ミャンマー2006|2日目第2の都市マンダレーがいい意味で田舎っぽかった

2006ミャンマー

朝4時半起床。
さっそくシャワーを浴びて、
荷造りを終え、せっかくなので朝食を食べに行きます。

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一流とまではいかないまでも、
中級のホテルだけあって、
そこそこの品数のあるビュッフェスタイルの朝食。
しかし、朝5時から営業しているとはありがたい。
他の客は日本人旅行者2人だけでした。

5時半にチェックアウトをして、
少し夜が明るくなる中、
バンで空港まで送ってもらった。
「さっき日本人女性二人がバガンにいった」
と運転手が言っていたが、
おそらくさっきの朝食をとっていたのがそうだろう。

空港につくと結構混雑していた。
こんなに朝早いのに・・・。
というよりむしろ朝と夕方に便が集中しているので、
当然朝と夕方に人が多い。
昼間は便も少なく人もまばらだろう。
航空運賃は現地の物価からすれば相当高いはずで、
主に旅行者向けのはずだが、
日中に便が少ないとはどういうわけだろう。
それでも旅行者だけでもないのも事実なので、
ビジネスに使うとなれば納得できるが、
実際乗った飛行機はほとんど旅行者だけだった。

今回の飛行機はエアバガン。
2004年新規参入してきた民間の航空会社で、
一番信頼があるようだ。
他には民間のエアマンダレーとヤンゴンエアウェイズ。
国営のミャンマーエアウェイズもあるのだが、
機材が古く危険とのことで、
旅行者には向かないようだ。

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出発の待合室は座るところがないほど混雑していた。

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出発になるとプラカードを掲げて、呼び出しがあり、
例の如く日本の中古路線バスに乗り込む。

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AIR BAGAN W9 171
ヤンゴン06:30→マンダレー07:55

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実際機材を見るまではびびっていたのだが、
エアバガンの機材はかなり綺麗なものだった。
少し周辺を見渡すと古い機材も多い。

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暑季のオフシーズンということで、
機内は約半分が空席だった。

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それでもちゃんとスチュワーデスもいて、
機内食もくばられた。
きちんとエアバガン発行の月刊誌もおいてあった。

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マンダレーまで直行便で1時間15分のフライトだ。
実はマンダレー直行の便はかなり少なく、
ミャンマーの主要都市、観光地が点在しているためか、
いろいろな都市を周遊しながらフライトしている。
時間がかかるが、その分フライトの便数も増えるため、
ある意味が効率がよいかもしれない。
日本でもやってみる価値は十分あるかな。

飛行機の窓に水滴がつくようになってきた。
どうやら雨の雫がついているようで、
天気がよくないらしい。

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マンダレーに近づくにつれ、
高度をさげていくと、
大きな水溜りがあちこちにできていて、
大地がよく水に濡れているのがよくわかる。
相当雨が降っていたのだろう。
これも台風の影響だろうか。

マンダレーの空港は市街地よりだいぶ離れた郊外にある。
近年新空港ができたのだが、かなり離れていて不便である。
空港ターミナルはミャンマーには不釣合いなほど
キレイであるが、照明が暗く、人が少なくがらんとしている。

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先進国の到着ターミナルらしく、荷物テーブルがあった。
当然到着した航空機が表示されて、
そこで荷物を待っていたのだが、いっこうにでてこない。
そしたら係員が、台車にのせて荷物持ってきた。
しかも荷物ちょっと濡れてるし・・・。
あのテーブルがいったいなんだったんだろう。

さて市街地までどうやっていこうか。
ガイドブックには一般の交通機関はないと書いてある。
で、タクシーと値段交渉と思っていたのだが、
空港自体が街や道路から離れすぎていて、
どうも値切るとかは無縁の場所だった。
というより高すぎるのである。
12ドルか14,000チャットという表示。
ガイドブックより値上がっているし、
ミャンマーの物価からしてありえん。

「高すぎる!」

というと、

「ウォーターフェスティバルプライス」

あの~水掛祭りってとっくに終わってるんですが。
しかしどうも取り合ってくれる様子もなかったんで、
しぶしぶタクシーに乗ることにした。

タクシーは9人乗りのワンボックスだった。
雨がふっているせいか意外と涼しく、
すぐに窓が曇ってきます。
窓をあけると雨がはいってくるし。
その様子をみていたのか、
人の良さそうな運転手はすぐに窓を雑巾でふいてくれた。
それでもすぐ曇ってくるので、何度もふいてくれるのだが、
嫌な顔もせずに、むしろこっちを見て笑いながら。

しばらくは空港アクセスのためだけにつくられた
まっすぐなアスファルトの道が続きます。
まわりは土の大地に草が生えているだけの景色が続き、
ミャンマー独特のロンジーをまいた男性が自転車に、
雨に濡れながら走っている。
すると今度はパコッパコッと音をたてて馬車が。
そして女性が頭に大きなかごをのせてただひたすら歩いています。
でも、その先にはまっすぐな道だけ。

期待していたとおりのミャンマーの風景でした。
日本と違う景色、いや現代生活と離れた景色。
ミャンマーに来たんだ。という実感がやっと湧いてきました。

相変わらずニコニコしているドライバーも、
想像していたとおりの人のよさそうなミャンマー人でした。
たまに若い女性っぽかったりすると、
小さな音でクラクションならしたり、
ちょっとお茶目な一面も。

しかし、相変わらずの車の窓に雨が打ち付けていた。
ずっとミャンマーにいる間は、こんな天気なんだろうか。
青空は見れないんだろうか。
ミャンマーにきたという嬉しさ反面、
タクシーに乗っている間天気のことが心配だった。

空港アクセス用の道路から普通の道へでると、
そこには普通の生活がひろがっていた。
マンダレーのダウンタウンに近づくと、
さらに人が増えてきて、コンクリートの建物も目立つように。
さすが第2の都市のようです。
とはいってもミャンマーにとっての都市レベルですが。

そしてタクシーはマンダレー駅や王宮のそばをとおり、
「ロイヤルゲストハウス」へ。
14,000チャットを運転手に支払い、
フロントで部屋をきくと、シングルは満室とのこと。
とはいっても、早朝出発で疲れていたし、
外は雨がふっていたので、
すぐに他のゲストハウスへ探しにという風にはなれず。

少し困った顔をしているとフロントの人が、

「ダブルの部屋だったら、もうすぐ用意できるけど、
2時間ぐらい待てる?
料金は通常10ドルだけどひとりだから7ドルでいいよ。」

しかし、
それでも2時間も待てるか・・・というのが本音だった。

「え、2時間も?」

と聞くと、

「まだ準備ができていないの。すぐ使いたい?」

と聞かれると

「もちろん、今日4時に起きたので、すぐに寝たい」

と眠たそうに言うと、すぐに用意してくれた。

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一応部屋を見に行くと、掃除してた人がすぐに出てきた。
ほんとに準備する最中だったんだな・・。
部屋は思ったよりも綺麗だった。
トイレやシャワーも綺麗で、エアコンもついていた。
7ドルは少し高いとも思ったが、
他のゲストハウスに探しに行く気はなかった。

すぐに手続きをして、雨もふっていたので、
少し寝ることにした。

1時間ほど寝てすぐに目がさめた。
窓から差し込んでくる光がまぶしかった。
それもそのはず雨が上がっていて、
少し雲の切れ間から太陽が顔を覗かせていた。

よし、少し歩いてみようか。

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まずはマンダレー最大のマーケット呼ばれる
ゼージョーマーケットを目指した。
やはり仏教の国だけあって、坊さんがよく目にとまる。
犬も歩けば棒にあたるというが、
坊さんにあたるぐらい多いんじゃないだろうか。

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ガイドブックを頼りに時計台をすぎ、
マーケットの中心部へきたのだが、
やはりガイドブックにかかれていたとおり、
店は大きな建物の中にどんどん移転しているようだった。
どこかがっかりした。
建物の中にはいっているんだったら、
デパートと変わらない。
僕は中にはいることなく、道を歩いたのだが、
道路一面が水に浸っていた。
水はけが悪いのか、あまりにも大雨だったのか。

建物が途切れるといっぺんして、
アジアっぽい市場が広がっていた。
食べ物を売る店はまだ建物の中には入っていないようだ。

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市場の中心部にいくと人がひっきりなしに行き交い、
買物客でごったがえしていた。
場所によっては人とすれ違うのも難しい場所も。
もちろん食料品を含めた独特の匂いもする。

市場はこうじゃなくっちゃ。
いや、アジアはこうじゃなくっちゃ。
がぜん歩くのが楽しくなってきた。

しかし、それにしてもこのあたりは、
外国人観光客が少ないのだろうか。
自分への視線があまりにも多い。
ぱっと見てくれる程度ならいいのだが、
すれ違ってもしばらくこっちを見ている。

いろいろ写真を撮ろうと思ってたのだが、
こっちも少し写真を撮りずらい。
いや、まだミャンマーにきたばかりで、
少し自分が緊張しすぎていたのかもしれない。

ガイドブックには気になることが書いていた。
「今建設中の建物が完成すると、
市場の店がほとんど建物の中に入ってしまう。
そうなる前に見ておきたい」
少し残念な気もする。

いづれにしてもその国が発展しようとすれば、
期待しているアジアの風景が無くなってしまう。

これって旅行者のワガママにすぎないのだろうが。

マンダレー最大のゼージョーマーケットを
簡単に見終えてしまったので、まだ昼前だった。
そのまま過ぎて行くと西のほうへいくと、
エーヤワディー川のほとりに出る。
地図を見ていると2km以上はあるようだが、
時間もまだあったのでそのまま歩いていくことにした。

市場をすぎると普通の民家が立ち並んでいたが、
それにしてもすれ違う人、座っている人、
しゃべっている人もすぐこちらを向いてきて、
視線が相変わらず気になる。
そもそもマンダレーには観光客が少ない気がする。
暑季のオフシーズンということもあるだろうが、
マンダレー自体に見所が少ない。
市街地にはマンダレーヒルのみ。
郊外にいけば、見所が点在しているが・・・。

それでもミャンマーの中では、
世界三大仏教遺跡の「バガン」。
風光明媚な高原の湖「インレー湖」。
人口500万人を超える「ヤンゴン」。
と4番目の位置づけになるだろう。
よっぽど時間がある旅行者でもない限り、
マンダレーを訪れる人は少ないと思う。
ん、そうなると自分がなぜここにいるのか。

バガンは世界三大仏教遺跡なので絶対はずせない。
ヤンゴンは唯一の国際空港なので必ず立ち寄る。
インレー湖・・・。
家が日本一の琵琶湖のある滋賀県なので、
それほど湖は興味がなかった。

インレー湖とマンダレーを比べると甲乙つけがたいのだが、
マンダレーからバガンへエーヤワディー川をクルーズするというに惹かれたから、
マンダレーを選んだのだ。

歩きながら、風景を楽しむ。
そして良さそうな場所があれば、
休憩しながら風景を楽しむ。
いや休憩というよりその景色の中に身をゆだね、
風景の中から風景を見る。
結局は観光客である以上溶け込むことはできないが、
歩いているよりは目立つこともなく、
普段のミャンマーを見ることができる。

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裸足で道を歩く人々。

その横で荷物を載せた馬車がゆっくり走り、

昼間から釣りに熱狂する男たち。

世界中同じスピードでしか時計は進まないのに、

この国だけは少しゆっくり進んでいる気がする。

わずかな時間しか歩いていないのに、

これがミャンマーの魅力なんだと感じてしまう。

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エーヤワディー川岸

バガン行きのチケット売り場を地図を頼りに
探していたのだが見つからないまま、
エーヤワディー川にたどりついた。

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ちょうどメコン川でいうと、
ルアンパバンあたりの川の広さぐらいだろう。
ゆったりとした川の流れの
水は決して綺麗とはいえないが、
思ったより汚くなく茶色く濁ってはいない。
対岸には建物がほとんどなく、
広々とした気持ちのよい景色が広がっていた。

バガン行きのボート乗り場を確認した後、
川岸で洗濯をしているエリアがあったので、
そこで腰を下ろした。

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しばらく洗濯する様子を見ていたが、
だいたいこんな具合だ。

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大きなかごに衣類を抱えた女性がやってくる。
たまに子供がいっしょだったり、家族だったりする。
そして洗濯するのにちょうどよい石場を探す。

まず濡れてもいいように、いや別の目的もあるのだが、
選択用の服に着替える。
ミャンマー独特のロンジーという巻きスカートをはいているので、
女性でも着替えはいたって簡単だ。
巻きスカートを胸の高さまであげる。
そしてその中で選択用の服に着替えて終了。
洗濯用の服は、普段より背丈の長いロンジー。
普段は腰ではくのだが、これは胸から巻いている。

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そして石鹸を使いながら、衣類を石の上でこすりながら、
洗っていく。
洗濯が洗い終わると、髪を洗い始める。
手足まで洗い終わると、川にどっぷりつかる。
そして水浴びをするように体を洗って、
頭の上まで浸り、石鹸を流すという具合だ。

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若い女性や子供だったりすると、
そのまま川で泳いだり、水遊びをしていた。
あの洗濯用の服は、自分の体も洗うのも目的だったようだ。

洗濯する、体を洗う、水遊びをする。
まさにエーヤワディー川は生活にとてはかかせない、
マンダレーの人々にとって「母なる川」ではないだろうか。

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台風でしばらく天気が悪かったのだろう。
川で洗濯する人は途切れることがなかった。

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洗濯する、体を洗う、水遊びをするという、
ゆったりとしたミャンマー人がくりひろげるリズムと
エーヤワディー川と対岸ののどかな景色、
雨上がりのすがすがしいすずしい風。
あまりにも心地よく2時間もその場所でくつろいでしまった。

エーヤワディー川沿いの歩道を歩いていると
とにかく子供と出会うことが多かった。
この日は日曜日。
学校が休みなのだろうか。
はたして学校に通っていないのだろうか。

家族でいることも多く、
外国人である自分が通ると、
親が子供に「外国人がいるわよ」と教えている。
それほど珍しいものなのだろうか。
そうえいば宿を出てから、
ミャンマー人以外とはすれ違っていない。

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子供がこっちに目線を向けてくる。
それに手を振り答える。
そのやりとりを親が見て満足そうに、
そして嬉しそうに子供の顔を見て
「よかったわね」と言っているようだった。

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持っていたカメラを撮りだして、
カメラを指差した。
「撮ってあげようか」
するとすばやく子供たちは、
カメラの前でほぼ直立不動。
ポーズなんて余裕はないのであろう。
いやポーズなんてのはないのか。

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いつものように、撮った写真を
モニターで見せてあげるのだが、
その喜び方は、今までで一番であった。
親も子供がモニターに写っているのを嬉しそう見ている。

「よかったら写りませんか?」という具合に合図すると、
親も嬉しそうに子供たちといっしょに写真に写る。
そしてまた親も嬉しそうにモニターを覗きこむ。

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さらに横の家まで人を呼びに行くほど騒ぎに。
子供の人数が多く時なんてのは、
自分が写りたい一心で、おしくらまんじゅう状態。
喧嘩になりそうな雰囲気もあったので、
逃げるようにしてその場を立ち去った。

あまりにも喜んでくれたので、
こっちが子供たちを見つけてると同様に
写真を撮ったりもした。

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たまにピースしてくれたり、
笑顔を覗かせる子供たちもいたが、
大半は顔が緊張していたように思う。

自分は現地語も話すこともできないし、
おそらく相手も英語を話すことはできないだろう。
特に言葉を交わすわけではないが、
コミュニケーションが撮れるのはカメラのおかげ。
やっぱりコンパクトカメラより、
一眼レフのほうが、相手も撮ってもらっている!
という雰囲気があるのだろうし、
こっちも撮りやすかった。

ミャンマーではカメラが
コミュニケーションの道具として活躍してくれそうだ。

マンダレーヒルへ

マンダレーヒルに向かうことにした。
歩くには少し距離があったので、
話かけてきたトライショーに乗っていくことにした。

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出だしは下り坂でよかったものの、
その先はずっと平らな道。
それでもアスファルトで舗装はされているので、
わりと快調にすすんでいく。

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アジアの国にトライショーという人力車はあるけれど、
ここミャンマーのトライショーはサイドカータイプ。
運転するにはかなりコツがいりそう。
しかし前方の視界が開けているためかなり気持ちが良い。
これが交通量の多いとこだと、結構なスリルどころじゃなく、
危ないだろうが、ここマンダレーの交通量は少なく、楽しめる。

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約15分ぐらい走ったところでようやく王宮の外堀に出て、
ようやくマンダレーヒルが姿を現した。
頂上は思ったより高くはないが、参道がかなりなだらかで、
時間がかかりそうだった。
まだ夕方4時、夕暮れまでは時間がある。
しかし、トライショーの運転手は「ここで待っていようか?」
と訪ねてきた。
僕はどっちでもよかった。
でも、片道30分もあれば登れるといっていたが、
夕陽も見たかったので、「いつ帰ってくるかわからないよ」
でも、彼は待ってるということだった。

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参道の入り口で、靴をあずけた。
やっぱりミャンマーの寺院は裸足で境内を歩かなければならず、
まさか参道の前で脱ぐとは思わなかった。
しかし、裸足もなかなか気持ちがよい。
(参道にはすべて屋根があり、日差しがさえぎられている)

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しばらく歩くと大きな仏像が姿を現す。
しかし、その姿どこかユニークな姿をしていて、表情も豊か。
最初の仏像は、金ピカの姿で直立しているのだが、
手が腰から少し離れて、まるで飛ぼうとする前かのようにしている。

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次の仏像は、今度は宝のありかを示しているかのように指さしている。
やはりこの仏像も金ピカ。
日本と同じ仏教でも明らかに違う。
日本の寺院のように厳かな雰囲気はまったく感じられない。
もちろんミャンマー人はちゃんときちんとお祈りをしているが、
どこかそういう感じになれず、むしろ観光名所としてとらえていた。

階段をしばらくあがると、仏像があり、また階段が続く。
途中、若い僧侶が話しかけてきた。
まだ18歳の若い僧だった。
最初のうちは、日本のことをいろいろ話しながらいっしょに歩いていたのだが、
どうも歩くペースがついていけない。
思わず歳の差を感じてしまう。
結局脱落して、マイペースで歩いていくことにした。

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昼食をとっていなかったので、
参道の階段横で、七輪を使って
小さいお好み焼き風の食べ物を作っているのが目にとまった。
玉子と米粉をといたような生地をフライパンで焼いて、
その上に空心菜のような野菜を少し載せる。
しばらく焼いている様子を見ていたのだが、
関西人としては粉物に惹かれてしまう。
もちろんお腹がぺこぺこというのがあったが。
とりあえず1枚注文。
これが意外といける、生地には下味が付いている。
思わずペロリと食べて、もう1枚。
ちなみに1つ1,000チャット(10円)。

さて、もう一息だ気合を入れて、階段を登る。

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頂上にくるとそれは素晴らしい景色が広がっていた。
登る前にはまだスカッと晴れていなかった空も、
すっかり晴れ渡っていた。

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マンダレーの町並みやエーヤワディー川、
遠くにインワブリッジやザガインヒルも見渡せる。
なんといっても、一面に広がる緑が美しい。

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そして境内の床一面はピカピカに磨かれていて、
空の模様を写し返すほど綺麗だ。
なるほど登ってきた甲斐があるというもの。

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頂上は展望台のようになっていて、
周辺をぐるっと1周できるようになっている。
夕暮れ前ということもあり、
時間がたつにつれミャンマー人が増えてきた。
しかし、まだまだ日が暮れそうにもない。
ここで待つべきか、少し悩みながら景色を眺めていると、
ひとりのミャンマー人が話しかけてきた。

「こんにちわ」

この一言から、即席日本語教師に。
もちろん教師といっても大したことをしたわけでもないが、
最初は20歳の少年だった。
彼の家はお寺ということで坊主なのらしいが、
いたって頭も剃っているわけでもなく、
服装もまったく普段着だ。
ただ学生という本職はあるらしい。
日本語のノートと辞書を取り出しながら、
いろいろ質問をしてくる。
「あなたが兄弟は、何人ですか?」
ん?少し違う・・・w
結構勉強しているようなのだが、
接続詞の部分がわりと間違っていることが多かった。
いわゆる「は・の・を・が」の部分。
彼は立命館に留学したいようで、
1冊の立命館大学のパンフレットを出してきた。
立命館大学は世界に学校があって、
外国人向けの学校も日本の大分にあるようだ。

ここで話題も硬くなってきたので、
ちょっと遊びがてらに、パンフレットに載っている
女の子の中で、誰がかわいいかを教えあうことにした。
さすが男同士、こういう話題は結構もりあがる。
同じアジア人だけあって、好みは近かった。
ミャンマー人は日本人、韓国人、中国人が好みのようだ。
やっぱり色白なほうがいいのかな・・・。
しかし、日本人は太くないかい?と聞くと、
すぐに納得していた。
確かにタイ人やベトナム人も細いが、ミャンマー人はさらに細い。
まずしくはないまでも節制した生活がそうさせているのか。
(日本の女性の方、失礼しました)

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なんだ盛り上がっていると、
また一人、また一人と少年がやってきた。
一人は大学生、一人は僧侶。
大学生のほうは、やっぱりノートを持っていて、
それをもとに話かけてきた。
やっぱりこの少年も、接続詞が変だった。
ミャンマー人にとって、この部分が苦手なんだろう。
写真の左の彼は年齢20歳で、ペイパーピョンという名前。
ミャンマーでは普通なのかもしれないが、結構変わった名前だった。

女の子がこんにちわ~とかと話かけてくる。
ん~男の子より、女の子がいいな~っと思いつつも、
今いる男の子が真剣に話かけている状態で、女の子もすぐに去っていってしまった。
残念・・・。

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なんだかんだしているうちに、
太陽が沈みかけていた。

大地をオレンジに照らし、エーヤワディー川を赤色に染める。
それはマンダレーヒルがサンセットの名所の名に恥じないものだった。
ミャンマーで初めて迎える夕暮れに、
こんな素晴らしい夕陽が見えるとは・・・。

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完全に太陽が沈むといっきに暗くなってきた。
時はすでに18時半をすぎていた。
結局2時間以上も彼らと話していたことになる。

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彼らももう帰るということで、
「明日も来るの?」と聞かれた。
正直楽しかったので、また来たいとも思ったが、
明日は別の目的地があるので、
「こないよ」ということで、みんなと別れた。

帰りの参道も、やはりミャンマー人僧侶が話しかけてきた。
今度は日本語ではなかったが、
急ぎ足で階段をおりつつも話をしながら、
参道の入口まで降りていった。
僕が日本人だからだろうか、外国人だからだろうか。
ミャンマー滞在1日目にして、
人懐っこい好奇心旺盛なミャンマー人を垣間見ることができた。

さすがに待っていないだろうと参道の入り口まで、
戻ってみると、リキシャーのドライバーは待っていてくれた。
すっかり日が暮れて暗かったし、
歩くには遠いからどう帰ろうかと階段を下りながら、
思案していただけにホッし、彼に感謝。

ミャンマー第二の都市とはいえ、
そこはやっぱりミャンマー。
大きな道でも照明は少ない。
さて夕食はどうしようか。
少し明るい場所でトライショーを止めてもらって、
地球の歩き方で場所をチェック。
実は何かを食べるというより、ビールが飲みたかった。
本によれば、ミャンマーの都市部には、
「ビアステーション」というものがあり、
この近くに何軒かある。
そういえば、それらしきビールの看板があがっている店が、
結構あるようだ。
こんな時間まで待っていてくれたのだから、
彼に夕食はご馳走しようと思った。
はたしてトライショーにも飲酒運転は?
などとも思ったりはしたが。

彼にその話をすると知っている店に連れて行ってくれた。
ミャンマーで流通しているビールは大きく3つの会社。
ミャンマービア。
マンダレービア。
そしてこれはシンガポールの会社だが、タイガービア。
レストランの看板には「タイガービア」のネオンが。
ちょっとがっかりもしたが、まあまだ機会はあるさ。
飲酒運転は大丈夫なのかを確認したが、
そもそもあまりそういう観点はないらしい・・・
所詮トライショーは自転車かもしれない。

さっそく生ビールを注文。
1杯4,000チャット。
ということは、40円か・・・・安い!
安いとなぜか美味しさも倍増するから、不思議だ。
そして驚いたのが、
ビールを持ってくるビアガールがいるのだ。
ミャンマーの発展事情からすると、
とてもアンバランスな感じもするのだが。

生ビールはとってもうまい。
暑い東南アジア、そして中でも暑すぎるミャンマーに、
ビールはもっとも似合う飲み物かもしれない。
あまり外国人も来ないだろう店だけに、
店員も興味本位で近づいてくる。
ドライバーの彼も、店員も、そして自分も、
英語は得意じゃないだけに、
よく話は詰まったりもしたが、
なんだかんだ楽しく、
気がつけば6杯ぐらい飲んでいた。
そしてドライバーの彼も3杯は飲んでいた。
食事はといえば、軽く2品ぐらいツマミほど。
オクラを素焼きにしたものが美味しかった。
まさかミャンマーでオクラを見るとは、
でもオクラって実はアフリカ原産。

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ビールに関しては、
ミャンマーは困りそうもないようだ。
1年中ビアガーデンが町のあちこちにある。
ビール派の自分にとっては、嬉しいことこの上ない。
お腹も膨れて、もう飲めないので、
そろそろ帰ることにした。
もちろん彼は家族がいて、待っているだろうから。

そして宿へ向かっているときに、
彼が話かけてきた。
「オンナとできるぞ」と・・・・。
意外だった。
彼が話しかけてきたことも意外だったし、
ミャンマーにそういう類のところがあるというのも。
まだ時間は午後10時すぎ。
宿に帰って寝るには早いし、
ちょっと見てみたい気もする。
興味本位もあった。
そして、旅行会社の営業という仕事をしていると、
こういう類のネタは使える。
「見るだけでもいい?」

向かう先はかなり遠かった。
というより、昼間に自分が歩いていった、
バガン行きのチケット売り場あるらしい場所の近くだった。
それにしても、道は暗いのだが、
風が涼しくて気持ちよい。
真っ暗の道をすすんでいくときは、正直怖さもあったが、
ミャンマーの治安を思えば、大丈夫だろう。
彼がかぶっていた帽子を僕にかぶせた。
おそらく外国人が来るのはまずいのだろうか。
そしてトライショーを降りて、
民家のような場所に入っていった。

こんな場所に・・・あるのか。
自分が到着すると、それらしき3人のオンナが出てきた。
しかし暗すぎてほとんど顔が見えない。
が、愛想が悪いのは暗くてもなんとなく見える。
オンナ主人が仕切っているようだが、英語はまったくだめ。
ドライバーの彼ずたいに聞くと、
だいたい1回で20,000チャット(2,000円)。
時間はだいたい2時間ぐらいだそうだ。
しかしバンブーで作られたような萱葺きの家。
そして2階にそれらしき部屋はあるが、
窓は開けっ放しになっている。
冷やかし半分で来たことに悪い気はしたが、
もちろんそのまま帰ることにした。
途中、ミャンマー人の客2人とすれ違った。

マージンが出るか、出ないかはしらないが、
彼も快く宿に戻ってくれた。
本当かなりの距離を走っている。
さすがにペダルが結構くたびれて、気にしていたので、
道端の修理屋で治させた。
5000チャット(50円)で直った。
もちろん自分が払うと、
彼は「明日はどこにいく?」と聞いたので、
明日は郊外にいくので、
トライショーでは無理なので・・・。
そしたら、「欲しがっていた「タナカ」を持っていこうと、
思ったのだけど・・・。」
というではないか。
夕食をご馳走してくれたことと、修理したお礼だという。
彼の心意気が嬉しかった。
実際は明日は出発も早いので、悪いから断っ他のだが・・・。

これだけの距離を走ってもらっておいて、
たった25000チャットで契約していた。
日本円で250円。
夕食後は結局無料で走らせてしまったことになるから、
40,000チャットを払った。
でも、これは彼が1日平均8ドル稼ぐといっていた金には遠い。
はたして本当に8ドル稼げるのか疑問にも思ったが。

また近くを観光するのならお願いしたかったが。
滞在1日目で、すっかりミャンマーに好きになった。
まだ旅は1週間続く。
大きく膨らむ期待感を胸に、眠りについた。