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2025 九州の旅|3日目前半 新・青春18きっぷ1日目 九州ローカル線で唐津・佐賀市を巡る

ひとり旅スタート

前日に青春18きっぷ3日用を10,000円で購入。冬から制度改正が入り、連続利用と以前より使い勝手は悪くなりましたが、JR全線の普通列車が乗り放題という魅力は健在。気ままに途中下車しながら移動する旅には、やはりぴったりの切符です。

JR九州は門司港〜博多間しか乗ったことがなく、それ以外の区間は今回が初乗車。今日の目的地は長崎市ですが、まずは始発列車で佐賀県の唐津へ向かいます。一昨日訪れたばかりの佐賀県へ再び戻る形になりました。

乗り継ぎ時間を少し長めに取り、途中で観光しながら移動していくスタイルは青春18きっぷならでは。時間に縛られず、その場の雰囲気で動けるのも普通列車旅の魅力です。

博多駅から唐津駅へ

博多駅から地下鉄空港線の始発列車に乗車。博多駅始発はこの列車のみです。JR筑肥線は姪浜駅からですが、地下鉄空港線と相互直通運転を行っているため、そのまま乗り換えなしで移動できます。青春18きっぷは姪浜駅から有効。

地下鉄らしく、姪浜駅直前までずっと地下区間を走行。列車はそのまま筑前前原駅まで直通します。地下鉄車両がJR線をそのまま走る区間というのは、全国的に見ても珍しいかもしれません。

下山門駅〜今宿駅間では、突然視界が開けて博多湾の海が見えてきました。地下鉄車両に揺られながら海を眺めるというのも、なんとも不思議な感覚です。

筑前前原駅で乗り換え。ここで一気に雰囲気が変わりました。到着したのはレトロ感たっぷりの103系1500番代。さっきまで乗っていた地下鉄車両とのギャップが凄い。

103系といえば、国鉄時代に首都圏や関西圏で活躍していた通勤電車として有名ですが、この1500番代は筑肥線向けの特別仕様らしく、一般的な103系とは少し雰囲気が異なります。

ここからは玄界灘沿いを走る絶景区間。古い車両の良いところは、やはり窓が開くこと。博多方面とは逆方向で車内も空いていたので、窓を開けて海風を感じながら車窓を楽しみました。

ついさっきまで大都会・博多の地下を走っていたのに、目の前にはいきなり広がる玄界灘。車両のギャップも大きかったですが、車窓の変化もかなり印象的でした。

まだ朝早く、外の空気も心地いい時間帯。海岸線を離れ、最初に停車する浜崎駅までは比較的空いていて、のんびり海の景色を満喫できました。

浜崎駅から佐賀県へ。ここから一気に唐津方面への通勤・通学客が増え、車内は一気に朝ラッシュらしい雰囲気になっていきました。

唐津散策

唐津駅に到着。佐賀県第2の都市・唐津市の玄関口で、人口は約11万人です。

駅ナカには観光案内所がありますが、到着した時間はまだ営業前。駅前にあった周辺地図を見ながら、大まかな散策ルートを決めました。唐津城を目指しつつ、街なかをぶらぶら歩いてみます。

2011年にオープンした7階建ての大手口前センタービル。裏手に唐津市役所がある。

観光施設を巡るのも良いですが、その街の空気感を味わうなら駅周辺や繁華街を歩くのがいちばん。知らない街の日常風景を眺めながら散歩する時間が結構好きなんですよね。

まず訪れたのは旧唐津銀行。1912年竣工の近代建築です。

唐津出身で「近代建築の父」と称される 辰野金吾 が監修し、弟子の田中実が設計を担当した建物だそうです。辰野金吾といえば、東京駅 や 日本銀行本店 を手がけたことで有名。「赤レンガに白い石帯」という、いわゆる辰野式と呼ばれる華やかなデザインが特徴です。

1997年まで実際に銀行として使われていましたが、現在は記念館として公開されているとのこと。ただ、ここもまだ開館前でした。今回は外観だけ見学です。

その後は町田川沿いを歩きながら唐津城方面へ。

唐津城は満島山の上に建てられていて、城内橋や舞鶴橋を渡るたびに見える角度が変わり、なかなか絵になります。時間は限られていましたが、天守からの眺めが良さそうだったので、本丸への階段を急ぎ足で登っていきました。

現在の立派な5層天守は1966年に建てられた復興天守。江戸時代当時、実際には天守は存在していなかったそうで、「もし築かれていたらこんな姿だっただろう」というイメージで造られたものらしいです。

ただ、展望台からの景色は本当に素晴らしかった。

松林が美しい弧を描く虹の松原。その地形を見ると、松浦川が運んだ土砂によって形成された砂嘴だということがよく分かります。穏やかな唐津湾の向こうには高島の姿。汗だくになりながら登った甲斐がある絶景でした。

城を下りた後は、飲食店街を抜けながら駅へ戻ります。

まだ営業準備中の店が多い時間帯でしたが、狭い路地に並ぶ看板や暖簾からは、夜の賑わいが伝わってくるようでした。今回は散策だけになりましたが、次回はこのあたりでゆっくり一杯やるのも良さそうです。

滞在時間はわずか1時間ほど。それでも、城下町らしい落ち着いた雰囲気と、近代建築が残る街並みがコンパクトにまとまった、なかなか魅力的な街でした。

ただ、真夏の街歩きには正直あまり向いていませんね。まだ朝の時間帯だったにもかかわらず、気温はどんどん上昇。後半は日傘を差して歩いていましたが、それでも汗だくの散策になりました。

佐賀市への移動

次は唐津線に乗り換え、佐賀県の県庁所在地・佐賀市へ向かいます。

正直に言うと、佐賀市には有名観光地らしい観光地はあまり多くありません。ただ、県庁所在地の街並みというのは、その県の空気感が見えてくるので結構気になる存在。滋賀県と佐賀県は1文字違いということもあり、何かと間違われがちな県同士。ある意味ライバル県の県庁所在地を、この目で見ておきたかったのです。

唐津駅のホームで佐賀行き列車を待ちます。

ガラガラのローカル列車でのんびり移動するつもりでしたが、予想は完全に外れました。列車は始発の西唐津駅からすでに多くの乗客を乗せてきており、夏休み期間ということもあって若い乗客の姿が目立ちます。2両編成にもかかわらず、ボックス席はほぼ埋まっていました。

やって来たのは1993年製のキハ125形。初めて見る車両です。

鮮やかな黄色い車体には、ロマンシング サ・ガ のラッピング。もちろん「サ・ガ」と「佐賀」を掛け合わせたコラボ企画です。

途中ですれ違ったキハ47系にも同じ「ロマンシング佐賀」のラッピングが施されていて、かなり力の入った企画のようでした。こういう遊び心のある企画を見ると、JR九州は本当に攻めている会社だなと思います。

運よく窓側の席を確保。

車窓には、イメージしていた通りのローカル線らしい風景が流れていきます。田園地帯の中をゆっくり走り、時折小さな集落が現れる、そんな穏やかな景色。

古い気動車らしく、窓の日除けはロールスクリーンではなくカーテン式。強い日差しと外から入り込む熱気を防ぐためか、多くのカーテンが閉められていて、車内は少し薄暗いほどでした。

そして意外だったのは乗客の多さ。

もっと閑散としたローカル線を想像していたのですが、途中駅ごとに乗客が増えていき、佐賀駅到着前にはラッシュ時のような混雑に。地方ローカル線のイメージとはかなり違う、賑やかな移動になりました。

この後、佐賀市の市街地を少し散策してみたのですが、いわゆる若者向けの繁華街のような場所はあまり見当たりませんでした。駅前も落ち着いた雰囲気で、大都市によくある大型商業エリアという感じではありません。

それだけに、唐津線であれだけ多かった若い乗客たちは一体どこへ向かったのか少し気になります。

地図を見ていると、駅から北東へ約2kmほどの場所に「ゆめタウン佐賀」を中心とした大型商業エリアがありました。もしかすると、あのあたりへ向かっていたのでしょうか。距離的には微妙ですが、高校生や学生なら普通に自転車やバスで移動していそうな距離感です。

佐賀市

駅前にはそれなりにビルが立ち並び、しっかり県庁所在地らしい雰囲気があります。少なくとも駅前の第一印象だけなら、地元・滋賀県の県庁所在地である大津駅周辺は普通に負けているかもしれません。

佐賀駅周辺には目立った観光地はありませんが、駅前からまっすぐ延びる中央大通りを約2km進むと佐賀県庁があります。最上階の展望ホールからの景色が良いらしいので、街の雰囲気を見ながら歩いて向かうことにしました。

駅前こそ高いビルが並んでいましたが、歩くにつれて徐々に建物の高さは低くなっていきます。

高い建物が少ないということは、当然ながら日陰も少ない。日傘を差していても、地面からの照り返しがとにかく強烈です。歩いている人自体も少なく、もちろん観光客らしき姿は皆無。まあ、佐賀市はいわゆる観光都市ではありませんからね。

念のため、中央大通りから少し外れて飲食店街らしきエリアにも足を運んでみました。

それなりに店は並んでいましたが、県庁所在地の繁華街として見るとややコンパクトな印象。駅前にはホテルが点在していたものの、この飲食店エリア周辺には宿泊施設がほとんど見当たらず、旅行者目線だと少し動きづらそうな街にも感じました。

そして到着したのが、佐賀県庁。新館の最上階にある展望ホール「SAGA360」へ登ってみます。

12階部分にあり、まず何よりエアコンが効いているのが最高でした。

名前の通り360度の景色を眺められる展望スペースで、佐賀平野の広大さを実感できます。高い建物が少ない佐賀市だからこそ、この眺めはかなり印象的。遠くには地平線が見えるほど平坦な大地が広がっていました。

遮るものが少ないおかげか、遠方には 雲仙普賢岳 の姿もはっきり見えます。その手前には有明海があるはずなのですが、ここからだと意外と海の存在感は薄めでした。

唯一、都会らしい景色に見えたのは、歩いてきた佐賀駅北側のエリア。ただ、それでもタワーマンションのような超高層住宅は1棟も見当たりません。

展望を楽しんだ後は、再び佐賀駅まで約2km歩いて戻ります。

バスなら10分ほど、運賃も160円。普通に考えれば乗るべき距離なのですが、なぜか歩いてしまいました。暑さで判断力がおかしくなっていたのか、それとも160円を節約したかったのか。

とはいえ、帰りは特に寄り道もせず淡々と歩いたので、思ったより早く駅へ戻れました。

佐賀で食べるものといえば、やはり佐賀牛が有名。ただ、さすがに気軽に食べられる値段ではありません。一昨日訪れた肥前浜なら日本酒という選択肢もありましたが、この日は朝から何も食べておらず、とにかく空腹。酒より先にしっかり食事をしたい気分でした。

ということで、次は 佐世保市 へ向かい、佐世保バーガーを食べに行くことにします。