2007 奄美大島|1日目

土盛海岸
九州

伊丹空港を8時に出発する便にのるためには、
やはり家を5時半には出発しなければならない。
荷づくりは思ったより紆余曲折。
スノーケルするためのフィンを持っていくか、
やめておくか。
去年大きめのを買ってしまったために、
普通のかばんには入りきらない。
結局ぎりぎりまで考えた末に、今回はもっていくことを断念。
奄美大島はスノーケル天国ではないだろうという判断。
でも、悩んだせいで寝るのが遅くなり、
寝不足なのはいうまでもなく。

夏休みの土曜日ということもあり、
伊丹空港はわりと混雑している。
朝食用の空弁を買いこみ、
奄美大島行きの搭乗ゲートに向かう。
客層はと言うと・・・思ったより年齢層が高く、
落ち着いた雰囲気だ。
南国に行くというイメージで考えると、
もっと若い客層が多いと思ったが、
中高年層と家族づれが多い。
まだまだ奄美大島はメジャーな観光地ではなく、
沖縄や石垣、宮古がいぜんとして
人気が高いことの表れだろう。

1day-1

搭乗ゲートからバスに乗り込み飛行機まで移動。
機内へは階段を上っていきますが、
結構入口がせまい気がする。
2列と3列と思ったより小さく、
機内には空席が結構目立ち、おおよそ7割の搭乗率。
週末でありながら、伊丹空港を午前に出発することを
考えれば、もったいない。

この時間帯の伊丹空港は出発便が集中しているため、
滑走路がかなり混雑する。定刻より約15分遅れて、
伊丹空港をようやく飛び立つ。
ちょうどクラスJとの境の席を予約していたので、
足元はかなり広くて快適。

1day-2

さっそくお腹がすいていたので、
朝食用の穴子弁当を食べ始める。
大きなアナゴが2枚入っていて、
下には錦糸卵が引いてあり、
濃いめの味付けのアナゴにぴったり。
アナゴも思ったより柔らかくて結構おいしい。

うっすらと雲がかかっているように、
かすんでいるような景色が続いていた。
途中、高知の足摺岬付近、宮崎県の都井岬、
鹿児島の開聞岳を進行方向右側に見ながら飛行機はすすむ。
夏らしい空に変わってきた。

1day-3

その後、世界遺産の屋久島をすぎると
しばらくは大きな島は見かけれれなかったが、
着陸態勢にはいったころ、
周辺に青い海岸線をたずさえた奄美大島の姿が
目にとびこんできた。

一度、空港をとおりすぎてから、旋回しながら滑走路に着陸。空港ターミナルは地方空港にすれば
奇麗なほうで特に小さいわけでもないが、
飛行機にタラップにとりつけできる場所が1箇所しかない。
それにしても天気は最高だ。

土盛海岸

奄美大島ではレンタカーを借りることにしていた。
事前に予約していた奄美レンタカーのスタッフにつれられ
、空港から送迎車にのること約1分弱。
空港までの交差点に営業所がある。
借りる際には詳しい説明や傷などをチェックするのだが、
お金を払ってすぐに出発することができた。
このあたりから島特有ののんびり感が感じられる。

奄美空港をでてからも交通量がかなり少なく、
道の両側にサトウキビ畑が続き、
のんびりしたドライブを楽しんだのもつかの間、
約5分で空港から一番近い、「土盛海岸」へ。

1day-4

かなり有名な海岸なのだが、
ちゃんとした駐車場が整備されているわけでもなく、
トイレの前に車が5台ほどの止められるスペースがあるだけ。
とりあえず水着に着替えずに、海岸へ出ていくと、
始めてみるような、海の色が広がっている。
いったい何色といったらいいのか。

1day-5

それにしても土盛海岸には人が少ない。
こんな奄美大島はのんびりしているのか。
沖縄では本当に考えられないぐらい、のんびりしている。
どうやら奄美大島が好きになりそうだ。
沖縄の海はきれいだけど、あまりにも観光客が多すぎる。
もちろん自分もそのひとりだけど…

ちょうど大潮の干潮時間帯ということもあり、
岩場の大半がむき出しになっている。海の雰囲気や、
タイドプールのあたりが気になったので、
とりあえず日焼け止めも塗らずに、
岩場のほうまで歩いて行ってみることにした。

1day-6

水は近くで見るとかなりきれいで透明感がある。
それが深い場所で見るとまるで入浴剤が入っているような色に変わっている。
特に岩場が切れて、
わりと砂浜まで波が押し寄せるような場所では、
砂が巻き上げられてか色の濃さが気持ち悪いほど
乳白色のエメラルドグリーンになっている。

1day-11

それにしてもゴツゴツとした岩しかみあたらず、
珊瑚は期待できそうもない。岩場を散策していたら、
何かを獲りに来ていたおじいさんと出会った。

「このあたりは昔は珊瑚がいっぱいあって、
綺麗だったんだけどね。近くに空港ができたせいで、
土がたまるようになってしまって、
サンゴは死んでしまったんだ。」

空港からの距離は、近いと言えば近いけど、
それでも車で5分ぐらいの距離はある。
それでもこれほどの影響があるとは。
そして浜辺のある場所で、護岸工事をしていないのは、
この周辺だけだということも聞いた。
護岸工事をすると赤土が流れやすくなってきて、
水が濁りやすいくなる。

1day-7

それだからこの土盛海岸は周辺の水はまだ綺麗なんだと、
なんとなく納得させられることばかりだった。
海の中には魚の数はそれほどでもないが、
泳いでみる価値はありそうだ。
時計は11時をすぎ日差しもかなり鋭く肌をつついてくる。
早く泳ぎたいのもあるが、
なにより早く日焼け止めを塗らなければかなり
危険なほど日差しが強い。

一度車にもどって海パン、ラッシュガードを着て、
マスクスノーケルをセットし、海の中へ!

1day-8

ようやく土盛海岸にも人が目立つようになってきた。
ダイバーの姿もみかける。
それでもあたり全体を見渡し、
人数を数えても20人ぐらいしかいないほど、
のんびりとしている。

やはり海の中は、砂地と岩のみで、
魚影はそれほど濃くはない。
慶良間ほどではないにしろ水がきれいなのと、
日差しが強いせいで、水の透明度はかなり高く、
泳いでいて気持ちがよい。

1day-16

干潮のため土盛海岸の中央部自体が
まるで大きなタイドプールになっているかのようで、
流れも波もほとんどなく、のんびりと安心して泳げる。
今シーズン初泳ぎだったので、ちょうどよかった。

1day-10

砂浜から10mほどの岩場にイソギンチャクとクマノミを発見。
クマノミは近くで見るのは初めてでかなり嬉しかった。
最初は威嚇してくるから、
噛まれたら嫌だなと離れてた場所からみていたが、
やっぱりその姿は可愛らしい。

1day-15

可愛らしいと感じるのは映画の中だけで、
こちらを威嚇してくる。
でも写真撮りたさに結構近づくと威嚇するのをやめて、
イソギンチャクの中に隠れてしまいます。
ふふふ、かわいいやつめ・・・という感じですね。

あやまる岬

時計はすでに13時すぎ。
空港からわずか5分の土盛海岸で、
すでに2時間30分を費やしてしまった。
このペースでは今日宿泊の名瀬にたどりつけるのだろうかという、
不安をよそに、車をわずか5分ほど走らせたところで、
「あやまる岬」という景勝地の看板が目に入る。
辞めようかとも思ったけど、
なかなかこれる場所でもないので、
とにかく車は右折し、駐車場に車をとめる。

写真

この一帯が公園と整備されているようだが、
わりと閑散とした雰囲気にも感じられないでもないが、
ローカルな感じでいい雰囲気だ。
公園全体には奄美ソングが流れている。
なんとなく琉球ソングにも聞こえないことはないが、
「中孝介」という奄美出身の歌手の歌が流れていたので、
あ~奄美なんだなとわかるぐらい、
琉球ソングと見分けがつかない。
もちろん自分があまり知らないだけだろうが。

写真

公園の先には小高い丘があり展望台がある。
あまりにも公園が暑そうだったので、
駐車場ですぐに引き返そうともしたのだが、
近くの清掃員のおじさんが、「あそこの景色は絶景だよ」と言われたので、行くことにしたのである。

展望台まではわずかな距離。
芝生の中の階段をのぼっていくと、
展望台からは360度の眺望、
そして海の景色にいたっては270度楽しむことができた。

1day-17

まだ潮が引いてしまっているので、
大半の部分が干上がってしまっているので、
きれいな海の部分は少ないのだが、
それでも海の色の美しさはうかがい知ることができる。
あ~これで水が満ちていたらきれいなのだろうな・・・。
それにしても風がびゅうびゅうと通り抜けて気持ちが良い。

1day-18

公園の脇には、天然の海水プールがある。
近くまでいかなかったので、
人工的に彫ったものかはわからないが、
中央にはコンクリートの建造物が見える。
看板が立っていて「プール利用の注意」と書かれている中に、
プール利用期間が7月23日~8月31日というのは
あまりにも短すぎるような気もする。
南国だからもっと長い期間泳げるだろう。

写真

●用海岸

ふたたび車を走りだしてからも、
相変わらず交通量の少なく心地よい。
のんびりドライブを続けたいところだが、
景色のよすぎるところが多すぎる。
5分も走らないうちに、
前方に海岸線が広がってきた。

1day-19

用海岸と呼ばれる海水浴場で、
綺麗な砂浜が続くが、人の姿は誰一人見当たらない。
ここも大潮の干潮ということで、
かなり水がひいてしまっていて、
砂浜の部分がすべて見えてしまっている。
もちろん泳ぐというよりは、磯遊び程度しかできないだろう。
岩がむき出しになった感じは、
海水浴場というよりは景勝地に近い雰囲気だ。

1day-20

ここまで車は空港から北上してきたが、
この先、最北端までいけるが行き止まりになるようで、
西に進路をとり、山を越えていく。
途中、展望台のある駐車場からの用海岸の景色を眺め
東海岸の太平洋とは別れ、西海岸の東シナ海を目指す。

三菱のコルト。
少し山道はきついようで、調子よくは走っていかない。
しかし、後ろから追いつくてくる車もあるはずもなく、
相変わらずのんびり走る。

小高い山を越えると目の前に東シナ海が飛び込んできた。
ただ午後になると逆光に海を眺めることになるので、
水面の照り返しであまり海がきれいに見えない。
すこし残念。

1day-20

また両側をサトウキビ畑の道を走り、海が見えなくなる。
しばらくすると海岸線に出てくる。
この繰り返しが絶妙すぎる奄美大島。
何度となく海を見るたびに「きれいだなあ」の言葉を繰り返す。
奄美大島にはわりと山間部が多いので、
このような光景を生み出す。
地元の人が移動するには時間がかかり大変だろうが、
旅行者にとっては嬉しい光景が続く。

写真

時計はすでに3時前。
しかし本当にお腹がすいてきた。
ガイドブックを見ながら車を進めていると、
ここから一番近い場所に奄美名物「鶏飯」を出す店がある。

みなとや

写真

名前は「みなとや」。
元祖奄美鶏飯のお店と書かれている。
入口付近にはツガがうっそうとしげり、
老舗の雰囲気が感じられる。

写真

店内は異様なほどに造りが大きく、
高い天井に広い座敷にテーブル。
これも奄美特有のゆったり感なのか。

奄美名物の「鶏飯」は、
ごはんの上にほぐした鶏肉、錦糸卵、椎茸等をのせて、
鶏スープをかけて食べるもので、
お茶漬けがメイン料理になったようなもの。
去年、阿嘉島の民宿で昼食用にお弁当にしてもらったり、
過去に覚えているだけで5回ほど食べた事がある。

写真

色とりどりの具材がお皿にのせられ、
おひつに白いご飯、そして鉄鍋に熱い鶏スープ。
鉄鍋からは鶏ダシの匂ってくる。
空腹の自分にはとても耐えがたい光景が目の前に広がる。
すかさす茶碗にごはんをいれ、
鶏肉、錦糸卵、椎茸、ねぎ、パパイヤの漬物?、のりをのせ、
スープをかける。
すかさず、茶碗を口元にもっていき、
すするようにご飯と具材、スープを同時にかきこむ。
たまらなくおいしい。

鶏のスープがかなり濃厚で鶏油が表面にたっぷりと浮いている。
しっかり煮込んでいるであろう証拠に、
鶏肉はすでにパサパサで味すらしない。
一度出した鶏肉から出したダシを、
またスープにしてから、味のデタ鶏肉に戻しながら、
料理をつくりあげる。
単純ながら考えた人はすごい。

結構な量があったように思えたが、
あまりの空腹感とおいしさに食が進んでしまい無事完食することができた。

倉崎海岸

7月の奄美は日が長い。
日が沈むのは午後7時30分ごろ。
宿泊する名瀬近くに大浜海岸という夕陽の名所がある。
それほどの距離はなさそうで、
これならまだ遊ぶ時間はありそうだ。

鶏飯を食べたみなとやのある笠利からは、
同じ道なのだが国道58号線へと変わっている。
国道58号線は、北は種子島から始まり、
奄美大島をとおり、沖縄本島の那覇に至る道路で、
海を隔てて沖縄までつながっていると思うと、
心なしか嬉しくなる。

事前に綺麗なビーチをネットで調べていると
奄美大島北部にクレーターでできたといわれる笠利湾があり、
湾内の倉崎海岸はかなり綺麗なようだ。
国道58号線から脇道にそれしばらく走っていくと、
綺麗な海の色が車窓にうつる。
またもや海に入りたい衝動が…

一度は泊まろうかと思っていたが、
立地的に無駄が多そうでやめたネイティブシーとういホテルをすぎ、
道をくだると倉崎海岸に出てきた。

今まで見てきた岩場が丸見えだった海岸に比べて、
白い砂浜と青い海が続き、海水浴場と呼ぶにふさわしい。
それゆえか今までに比べて、海水浴客の姿もちらほらみえる。

1day-22

普通に泳ぐには良さそうなのだが、
外洋からの影響で少し波があり、
スノーケルには少し向いていない気がした。
(実際入ってないので水中の様子は?)

写真

「岬の反対側はまったく違う海岸の顔がある」との事前情報をもとに、
しばらくあるいていくと、まさにスノーケルにうってつけの海。
波がまったくなく、海の中に黒い岩か珊瑚がぽつりぽつり。
すぐに車にスノーケルセットを取りに行き、
再び海の中へ。

写真
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日が傾きかけてきたので、
光の差し込みが少ないが、透明度はなかなかのもの。
適度に水深があり泳ぎやすいし、
なにより岬のおかげで、波が遮られているのが一番。
ところどころに岩場があり、
その周辺を魚がうろうろしている。
魚影はそれほど高くはないが、
お互いに適度な距離をもって自由に泳いでいる。

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沖縄本島や慶良間の魚は餌付けされていて、
人間に適度に近づき、餌を待つ。
魚影が濃い場所ではかなり寄ってくるので、
少し怖い時もあるぐらい。
その点餌付けされていない魚というのはよい。
本来の姿で優雅に泳いでいる。
餌付けした人間が悪いのだろうけど。

沖縄本島の騒々しさと餌付けされた魚を、
奄美大島と比べてしまうと、
てっきり奄美大島では魚ものんびり泳いでいるのかと
勘違いしているかと冗談が思い浮かぶほど。

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しばらく泳いでいると再びクマノミに遭遇。
今度は体に白い線が一筋のハマクナノミ。
体のオレンジがクマノミより鮮やか。
同様に距離があるときは威嚇してくるが、
ちょっと潜って近づくとイソギンチャクの中へ隠れる。

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あともう1種類好きな魚を発見した。
タテジマキンチャクダイの幼魚。
鮮やかな縦じまの青・白・黒の色が個人的に好み。
もちろん成魚も見てみたいのだが、
スノーケルレベルではなかなかお目にかかれないようだ。
岩場の影を隠れるように、
まるでこちらを避けるように泳いでいく。
体も小さいし、なかなかドンピシャで写真が撮れない。
もう少し素潜りが自由にできればな・・・

魚に夢中になっている間に太陽はかなり西に傾き、
岬の東側で泳いでいたので、すっかり山の影に覆われていた。
そろそろ夕陽の時間がせまってきたかな。

名瀬が近付くにつれて車の交通量がかなり増えてきた。
車の数が多いのは事実なのだが、
それに輪をかけてのんびりドライバーが多く、
ミニ渋滞なるものも巻き起こしている。
すぐに自分ものんびりといかないだけに、少しいらいらするところが、
まだまだ自分も駄目だなあと感じる。

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道の両側にも、いくつか知っているチェーン店が並ぶ。
ケンタッキーがあるだけで、
「お~ケンタッキーがあるのか!」とうなずくほど、
今までののんびりした風景からは想像できない。

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海岸線に出て、海沿いを走ると目の前に名瀬の街が見えてきた。
思ったより都会だった。
名瀬に都会という言葉が正しいのかは疑問に思うが、
いままで見てきた奄美の風景からすれば、
その規模は都会と呼ぶにふさわしい。

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思ったより賑やかな名瀬の町。
交通量もさることながら、歩いている人も多い。
ホテル周辺には特に飲食店の数が多い。
今晩の夕食場所には困ることはなさそうだ。

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ちなみに今日の宿は、奄美らしくない
スタイリッシュなビジネスホテル。
ポイントは昨年にオープンしたばかり。
値段が安いことに加え、ここのホテルを予約すると
同経営の奄美レンタカーが安くなるということでチョイス。
残念ながら海側の部屋ではなかったのだが、
最上階だったので、名瀬市街を眺める事ができた。

大浜海岸

一度部屋でシャワーを浴びて、着替えて大浜海岸を目指した。

すでにかなり日は傾いている。
市内から15分ほど走ると、最後に小高い山を越える。
そしていっきに下り道にさしかかると目の前に、
東シナ海が眼下に広がる。
空の色はすでに夕焼けがかっていて、
まさにグッドタイミングの到着だった。

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浜辺にはわりと多くの海水浴客がきていた。
名瀬市内よりも近いこともあり、訪れる人が多いのだろう。
まだ泳いでいる子供たもいたり、
夕暮れだけを見に来るカップルや若者をみていると、
地元に根付いた庶民的なビーチの感覚を覚える。

すでに分単位で夕焼けの景色が変わっていく。
黄金色から、淡いオレンジ、濃いオレンジ、そして赤色へ・・・

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水平線近くなれば太陽の輪郭もはっきり見える。
こんなに太陽って大きかったのだろうかと
いつも不思議に思うほど、
沈む間際の太陽は大きく見える。

朝4時半に起きてから、
あわただしく移動し、観光し、泳いで…ようやく落ち着いた。
少し暖かい砂浜に寝転ぶように夕陽を眺める。
最高に贅沢な一瞬。
自分だけではないだろうけど、
こんな夕焼けを見ただけで感じる。
単純だけど・・・

「旅っていいなあ」

適当に入った居酒屋

ホテルに車を置いて、夕食を食べにでかけた。
名瀬市内には港町だけあってか、
飲食店街がとても多い。
かえって店が多いと悩みすぎてどこに入るか悩む。

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悩み続けていると、目の前にスーパー。
初めての街ではとにかくスーパーの食料品売り場にいけば、
その土地の食べ物事情はよくわかる。
特徴があったのは、やはり肉売り場。
沖縄と同じ豚肉文化らしく、
肉類のほとんどが豚肉製品。
魚介類のパックには水揚げされた場所が書いてあったが、
その9割が奄美もしくは奄美近海物。
どれも新鮮なはず。
うらやましい限り。
それにしてもこのスーパーが24時間営業というのがすごい。

結局、適当に居酒屋に入ってみる。
先客は二人だけで、これまたのんびりした雰囲気。
注文を聞きにきたのは、
こんがり日焼けした高校生ぐらいの若い女の子。
元気が伝わってくる接客できもちがいい。

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まあなにわともあれ、オリオンビール。
ん?オリオンビールは沖縄のはず…
だけど、奄美大島ではオリオンビールがメジャー。
ちょっと味は薄いけど、昼間はレンタカーで飲めなかったから、
我慢した甲斐があり、うまい・・・。

料理は本日のお刺身の盛り合わせ(1,200円)。
あと料理もおすすめコース全6品(2,000円)を注文。

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お刺身の盛り合わせは、
エラブチ(ブダイ)…皮を湯どうししてある。やっぱり酢味噌。
シビ(キハダマグロ)…普通に美味
ネバリ…名前のとおり少し粘り気のある白身
もう一種類の白身は忘れました。

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おすすめコース1
・三角貝(通称らしい)の煮たものに酢味噌がけ
・青さの天ぷら
・もずく…弾力感があっておいしい

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おすすめコース2
・らっきょ?ニンニク?の酢漬け
・テナガエビの素揚げ…手が歯につまる

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おすすめコース3
・豚足の塩焼き…骨まわりの肉や皮のゼラチン質がたまらない。

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最後に締めの一品
・油ぞーめん…沖縄のソーメンチャンプルと同じ?

奄美の特産物や郷土料理を含めたおすすめコースは、
ちょっと量は少ないけど、6品あってお得。
観光客にとってはうれしい。

あと南国のお刺身は身が緩いので、
普段、身のしまったお刺身を食べ慣れてるとつらいかな。

なんだかんだで生中6杯ぐらいはのんだかな。
途中から小学生ぐらいの子供が、注文やビール持ってきたり、
三角貝の違う味付けのものをサービスしてくれたり、
とても居心地がよかった。
従業員はひとつの家族だと思う。
仕事の場が家族の生活の場であったり、
以前はこういう店が多かったんだろうな。
チェーン店が増えた現在では、懐かしい感じもする。

支払いのときにサンゴでつくった箸置きをお土産にもらう。
普通に浜辺にいけば拾えるんだろうけど、
そういうちょっと心遣いが嬉しい。
お釣りをもらうときに、1,000円多かったので、
「1,000円多いですよ」と返すと、
御主人が「本土の人は正直だな・・・」

帰る時は従業員一同で見送ってくれました。
「また明日も来てね」と。