朝4時すぎに目が覚めた。
ドライバーは寝坊することもなく、時間どおり4時30分には待機していた。
愛想なしだが、ほんと仕事だけはきちんとこなす男で信頼できる。

南国といえども、早朝ともなると暑さはほとんど感じられず、
トゥクトゥクに乗っていると少し肌寒い。
宿から20分ほど走って、入場ゲートを通るがこんな早朝からしっかりチェックしていた。

4時53分
西参道の入り口からアンコールワットへ入場する。
ちょうど東の空が赤みを帯び始めた時間で朝焼けが美しい。
個人的には徐々に空が白んで来る時間を見たかったのだが。
正面のシルエットは西塔門。

西塔門をくぐり、祠堂へ続く参道を進む。
アンコールワットの祠堂にたつ塔のシルエットが美しい。

5時04分
西側の聖池へ到着。

9年前にも朝日を見にこの場所を訪れたが、太陽が昇るタイミングだったので、
このような空が燃えるような風景には見ることがなかった。

すでに空はだいぶ明るくなってきたが、まだ観光客はまばらだった。
ツアーやガイドが言うがままにサンライズ鑑賞した場合、もう少し遅い時間なのだろう。
おかげで良い場所で三脚を設置してカメラを構えることができた。

祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰のことわりをあらわす。
奢れる人も久しからず、
ただ春の世の夢のごとし。

平家物語に登場する祇園精舎。
祇園精舎はインドにある釈迦が説法を行った寺院なのだが、
徳川時代の日本人にはアンコール・ワットが、祇園精舎であるとされていたようである。

しかし、祇園精舎ではなくとも、アンコール・ワットの歴史は、
まさに平家物語の文頭そのものだと思う。

5時13分
燃えるような空とは、今見ているこの空のことだと思った。

5時18分
時間がたつにつれ、赤色からオレンジ色へと変化していく。
まるで遠くのほうで何かが燃えているかのよう。

池に映し出される色彩は、実際の空よりも強調されている。
吸い込まれになる。

5時29分
あれ・・・
目の前の風景から、彩度が徐々に失われていった。
もうこれで終わりなのか。

この時間になると池の手前側は二重三重に人垣ができていたのだが、
東の空が染まらなくなったのを見て、人が散りはじめてきた。
あきらめムードが漂う。

自分も諦めて西塔門近くまで戻ってきたときに振り返ると、また空が染まり始めた。
急いで戻らなければ!

5時53分
思っていたより北側から太陽が昇ってきたので、今度は水のある聖池と反対の右側へ。
アンコールワットの祠堂から太陽が昇るのを見るためだ。

6時03分
でもやっぱり聖池からのほうが綺麗だと思って、また戻ってきました。
燃えるような朝焼けのシーンも綺麗だったが、
黄金色に染まる朝焼けのシーンもまた素晴らしい!

早起きは三文の徳とはよくいったもので、
おかげですばらしいアンコールワットからの日の出を堪能することができました。