アンコール遺跡といえば、アンコールワット。
以前はアンコール遺跡群全体は知らずに、アンコールワットだけがあると思っていました。

アンコールワットは他の寺院と違い西向きに造られているため、
西日があたる午後からの観光がおすすめです。



アンコールワットの周囲は濠に囲まれており、その幅は190m。
これだけ広い濠は、日本の城でもお目にかかれないと思います。

西側の参道入口から見えるのは、祠堂の塔の先が少し見えるだけ。
西塔門をはさみ、祠堂まではかなりの距離があるのがわかります。



参道を進むと最初に出迎えてくれるのは、西塔門。
近づくと祠堂は一切見えなくなってしまう。



西塔門まで進むと、中央で人が立ち止まっているのが見える。
その理由はこれ。



西塔門の門を額縁にして、アンコールワットが突然姿を表します。
2回目だったが、この瞬間はやはり感動もの。

見事な演出です。
実は、これはアンコールワットに隠された造形表現のひとつであり、
設計者の意図的なもののようです。

アンコールワットは、スールヤヴァルマン2世が戦争に勝ってこの地を治め、
王になって自分のために作ったヒンドゥー教の寺院。
作られたのは12世紀前半。



西塔門から祠堂までは、さらに350m参道テラスが続きます。
早い時間を狙ったせいか観光客はまだまばらです。

祠堂へ向かって進みたいところですが、西塔門の裏側にみどころがあります。



西塔門の裏側には、デバターが綺麗な状態で残っています。
同じように見えるデバターも、ひとつとして同じものはありません。



こちらのデバターは、しっかりとした体格をされています。



まさにデバターの美術館。
デバターだけではなく、周囲の壁に施された彫刻もとても美しい。

西塔門の裏側は見落としがちですが、見ていく価値はあります。



西塔門から祠堂までの参道は350m。
日差しを遮るものがないのでとにかく暑い。
ツアーの場合は、この暑い時間を避けて訪れるので、逆にすいててありがたい。

祠堂の中心部が修復作業中で、緑のネットに覆われています。
写真的には残念でしたし、さらに正面のテラスから入場することもできないようです。



参道からそれると聖池があり、綺麗に逆さアンコールワットが写るので、
人気の撮影スポットとなっています。

実際には、写真写りをよくするために、この聖池にはホースから水を汲んできているようで、
対になっている反対側の聖池には水がまったくありませんでした。



他の寺院と比べても、かっこいいと思えるのは5つの大きな塔。
たけのこのような、ミサイルのような、独特の形。
中央祠堂の塔の高さは65mにもなり、
ヴィシュヌ神が降臨する世界の中心山、メール山を模した場所とされています。



アンコールワットは三層構造になっています。
外側の第1回廊の壁には、美しいレリーフが彫られていて、
アンコールワットの大きな見所のひとつとなっています。
正面(西)の左側から入場していきます。



第1回廊のレリーフは一周描かれていて、絵巻のようになっています。
半時計周りでみるように決められています。

<西面北側>
古代インドの叙事詩ラーマーヤナ。
ラーマ王子と悪魔ラーヴァナの戦い。



ラーマ王子の援軍としてハヌマーン将軍率いるサル軍が、
刀を持っているラーヴァナ軍の兵士に襲い掛かっています。



弓を射る兵士がラーマ王子。担いでいるのはサル軍のハヌマーン将軍。

ラーマ王子の後ろに、ラクシュマナ(右)とヴィビーシャナ(左)。



10の頭と20の腕を持つ魔王ラーヴァナ。



黒く照り光った場所があったり、朱色が塗られた場所があったり。
デバターやほかの彫刻と比べると、平面的で立体感に欠けますが、
大きな壁一面に描かれたレリーフの壮大な物語には圧巻されます。



猿王スグリーヴァとクンバカルナの子クンバとの戦い。

猿や悪魔など入り乱れての戦いが見事に描かれています。



<西面南側>
ヒンドゥー教の大叙事詩マハーバーラタ
パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の間に起った同族間戦争



左から進軍するカウラヴァ軍。



右から進むパーンダヴァ軍。



南西角の柱のレリーフに施された彫刻。

西面を見終えました。
これでまだ4分の1です。