2日目 欠航ぎりぎりで鳩間島へ|八重山2008

沖縄

鳩間島は「瑠璃の島」というドラマで有名になった島で、
人口70人の小さな島。
それまでは石垣島からの定期船は運行していなかったが、
ドラマの影響で観光客が増え始め、
いまでは1日2~3往復運行している。

10月からは冬ダイヤになり1日1~2往復。
8時発のカーフェリーと、9時30分の高速船。

普通だと8時は早いだろう・・・と思うのだが、
やっぱり早起きをしてしまい、7時からの朝食を済ませ、
7時30分ごろにはホテルをチェックアウトした。

理由はホテルでダラダラしてるよりも、
鳩間島でのんびりしてるほうがいいんじゃないかと、
あとはカーフェリーのほうが1,000円安い。
この決断が大正解だったことは後ほど・・・

フェリーターミナル。
石垣島で一番立派だといえる建物だろう。

一昨年新規参入した石垣島ドリーム観光。
オレンジ色がよく目立つ。
カーフェリーといっても高速船タイプなので、結構小型。
鳩間島に行く人は結構多いのかな・・・

この注意書き。
まさかという感じだったのですが・・・

石西礁湖を出たあたりから
北風が強くなり、自分は進行方向左側に座っていたので、
それほど被害はなかったのだが、
北側は・・・かなり波をかぶっていました。

そして三角波が押し寄せるようになり、
船は時折ジャンプするほど。
後ろの車は大丈夫なんでしょうかね・・・

まあかなり揺れていたらしいです。
日常茶飯事だとは思っていましたが。
自分は手すりを持ちながらですが、
立って海の景色をみていたので、
まあこんなもんかなと。

だいたい40分間ぐらい揺られ続きました。
波がおさまり海の色が変わり始めると、
前方に小さな島が見えてきました。
高速船と比べると15分ほど時間がかかるだけで、
55分で鳩間島へと到着です。

ん~何もなさそうだ・・・。

これがほんと第一感想。
石垣を出るときに民宿に電話をするのを忘れてしまい、
そのまま港に到着。
もちろん誰も迎えなどいません。
とはいってもほんと小さな島なので、
トボトボと宿に向かいます。

今回の宿は「ペンションマイトウゼ」。
いきなり宿に行ってしまったのは、
間違いだったようで、
スタッフはここには常駐していないようです。
テーブルで談話していた常連さんに、
スタッフの人を呼んで頂けました。
常連さんの女性の人が、

「船大丈夫でしたか?」

との質問に、自分は「ん?」という感じでした。

「この後の船は、欠航になったらしいですよ。
 揺れたんじゃないですか?」

8時の船で来て正解だったようです。
鳩間島と、西表島の北側にある上原港への航路は、
自分たちが利用した船を最後に欠航。
あやうく石垣島で足止めされるところでした。

西表島の別の港に渡ってから、バスに乗って、
船をチャーターすると鳩間島にはやってこれるらしいですが、
恐ろしいほどの時間がかかります。

自分たちが来た船が石垣には帰るので、
この後の便で帰る予定の人が、
みんな急いで準備をしていました。
果たして自分たちは明日帰れるのだろうか・・・

空は青空なのですが、北風は強いようです。

まだ部屋が準備されていなかったので、
さっそく島内散策に出かけることにした。

友人も「瑠璃の島」は見ていたようだし、
自分も一週間前からDVDでもう一度見た。
見たことある人はご存知だと思うが、
離島の子供が少なくなり、
そしてついにはいなくなりそうになる。
そうすると小学校の廃止となるので、
なんとか食い止めようと、
里子として子供を外部から転入させてくる・・・という話。
個人的には結構好きなドラマだな・・・

ちなみに里子を受け入れる民宿の親父役が、
緒形拳でちょうど3日前に亡くなったばかり。

小さい島なので、島自体が主に舞台になっているが、
さっそく小学校に向かった。

鳩間小学校と中学校の入り口。

オール1階立ての校舎なので、空が広々としている。
後ろに見えるのが立派な体育館。
思っていたよりも大きい。

学校は土曜日で休みだったので、
こっそりと進入させてもらった。
1クラス2人とは贅沢だな・・・

小学校は2クラスあり、中学校も2クラスあった。
思っていたよりも生徒数は多いのかなあ。
人口が70人の割には、
小中あわせて、生徒は10人ぐらいいそう。

粘土細工も沖縄らしくシーサー。
「ごゆっくりみていってください」
と書いてあったので、観光客が見に来ることが多いのかなあ。
さすがに授業中はマズイだろうけど。

校舎からは青い芝生のグランドと、海が眺められる。

贅沢だね・・

鳩間島の唯一の金融機関。
民営化になってもちゃんとありましたね。
残念ながら休みでした。

鳩間島にいくと必ず写真に撮ると思う。
民家の軒先に並ぶ、顔が書かれたウキ。
愛嬌がある顔がかわいいです。

とっても絵になる赤瓦の民家…
といいたいところですが、民宿になってました。
最近のガイドブックには載ってなかったので。

その赤瓦の民宿が「くしけー家」です。
ほんといい雰囲気出してます。

再び港まで戻ってきました。
日中は船の出入りはないですし、
今日はこの後の便は欠航なので、誰もいません。

ドラマでもよく登場した場所なんです。
ほんと港周辺の海も綺麗なんです。
阿嘉島の港はブルーが濃かったけど、
鳩間島の港はエメラルドブルーの海です。

さて、再び戻ってきた理由は・・・

釣りです。
中学校の時以来かもしれません…
1日目の夕方に釣具を買いにいったんですが、
もったいなくて、買ったのはこれだけw
180円で魚釣ろうなんて甘いか。
えさは冷凍の小さい海老です。

しかし、釣れました!
海が綺麗なので、魚が餌を食べる瞬間までよくわかるので、
あわせやすいです。
浮きはいりません。

この魚はちょいとうまそうだな…
と、これは友達が釣りました。
ちなみに友達は竿とリールも買ったので、
だいぶ機動力が違います。

自分は素手で糸を持って釣っていますので、
釣れてもすごいめんどくさいですw

これはスノーケルでもよく見ます。
トラギスです。
キスだったらおいしいかもしれませんね。

ほかにも結構釣れました。
というか魚が見えるんですよね…釣れるはずですw
でも、調理する予定もないので、
ぜんぶすぐに海に逃がしました。

綺麗な海、青い空、離島ののんびりした雰囲気の中、
ひさしぶりにした釣りは、ほんと楽しかったです。

たまに観光客がふらっとやってきては、
釣りの様子をみて、話かけてきてくれました。
そんな仕掛けで釣れるんだ~という感じでしたけどw

鳩間島の民宿は1泊3食が多いようです。
というのも食事処が少ないからだと思います。
明日は午前中に鳩間島を出てしまうので、
1日目につけてもらいました。

ペンションマイトウゼは、
食事場所が離れています。
鳩間桟橋から東に広がる砂浜沿いにある
シーサイドマイトウゼで食べるのです。

12時になると自然とみんな集まってきます。
そしておのおの厨房に足を運び、
準備を始めます。
常連さんがやってくれるのを見て、
見よう見まねで、だんだんとみんな手伝い始めます。

今日の昼食は八重山そばです。
そしてジューシー(沖縄のまぜご飯)。
汁がかくれるぐらいそばが盛り盛り、
見るからにボリューム満点です。
女性だと全部食べるのはほんと大変だと思います。
具は鴨っぽいですね。

半分ぐらいはひとり旅。
そこでだんだんと話をし始めます。
全員で食事をしてると宿泊客と全員顔を合わせるので、
今後話しやすくもなるので良いですね。

食事を終えて、再び宿に戻ります。
友人がちょっと体調が悪いようで、
「寝る・・・」
ということで、ほんとに寝てしまいました。
また午後1時前なのに。

一人旅は慣れてるので、たいして気にもせず、
常連さんと宿の共用スペースで話こんでいました。
すると森のほうから音楽が聞こえてきました。
どうやら「結願祭」という行事があるようで、
観光客も見に行っても良いようなので、
いっしょにいってみることにしました。

祭りが行われているのは、御嶽という、
琉球では信仰の聖域として扱われている場所。
入り口には「観光客は勝手に入らないでください。」と、
書かれていました。
なので、普段は入れない場所なのでしょう。
しばらくはひんやりとした森の中の道を進んでいきます。

ちょうど始まったばかりのようです。
島のほとんどの人が参加してるんでしょうね。
観光客も20人ほどが外から立ち見で見ています。

怪しい仮面。
三線や太鼓の音にあわせての舞踊は琉球ムードたっぷりですが、
誰もが真剣にみているので、厳かな雰囲気があります。

石垣からの船が欠航になってしまったので、
訪れる人がかなり少なく寂しい結願祭になったと、
自治会長さんが話をしていました。
それなのに知らずに観光客がたまたまやってきて、
祭りに出会うのは本当に幸運なことですね。

まだまだ祭りを見ていたかったんですが、
鳩間島をぜんぜん観光していなかったので、
途中で抜け出させていただきました。

セルフビーチスノーケリング

一度宿に戻って、スノーケルセットを用意し、
島の反対側までいくことにしました。

島を中央に縦断する道は、
舗装されていない道ではないけど、
まあ歩いたら20分程度ということ。

まずは島で一番高い場所でもある、
灯台を目指します。
祭りで島の人がいないせいか、
ただでさえのんびりとしていそうなのに、
ほんとのんびりとしています。

宿から歩いて3分程歩いていくと、
わき道にそれていきます。
草むらの中を歩いていきますが、
鳩間島にはハブがいないので、かなり安心です。

残念ながら灯台にはあがることができませんでした。
ドラマでは主人公の瑠璃が登って泣いていたのに・・・w

 

その横に石積みで作られた物見台があります。
まわりは木々で覆われているのですが、
ここに登ると島全体がある程度見渡せます。

若干もやってきているようですが、
リーフに囲まれていて、
さんご礁に囲まれている島だということが目で確認できます。
なんとなく灯台が島の中心だと思っていたのですが、
灯台から港の集落部分が一番狭く、
今からいこうとしている北西部がかなり広いのです。
下は海パンだし、軽装なのでちょっと不安になりました。

灯台からの道は未舗装です。
ハブがいる島だったら、のんびり歩いていられないでしょうね。
気温もほどほどだったし、
天気もよくて、ちょうどいい散歩になりました。
草の緑と青空がとても気持ちよかった。

15分ほど歩くと「島仲浜」の看板が見えてきました。
灯台から下ってきたので、思ったよりも楽に到着です。

まさに隠れ家ビーチです。
というより有名な浜なのに、結構狭くて驚きました。
独り占めで喜びたいところですが、
ちょっと寂しいですね。

鳩間島の北側にある島仲浜。

北風の影響でリーフエッジで波が高く白波が見えています。
誰もいない場所で泳ぐのはちょっと怖い感じもしますが、
リーフまでは結構浅いようなので・・・

海岸沿いとは思えないほど、水の透明度は高いです。
ちょうど上げ潮だったからかもしれません。
しかし、珊瑚はほとんど死滅している。

魚もそれほど多くはないですね。
とりあえずリーフエッジ近くまで泳いでいってみます。

フウライチョウチョウウオ。
名前のとおり風来なので、
いたるところで見かけますが、
雑食性だからどこで生きていけるのでしょうね。

シマハギ。
3匹で泳ぎ回っていたので、
黒い3連星を思い出す・・・知らない人は無視してくださいw

ずっとこんな感じでした。
珊瑚は皆無・・・
リーフエッジはさすがに波がつぶれて、白波がたっているので、
泳ぐ勇気はなし。
というより、船が欠航してるぐらいの波なので、
行くのは自殺行為でしょうw

わりと大きな魚も入り込んできます。
食べたら美味しそうですねえ。
ここにいる魚は人間慣れしていないので、
すぐに逃げていきます。
これこそ本来の姿なんですね。

カンムリベラの幼魚。
派手すぎずシンプルでとってもかわいい色使い。
5cmもないと思います。
ちょこまか泳いでいます。
大人になると真っ黒になって、ぜんぜんかわいくないんです。

浜に戻ると、同じ宿の人が読書をしていました。
自分が始めてきたことを知っていたので、
ここの浜は砂ではなく、星の砂でできていることを教えてくれました。
水が綺麗だった原因が分かりました。

星の砂は、有孔虫という虫の殻が堆積したもの。
その殻は5角形で先が尖っているから、☆の形に見えます。
ほとんどは風化してしまい、まるで砂のように見えますが、
通常の砂と違いサンダルや服にも、砂がひっつきません。

さて、しばらく歩くと他のビーチがあるようなので、
珊瑚や魚に期待して、移動することにしました。

続いてやってきたのが、立原浜。
離島ドットコムには、あるエリアだけは、
とても綺麗な珊瑚があると掲載されていたが。

浜といっても、実際はこんなに狭い。
ほんとプライベートビーチです。

さっきの島仲浜と同じような雰囲気。
だいぶ潮位が増してきて、波が入ってくるように。
どんどん浜に向かって潮が揚げてきて、
水は冷たいし、進むのも大変。

地味~な魚たちが、群がって、
藻を食べあさっています。
煮付けにしたら美味しそうですな。

トゲチョウチョウウオ。
もともと目立つ配色の魚なんですけど、
水がとっても綺麗で、クリアに見えます。
珊瑚があったらほんと綺麗だったんだろうな・・・

結局、珊瑚のきれいなポイントを探すこともせずに、
すぐに浜から上がってきました。
何の情報もなく探すのはちょっときついかなと。
あとは、やっぱり潮の流れが強くて、泳ぎづらい。

そして再び歩いていると、
また同じ宿の人に出会いました。
もともと住人も観光客も少ないから、
知っている人の遭遇率がすごい高い・・・w

一番綺麗と有名な屋良浜。
ここも狭いのかと思いきや・・・

かなり広かった。
これこそビーチですね。

太陽は西の空にありました。
雲に隠れて、海を照らしているため、
海の様子がまったく分かりません。

ただ波はかなり穏やかで、
リーフまではかなりの距離があり、遠浅なんだと思います。

さて、宿にほってきた友人が気になるので、
そろそろ戻るとしますかね。

ドラマの中で登場した竹之内豊が、
美容師だったということで、
主人公の成海璃子のカットをしていた場所。

もっと雰囲気のいい場所かと思っていたら、
あれ?って感じです。
テレビでは港なんて見えてないから、
もっと違う場所なはず。

風邪気味の友人がせっかくだから展望台は行きたいとのことで、
缶ビールを買い、再び訪れる。
相変わらず北風が吹く中、まずは本日1杯目。

そして、2本目をあけながら・・・
・・・・お客さんからの電話。
鳩間島ではソフトバンクはかなり弱く、大半の場所が圏外。
港のあたりと宿の前の道は電波が入るので、
偶然電話がかかってきた。
缶ビールを飲みながら、打ち合わせをして、メモメモ・・・
遊びの時ぐらいゆっくりしたいという反面、
即対応できるほうがなんか気が楽な気もするな~。

夕食からゆんたく

暗くなってきたので、再びシーサイドマイトウゼへ。
みんなで手分けして、食事を台所から運んできます。
いただきまーす。

今日の夕食は、
グルクンの素揚げ、
マグロのお刺身、
筍の炊き合わせ、
ごはん、あさりの御汁。

グルクンはほんと美味しいです。
中でもグルクンは揚げるのが一番美味しいと思います。
ほかにはバター焼きで食べたことがあるけど、
そのぐらい味がしっかりしてます。

豪華ではないけど、シンプルで美味しいです。
昼食のほうがボリュームがあったかな。

夕食が食べ終わっても、まだ8時すぎ。
おのずと飲みましょうか・・・となるわけで、
堤防沿いにあるテーブルセットへ移動します。

基本的にみんな泡盛なんですが、
自分だけは、やっぱりこれです。
1杯500円と値ははりますが、生ビールがあります。

おかわりの度に注いでもらうのも悪かったので、
途中から缶ビールに変更しながら、飲み飲み。

宿のおじいが、テーブルで寝てたので、
いやおうなしに合流。
話題はおじいの会話が中心になります。

ちょうど3日前になくなった緒形拳さんと交流があったらしく、
結構落ち込んでましたね・・・
あとコブクロとも交流があるらしい。
瑠璃の島の主題歌はコブクロが歌っているんだけど、
歌を作るときに訪れていたらしい。

で、途中からは、やっぱり三線をひく人がいて、
「ひいてひいて~~。」との声に、
謙遜しながら始めたら、
なんと歌もついてきました。
え~歌いたかったんちゃう!とばかりに、
1時間近く聞いてた気がします。
でも、屋外で三線と沖縄民謡に耳を傾け・・・
とっても幸せ。

10時すぎになったので、いったんその場はお開きにして、
再び防波堤で飲み始めました。
友人は風邪っぽいので帰ってしまいましたが。
このあたりではビールはすでに8本ぐらい飲んでたのかな。
バックパッカーしてたとき、
夜な夜な徹夜で飲みながら、語り合ってた時みたいに、
ほんと楽しい時間をすごしました。

1時ぐらいには宿帰ったけど、
まだ飲み足りずに、まだ飲めそうな人を誘って・・・
って、自分入れて二人でしたが、
自動販売機で缶ビール買って、真っ暗な展望台へ。
かすかに見える西表の夜景を見ながら、
ビールを飲み・・・ってどんだけ飲むんだろ。
でも北風が強く寒くて、
結局また防波堤で飲みました。

軽くビール10本以上飲んでましたな・・・
寝たのは3時すぎ。
離島の夜はすることがないので、
ついつい飲みすぎて困りますね。