佐世保への移動

佐世保までは特急なら1本で行けるのですが、この時間帯に普通列車だけで移動しようとすると、途中2回の乗り換えが必要になります。
まずは佐賀駅から、2両編成の肥前浜行き普通列車に乗車。江北駅で下車します。

車両はCT817系……だったでしょうか。JR九州の車両は外観デザインが独特ですが、車内もかなり個性的。全国的に見ても、ここまでデザインに力を入れている鉄道会社はなかなか無い気がします。

江北駅からは佐世保線の早岐行きへ乗り換え。こちらはYC1系2両編成。初めて見る車両です。
佐世保駅までは電化区間で、途中にデッドセクションも無かったはずですが、この区間はハイブリッド気動車で運用されているようです。

肥前浜方面からやって来た学生客と合流したため、車内はそこそこ混雑。ただ、西九州新幹線の始発駅である 武雄温泉駅 を過ぎると、一気に車内は落ち着きました。

このYC1系、佐世保・長崎エリアで活躍している新型車両ですが、座席配置はロングシート中心。さらに窓の位置が高めなので、正直そこまで車窓向きの列車ではありません。

続いて早岐駅で、対面ホームに停車していた長崎駅発の区間快速シーサイドライナーへ乗り換え。こちらもYC1系の2両編成です。

長崎県最大都市の 長崎市 と、県第2の都市である 佐世保市 を結ぶ列車だけあって利用客も多く、2両編成では少し輸送力不足にも感じました。
すでに立ち客もいる状態で空席はなし。自分もそのまま立って移動することになりましたが、早岐〜佐世保間はわずか13分なので、そこまで苦ではありません。
それにしても、佐賀〜佐世保間は距離にすると約63kmほど。それなのに普通列車だけだと2回乗り換え、所要時間は約1時間40分。なかなか面倒な移動でした。
……まあ、「面倒なら特急に乗れ」ということなんでしょうね。
- 佐賀駅 11:24 → 江北駅 11:38 普通・肥前浜行き
- 江北駅 11:50 → 早岐駅 12:42 普通・早岐行き
- 早岐駅 12:51 → 佐世保駅 13:04 区間快速シーサイドライナー・佐世保行き
佐世保駅
佐世保駅 に到着。

佐世保駅は「JR最西端の駅」として知られています。ただ、鉄道全体で見ると松浦鉄道の たびら平戸口駅 が最西端ですし、モノレールまで含めるなら 那覇空港駅 が日本最西端になります。
なので、今年1月に訪れた 東根室駅 や 稚内駅 のような「日本の端まで来た」という達成感は、正直そこまで強くありませんでした。
佐世保バーガー

佐世保駅の海側、「みなと口」を出ると、すぐ目の前が佐世保港。港沿いの商業施設「させぼ五番街」にある ハンバーガーショップ ヒカリ に立ち寄りました。
こちらは店頭で先に注文してから店内へ入るスタイル。店内はそれほど広くなく、テーブル席が2つほどとカウンター席のみ。ちょうど満席だったため、しばらく待つことになりました。

注文したのは、一番人気だという「スペシャルバーガー」830円。
包み紙を開くと、こんがり焼かれたバンズの間から具材がはみ出しています。パティ、エッグ、チーズ、さらに香ばしく焼かれたベーコン。それぞれが分厚く、かなりボリューム感があります。
豪快にかぶりつくと、肉の旨味とベーコンの香ばしさが一気に押し寄せてきました。
ハンバーガーといえばコーラでしょう、ということで一緒に注文したのですが、こちらは240円。サイズを考えると、ちょっと高いですね。あっという間に飲み終わってしまいました。
合計1,070円。駅近で観光客も多い立地なので、やはり観光地価格なのかもしれません。
個人的には、肉の旨味と直火感がダイレクトに来る バーガーキング のワッパー系のほうが好みかな、というのが率直な感想です。
ところで、「佐世保バーガー」の定義が気になって調べてみました。
- 佐世保市内の店舗で提供されていること
- 手作りであること
- 地元食材をできるだけ使用すること
この3条件を満たせば、「佐世保バーガー」として認証されるそうです。
この後は、日本一長い直線アーケードとも言われる「さるくシティ4〇3アーケード」を歩いてみようと思っていました。
ただ、この暑さで完全に断念。
アーケード内の日陰ですら、まとわりつくような熱気。午後13時半には、この日の最高気温35.1度を記録していました。さすがにこれは危険な暑さです。
混雑する大村線
佐世保では佐世保バーガーを食べただけでしたが、そのまま今夜の宿泊地・長崎へ向かいます。
長崎方面へは1時間に1本ほど、区間快速シーサイドライナーが運転されています。ただ、所要時間は約2時間弱。意外と長旅です。

先ほど長崎駅から到着した列車を見た時点で、すでにホームには長い乗車待ちの列ができていました。そのため、少し早めにホームへ上がり、列車の到着を待つことにします。
到着した列車からは大量の乗客が下車。そして入れ替わるように、さらに長い列が形成されていきます。
やはり2両編成では少し足りていない印象です。
幸い、先頭近くに並んでいたため、1両に1区画しかない海側のボックス席を確保できました。佐世保駅出発時点で座席は8割以上埋まってました。

さらに4駅目の ハウステンボス駅 では大量乗車。車内には立ち客も出るほどになりました。しかも、ハウステンボスから長崎駅まではまだ1時間半以上あります。
この路線は、長崎県の人口上位都市である 長崎市、佐世保市、諫早市、大村市 を結ぶ重要路線。通勤通学だけでなく、観光利用もかなり多そうです。
それだけに、せめて3両編成くらいは欲しいところ。

さらに、大村湾沿いを間近に走る絶景区間も多いので、1両くらいは観光客向け指定席車両があっても良さそうに感じました。このあたりは、長崎県側も観光輸送としてJR九州へ働きかけてほしいところです。
川棚駅から松原駅付近までは、大村湾沿いを走る区間が続きます。

大村湾は内海なので波も穏やか。線路と海の距離がかなり近く、高い防潮堤も少ないため、車窓から海を存分に楽しめました。
- 佐世保駅 14:12 → 長崎駅 16:07
大村線・区間快速シーサイドライナー 長崎行き
長崎駅へ
長崎駅 に到着。
西九州新幹線開業に合わせて、高架化された近代的な駅へと生まれ変わっています。

新幹線開業前から高架駅自体は先行整備されていたため、当時は在来線電車用の架線も設置されていました。しかし現在は撤去済み。特急列車が消滅し、普通列車主体となったことで、維持コスト面からもハイブリッド気動車へ統一したのでしょう。
もっとも、乗り鉄的には架線柱が少ないほうが車窓がすっきり見えるので、これはこれでありがたかったりします。
どうでもいい話ですが、佐世保駅は行き止まり式の終着駅。そして長崎駅も同じく終着駅。終着駅同士を結ぶ定期列車って、意外と珍しい気がします。

駅周辺は再開発が進み、ヒルトン長崎 や アミュプラザ長崎 などが開業。かなり都会的な景観へ変わっていました。

やはり新幹線開業というのは、その街にとって巨大な転機なのだと実感します。周辺では今も工事が続いていて、今後どのような街並みになっていくのか楽しみです。
さて、今夜の宿は新地中華街近くにある ファーストキャビン長崎 を予約しています。

長崎駅から約1.7km。路面電車を使っても良かったのですが、せっかくなので今回も街の雰囲気を感じながら歩いて向かうことにしました。
長崎を訪れるのは8年ぶりくらいでしょうか。その時も、旅の前半を一緒に回っていたメンバーと来ていました。さらに遡れば、中学校の修学旅行、20代前半の社員旅行でも訪れたことがあります。ただ、ひとりで来るのは今回が初めてです。

長崎駅周辺は再開発でかなり姿を変えましたが、この街には今でも開発されきっていない、少し昭和の香りが残っています。新しすぎず、古すぎず。洗練されすぎてもいないけれど、決して寂れているわけでもない。その絶妙なバランス感がとても心地いい街なんですよね。
歩いているだけで雰囲気が良く、「ここは連泊してゆっくり過ごしたい」と毎回思う街です。
しかし今回の滞在はわずか1泊。実質14時間ほどしかありません。これは青春18きっぷが連続利用方式へ変更された影響が大きいですね。3日間と5日間の値段の差が2,000円弱なので、5日間にしても良かったかなという気はします。
今回は割り切って、「長崎の夜景を見ること」に目的を絞りました。前回はひとりで鍋冠山公園から夜景を撮影するために訪れましたが、定番の稲佐山からはまだ見てなかったから。

宿泊したファーストキャビン長崎は、想像以上に快適でした。

キャビンタイプなので天井が高く、大浴場も完備。施設全体も新しく清潔感があります。立地も非常に良く、「次に長崎へ来る時もここでいいかも」と思えるレベル。
ひとまず大浴場で汗を流し、夜景の時間まで少し街歩きでもしようと思ったのですが……
やはりまだ暑すぎました。
ラーメン屋でのちゃんぽん
この日の日の入りは19:21。実際にしっかり暗くなるのは20時前くらいでしょうか。
せっかくなので早めに 稲佐山 へ行き、夕暮れを眺めながらのんびり過ごすことにしました。
翌朝は始発で出発予定。つまり、長崎でまともに食事できるのはこの1回だけです。
朝食抜き、お昼は佐世保バーガーのみだったので、とにかくガツンとお腹いっぱいになるものが食べたい。そこで思い浮かんだのが長崎名物のちゃんぽんです。

ただ、新地中華街方面まで戻っていると、次の稲佐山行きバスに間に合わなくなりそう。そこで浜の町周辺で探してみると、近くのラーメン店がヒットしました。
濃厚豚骨かどや。
「濃厚豚骨」と「長崎ちゃんぽん」の組み合わせ。これは悪くない。
店内はカウンター席のみ。ちゃんぽんの注文が入ると、すぐにフライパンで野菜を炒める音が聞こえてきます。
早く来てくれ……。
かなり空腹だったのもありますが、次のバスまでの時間もそこそこギリギリ。もちろん夜景には十分間に合うのですが、稲佐山方面のバスは本数が限られているので、できれば逃したくありません。

運ばれてきたちゃんぽんは、豚肉、キャベツ、もやし、かまぼこと比較的シンプルな構成。こういうシンプル系、結構好きです。
麺はそこそこ太め。スープは「濃厚豚骨」とありましたが、意外と重すぎず、豚の脂と野菜の甘みが合わさってかなり美味しい。
まさに「ラーメン屋が作る長崎ちゃんぽん」という感じで、個人的にはかなり満足度が高かったです。
ただ一方で、中華街で食べるような王道の極太ちゃんぽん麺も少し気になりました。
路線バスと徒歩、最安ルートで稲佐山へ
入店から完食まで約10分。思った以上にスムーズで、無事バスにも間に合いました。

浜の町から、稲佐山行きの5番系統バスへ乗車。交通系ICカードも利用可能です。

途中で長崎駅を経由し、そこからは急坂をぐんぐん登っていきます。何度もカーブを繰り返しながら高度を上げていくルートは、まさに「坂の街・長崎」を体感できる路線でした。
18:40、 稲佐山公園 に到着。

ここから山頂へはスロープカーもありますが、歩道が整備されているので徒歩で向かいます。公式サイトによると距離は約800m、所要15分ほど。スロープカーは往復500円です。
ちなみに王道ルートである 長崎ロープウェイ は往復1,250円。山頂には駐車場もあるので、タクシーやマイカーで訪れる人も多いようです。
費用と効率のバランスを考えると、今回の「路線バス+徒歩」はかなり優秀なアクセス方法だったと思います。
同じバスで来た人のうち、歩いて山頂へ向かう人は5人ほど。

まだ明るかったので問題ありませんでしたが、暗くなってからこの道を1人で歩くのは少し怖そうでした。
スロープカー沿いの階段を登り、約10分ほどで山頂駅へ到着。
途中、西側には東シナ海の大海原、東側には山に囲まれた浦上地区の街並みが広がっていました。浦上といえば、原爆投下地点周辺のエリアでもあります。

山頂ではロープウェイ組とも合流。
展望台周辺はかなり賑わっていて、特にインバウンド観光客の多さが印象的でした。アジア圏だけでなく欧米系の観光客もかなり多め。やはり原爆関連施設を訪れる流れで来ている人も多いのでしょうか。

以前訪れた 函館山 の夜景もインバウンド客だらけでしたが、ここ稲佐山もかなり人気があるようです。展望施設の最上階外周部、手すり沿いは常に誰かが場所取りしているような状態でした。

ただ、展望台の空気感はかなり良かったです。暑さもだいぶ和らぎ、吹き抜ける風が本当に気持ちいい。そして観光客もどこかのんびりしているんですよね。「写真を撮ったらすぐ移動」という感じではなく、それぞれが景色を見ながら雑談したり、ぼーっとしたり。こういう時間、結構好きです。

19:22、西の海へ太陽が沈みました。よく見たら、五島列島なのかな。
……とはいえ、ここから本格的な夜景になるまでが長い。

帰りも稲佐山公園バス停まで徒歩で下山する予定だったので、あまり暗くなりすぎるのも怖い。夜景は見たいけど、真っ暗な山道は嫌という、なかなか矛盾した行動をしていました。
帰りだけでもスロープカーを使えば良かったんですけどね。

当時は「もう十分夜景っぽい写真が撮れた」と思って早めに展望台を離れたのですが、あとで写真を見返すと、まだ全然明るかった。
少しのお金をケチった代償は大きかったですね。
肝心の「日本三大夜景」の感想ですが、もちろん綺麗ではありました。ただ、昔ほど夜景そのものに強く感動しなくなっている自分も感じます。
歳を取ったということなんでしょうか。少し寂しいですね。

それでも、長崎の街並み、多島美、東シナ海まで含めた360度の展望は本当に素晴らしいので、ここはぜひ明るい時間帯から訪れるのがおすすめです。
最終の下山バスには20人ほどが乗車。その大半がインバウンド観光客でした。
海外旅行で路線バスに乗るのって昔はかなりハードルが高かった印象ですが、今は Google Maps のルート案内が完全に壁を壊していますね。
周囲を見ても、多くの人がスマホでGoogle Mapsを開いていました。
宿最寄りの浜の町バス停で下車。
少しだけ 思案橋横丁 を散策してから宿へ戻ります。

やっぱり長崎の街は良いですね。
風情のある飲み屋街に、個人経営っぽい居酒屋。全国どこにでもあるチェーン店が少ないので、街歩きしていて既視感が少ないんです。
またゆっくり訪れたい。そんな気持ちにさせてくれる街でした。
