2007 奄美大島|2日目

実久海岸
九州

奄美大島の南側には、
カケロマ島という島がある。
離島なので行くには、フェリーを利用する。
奄美大島側の古仁屋港から、
カケロマ島へは1日7往復。
船もあまり大きくないということで、
予約は必須らしい。

名瀬から古仁屋港までは車で約1時間。
10時20分はかなり時間的にかなり厳しいようなので、
行きは11時40分発、帰りは15時55分発を予約し、
ホテルで朝食をとることにした。
朝食は事前にわずか500円で購入することができるが、
和洋あわせてかなりの品数でかなりの大満足。
都会であればゆうに1,500円以上はとれるだろう。

実は昨日1日でかなり日焼けをしてしまっていた。
SPF8の日焼け止めを塗っていたのだが、
容赦ない南国の日差しにはほとんど効果なし。
途中大型ドラッグストアで、SPF50の日焼け止めを購入。
このおかげでほとんど日焼けがひどくなることはなかった。

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名瀬市内をすぎるとすぐに山間部にはいる。
奄美大島は、地図を見ると平地といえる部分がほとんどない。
それに加え沿岸部はリアス式の入り組んだ海岸になっているので、
移動するときは思ったよりも時間がかかりそう。

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名瀬を出てから目的地までの中間地点、住用村あたりまでは、
トンネル区間が多く綺麗に道が整備されていて、
かなり走りやすい。
さすがに都市部に近い場所は整備されている。

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トンネルを抜けるたびに目の前に海が見える。
晴天に恵まれよいドライブ日和。

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日本第2の面積を誇るマングローブ畑を抜けると
この区間最大の難関、鯛の子峠。
ゆるやかにカーブの続く坂をのぼっていき、
峠を越えるとリアス式の海岸が眼下にひろがる。
ようやく古仁屋港が見えてくると思ったのだが、
先にはもうひとつ山がある。
思ったより古仁屋港までの道のりは長い。

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最後の山間部を越えてようやく古仁屋の町が見えてきた。
背景には大島海峡、加計呂麻島の山並み。

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名瀬を見たときと同じように、
古仁屋の町も思ったより町だという印象を覚えた。
やはり移動してきた時ののどかさと比べると
あまりにもギャップが大きい。

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さっそくフェリー乗り場で乗船手続きを終え、
車ごとフェリーに乗り込む。
乗船時間はわずか片道20分で、往復で約6,000円。
少し高い気もするが、
加計呂麻島での移動手段を考えれば仕方ない。

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この周辺の大島海峡は珊瑚が美しく
すぐ横からマリンビューワー瀬戸という、
水中鑑賞船が出港していった。
白色にピンク色の塗装は少し奇抜な感じもするが、
大島海峡と夏空に映えて綺麗にみえる。

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フェリー内の乗客のほとんどは、
観光客ではなく、移動手段の人々が多い。
特に景色を見入るでもなく、椅子に腰かけてのんびりしている。
それでも下手な観光遊覧船より格段に綺麗な景色が広がる。
わずか20分の短い時間を堪能するかのように、
ずっと甲板に出て景色を眺めていた。

わずか20分の船旅を終え、
レンタカーのまま加計呂麻島へ上陸。

まずは正面の道をまっすぐすすみ、
デイゴの並木がある諸鈍集落を目指した。
残念ながらデイゴに赤い花がは、
梅雨が始まる時期で、この時期はただの並木道が続くだけ。
さらに堤防が綺麗に整備され、
海の色も綺麗ではない。

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集落に大きなトラックが停まっていて、
荷台にはスーパーのような品揃えの、
移動式商店になっていた。
はたしてどのぐらいのペースでやってくるのかわからないが、
加計呂麻島内でスーパーらしき店は見当たらなかった。
この移動式焦点は島民にとってはかけがえのないものに違いない。

これから加計呂麻島の最北にある実久海岸を目指す。
今は南側にいるので、かなりの移動距離になりそう。
はたして道の状態はどうなのか。
フェリー会社の人に聞いたところ、
約1時間はかかるということだった。

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島の北海岸線にそって伸びる道をすすむ。
海岸線を走る時は常に、大島海峡の綺麗な海が視界に入る。
最初の10分ほどはカーブも緩やかで、
ほぼ2車線の広い道。
アップダウンも少なかった。
快適なドライブになるのかと思ったが甘かった。

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その先はほとんどが1.5車線ほどの道ばかり。
奄美大島のさらに離島ということで、
車にすれ違うことはほとんどなかったが、
カーブとアップダウンが続くことにより、
常に対向車を気にする必要がある。

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20分ほど走ったところで、
来るときの船に接続していたバスをようやく追い越す。
結構のんびり走っていたのだな。
乗客は誰も乗っているように見えなかった。

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その先は嫌というほどのカーブと小さなアップダウンが続いた。
いったいいつ着くのだろう…
救いはただ車窓に見える綺麗な海だけ。
のんびり地図を見る余裕もなく、車を運転し続ける。
結局1時間ほど走ったところで、
山道をしばらく上がり続けたところで、眼下に海岸が広がり、
ようやく実久海岸についたことを確認できた。

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思ったより海岸線は長く続いている。
海の色もまさにエメラルドグリーン。

離島にわたり、さらに車を走らせること1時間。
やっと運転からも解放され、やっと泳ぐことができる。
否応にも期待せずにはいられない。

せっかくここまで来たのだから、
唯一の商店で、フィンを借りたのだが、
この商店のおばちゃんがとても気さくな人。
離島の人ってのんびりして、いい人ばかりだな~。

「ここの日差しは強いから、
日焼け止め1本まるまる塗ったほうがよいよ。」
さすがにそれは…。

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期待を胸に海へ。
やはりフィンをつけるとやはり推進力がぜんぜん違う。
しかし、思ったより海の中は綺麗ではなかった。
透明度は高いのだが、珊瑚と呼べるものはなく、
魚の数もかなり少ない。
かなり沖のほうへ進むが同じ状態。
もともと遠浅の海ということもあり、
砂地に珊瑚だった形跡がちらほら…。

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隠れるに隠れられないウツボ…
砂地なので白いが保護色?

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コクテンフグ。
タヌキ?パンダ?のような魚。
ひょうきんな顔立ちですね。

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小魚はそこそこいたりします。

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黄色い魚はどこにいても目立つ。
ガンガゼには注意。

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木の葉のような魚。

期待してただけにかなりがっくり。
はるばる来たのに…というのが正直な感想です。
近ければこれでも良かったと思うのでしょうか。

もしかしてポイントを間違っていただけなのか。
海岸右手のほうに色が極端に濃い場所があり、
かなり急激に深そうな場所があり、
そこまでいけば…とも思いましたが、
どうも復路のフェリーの時間を考えると
いったん陸に引き揚げざるをえない。

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透明度は高いのですが…。

奄美大島へはもう一便遅いフェリーがあったので、
変更できるか確認しようとすると携帯電話は当然圏外。
おばちゃんに聞くと商店の中に、なんと公衆電話があるとの事。
しかし結果は最終便への変更は不可能(満車)
それにしても電話で確認せずに、フェリー乗り場へ行ったら、
危うく加計呂麻島にとりのこされるところだった。

実久海岸。
ガイドブックには夏は海水浴客で賑わうと書いてあったが、
いったいどこがにぎわっているのだろうか。
どう数えても10人はいない。
でも商店のおばちゃんいわく、
これでも賑わっているほうだったらしい…
ひとり100mぐらいの浜を十分独占できる。

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それにしてもおばちゃんのお店、商売になってるのか疑問。
レトルトカレーやパンなども売っていて、
海の家としてはそれなりに品数はある。
でも夏休みの日曜日で、10人ほどで賑わっているとなると。
もしかして、もともと商売っ気などもともとなく、
実久海岸をできるだけ楽しんで行って欲しいだけなのかも。

もちろん実久海岸は綺麗だったけど、
海の中の様子には少しがっかり。
でもおばちゃんに会えて救われたような気がした。

「シャワーでも浴びていったらいいのに…」
おばちゃんい声をかけられたが、
フェリーの出発までかなり危ない。
実久海岸ではゆっくりする間もなく、
急ぎ足で実久海岸を後にした。

かなり急いで車を走らせた。
もしフェリーに乗り遅れたら、
最終便が車が満車のため、
究極の選択がまっていることになる。
人間だけ渡り、明日に車を取りに来るか。
もしくは加計呂麻で1泊…。
どっちも避けたい。

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その思いが通じたのか、出航の15分前にはついた。
行きに1時間以上かけて通った道を、
帰りは約45分で戻ることができた。
おかげで運転していた自分でさえ、
カーブとアップダウン、ブレーキの多様で酔いそうになる。

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エメラルドグリーンの海を後にして、
奄美大島へ戻る。
のんびりした雰囲気を求め、
加計呂麻島にわたったのに、
結局ドタバタした感じで、少しもゆっくりする時間もなく。

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進行方向の右側には、
大島海峡が開け、その先は太平洋。
今日の宿はその先端近くのヤドリ浜という場所にある。
午後4時近かったが、
まだ太陽は高い場所にある。
もうひと泳ぎできるかな。

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古仁屋港の近くにある「エブリーワン」というコンビニで、
昼食を買いこむ。
離島のコンビニというのは非常に魅力的なことが判明。
お弁当、パンなどをコンビニ内でほとんど作っている。
「焼きたて」「つくりたて」
工場で出来上がった弁当を配送するより、
よっぽど美味しそうだし、
できたてなら電子レンジもいらない。
もちろん手間やコストはかかるだろうけど、
本土にもこういうコンビニがあって欲しいと思うのは、
自分だけではないと思う。

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できがてのソーセージナンとカレーコロッケを
大島海峡を望む展望台で食べた。
対岸が加計呂麻島なのだけど、
本当に距離が近く、島とう実感は少ない。

海に張り出した小さな岬を超えていくが、
そのたびに眼下に広がる海岸がきれいで、
あえて加計呂麻島にいく価値があったのかと…
ちょっと自分を責めながら、
少し憂鬱なドライブを続ける。

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途中、ホノホシ海岸という場所によって見た。
今までの海岸が女性的なら、
まさに男性的な断崖が続く。
ただそれほどすごい景勝地ではなく、
とりあえず見ておいたらいいのでは?というレベル。

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そこから車を走らせることわずか1分ほどで、
今日泊まる「マリンステイション奄美」に到着。
建物自体はそれほど特筆するべきものはないが、
広い青々とした芝生と目の前にあるヤドリ浜がきれい。

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もう時計は5時を過ぎていたが、
いてもたってもいられない。
夕食を一番遅い8時半スタートにしてもらい、
部屋にいる間もなく、ヤドリ浜へ向かった。

夢中になって泳いでいたら、
すっかり日が暮れかけてしまっていた。
ヤドリ浜からだと西には加計呂麻島があるため、
太陽は水平線には沈まないが、
この日も奇麗な夕景を見せてくれた。

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海辺から上がり、
シャワーといきたいところだが、
マリンステイション奄美には貸切の五右衛門風呂がある。
チェックイン時に予約をしておいたので、
夕食前にひとっ風呂あびる。

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最初、風呂釜には何も入っていない状態。
栓をひねると熱い地下水がどっとわいてくる。
温度調節はというとポンプを自分で押して地下水をくみ上げる。
最初はなんとなく楽しいと思っていたのだが、
最初に熱いお湯をいれすぎたのと、
体が日焼けしているので熱いお湯にはいることができないので、
かなりの時間、水をのポンプを押し続けている羽目になった。

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薄暗い大島海峡を眺め、ヤドリ浜にうちよせる波の音を聞きながら、
ひとりでゆっくりと貸切風呂。
至福のひととき。
またほとんどシャワーで済ませてしまう夏だからこそ、
久しぶりの湯船にかなり満足感。
このホテルにしてよかったとつくづく納得してしまう。

一番遅い夕食スタート時間の20時30分になった。
食事場所は1階にあるレストランゆうな。
ほとんどの利用客は食事が終わっていた。
賑やかな社員旅行らしいグループは、
デッキに移動してビールを飲んだり楽しんでいる。
夏休みだというのに、
子どもが走りまわったりしてないし、
落ち着いてゆっくり食事をすることができた。

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夕食はセットメニューになっている。
・トンコツ煮込み
・マグロの刺身
・タコの天ぷら
・魚のホイル焼き
・貝の酢味噌和え
・ごぼうサラダ
・ごはん
・お吸い物
・パッションフルーツ
バランスよくちょっとずつ食べられるので、
セットメニューも悪くない。
味付けやボリュームもよかったし、
レストランも綺麗で接客もよかった。

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オリオンビールも飲みお腹がいっぱい。
ぶらり浜辺を散歩してみる。
東の空には満月がのぼり、
海辺を照らしている。
これだけ丸い月が出てるとなると、
潮が引くのも無理もない。

部屋への帰り、閉店間際のホテル売店にあった
海の生物ガイドブックを
ずっと立ち読みしてしまうほど、
やっぱり海の中はおもしろい。
奄美大島の山の自然や、
マングローブも魅力的だったが、
やっぱり明日も泳ぐことにしよう。

しかし明日は帰る日。
3日間の旅はほんとうに短い。

●マリンステイション奄美
http://www.marinestation.jp/