モアブの宿、Inca Innは朝食つき。
受付の横にあるスペースで、パンやフレークなど軽食が提供されている。
軽食なので、Wendy’sで買ったチキンサラダといっしょに食べた。
チェックアウトを済ませ、08時40分モアブを出発。
ひさしぶりにゆったりとした朝だった。
モアブの街を出て、US-191号線を北上する。
アーチーズ国立公園へ分岐点をすぎると、道は長い登り坂になる。
登り坂が終わりに差し掛かると、
街の南から続いていた、街の西側にある断崖は切れ目が見えてきた。
ずっと水平に近かった地層が、道路と同様に登り始め、
最後には、空にせり出している。
これも地殻変動で起こったものだろうね。
平坦でまっすぐな道がしばらく続く。
クレセント・ジャンクションからI-70にのり、西の方角を目指す。
国道と高速道路のジャンクションだというのに、
お店らしきものがないのが不思議。
無料の高速道路、インターステイト。
I-70は東海岸まで続く東西に伸びる長いインターステイト。
ただこの周辺は大きな都市もないためか、かなり交通量が少ない。
フラッグスタッフを出てからは、大きな都市を走っていないので、
一般道路でもほぼ高速道路のような状態だったが、
やはりインターステイトだと、道路が平坦だし、
二車線なので、追い越すのも追い越されるのも楽だ。
まだガソリンは半分は入っていたが、この先大きな町がなさそうなので、
グリーンリバーという町でインターステイトから降りて、
ガソリンスタンドで給油した。
ガソリンスタンドは出口からすぐの場所にあり、
日本のサービスエリアのようなもので、
お土産も扱う売店、レストランなどが併設されている。
インターステイトの出口標識に、次の出口を降りると、
何の施設があるかを掲示しているので便利。
ここでもクレジットカードは機会では受け付けてくれず、
店内での申告、精算となった。
再び、インターステイトにのり、EXIT149で降りる。
地図にも降りる出口番号が書かれているので、わかりやすい。
今日の最終目的地、ブライスキャニオンまでは、
このままインターステイトでいったほうが、時間的には早いのだが、
一般道を走ったほうが景色が良いということで、降りることにした。
UT-24。ユタの州立道路を南に目指す。
あまりにも交通量が少なく、国道とのランクの違いを感じてしまう。
見えてくるものも少なく、道も緩やかで、
眠くなりそうなほど単調な道が続く。
正面に見えてきた雪をかぶった山は、Henry Moutains(ヘンリー山脈)。
最高峰のMount Ellenは、21,522feet(3,512m)。
数キロは見渡せる相当な距離の直線道路。
しかし、対向車はまったく見当たらず。
何もなかったUT-24で、大きな岩山が道路沿いにあったので、
リフレッシュがてら、車を停めてみる。
特に名前も書かれてはいなかったけど、かなり大きな岩だ。
View Pointの標識があり、近づいてみると、
ビュート名の書いてある鉄棒が何本かたっていた。
名前とビュートが一致するわけない思って、
近づいてみると上に筒があって、
その筒を覗いてみると、見事にビュートがみえた。
原始的なやり方だけど、お金もかからないし、
案外利口なやり方かもしれない。
異様な形をしたビュートを発見。
覗き穴で確認すると、名前はFactory Butte.
幾何学的な特徴のあるビュートなので、
この先、車窓からついつい探してしまうほど気になってしまった。
Hanksvilleという小さな町を超えたあたり。
景色ががらりと変わった。
町がある時は、川沿いに緑があるときが多い。
この川もレイクパウエルへ、そしてグランドキャニオンへ続いていく。
柔らかい岩だけが崩れて、硬い柱のようなものが残ったのか。
綺麗に円錐形をしているので、なにかの神殿のようにも見えてくる。
写真の岩山だけではなく、似たような状態のものが多かった。
しばらくするとまた岩山の形が変わってくる。
色も赤味がなくなり、垂直の絶壁が続いている。
そしてUT-24の標識の下には、「Secnic Byway」。
Hanksvilleの町を越えて、その区間に入ったらしい。
Factory Butte.
近づけそうな道があったので、
UT-24からそれて、オフロードの道を走って近づいてみた。
周囲は平地になっていて、Factory Butteだけがそびえたっている。
その姿、形からしてかなり異様な雰囲気をかもし出している。
ナショナルジオグラフィックスでも紹介されている。
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/feature/0505/f_5_zoom4.shtml
人工的に岩を削ったような岩山。
雰囲気的には、採掘場の砂山っぽい。
さっき見たFactory Butteと似たような形をしています。
続いて、右に砂山、左にそそり立つ壁。
アップダウン、カーブを繰り返して道路が通っています。
Moabの町を出てから、Hanksvilleまでが単調な景色が多かったので、
このあたりからドライブが楽しくなってきました。
前方に奇妙なモコモコとした岩が見えてきた。
Secnic Byway になってからは、景色が著しく変わります。
岩が大地に根を生やしているかのよう・・・
象の足にも見えないこともないですが。
とにかく色のグラデーションがとっても綺麗で、
車窓の風景に見とれてしまいます。
とうとう車を停めてしまいました。
遠回りになりましたが、
やっぱり景色のいいルートを選択して良かった。
だんだんと周囲の岩山が、すごい迫力でせまってきた。
前方に大きなキャンピングカーが走っているが、
比べても分かるとおり、岩壁の高さはかなりのもの。
白いドーム状の岩が目立つようになってきたが、
この白い岩自体が、キャピトルリーフ国立公園のシンボル。
すでに国立公園に入っていたようだ。
7千年前から5千年前におきた近く変動で出現した、
ウォーターポケット褶曲と呼ばれる大地のひずみは、
南北に160kmにわたり、キャピトルリーフ国立公園になっている。
その褶曲した大地が交通の往来を拒み、まるで屋根のようだったこと。
また白いドームが、国会議事堂のように見えたことから、
キャピトル(首都)リーフ(屋根)と呼ばれるようになったそうです。
キャピトルリーフ国立公園は、それほど知名度は高くはないのですが、
地層学的にはかなり重要な場所のようです。
正面に見えてきたとんがり帽子が、ナバホドーム。
これが国会議事堂に見えたのか?
ナバホ砂岩と呼ばれる地質でできているだけで、
ナバホ族とは特に関係はないらしい。
お約束の感じですね・・・
後から写真みて失笑。
続いて先住民の絵が残っているという場所で車を停める。
西暦1,000年頃にはインディアンがすんでいたらしい。
探してみるが、なかなか見つからず、
岩の一番下のほうに書かれていた。
細い線でうっすらと描かれていました。
動物なのはわかりますが、中央の動物の尻尾に変なものがついいる。
宇宙人かな。
子供のいたずら書きのようにさえ、見えてきます。
いや子供が暇つぶしに書いたんじゃないでしょうかね。
フレモント川と呼ばれる川沿いに、まわりが開けてきました。
このあたりはインディアンを追い出して、
この地を開拓したモルモン教徒の果樹園が広がっています。
お金を払うと果物狩りをできるようですが、季節的に早すぎました。
キャピトルリーフ国立公園のビジターセンター。
The Castle と呼ばれる岩山が、背景にそびえ立っていますが、
地上からの地層の移り変わりの激しさに感動。
国立公園の入場料を払う場所がなかったので、
中で確認すると、パスをもっているとそのまま入って良いとのことでした。
無断進入とかアメリカは結構厳しいですから、一安心。
当初は素通りするつもりだったキャピトルリーフ国立公園でしたが、
地質の美しさに魅せられ、寄り道をすることにしました。
シーニック・ドライブと呼ばれる唯一の舗装路がとおっていて、
景色を眺めることができるます。
片道10マイル(約16km)なので、1時間もあれば往復できそうです。
ウォーターポケット褶曲でせり上がった岩が、むき出しになっています。
制限速度は、15マイル(約24km)。なので、
ゆっくりと車窓から眺めることができます。
ナバホドームらしきものもみえます。
晴れていたので、地層の色が綺麗にみえます。
これでいったい何年分の地層なのでしょうか。
地球の歴史を垣間見るような気分です。
この褶曲が南北に160kmも続いてるのだから、驚きです。
右側も緩やかですが傾いていて、全体的に斜めになっています。
走っては、止まっての繰り返し。
前の車も同様の行動をしていました。
天気が良いのがなにより。
同じような写真を何枚も撮ってしまいますが、気にしてはいけません。
シーニック・ドライブの終点近くまでくると、
岩の内部に入り込んでいきます。
この先は未舗装です。
川の水が浸食してつくった道。
ひとたび雨が降れば、水の逃げ道がないので、大変らしい。
両側のきりたった岩壁の迫力がすごい。
再びナバホ砂岩が見えてきました。
突き出た岩は、Golden Throneと呼ばれる黄金の玉座。
未舗装道路は2マイル(約3.2km)ほど続きますが、
ただ周囲の風景に魅せられるばかりです。
車が通れるのはここまで。
この先はキャピトルゴージと呼ばれる
両側がきりたった岩にはさまれたトレイルになっています。
1時間ほどトレイルですが、時間がないのでこのまま引き返します。
周囲を少し歩いてみますが、
車から降りると、まわりの岩の大きさに改めて圧倒されます。
写真の中央に、青い点が写っていますが、自分です。
ほんと米粒みたい。
再びシーニック・ドライブを走り、戻りますが、
方向変われば、また岩の見え方も、景色も変わります。
Egyptian Temple。
茶褐色のひだ状の模様が、まさに神殿の柱を想像させてくれます。
なかなか大きさが写真では伝わりませんが、
車との対比で、少し伝わったと思います。
延々と続くウォーターポケット褶曲でできた岩壁。
キャピトルリーフ国立公園は、広大だが未開拓の場所が多く、
実際に観光客が見れる部分はほんの一部だけだが、
その雄大さが十分に伝わってきた。
なんといっても、期待していなかっただけに、
実際見たものとのギャップの差がすごかった。
ビジターセンター周辺は、キャンプ場にもなっていてます。
キャピトルリーフ国立公園は、期待していなかっただけに、
かなり感動しまいました。
写真はビジターセンター内に掲示されていたものですが、
一番上の写真はFactory Butteかな?
国立公園では19層もの地層を見ることができるようです。
何層、何色にもなる地層の変化を実際に見ることができ、
地球の歴史を見たというのが実感でした。
実施日:2011年04月30日
記載日:2012年01月13日