気や不作が続いたことから、隼人の祟りだと恐れられ、八幡神が殺生を悔い改め、仏教の戒律「殺生戒」に救いを求めたことが始まだそうです。その時に執り行われた「生放会(ほうしょうえ)」という神事は、現在でも執り行われています。

また725年に宇佐神宮がこの地に移された際に弥勒寺が宇佐に建立。
737年に宇佐神宮境内に移され、738年には金堂、講堂が建立され、名実とともに神仏習合の歴史が始まったとされています。

その後に八幡信仰が全国で信仰されるようになり、神仏習合が広まったそうです。

明治時代の廃仏毀釈で、その歴史に幕を閉じ、現在の宇佐神宮には遺稿のみが残されています。

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宇佐神宮の社殿は、小倉山という小高い丘にあります。
左が本殿のある上宮に続く参道、右が下宮に続く参道。

伊勢神宮で外宮から参ることにならって、下宮からお詣りすることにしました。

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雨上がりの境内はとても雰囲気が良いですね。

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下宮。
810年嵯峨天皇の勅願により創建。
別名、御炊殿と呼ばれ、神様に献上するお食事をつくる御饌(みけ)を司り、農業漁業など一般産業の神様とされています。

伊勢神宮の外宮も、豊受大御神が御饌を司る神なので、同様の関係性のようです。
ただ、宇佐神宮の下宮に祀られてるのは、上宮と同じ神様なのが違うところです。

「下宮参らにゃ片参り」

と宇佐地方では呼ばれてるそうです。

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上宮西大門は令和の大修理中。
最近までは平成の…という感じだったので、今更ながら時代が変わったことを実感されられました。

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西大門をくぐると上宮の境内です。
小倉山という小高い丘の上にあるのですが、南大門側にケーブルカーもあるので、足の悪いかたも気軽に参拝できるようになっています。

正面である拝殿は右側の南中楼門側にあります。

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四拍手拝礼。
出雲大社も四拍手でしたね。ほかに新潟の弥彦神社もそのようです。
起源が不詳なら、私たちにはわかりようがないですね。

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八幡造りの社殿はかっこいいですね。見映えします。
これは南中楼門で、本殿はこの内部にあり、非公開となっています。

現存している八幡造りは、京都の石清水八幡宮、道後温泉の伊佐爾波神社の三社のみだそうです。
昨年に伊佐爾波神社にお詣りしたので、これで制覇です。

左の第一之殿には主祭神、応神天皇の御心霊、八幡大神。
中央の第二之殿に、宇佐の地に古より地主神と崇敬されていた比売大神。
右の第三之殿に、応神天皇の御母、神功皇后が祀られています。

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ここで謎なのが第二之殿がある中央に神格が高い場所に、八幡大神ではなく、比売大神が祀られていることだそうです。

一説にはこの比売大神が卑弥呼だったのではという話もあるそうです。邪馬台国の場所は特定されてないですが、北九州にあったという説が正しいなら、ありえない話ではないですね。

歴史には答えがないほうがロマンがあっていいですね。

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現在の宇佐神宮の最寄り駅は、日豊本線の宇佐駅ですが、宇佐神宮からおおよそ4キロ離れています。

1965年までは宇佐駅を中心にして、宇佐神宮と豊後高田の間8.8キロを結ぶ宇佐参宮線という路線があったそうです。当時はかなり多くの参拝者で賑わっていたんでしょう。

神仏混合の地と呼ばれる国東半島の手前で、その関係の地に訪れることができて満足です。

では、国東半島の中心に向かいます。

豊後高田 昭和の町

福岡側からいくと国東半島の入口にあたる豊後高田市の中心部に入ったところで
昭和の町という看板があったので、立ち寄ってみました。

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最初にこの通りを見たとき、レトロというより、
ただのシャッター商店街のように見えてしまいました。
実際、そういう場所ってありますよね…

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こちらがメイン通りのようです。
550mの通りに昭和30年台の街並みを再現したとされています。
自分の知らない時代なので、懐かしいという気持ちにならなかったです。

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訪れたが早すぎて、まだどこのお店も空いていませんでした。
食べ歩きなどしても楽しそうですね。

右にある肉屋「金岡」さんは朝から営業されてました。しかも昭和26年創業だそうです。揚げたてコロッケ美味しそうでした。

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年代的には60代以上の人は結構楽しめそうな感じですね。
あ~懐かしいとかなると思いますが、自分の世代にはただのテーマパーク感漂う商店街。
看板がわざとレトロ調に作られてること違和感を感じました。

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昔はこんなに安かったんですね。
税金引いたら20円とは…
現在石油価格もあがってるけど、税金も2倍以上になってますね。

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いい雰囲気の大衆食堂大寅屋。
変にレトロ調に作られている感じがしないのがいいなと思ってたら、
現役の食堂でした。創業は昭和3年だそうです。

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大寅屋の値段は昭和55年に値上げしてから、そのままだそうです。
最近はどこも値上げ、値上げなのに…
あんまり頑張りすぎないようにしてもらいたいですね。

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このボンネットバスは現役で、週末中心に無料で乗車できます。

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昭和ロマン蔵に展示されている往年の車。車には興味がないのですね…

昭和ロマン蔵にはteamLabとコラボした展示物や駄菓子の博物館などあります。それなりに楽しめそうですが、今回の主たる目的地ではなかったので、次の目的地へ。

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国東半島の地図で、国東のよみかたは「くにさき」と呼びます。
半島の中心は山になっていて、そこから放射状に尾根が伸びています。
丸い形からも想像できますが、火山でできた半島です。

放射状の谷の中で人々が生活するようになり「二十八谷」と呼ばれる集落に。
それらが6つにまとまり、この地は「六郷」と呼ばれるようになりました。

その後、宇佐八幡審の化身とされる仁聞菩薩が、この地に65もの寺を建立、7万弱の仏を祀り、国東半島を神仏習合の「六郷満山」と呼ばれるを霊場を開いたそうです。
国東半島の険しい地形を利用した、山岳修行が盛んだったそうです。

まずは、国東半島の中心の両子山の直下にあり、
六郷満山の中山本寺でもある両子寺(ふたごじ)に向かいます。

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国東半島を中心に向かうということは、山を登ることになります。
ただ溶岩堆積流によって形成された尾根の間の谷は比較的平らでスムーズだったのですが、
山頂付近に近づくと、カーブが多くなりました。

両子寺

豊後高田市から約30分ほどで到着しました。
無料の駐車場があり、登山客らしい人もちらほら見かけました。

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雨上がりでとても新緑が美しい。
階段を上ったところで、拝観料300円を支払います。
ちなみに境内が両子山への登山ルートにもなっているそうですが、
その場合でも支払いが必要だそうです。

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718年に創建された両子寺。
修行の場でもある根本道場の護摩堂。

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参道沿いに石の門と、中国風の石像が並び、異彩を放ちます。
国東半島は、中国や朝鮮から奈良や京都への経由地として栄えたそうで、
その時に大陸の文化も比較的早く入ってきたそうですが、
それを表しているものなのでしょうか。

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奥の院へ向かう参道の入口に鳥居があります。
お寺に鳥居、神仏習合の地ならではの光景です。

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階段を登り、しばらくいくと奥の院があります。
岩屋を覆うように斜面に造られていて、手前はせり出すように建てられています。
「懸造り」と呼ばれ、国東半島では珍しくないようです。
この後訪れた熊野摩崖仏の本堂でも同様でした。
清水寺の舞台も同じ「懸造り」にあたるそうです。

裏側は岩屋を覆うように洞窟になっていて、中に千手観音立像が祀られていました。
内部は静けさに包まれて、神聖な領域であることを肌で感じました。

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急斜面に細い階段、鎖の手すりがありました。
この先にいくとお山巡りというのができるそうです。

カップルの参拝者が
「まさかここ登らないよね~~。」
「もちろん、登れるわけないでしょ~~。」

はい、そこを登ります。もう少し両子寺を堪能しよう。
落ち葉が濡れててスリップしないか、鎖を握りしめて登りました。ステップの斜度が垂直じゃないので、普通に濡れてたら滑りそうで怖い。

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参道というよりは、ほぼ山道です。
九州にクマがいないという事実がなければ、引き返したと思います。山にはもやが立ち込めてて、神秘的な雰囲気。

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入口でもらったパンフレットのマップの尺度がおかしい。
思ったより本格的な山登りになってる。
雨上がりなので、山の中の湿度が半端なく汗だくです。
奥の院までは参拝者がちらほらいたんですが、もちろん誰とも出会いません。

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百体観音。
このあたりの岩盤をくりぬいて作ったんでしょうか。
大分県には、自然の岩壁に彫刻された摩崖仏という仏様が多くあります。

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岩肌にも観音像が安置されています。

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名前のとおりだと、百体安置されるのでしょうか。
百体観音について詳しく記載されていないんですよね。

進路はこの奥だそうです。
絶対滑るだろうから、別ルートがないか探したけどなかった。

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針の耳
岩肌は滑るし、結構狭いので、鎖がなければ抜けられなかった。
下りのほうが大変そう。

ここが修験の場だったかは定かではありませんが、
修験を体験したような気分になりました。

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鬼の背割り
千徳坊という力持ちのお坊さんが、
背で割って通路をあけたといわれる二つの大岩だそうです。
鬼という名前はどこから来たんでしょうか?

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舗装された道に戻ってきて、ホッとしました。

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青紅葉がとても美しく、一面の緑に目が癒されます。
全国森林浴の森百選だそうです。

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再び護摩堂に戻ってくる頃には、晴れ間が広がっていました。

両子寺をはじめ、国東半島の六郷満山は、天台宗のお寺です。
天台宗といえば、総本山である延暦寺は地元比叡山にあるので、
不思議なつながりを感じました。

最澄が遣唐使として出航した際、悪天候で難破し九州で1年以上足止めされたが、
宇佐神宮で渡航安全の祈願し、無事に唐に渡ることができた。
お礼参りで訪れた最澄は、神前で法華経の説法を行ったことをきっかけに、
現在に至るまで天台宗と宇佐神宮は強い繋がりを持っているとのこと。

宇佐神宮と繋がりの強い六郷満山にその教えが広まるのは自然なことですね。
ちなみに比叡山は開山1200年ですが、六郷満山は1300年の歴史があり、
その歴史はかなり古いものになりますね。

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両子寺が紹介されるときに必ずといって登場するのが両子寺の仁王像。
全国にある仁王像の8割が国東半島に存在し、
その中でも両子寺の仁王像が高さ245cmと最大で、
また最も美しいとされてるそうです。

見るからに力強さを感じます。
足元を触れることにより、足腰が強くなるということなので、
明日からの登山に備えてさすりまくりました…。

本堂への駐車場より手前にあるので、スルーしてしまうので注意が必要です。

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次の目的地、熊野摩崖仏へ向かうため、山を下りていきます。
センターライン付近に草が映えてたので、思わず写真に撮りました。
あんまり見たことない光景です。

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山頂付近はカーブが多いのですが、
少し降りると比較的なだらかでよい道が多いです。
このあたりも六郷と呼ばれる郷を形成していた集落なのでしょうか。

熊野摩崖仏

先ほど少し触れましたが、大分県には数多くの摩崖仏があり、
日本の摩崖仏のおおよそ7割、400体の存在が確認されているそうです。
国東半島に集中しているのではなく、大分県の西部以外に散らばっていますが、
今回は国東半島の中で最大とされ、また大分県内最古といわれる熊野摩崖仏を見に行きます。

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田染平野という集落の一番奥地の山麓部に熊野摩崖仏があります。
急な階段を登るというのは知っていたのですが、想像以上に距離がありました。

駐車場から入口まで緩やかな坂道を5分ほど歩き、拝観料300円を払います。
さらに沢沿いに作られた遊歩道を5分ほど歩いてようやく鳥居に到着。
谷あいにあるので湿気が溜まっており、かなり蒸し暑く、
年配の方は、鳥居にたどり着くまでもかなり苦労されてました。

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仏様に会いにいきますが、鳥居があります。
ここもやはり神仏習合の地なんですね。

拝観料を払うときに、階段が急だから気を付けてと言われた階段。
鬼が一晩で造ったといわれる99段の石段です。

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昨日の雨の影響なのか、高い湿気の影響なのか、足場の岩が滑りやすい。
足場の岩も乱雑に組まれているので、かなり歩きずらいです。
鬼が一晩で積んだのだから仕方ないか…

あとこの石段は徐々に斜度が急になっていくトリップつきです。
定期観光バスのコースにも入ってたけど、年配の人は大変かと思います。

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谷あいにあるので湿気も高く、もう汗だくです。
他の参拝者も汗だくで登ってました。

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階段を8割ほど進んで左へ折れると、熊野摩崖仏とようやく対面。

左が高さ8mの不動明王像。右が高さ6.8mの大日如来像。
本来の不動明王とは違うどこか穏やかな表情をしている印象を受ける。

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右が高さ6.8mの大日如来像。
大日如来像のほうが精巧に見えるので、
不動明王像のほうが歴史が古いと感じましたが、
先に掘られたのは右の大日如来像で、平安時代のものだそうです。

国東半島は岩盤は硬い業界角礫岩で形成されているので、
大分県の他の地域に比べて、彫るのが難しいそうですが、
この大日如来像はとても精巧に彫られていました。
1,000年以上自然にさらされた今でも美しい表情を残していました。

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石段の一番奥には熊野神社がありました。
仏様と神様、国東半島では神仏混合が当たり前のように存在してます。

裏手にある本堂は裏側の岩屋に少しめり込むように建っています。
山岳信仰の場でもあった六郷満山、
山そのものがご神体という一面があったのではないでしょうか?
勝手な推測ですが…

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やっぱり下りは怖いですね。
しっかりした金属の手すりがあって助かりました。

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復路は、沢沿いの道を歩かずに、胎蔵寺のほうへ迂回してみました。
溶岩流で形成された尾根が多いので、山奥にいるかのような錯覚を覚えます。

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胎蔵寺は、明治の廃仏毀釈まで熊野摩崖仏を管理していたそうで、
紀州の熊野と深い繋がりがあったことから、熊野権現を鎮守としています。
熊野摩崖仏の熊野と名前は、紀州に所以があるのかもしれません。

現在では宝くじがよく当たるということで、全国から祈願に訪れる人、
当選者のお礼参りの参拝者が多いようです。
金色のシールを不動様、七福神様に貼ってお願いするそうですが…
いっきに俗世に戻されたようで、少し興ざめしたものを感じました。

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心なしか不動様、怒っているように見えます。

国東半島にはまだまだ六郷満山のお寺、摩崖仏がありますが、
わりと満足できたのと、少し早めに別府温泉に到着したいので、
これで国東半島を後にします。
あと結構足が疲れましたね。
最近登山慣れしていないので、明日のトレッキングに備えて、
足を休めたかったこともあります。
結局、別府の町を歩きまわりましたけど。

経塚山のミヤマキリシマ

今回の九州行きの目的は、くじゅう連山と阿蘇山なのですが、
春の九州の山といえば、ミヤマキリシマが咲くことで有名です。
例年5月下旬~6月初旬が見ごろらしいので、ほぼ諦めてました。
最近は好みに合わせてニュースも表示してくれるので、
大分県の経塚山でミヤマキリシマが咲いているという情報が。
ちょうど別府へ向かう途中にあるようなので立ち寄ることにしました。

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熊野摩崖仏から別府方面へのちょうど抜け道にあたる場所でした。
左の山当たりが経塚山あたりだと思います。
地図で見るには、ほぼ山頂まで車で行けるようなのですが、
離合が難しそうなので、手前で車を停めて歩くことにしました。

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日曜日ということで賑わっていると思ったのですが、
ほとんど車は通りませんでした。
ヤフーニュースにも出てたし、人気だと思ったんですが…

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このあたりの新緑も美しい。
ひさびさにみる青空と白い雲。
真夏日ということで、ほぼ夏です。

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あまりに人がいなくて、本当にミヤマキリシマの群生地があるのか?
経塚山の道標はあるので、すすんでいきます。

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山頂付近には、団体さんが40名近くいて大賑わいでした。
引率の方がいて、親子で山登りしよう的なイベントみたいです。
ちょうど経塚山について説明されていたのですが、
ミヤマキリシマは毎年花の咲き方が変わるそうで、
今年はポツポツと咲いているとのことでした。

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写真で見るとポツポツですが、
紫がかったピンク色のインパクトが強いせいか、
肉眼で見ると結構咲いているように見えます。

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珍しく方向感覚がまったくわからなくなってました。
右から雲がわいてきていますが、これは別府湾からの雲でした。

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ミヤマキリシマは、ツツジの仲間です。
NHKの朝ドラで放送中の牧野富太郎が、霧島で発見したときに
「深い山に咲くツツジ」ということで、ミヤマキリシマと命名したそうです。
漢字名だと深山霧島になるのかな。
高山植物にはミヤマとつく名前が多いです。

ミヤマキリシマは、ツツジの仲間です。
NHKの朝ドラで放送中の牧野富太郎が、霧島で発見したときに
「深い山に咲くツツジ」ということで、ミヤマキリシマと命名したそうです。
漢字名だと深山霧島になるのかな。

霧島、阿蘇、くじゅう、雲仙などの九州の標高の高い火山地帯にのみ分布してます。
ヤマツツジが火山性ガスに晒される環境に対応し、酸性の土壌を好むようになり、
他のツツジに比べると低木で花や葉は小さいのは、山で風や雪に耐えるためだそうです。
他の環境では、小さいミヤマキリシマは他の植物との成長に負けてしまうので、
分布することがほぼないのだそうです。

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看板にも紹介されてますが、
610mしかない経塚山でミヤマキリシマが群生してるは珍しいようです。

ほかの群生地よりも1か月早いとも記載されています。
この先ミヤマキリシマを見ることができるのは絶望的な気持ちにもなりました。

別府温泉

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再び国道10号線に合流し南下していくと、別府温泉の看板のお出迎え。

別府温泉といえば全国的にも有名で、源泉数・湧出量とも日本一と言われています。
ただ別府温泉とは総称的なもので、実際には8つの温泉地が集まったもので、
それぞれ別府市内に温泉地は点在しています。

大きなところで、駅周辺の別府温泉、地獄めぐりの温泉が多い鉄輪温泉。
この2つは5キロ以上離れているので、車で移動しても結構かかります。
鉄輪温泉は道路の排水溝からも温泉の湯気が出たりして風情もあり、
泉質も良いとの評判なので泊まりたいなと思っていたのですが、
周辺は飲食店も少なく、車を使わないと不便そうなのです。

迷いましたが、結局は別府駅前のビジネスホテルに宿泊することにしました。
温泉大浴場もあるようですし、徒歩で行動できたらビールの飲めますしね。
ということで、別府駅へ向かいます。

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ヤシの木が南国ムードを盛り上げてくれる…
別府温泉は南国だったかな?
でも、温泉がわいているので暖かそうなイメージはあります。
日曜日ということもあり、国道10号線は渋滞し始めてました。

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ビジネスホテルフジヨシ
別府駅前にあるのに、駐車場が無料で、出し入れ可能です。
周辺は24時間500円程度ですが、出し入れ可能なのは嬉しい。
今回もできるだけ安く抑えたかったので、昭和なホテルです。

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青いソニックが別府駅に入線してきました。
JR九州の列車はほかのJRとデザイン性が違うので、とても目新しい。

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チェックインまで少し時間があったので、別府駅横にあるスーパーへ。
ホテルから徒歩すぐにスーパーがあるのは嬉しい。
しかも、全国旅行支援のクーポンが使えるんです。

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刺身コーナーには豊後さば、豊後あじが並んでます。
関さば、関あじが有名ですが、ほぼ同じ豊後水道で水揚げされたもの。
めちゃくちゃテンションあがりました。

ほんとこの時買っておけば良かったんですよね…
残り1個だったんだから…
でも、最初のスーパーで見かけたら、どこにでもあると思うよね。
この後ぜんぜん見つけることができず、ここも売り切れてて、
すごい後悔しました。
翌日の行動にも影響を及ぼすほどにね…

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解凍ものですが、普通に鶏のタタキが売ってます。
今晩は部屋で晩酌できまり。

15時を過ぎたのでチェックインを済ませて部屋へ。

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昭和な匂いがプンプンしました。
値段考えたらぜんぜん大丈夫ですし、清掃もきちんとされてます。

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42インチのテレビだけは昭和じゃなかった。
見やすい位置に設置されてて、YouTubeもデフォルトで見れます。

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5階からの景色です。
列車の往来を見るのが好きなので、駅側は事前にリクエストしました。

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ぎりぎり海も見えます。
今の部屋のクラスでは、海の見える部屋はないと聞いてたので、嬉しい誤算です。
別府タワーも見えて気分上々です。

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2泊するので、4,000円分のおおいた満喫クーポンもゲット。
ちなみにお支払いは、3,080円です。
別府は少し高いの入湯税を1泊250円払うつもりだったのですが、
これも税込みの金額設定だったようです。

宿泊代金4,300円×2泊=8,600円
じゃらんクーポン -2,500円
全国旅行支援20% -1,220円
じゃらんポイント -1,800円
支払金額      3,080円

クーポンをゲットしたので、さっそく町中に出かけたいと思います。
別府温泉といえば、「地獄めぐり」が有名ですが、
過去に見たことがあり、それほど感動しなかったので今回はパスです。

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べっぷ駅市場
こういう雰囲気大好きです。

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お部屋でどうですか?と声をかけられました。
いい線ついてるな…
良さそうなお刺身セットがあったのですが、
アジとサバがなかったのでスルーです。

日曜日ということでゆめマート内は混雑してました。
イオンタウン的な位置づけなんでしょうか。
特に学生のグループが多かったように見受けられました。
ちなみに鮮魚コーナーは、地元のさば、あじはなかったです。
あじはありましたが、長崎産でした。
長崎の外遊タイプなので、脂がのってないんですよね。

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見事に天気が回復し、青空が広がってきました。
海沿いにこんもりとした山は、サルで有名な高崎山です。

そして左奥に見えるビル群が大分市の市街地で、
大分駅まではわずか3駅15分弱の距離です。
大分市は人口が増えてきたのに、別府市は人口が減ってるので、
徐々に移り住んでいったんでしょう。

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海なし県に住んでいると、海というだけで、テンションあがります。
別府駅から歩いて10分ほどで海岸沿いにたどり着きます。
遠くにはクルーズ船が停泊しているようです。

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国道10号線沿いに別府のシンボル、別府タワーがあります。
今年リニューアルされたばかりで、真っ白。
以前は、アサヒビールの大きなネオンがあったそうです。

手前は別府を代表する百貨店トキワです。
百貨店はやはり時代遅れなんでしょうかね…
1階は綺麗だったんですが、上の階は少し廃れてきている雰囲気がありました。
地下のフードコートも綺麗だったけど、お店が半分しかなかった。
冷麺ととり天の有名なお店が入店していたので、観光客には良さそう。
1階にはお土産店なども入店しています。

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駅前通りにある駅前高等温泉。
比較的綺麗な建物が多い駅前通りで、昔ながらの建物は異彩を放っていました。
素泊まりで宿泊もできるようです。
別府市内には、小規模な温泉施設が点在してて、
100円~300円程度で入れるそうです。
ただし、本当に小規模な浴室が1つというところも多いので、
ゆっくり温泉に浸かるには不向きかと思います。

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3店舗ほどスーパーを見てきたのですが、地元のさば、あじはありませんでした。
先ほども書きましたが、最初に見たマルミヤストアは売れ切れてました。
こうなると車があるので、ほかのスーパーに探しに行こうと、
躍起になり始めました。

もともと鉄輪温泉の湯けむり展望台に行ってみたいと思っていたので、
まだアルコールは口に入れていません。

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別府湯けむり展望台からみる鉄輪温泉。
見事なほどに逆光です。
しかし、最高気温が22℃超える暖かい日でしたが、
思っていた以上に湯気が立ち上っています。
冬だったら凄そうですね。

週末は湯けむりをライトアップするそうですが、
九州は日の入りが遅く、とても待っていることはできませんでした。

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路上になりますが、湯けむりがよく見えそうだったので停車。
鉄輪温泉の看板があがっていました。

6店舗ほどスーパーを見回りましたが、結局さば、あじには出会えず。
結構時間も費やしたし、ほんと最初に買っておけば良かったよ…。

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別府の町って、ローカル感があってとてもいいんですよね。
ホテルに戻って買ってあったビールを一缶空けてからの散歩です。

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トキワ百貨店のフードコートにいきましたが、
とり天のレストラン東洋軒はすでにラストオーダー経過。
あと10分早かったら…
18:15にラストオーダーって早すぎるでしょ。
冷麺の六盛は、品切れで終わってた…

もう思考回路が麻痺状態です。
朝5時前にフェリーで朝食のパンを食べた後に、何も食べてない。
しかもすでに3万歩近く歩いてますから。
なんでもいいので、駅横のスーパーで買って、部屋でゆっくりしたくなりました。

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ホテルの8階には温泉大浴場もあります。
17時~24時だけと宿泊施設にしては営業時間は短めです。
ホームページの写真が汚いので、二の足を踏んでいたのですが、
ぜんぜん綺麗でした。
逆パターンはあるけど、本物よりホームページの写真が汚いってw

源泉かけ流しのようでとても気持ち良かったです。
うっかり化粧水つけずに寝てしまったけど、
翌日ぜんぜん肌が突っ張ってなかった。
別府温泉すげーーーと思いましたね。

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寿司コーナーに豊後あじのにぎり寿司をゲット。
後は鶏のタタキも目をつけていたので、もちろん購入しました。

・豊後アジにぎり寿司 645円
・ネッカリッチ味鶏タタキ 680円

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豊後水道のアジは身のぶりっとした感じが、違うんですよね。
まだ旬ではないのでさっぱりしていますが、ほんと美味しい。

鶏のタタキもおいしいです。
噛み応えがあって、噛めば噛むほど旨味が出てくる。
ネッカリッチ味鶏という鶏肉が良かったようで、
次の日に買った普通のやつはそれほど美味しくなかったです。
濃い目の甘いタレに、すりおろしニンニクを添えて、酒がすすむすすむ。

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古いホテルだから、窓を全開にすることができます。
外の空気を吸いながら、別府タワーの夜景を見ながらの夕食。
最後ドタバタしたけど、まあ幸せです。
19時半を過ぎても、まだ外は明るいんですね。
九州に来ると日の入りが遅いので、1日が長く感じます。

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・広島産カキフライ弁当 324円

夜食です。
昼食抜いてたので、これが実質夕食ですかね。
翌日がトレッキング予定だったので、炭水化物は大目に取っておきたかったのです。
4割引きのシールがあったらスルーしづらいですしね。

というわけで、明日はトレッキングです。
本来なら別府で2泊するので、温泉いくつかまわってゆっくりしようと思ってたのですが、
明日から2日間しか晴れ予報がなかったので、
明日はくじゅう連山、明後日に阿蘇山の予定です。